Sun Cluster のシステム管理 (Solaris OS 版)

EMC Symmetrix Remote Data Facility で複製したデバイスの管理

次の表に、EMC Symmetrix Remote Data Facility (SRDF) ストレージベースの複製されたデバイスを設定および管理するために実行する作業を示します。

表 5–3 作業マップ: EMC SRDF ストレージベースの複製されたデバイスの管理

作業 

参照先 

ストレージデバイスとノードに SRDF ソフトウェアをインストールする 

EMC ストレージデバイスに付属するマニュアル。 

EMC 複製グループを構成する 

「EMC SRDF 複製グループを構成する」

DID デバイスを構成する  

「EMC SRDF を使用して DID デバイスを複製用に構成する」

複製されたグループを登録する 

「デバイスグループを追加および登録する (Solaris ボリュームマネージャー)」または「ディスクグループをデバイスグループとして登録する (VERITAS Volume Manager)」

構成を確認する  

「EMC SRDF で複製されたグローバルデバイスグループ構成を確認する」

キャンパスクラスタの主ルームが完全に失敗したあとに手動でデータを復元する 

「主ルームの完全な失敗後に EMC SRDF データを復元する」

ProcedureEMC SRDF 複製グループを構成する

始める前に

EMC Symmetrix Remote Data Facility (SRDF) 複製グループを構成する前に、すべてのクラスタノードに EMC Solutions Enabler ソフトウェアをインストールしてください。まず、主クラスタの共有ディスクに EMC SRDF デバイスグループを構成します。EMC SRDF デバイスグループを構成する方法についての詳細は、EMC SRDF 製品のマニュアルを参照してください。

EMC SRDF を使用するときは、静的デバイスではなく、動的デバイスを使用します。静的デバイスでは主複製を変更するのに数分かかり、フェイルオーバー時間に影響を与えることがあります。


注意 – 注意 –

作成する Sun Cluster デバイスグループ (Solaris Volume Manager、Veritas Volume Manager、または raw ディスク) の名前は、複製されたデバイスグループと同じ名前にしてください。


  1. ストレージアレイに接続されたすべてのノードで、スーパーユーザーになるか、RBAC の承認 solaris.cluster.modify を提供する役割になります。

  2. 複製データで構成された各ノードで、シンメトリックスデバイス構成を検出します。

    この処理には数分かかることがあります。


    # /usr/symcli/bin/symcfg discover
    
  3. まだ複製のペアを作成していない場合は、この時点で作成します。

    複製のペアを作成するには、symrdf コマンドを使用します。複製のペアの作成方法の手順については、SRDF のマニュアルを参照してください。

  4. 複製されたデバイスによって構成された各ノードで、データの複製が正しく設定されていることを確認します。


    # /usr/symcli/bin/symdg show group-name
    
  5. デバイスグループのスワップを実行します。

    1. 主複製と二次複製が同期していることを確認します。


      # /usr/symcli/bin/symrdf -g group-name verify -synchronized
      
    2. どのノードに主複製が含まれ、どのノードに二次複製が含まれているかを判別するには、symdg show コマンドを使用します。


      # /usr/symcli/bin/symdg show group-name
      

      RDF1 デバイスのノードには主複製が含まれ、RDF2 デバイス状態のノードには二次複製が含まれます。

    3. 二次複製を有効にします。


      # /usr/symcli/bin/symrdf -g group-name failover
      
    4. RDF1 デバイスと RDF2 デバイスをスワップします。


      # /usr/symcli/bin/symrdf -g group-name swap -refresh R1
      
    5. 複製ペアを有効にします。


      # /usr/symcli/bin/symrdf -g group-name establish
      
    6. 主ノードと二次複製が同期していることを確認します。


      # /usr/symcli/bin/symrdf -g group-name verify -synchronized
      
  6. もともと主複製があったノードで上記 5 つの手順をすべて繰り返します。

次の手順

EMC SRDF で複製されたデバイス用にデバイスグループを構成したあと、複製されたデバイスが使用するデバイス識別子 (DID) ドライバを構成します。

ProcedureEMC SRDF を使用して DID デバイスを複製用に構成する

この手順では、複製されたデバイスが使用するデバイス識別名 (DID) ドライバを構成します。

始める前に

phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。

この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短縮形については、付録 B Sun Cluster オブジェクト指向コマンドを参照してください。

