SPARC ハイパーバイザ対応の物理的にクラスタ化されたマシン上で、Sun Logical Domains (LDoms) I/O ドメインまたはゲストドメインを作成する場合、次の点に注意してください。
SCSI LUN の必要条件 - Sun LDoms ゲストドメインの仮想共有ストレージデバイス、または仮想ディスクバックエンドは、I/O ドメイン内の完全な SCSI LUN である必要があります。任意の仮想デバイスは使用できません。
フェンシング - デバイスのフェンシングも無効にしない限り、同じ物理マシン上の複数のゲストドメインにストレージ LUN をエクスポートしないでください。そうしないと、あるデバイスから同じマシン上の 2 つのゲストドメインの両方が見える状態にある場合に、ゲストドメインの 1 つに障害が発生すると、そのデバイスがフェンシングされます。デバイスがフェンシングされると、そのあとでデバイスへのアクセスを試みるほかのゲストドメインでパニックが発生する可能性があります。
ネットワークの分離 - 同じ物理マシン上にあるが、異なるクラスタに構成されているゲストドメインは、互いに別のネットワークにある必要があります。次のいずれかの方法を使用します。
プライベートネットワークの I/O ドメイン内で異なるネットワークインタフェースを使用するように、クラスタを構成する。
クラスタごとに異なるネットワークアドレスを使用する。
ゲストドメイン内のネットワーク - ゲストドメイン間で送受信するネットワークパケットは、仮想スイッチを介してネットワークドライバに到達するためにサービスドメインをトラバースします。仮想スイッチでは、システムの優先順位に従って実行されるカーネルスレッドを使用します。仮想スイッチスレッドは、ハートビート、メンバーシップ、チェックポイントなど、重要なクラスタ操作を実行するために必要な CPU リソースを取得します。mode=sc 設定で仮想スイッチを構成すると、クラスタのハートビートパケットを迅速に処理できます。ただし、次のワークロードの下では CPU リソースをサービスドメインに追加して、重要なほかのクラスタ操作の信頼性を向上させることができます。
ネットワークまたはディスク I/O が原因で生じる高い割り込み負荷。過度の負荷の下では、仮想スイッチにより仮想スイッチスレッドなどのシステムスレッドが長時間実行されることがないようにできます。
CPU リソースを保持することに過度に積極的なリアルタイムスレッド。リアルタイムスレッドは、仮想スイッチスレッドよりも高い優先順位で実行されるため、長時間仮想スイッチスレッドを使用する場合の CPU リソースを制限できます。
非共有ストレージ - Solaris 10 OS 上では、 LDoms ゲストドメイン OS イメージといった非共有ストレージの場合、任意の種類の仮想デバイスを使用できます。 I/O ドメインにファイルやボリュームを実装すれば、そうした仮想デバイスを強化できます。. ただし、同じクラスタの別のゲストドメインにマッピングする目的で、ファイルまたは複製ボリュームを I/O ドメインにコピーしないでください 。. 作成される仮想デバイスの別のゲストドメインに同じデバイスが確認されるため、そのようなコピーまたは複製は問題を発生させる場合があります。 I/O ドメインには常に新しいファイルまたはデバイスを作成してください。一意のデバイスを割り当てて、その新しいファイルまたはデバイスを別のゲストドメインにマッピングしてください。
I/O ドメインからのストレージのエクスポート - Sun Logical Domains I/O ドメインで構成されるクラスタを構成する場合、Sun Cluster ソフトウェアを実行しているほかのゲストドメインにストレージデバイスをエクスポートしないでください。
Solaris I/O マルチパス – ゲストドメインから Solaris I/O マルチパスソフトウェア (MPxIO) を実行しないでください。その代わりに、I/O ドメインで Solaris I/O マルチパスソフトウェアを実行し、その結果をゲストドメインにエクスポートしてください。
プライベートインターコネクトの IP アドレスの範囲 - プライベートネットワークは、同じ物理マシン上で作成されたすべてのゲストドメインで共有され、これらのすべてのドメインに表示されます。ゲストドメインクラスタで使用するための scinstall ユーティリティーに対してプライベートネットワークの IP アドレスの範囲を指定する前に、同じ物理マシン上の別のゲストドメインがそのアドレスの範囲を使用していないことを必ず確認してください。
Sun Logical Domains の詳細は、『Logical Domains (LDoms) 1.0.3 Administration Guide』を参照してください。