このセクションでは、次に示すグローバルクラスタノード上でのグローバル以外のゾーンの作成手順について説明します。
グローバルクラスタに作成する非大域ゾーンごとに、この手順を実行してください。
ゾーンのインストールの詳細は、『Solaris のシステム管理 (Solaris コンテナ : 資源管理と Solaris ゾーン)』を参照してください。
ノードがクラスタモードまたは非クラスタモードで起動される間に、クラスタノードに Solaris 10 非大域ゾーン (以下単に「ゾーン」と呼ぶ) を設定することができます。
ノードが非クラスタモードで起動される間にゾーンを作成する場合、クラスタソフトウェアは、ノードがクラスタに参加するときにゾーンを検出します。
ノードがクラスタモードで起動される間にゾーンを作成または削除する場合、クラスタソフトウェアはリソースグループのマスターとなるゾーンのリストを動的に変更します。
次の作業を実行します。
非大域ゾーンの設定を計画します。「グローバルクラスタ内の非大域ゾーンのガイドライン」で説明されている要件と制限事項を遵守してください。
次の情報を用意します。
作成する非大域ゾーンの合計数。
各ゾーンで使用する公開アダプタおよび公開 IP アドレス。
各ゾーンのゾーンパス。このパスは、クラスタファイルシステムや高可用性ローカルファイルシステムではなく、ローカルファイルシステムでなければなりません。
各ゾーンに表示される 1 つ以上のデバイス。
(必要な場合) 各ゾーンに割り当てる名前。
ゾーンにプライベート IP アドレスを割り当てる場合、クラスタ IP アドレスの範囲が設定する追加のプライベート IP アドレスをサポートしていることを確認してください。cluster show-netprops コマンドを使用して、現在のプライベートネットワーク構成を表示します。
現在の IP アドレス範囲が設定する追加のプライベート IP アドレスをサポートするのに十分でない場合は、「ノードまたはプライベートネットワークを追加するときにプライベートネットワーク構成を変更する」の手順に従って、プライベート IP アドレスの範囲を再設定します。
詳細については、『Solaris のシステム管理 (Solaris コンテナ : 資源管理と Solaris ゾーン)』の「ゾーンの構成要素」を参照してください。
非投票ノードを作成するグローバルクラスタノードでスーパーユーザーになります。
大域ゾーンで作業してください。
Solaris 10 OS の場合、各ノードでサービス管理機能 (Service Management Facility、SMF) 用のマルチユーザーサービスがオンラインであることを確認します。
ノードのサービスがまだオンラインでない場合は、次のステップに進む前に状態がオンラインに変わるまで待ちます。
phys-schost# svcs multi-user-server node STATE STIME FMRI online 17:52:55 svc:/milestone/multi-user-server:default |
新しいゾーンを構成、インストール、および起動します。
グローバルクラスタの非投票ノードでリソースグループ機能をサポートするには、autoboot プロパティーを true に設定にします。
Solaris のマニュアルの手順に従ってください。
ゾーンが ready 状態であることを確認します。
phys-schost# zoneadm list -v ID NAME STATUS PATH 0 global running / 1 my-zone ready /zone-path |
ip-type プロパティーが exclusive に設定されている完全ルートゾーンの場合: ゾーンで論理ホスト名リソースをホストする可能性がある場合は、大域ゾーンからメソッドディレクトリをマウントするファイルシステムリソースを構成します。
phys-schost# zonecfg -z sczone zonecfg:sczone> add fs zonecfg:sczone:fs> set dir=/usr/cluster/lib/rgm zonecfg:sczone:fs> set special=/usr/cluster/lib/rgm zonecfg:sczone:fs> set type=lofs zonecfg:sczone:fs> end zonecfg:sczone> exit |
(省略可能) 共有 IP ゾーンでは、プライベート IP アドレスとプライベートホスト名をゾーンに割り当てます。
次のコマンドは、クラスタのプライベート IP アドレスの範囲から、使用可能な IP アドレスを選択し、割り当てます。またこのコマンドは、指定されたプライベートホスト名、またはホスト別名をゾーンに割り当て、割り当てられたプライベート IP アドレスにそれをマッピングします。
phys-schost# clnode set -p zprivatehostname=hostalias node:zone |
プロパティーを指定します。
ゾーンプライベートホスト名、またはホスト別名を指定します。
ノードの名前。
グローバルクラスタの非投票ノードの名前。
初期内部ゾーン構成を実行します。
『Solaris のシステム管理 (Solaris コンテナ : 資源管理と Solaris ゾーン)』の「初期内部ゾーン構成を実行する」の手順に従います。次のどちらかの方法を選択します。
ゾーンにログインします。
/etc/sysidcfg ファイルを使用します。
非投票ノードで、nsswitch.conf ファイルを変更します。
これらの変更により、クラスタ固有のホスト名と IP アドレスの検索をゾーンが解決できるようになります。
ゾーンにログインします。
phys-schost# zlogin -c zonename |
編集するため /etc/nsswitch.conf ファイルを開きます。
sczone# vi /etc/nsswitch.conf |
hosts エントリと netmasks エントリのルックアップの先頭に、cluster スイッチを追加し、その後に files スイッチを追加します。
変更されたエントリは次のようになるはずです。
… hosts: cluster files nis [NOTFOUND=return] … netmasks: cluster files nis [NOTFOUND=return] … |
ほかのすべてのエントリでは、files スイッチが、エントリに一覧表示される最初のスイッチになるようにする必要があります。
ゾーンを終了します。
排他的 IP ゾーンを作成した場合は、そのゾーン上の /etc/hostname.interface ファイルごとに IPMP グループを構成します。
ゾーン内のデータサービストラフィックに使用されているパブリックネットワークアダプタごとに、IPMP グループを設定します。この情報は、大域ゾーンから継承されません。クラスタでの IPMP グループの設定については、「パブリックネットワーク」を参照してください。
ゾーンにより使用されるすべての論理ホスト名リソースの名前とアドレスのマッピングを設定します。