  1. クラスタの任意のノードで、スーパーユーザーになるか、RBAC の承認 solaris.cluster.modify を提供する役割になります。

  2. RDF1 デバイスおよび RDF2 デバイスに対応する DID デバイスを判別します。


    # /usr/symcli/bin/symdg show group-name
    

    注 –

    システムに Solaris デバイスのパッチ全体が表示されない場合は、環境変数 SYMCLI_FULL_PDEVNAME を 1 に設定して、symdg -show コマンドをもう一度入力します。


  3. Solaris デバイスに対応する DID デバイスを判別します。


    # cldevice list -v
    
  4. 一致した DID デバイスのペアごとに、インスタンスを 1 つの複製された DID デバイスにまとめます。RDF2 (二次側) から次のコマンドを実行します。


    # cldevice combine -t srdf -g replication-device-group \
     -d destination-instance source-instance
    

    注 –

    SRDF データ複製デバイスでは、-T オプションはサポートされていません。


    -t replication-type

    複製タイプを指定します。EMC SRDF の場合、SRDF を入力します。

    -g replication-device-group

    symdg show コマンドで表示されるデバイスグループの名前を指定します。

    -d destination-instance

    RDF1 デバイスに対応する DID インスタンスを指定します。

    source-instance

    RDF2 デバイスに対応する DID インスタンスを指定します。


    注 –

    誤った DID デバイスを結合した場合は、scdidadm コマンドで -b オプションを使用して、2 つの DID デバイスの結合を取り消します。


    # scdidadm -b device 
    
    -b device

    インスタンスを結合したときに destination_device に対応していた DID インスタンス。


  5. 複製デバイスグループの名前が変更された場合は、Hitachi TrueCopy および SRDF に関する追加の手順が必要です。手順 1 - 4 が完了したら、該当する追加手順を実行します。

    項目 

    説明 

    TrueCopy 

    複製デバイスグループと、対応するグローバルデバイスグループの名前が変更された場合は、cldevice replicate コマンドを再実行して、複製されたデバイス情報を更新してください。

    SRDF 

    複製デバイスグループと、対応するグローバルデバイスグループの名前が変更された場合は、複製されたデバイス情報を更新してください。それには、まず、scdidadm -b コマンドを使用して既存の情報を削除します。最後に、cldevice combine コマンドを使用して、更新された新しいデバイスを作成します。

  6. DID インスタンスが結合されていることを確認します。


    # cldevice list -v device
    
  7. SRDF 複製が設定されていることを確認します。


    # cldevice show device
    
  8. すべてのノード上で、すべての結合された DID インスタンスの DID デバイスがアクセス可能であることを確認します。


    # cldevice list -v
    
次の手順

複製されたデバイスが使用するデバイス識別名 (DID) を構成したら、EMC SRDF で複製されたグローバルデバイスグループ構成を必ず確認してください。

ProcedureEMC SRDF で複製されたグローバルデバイスグループ構成を確認する

始める前に

グローバルデバイスグループを確認する前に、まずそれを作成します。Solaris Volume Manager、Veritas Volume Manager、ZFS、または raw ディスクからデバイスグループを使用することができます。詳細は、次を参照してください。


注意 – 注意 –

作成する Sun Cluster デバイスグループ (Solaris Volume Manager、Veritas Volume Manager、または raw ディスク) の名前は、複製されたデバイスグループと同じ名前にしてください。


phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。

この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短縮形については、付録 B Sun Cluster オブジェクト指向コマンドを参照してください。

  1. 主デバイスグループが、主複製が含まれるノードと同じノードに対応することを確認します。


    # symdg -show group-name
    # cldevicegroup status -n nodename group-name
    
  2. 試験的にスイッチオーバーを実行して、デバイスグループが正しく構成され、複製がノード間を移動できることを確認します。

    デバイスグループがオフラインのときは、オンラインにします。


    # cldevicegroup switch -n nodename group-name
    
    -n nodename

    デバイスグループの切り替え先のノード。このノードが新しい主ノードになります。

  3. 次のコマンドの出力を比較することにより、スイッチオーバーが成功したことを確認します。


    # symdg -show group-name
    # cldevicegroup status -n nodename group-name
    

例: Sun Cluster 向けの SRDF 複製グループの構成

この例では、クラスタの SRDF 複製を設定するのに必要な Sun Cluster 固有の手順を完了します。この例では、すでに次の作業が完了していることが前提となっています。

この例には 4 ノードクラスタが含まれ、そのうちの 2 ノードは 1 つのシンメトリックスに接続され、ほかの 2 ノードはもう 1 つのシンメトリックスに接続されています。SRDF デバイスグループは、dg1 と呼ばれます。


