Sun Cluster データサービス開発ガイド (Solaris OS 版)

データサービス作成用開発環境の設定

データサービスの開発を始める前に、Sun Cluster 開発パッケージ (SUNWscdev) をインストールして、Sun Cluster のヘッダーファイルやライブラリファイルにアクセスできるようにする必要があります。このパッケージがすでにすべてのクラスタノード上にインストールされている場合でも、通常はクラスタノード上ではなく、クラスタ外の別の開発マシンでデータサービスを開発します。このような場合、pkgadd コマンドを使って、開発マシンに SUNWscdev パッケージをインストールする必要があります。


注 –

開発マシンでは、必ず Solaris 9 OS または Solaris 10 OS の Developer Distribution または Entire Distribution ソフトウェアグループを使用してください。


コードをコンパイルおよびリンクするとき、ヘッダーファイルとライブラリファイルを識別するオプションを設定する必要があります。


注 –

互換モードでコンパイルされた C++ コードと標準モードでコンパイルされた C++ コードを Solaris オペレーティングシステム製品や Sun Cluster 製品で併用することはできません。

したがって、Sun Cluster で使用する C++ ベースのデータサービスを作成する場合は、そのデータサービスを次のようにコンパイルする必要があります。


クラスタノード以外で開発が終了すると、完成したデータサービスをクラスタに転送して、検証を行うことができます。

この節の手順では、次の作業を完了する方法を説明します。

Procedure開発環境の設定方法

SUNWscdev パッケージをインストールして、コンパイラオプションとリンカーオプションをデータサービス開発用に設定する方法について説明します。

  1. スーパーユーザーになるか、RBAC 承認 solaris.cluster.modify を提供する役割になります。

  2. 使用する CD-ROM ディレクトリにディレクトリを変更します。


    # cd cd-rom-directory
    
  3. SUNWscdev パッケージを現在のディレクトリにインストールします。


    # pkgadd -d . SUNWscdev
    
  4. makefile に、データサービスのコードが使用する include ファイルとライブラリファイルを示すコンパイラオプションとリンカーオプションを指定します。

    -I オプションは Sun Cluster のヘッダーファイルを指定し、-L オプションは、開発システム上にあるコンパイル時ライブラリの検索パスを指定し、-R オプションはクラスタの実行時リンカーのライブラリの検索パスを指定します。

    # Makefile for sample data service
    ...
    
    -I /usr/cluster/include
    
    -L /usr/cluster/lib
    
    -R /usr/cluster/lib
    ...

データサービスをクラスタに転送する方法

開発マシン上でデータサービスが完成した場合、データサービスをクラスタに転送して検証する必要があります。転送中のエラーの可能性を減らすため、データサービスのコードと RTR ファイルをパッケージに結合します。そして、サービスを実行する Solaris ホストにそのパッケージをインストールします。


注 –

Agent Builder は、このパッケージを自動的に作成します。