次のリストに示すように、サンプルのRTR ファイルはコメントから始まり、そのあとに、HA-DNS 構成を定義するリソースタイププロパティーが続きます。
リソースグループ、リソース、およびリソースタイプのプロパティー名は大文字と小文字が区別されません。プロパティー名を指定する際には、大文字と小文字を任意に組み合わせることができます。
# # Copyright (c) 1998-2006 by Sun Microsystems, Inc. # All rights reserved. # # Registration information for Domain Name Service (DNS) # #pragma ident “@(#)SUNW.sample 1.1 00/05/24 SMI” Resource_type = “sample”; Vendor_id = SUNW; RT_description = “Domain Name Service on Sun Cluster”; RT_version =”1.0”; API_version = 2; Failover = TRUE; RT_basedir=/opt/SUNWsample/bin; Pkglist = SUNWsample; Start = dns_svc_start; Stop = dns_svc_stop; Validate = dns_validate; Update = dns_update; Monitor_start = dns_monitor_start; Monitor_stop = dns_monitor_stop; Monitor_check = dns_monitor_check;
RTR ファイルの最初のエントリには、Resource_type プロパティーを宣言する必要があります。最初のエントリで宣言されていない場合は、リソースタイプの登録に失敗します。
次に、これらのプロパティーについての情報を説明します。
リソースタイプ名は、Resource_type プロパティーだけで指定できます (例: sample)。あるいは、接頭辞 vendor-id + ピリオド (.) + リソースタイププロパティー (例: SUNW.sample) という形式でも指定できます。
vendor-id を指定する場合、リソースタイプを定義する企業の略号を使用します。リソースタイプ名はクラスタ内で一意である必要があります。
RT_version プロパティーは、ベンダーによって指定されたサンプルのデータサービスのバージョンを識別します。
API_version プロパティーは Sun Cluster のバージョンを識別します。たとえば、API_version = 2 は、データサービスが Sun Cluster 3.0 以降の任意のバージョンの Sun Cluster で動作できることを示します。API_version = 7 は、データサービスを Sun Cluster 3.2 以降の任意のバージョンの Sun Cluster にインストールできることを示します。ただし、API_version = 7 は、Sun Cluster 3.2 よりも前にリリースされたバージョンの Sun Cluster にはデータサービスをインストールできないことも示します。このプロパティーについては、「資源タイプのプロパティー」の API_version の項目で詳しく説明しています。
Failover = TRUE は、複数のノード上で同時にオンラインにできるリソースグループでは、データサービスが動作できないことを示します。
RT_basedir は相対パス (コールバックメソッドのパスなど) を補完するためのディレクトリパスで、/opt/SUNWsample/bin を指します。
Start、Stop、Validate は、RGM によって実行される個々のコールバックメソッドプログラムへのパスを提供します。これらのパスは、RT_basedir で指定されたディレクトリからの相対パスです。
Pkglist は、SUNWsample をサンプルのデータサービスのインストールを含むパッケージとして識別します。
この RTR ファイルに指定されていないリソースタイププロパティー (Single_instance、Init_nodes、Installed_nodes など) は、デフォルト値に設定されます。リソースタイププロパティーの完全なリストとそのデフォルト値については、「資源タイプのプロパティー」を参照してください。
クラスタ管理者は、RTR ファイルのリソースタイププロパティーの値を変更できません。