例 5–15 複製ペアの作成

すべてのノードで次のコマンドを実行します。


# symcfg discover
! This operation might take up to a few minutes.
# symdev list pd

Symmetrix ID: 000187990182

        Device Name          Directors                   Device                
--------------------------- ------------ --------------------------------------
                                                                           Cap 
Sym  Physical               SA :P DA :IT  Config        Attribute    Sts   (MB)
--------------------------- ------------- -------------------------------------

0067 c5t600604800001879901* 16D:0 02A:C1  RDF2+Mir      N/Grp'd      RW    4315
0068 c5t600604800001879901* 16D:0 16B:C0  RDF1+Mir      N/Grp'd      RW    4315
0069 c5t600604800001879901* 16D:0 01A:C0  RDF1+Mir      N/Grp'd      RW    4315
...

RDF1 側のすべてのノードで、次のように入力します。


# symdg -type RDF1 create dg1
# symld -g dg1 add dev 0067

RDF2 側のすべてのノードで、次のように入力します。


# symdg -type RDF2 create dg1
# symld -g dg1 add dev 0067


例 5–16 データ複製設定の確認

クラスタ内の 1 つのノードから、次のように入力します。


# symdg show dg1

Group Name:  dg1

    Group Type                                   : RDF1     (RDFA)
    Device Group in GNS                          : No
    Valid                                        : Yes
    Symmetrix ID                                 : 000187900023
    Group Creation Time                          : Thu Sep 13 13:21:15 2007
    Vendor ID                                    : EMC Corp
    Application ID                               : SYMCLI

    Number of STD Devices in Group               :    1
    Number of Associated GK's                    :    0
    Number of Locally-associated BCV's           :    0
    Number of Locally-associated VDEV's          :    0
    Number of Remotely-associated BCV's (STD RDF):    0
    Number of Remotely-associated BCV's (BCV RDF):    0
    Number of Remotely-assoc'd RBCV's (RBCV RDF) :    0

    Standard (STD) Devices (1):
        {
        --------------------------------------------------------------------
                                                      Sym               Cap 
        LdevName              PdevName                Dev  Att. Sts     (MB)
        --------------------------------------------------------------------
        DEV001                /dev/rdsk/c5t6006048000018790002353594D303637d0s2 0067      RW      4315
        }

    Device Group RDF Information
...
# symrdf -g dg1 establish

Execute an RDF 'Incremental Establish' operation for device
group 'dg1' (y/[n]) ? y

An RDF 'Incremental Establish' operation execution is
in progress for device group 'dg1'. Please wait...

    Write Disable device(s) on RA at target (R2)..............Done.
    Suspend RDF link(s).......................................Done.
    Mark target (R2) devices to refresh from source (R1)......Started.
    Device: 0067 ............................................ Marked.
    Mark target (R2) devices to refresh from source (R1)......Done.
    Merge device track tables between source and target.......Started.
    Device: 0067 ............................................ Merged.
    Merge device track tables between source and target.......Done.
    Resume RDF link(s)........................................Started.
    Resume RDF link(s)........................................Done.

The RDF 'Incremental Establish' operation successfully initiated for
device group 'dg1'.

#  
# symrdf -g dg1 query  


Device Group (DG) Name             : dg1
DG's Type                          : RDF2
DG's Symmetrix ID                  : 000187990182


       Target (R2) View                 Source (R1) View     MODES           
--------------------------------    ------------------------ ----- ------------
             ST                  LI      ST                                    
Standard      A                   N       A                                   
Logical       T  R1 Inv   R2 Inv  K       T  R1 Inv   R2 Inv       RDF Pair    
Device  Dev   E  Tracks   Tracks  S Dev   E  Tracks   Tracks MDA   STATE       
-------------------------------- -- ------------------------ ----- ------------

DEV001  0067 WD       0        0 RW 0067 RW       0        0 S..   Synchronized

Total          -------- --------           -------- --------
  MB(s)             0.0      0.0                0.0      0.0

Legend for MODES:

 M(ode of Operation): A = Async, S = Sync, E = Semi-sync, C = Adaptive Copy
 D(omino)           : X = Enabled, . = Disabled
 A(daptive Copy)    : D = Disk Mode, W = WP Mode, . = ACp off

# 


例 5–17 使用されているディスクに対応する DID の表示

RDF1 側と RDF2 側で同じ手順を実行します。

dymdg show dg コマンドの出力の PdevName フィールドの下 に DID を表示できます。

RDF1 側で次のように入力します。


# symdg show dg1

Group Name:  dg1

    Group Type                                   : RDF1     (RDFA)
...
    Standard (STD) Devices (1):
        {
        --------------------------------------------------------------------
                                                      Sym               Cap 
        LdevName              PdevName                Dev  Att. Sts     (MB)
        --------------------------------------------------------------------
        DEV001                /dev/rdsk/c5t6006048000018790002353594D303637d0s2 0067      RW      4315
        }

    Device Group RDF Information
...