非大域ゾーンにアプリケーションをインストールするには、スタンドアロンシステムの場合と同じ手順を実行します。非大域ゾーンにソフトウェアをインストールする手順については、アプリケーションのインストールマニュアルを参照してください。また、『Solaris のシステム管理 (Solaris コンテナ : 資源管理と Solaris ゾーン)』の「ゾーンがインストールされている Solaris システムでのパッケージとパッチの追加および削除 (作業マップ)」も参照してください。
非大域ゾーンにデータサービスをインストールして設定する場合は、個々のデータサービスの Sun Cluster マニュアルを参照してください。
この手順を使用してクラスタファイルシステムをクラスタノード上で構成される native ブランドグローバル以外のゾーンで使用できるようにします。
グローバル以外のゾーンの native ブランドのみでこの手順を使用します。 solaris8 ブランドまたはゾーンクラスタで使用される クラスタ ブランドといった他のグローバル以外のゾーンのブランドでこの作業を実行できません。
グローバルクラスタの 1 つのノード上で、スーパーユーザーになるか、 solaris.cluster.modify RBAC 承認を提供するロールを想定します。
native ブランドグローバル以外のゾーンのノードリストを使用して、リソースグループを作成します。
次のコマンドを使用して、ファイルオーバーリソースグループを作成します。
phys-schost# clresourcegroup create -n node:zone[,…] resource-group |
リソースグループノードリストにグローバル以外のゾーンの名前を指定します。
作成するリソースグループの名前。
次のコマンドを使用してスケーラブルなリソースグループを作成します。
phys-schost# clresourcegroup create -S -n node:zone[,…] resource-group |
リソースグループがスケーラブルであることを指定します。
HAStoragePlus リソースタイプを登録します。
phys-schost# clresourcetype register SUNW.HAStoragePlus |
ノードリストのグローバル以外のゾーンがある各グローバルクラスタノード上で、クラスタファイルシステムエントリを /etc/vfstab ファイルに追加します。
クラスタファイルシステムの /etc/vfstab ファイルのエントリにマウントオプションの グローバル キーワードを含める必要があります。.
詳細については、『Sun Cluster Data Services Planning and Administration Guide for Solaris OS』の「Sample Entries in /etc/vfstab for Cluster File Systems」 を参照してください。
HAStoragePlus リソースを作成し、ファイルシステムマウントポイントを定義します。
phys-schost# clresource create -g resource-group -t SUNW.HAStoragePlus \ -p FileSystemMountPoints="mount-point-list" hasp-resource |
新しいリソースが追加されるリソースグループの名前を指定します。
リソースに 1 つ以上のファイルシステムマウントポイントを指定します。
作成する HAStoragePlus リソース名
リソースは有効状態で作成されます。
resource-group にリソースを追加し、hasp-resource上にリソースの依存関係を設定します。.
リソースグループに追加するリソースが複数ある場合、リソースごとに別のコマンドを使用してください。
phys-schost# clresource create -g resource-group -t resource-type \ -p Network_resources_used=hasp-resource resource |
リソースを作成するリソースの種類を指定します。
リソースが HAStoragePlus リソース、 hasp-resourceに対して依存関係を持つことを指定します。.
作成するリソース名。
オンラインにし、HAStoragePlus リソースを含めるリソースグループを管理状態にします。.
phys-schost# clresourcegroup online -M resource-group |
リソースグループが管理されていることを指定します。
次の例では、HA-Apache データサービスを管理するフェイルオーバーリソースグループ cfs-rg を作成します。リソースグループノードリストには、2 つのグローバル以外のゾーン、phys-schost-1 上の sczone1 および phys-schost-2 上の sczone1 が含まれます。 リソースグループには、HAStoragePlus リソース、hasp-rsおよび data-service リソース、apache-rsが含まれます。 ファイルシステムマウントポイントは、/global/local-fs/apacheです。
phys-schost-1# clresourcegroup create -n phys-schost-1:sczone1,phys-schost-2:sczone1 cfs-rg phys-schost-1# clresourcetype register SUNW.HAStoragePlus Add the cluster file system entry to the /etc/vfstab file on phys-schost-1 phys-schost-1# vi /etc/vfstab #device device mount FS fsck mount mount #to mount to fsck point type pass at boot options # /dev/md/kappa-1/dsk/d0 /dev/md/kappa-1/rdsk/d0 /global/local-fs/apache ufs 5 yes logging,global Add the cluster file system entry to the /etc/vfstab file on phys-schost-2 phys-schost-2# vi /etc/vfstab … phys-schost-1# clresource create -g cfs-rg -t SUNW.HAStoragePlus \ -p FileSystemMountPoints="/global/local-fs/apache" hasp-rs phys-schost-1# clresource create -g cfs-rg -t SUNW.apache \ -p Network_resources_used=hasp-rs apache-rs phys-schost-1# clresourcegroup online -M cfs-rg |
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