対応する DID を取得するには、次のように入力します。


# scdidadm -L | grep c5t6006048000018790002353594D303637d0
217      pmoney1:/dev/rdsk/c5t6006048000018790002353594D303637d0 /dev/did/rdsk/d217   
217      pmoney2:/dev/rdsk/c5t6006048000018790002353594D303637d0 /dev/did/rdsk/d217 
#

対応する DID の一覧を表示するには、次のように入力します。


# cldevice show d217

=== DID Device Instances ===                   

DID Device Name:                                /dev/did/rdsk/d217
  Full Device Path:                                pmoney2:/dev/rdsk/c5t6006048000018790002353594D303637d0
  Full Device Path:                                pmoney1:/dev/rdsk/c5t6006048000018790002353594D303637d0
  Replication:                                     none
  default_fencing:                                 global

# 

RDF2 側で次のように入力します。

dymdg show dg コマンドの出力の PdevName フィールドの下 に DID を表示できます。


# symdg show dg1

Group Name:  dg1

    Group Type                                   : RDF2     (RDFA)
...
    Standard (STD) Devices (1):
        {
        --------------------------------------------------------------------
                                                      Sym               Cap 
        LdevName              PdevName                Dev  Att. Sts     (MB)
        --------------------------------------------------------------------
        DEV001                /dev/rdsk/c5t6006048000018799018253594D303637d0s2 0067      WD      4315
        }

    Device Group RDF Information
...

対応する DID を取得するには、次のように入力します。


# scdidadm -L | grep c5t6006048000018799018253594D303637d0
108      pmoney4:/dev/rdsk/c5t6006048000018799018253594D303637d0 /dev/did/rdsk/d108   
108      pmoney3:/dev/rdsk/c5t6006048000018799018253594D303637d0 /dev/did/rdsk/d108   
# 

対応する DID の一覧を表示するには、次のように入力します。


# cldevice show d108

=== DID Device Instances ===                   

DID Device Name:            /dev/did/rdsk/d108
  Full Device Path:               pmoney3:/dev/rdsk/c5t6006048000018799018253594D303637d0
  Full Device Path:               pmoney4:/dev/rdsk/c5t6006048000018799018253594D303637d0
  Replication:                    none
  default_fencing:                global

# 


例 5–18 DID インスタンスの結合

RDF2 側から次のように入力します。


# cldevice combine -t srdf -g dg1 -d d217 d108
# 


例 5–19 結合された DID の表示

クラスタ内の任意のノードから、次のように入力します。


# cldevice show d217 d108
cldevice:  (C727402) Could not locate instance "108".

=== DID Device Instances ===                   

DID Device Name:                                /dev/did/rdsk/d217
  Full Device Path:                                pmoney1:/dev/rdsk/c5t6006048000018790002353594D303637d0
  Full Device Path:                                pmoney2:/dev/rdsk/c5t6006048000018790002353594D303637d0
  Full Device Path:                                pmoney4:/dev/rdsk/c5t6006048000018799018253594D303637d0
  Full Device Path:                                pmoney3:/dev/rdsk/c5t6006048000018799018253594D303637d0
  Replication:                                     srdf
  default_fencing:                                 global

# 

Procedure主ルームの完全な失敗後に EMC SRDF データを復元する

この手順は、キャンパスクラスタの主ルームが完全に失敗し、主ルームが二次ルームにフェイルオーバーして、主ルームがオンラインに戻ったとき、データ復元を実行します。キャンパスクラスタの主ルームは、主ノードとストレージサイトです。ルームの完全な失敗には、そのルームのホストとストレージ両方の不具合が含まれます。主ルームが失敗した場合、Sun Cluster は自動的に二次ルームにフェイルオーバーし、二次ルームのストレージデバイスを読み書き可能にし、対応するデバイスグループとリソースグループのフェイルオーバーを有効にします。

主ルームがオンラインに戻ったら、二次ルームに書き込まれた SRDF デバイスグループからデータを手動で復元し、データを同期することができます。この手順では、元の二次ルーム (この手順では、二次ルームに phys-campus-2 を使用) からのデータを元の主ルーム (phys-campus-1) に同期して、SRDF デバイスグループを復元します。また、この手順では、SRDF デバイスグループタイプを、phys-campus-2 では RDF1 に、phys-campus-1 では RDF2 に変更します。

始める前に

手動でフェイルオーバーを実行する前に、EMC 複製グループおよび DID デバイスを構成し、EMC 複製グループを登録する必要があります。Solaris ボリュームマネージャー デバイスグループの作成についての詳細は、「デバイスグループを追加および登録する (Solaris ボリュームマネージャー)」を参照してください。Veritas Volume Manager デバイスグループの作成については、「ディスクをカプセル化する際に新しいディスクグループを作成する (VERITAS Volume Manager)」を参照してください。


注 –

これらの説明は、主ルームが完全にフェイルオーバーしてからオンラインに戻ったあとに、SRDF データを手動で復元するための 1 つの方法を示しています。他の方法については、EMC マニュアルを確認してください。


これらのステップを実行するには、キャンパスクラスタの主ルームにログインしてください。下記の手順では、dg1 は SRDF デバイスグループ名です。失敗した時点では、この手順の主ルームは phys-campus-1 で、二次ルームは phys-campus-2 です。

  1. キャンパスクラスタの主ルームにログインし、スーパーユーザーになるか、solaris.cluster.modify RBAC 権限を提供する役割になります。

  2. 主ルームから、symrdf コマンドを使用して RDF デバイスの複製ステータスに対するクエリーを実行し、これらのデバイスに関する情報を表示します。


    phys-campus-1# symrdf -g dg1 query
    

    ヒント –

    split 状態にあるデバイスグループは同期されません。


  3. RDF ペア状態が split で、デバイスグループタイプが RDF1 の場合、SRDF デバイスグループのフェイルオーバーを強制実行します。


    phys-campus-1# symrdf -g dg1 -force failover
    
  4. RDF デバイスのステータスを表示します。


    phys-campus-1# symrdf -g dg1 query
    
  5. フェイルオーバー後、フェイルオーバーした RDF デバイスのデータをスワップすることができます。


    phys-campus-1# symrdf -g dg1 swap
    
  6. RDF デバイスに関する状態および他の情報を検証します。


    phys-campus-1# symrdf -g dg1 query
    
  7. 主ルームの SRDF デバイスグループを確立します。


    phys-campus-1# symrdf -g dg1 establish
    
  8. デバイスグループが同期状態であり、デバイスグループタイプが RDF2 であることを確認します。


    phys-campus-1# symrdf -g dg1 query
    

例 5–20 主サイトフェイルオーバー後に EMC SRDF データを手動で復元する

この例では、キャンパスクラスタの主ルームがフェイルオーバーし、二次ルームが代わりにデータを記録するようになり、主ルームがオンラインに戻ったあとで、EMC SRDF データを手動で復元するために必要な Sun Cluster 固有のステップが提供されています。例では、SRDF デバイスグループは dg1 と呼ばれ、標準論理デバイスは DEV001 です。失敗した時点では、主ルームは phys-campus-1 で、二次ルームは phys-campus-2 です。キャンパスクラスタの主ルーム phys-campus-1 からステップを実行します。


phys-campus-1# symrdf -g dg1 query | grep DEV
DEV001 0012RW  0  0NR 0012RW  2031   O S.. Split

phys-campus-1# symdg list | grep RDF
dg1 RDF1  Yes  00187990182  1  0  0  0  0

phys-campus-1# symrdf -g dg1 -force failover
...

phys-campus-1# symrdf -g dg1 query | grep DEV
DEV001  0012  WD  0  0 NR 0012 RW  2031  O S..  Failed Over

phys-campus-1# symdg list | grep RDF
dg1  RDF1  Yes  00187990182  1  0  0  0  0

phys-campus-1# symrdf -g dg1 swap
...

phys-campus-1# symrdf -g dg1 query | grep DEV
DEV001  0012 WD  0  0 NR 0012 RW  0  2031 S.. Suspended

phys-campus-1# symdg list | grep RDF
dg1  RDF2  Yes  000187990182  1  0  0  0  0

phys-campus-1# symrdf -g dg1 establish
...

phys-campus-1# symrdf -g dg1 query | grep DEV
DEV001  0012 WD  0  0 RW 0012 RW  0  0 S.. Synchronized

phys-campus-1# symdg list | grep RDF
dg1  RDF2  Yes  000187990182  1  0  0  0  0