Sun Cluster のシステム管理 (Solaris OS 版)

第 9 章 クラスタの管理

この章では、グローバルクラスタやゾーンクラスタ全体に影響する管理手順について説明します。

クラスタへのノードの追加または削除に関する詳細は、第 8 章ノードの追加と削除を参照してください。

クラスタの管理の概要

このセクションでは、グローバルクラスタやゾーンクラスタ全体の管理作業を実行する方法を説明します。次の表に、これらの管理作業と、関連する手順を示します。Solaris 10 OS の場合、クラスタの管理作業は通常は大域ゾーンで行います。ゾーンクラスタを管理するには、そのゾーンクラスタをホストするマシンが 1 台以上クラスタモードで起動していることが必要です。すべてのゾーンクラスタノードが起動し動作している必要はありません。現在クラスタ外にあるノードがクラスタに再結合すると、構成の変更点が Sun Cluster によって再現されます。

この章での phys-schost# は、グローバルクラスタのプロンプトを表します。clzonecluster の対話型シェルプロンプトは clzc:schost> です。

表 9–1 作業リスト : クラスタの管理

作業 

参照先 

クラスタへのノードの追加または削除 

第 8 章ノードの追加と削除

クラスタ名を変更 

「クラスタ名を変更する」

ノード ID およびそれらの対応するノード名の一覧の表示 

「ノード ID をノード名にマップする」

クラスタへの新しいノードの追加を許可または拒否 

「新しいクラスタノード認証で作業する」

Network Time Protocol (NTP) を使用してクラスタの時刻を変更 

「クラスタの時刻をリセットする」

ノードを停止し、SPARC ベースのシステムでは OpenBoot PROM ok プロンプト、x86 ベースのシステムでは GRUB メニューで「Press any key to continue」というメッセージを表示

「SPARC: ノードで OpenBoot PROM (OBP) を表示する」

プライベートホスト名の追加または変更 

「グローバルクラスタ上の非投票ノードのプライベートホスト名を追加する」

「ノードのプライベートホスト名を変更する」

クラスタノードを保守状態に変更 

「ノードを保守状態にする」

クラスタノードを保守状態から復帰 

「ノードを保守状態から戻す」

ゾーンクラスタの移動、アプリケーション用ゾーンクラスタの準備、ゾーンクラスタの削除 

「ゾーンクラスタ管理タスクの実行」

ノードから Sun Cluster ソフトウェアをアンインストールします。 

「Sun Cluster ソフトウェアをクラスタノードからアンインストールする」

SNMP Event MIB の追加および管理 

「SNMP イベント MIB を有効にする」

「SNMP ユーザーをノードに追加する」

 

Procedureクラスタ名を変更する

必要に応じて、初期インストール後にクラスタ名を変更できます。

phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。

この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短縮形については、付録 B Sun Cluster オブジェクト指向コマンドを参照してください。

  1. グローバルクラスタ内にある任意のノード上でスーパーユーザーになります。

  2. clsetup ユーティリティーを起動します。


    phys-schost# clsetup
    

    メインメニューが表示されます。

  3. クラスタ名を変更するには、クラスタその他のプロパティーのオプションに対応する番号を入力します。

    「クラスタその他のプロパティー」メニューが表示されます。

  4. メニューから選択を行って、画面の指示に従います。

  5. Sun Cluster のサービスタグに新しいクラスタ名を反映させる場合は、既存の Sun Cluster タグを削除してクラスタを再起動します。Sun Cluster サービスタグインスタンスを削除するには、クラスタ内のすべてのノードで次のサブステップを完了します。

    1. すべてのサービスタグの一覧を表示します。


      phys-schost# stclient -x
      
    2. Sun Cluster サービスタグインスタンス番号を見つけて、次のコマンドを実行します。


      phys-schost# stclient -d -i service_tag_instance_number
      
    3. クラスタ内のすべてのノードを再起動します。


      phys-schost# reboot
      

例 9–1 クラスタ名の変更

次の例に、新しいクラスタ名 dromedary へ変更するために、clsetup(1CL) ユーティリティーから生成される cluster(1CL) コマンドを示します。


phys-schost# cluster -c dromedary

Procedureノード ID をノード名にマップする

Sun Cluster のインストール中、ノードにはそれぞれ一意のノード ID 番号が自動で割り当てられます。このノード ID 番号は、最初にクラスタに加わったときの順番でノードに割り当てられます。ノード ID 番号が割り当てられたあとでは、番号は変更できません。ノード ID 番号は、通常、エラーメッセージが発生したクラスタノードを識別するために、エラーメッセージで使用されます。この手順を使用し、ノード ID とノード名間のマッピングを判別します。

グローバルクラスタまたはゾーンクラスタ用の構成情報を表示するために、スーパーユーザーになる必要はありません。グローバルクラスタのノードから、このプロシージャーの 1 ステップが実行されます。他のステップはゾーンクラスタノードから実行されます。

  1. clnode(1CL) コマンドを使用して、グローバルクラスタに対するクラスタ構成情報を一覧表示します。


    phys-schost# clnode show | grep Node
    
  2. 1 つのゾーンクラスタに対して、複数のノード ID を一覧表示することも可能です。ゾーンクラスタノードは、実行中のグローバルクラスタノードと同じノード ID を持っています。


    phys-schost# zlogin sczone clnode -v | grep Node
    

例 9–2 ノード名のノードID へのマップ

次の例は、グローバルクラスタに対するノード ID の割り当てを示しています。


phys-schost# clnode show | grep Node
=== Cluster Nodes ===
Node Name:				phys-schost1
  Node ID:				1
Node Name: 				phys-schost2
  Node ID:				2
Node Name:				phys-schost3
  Node ID:				3

Procedure新しいクラスタノード認証で作業する

Sun Cluster では、新しいノードをグローバルクラスタに追加できるようにするかどうかと、使用する認証の種類を指定できます。パブリックネットワーク上のクラスタに加わる新しいノードを許可したり、新しいノードがクラスタに加わることを拒否したり、クラスタに加わるノードを特定できます。新しいノードは、標準 UNIX または Diffie-Hellman (DES) 認証を使用し、認証することができます。DES 認証を使用して認証する場合、ノードが加わるには、すべての必要な暗号化鍵を構成する必要があります。詳細は、keyserv(1M)publickey(4) のマニュアルページを参照してください。

phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。

この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短縮形については、付録 B Sun Cluster オブジェクト指向コマンドを参照してください。

  1. グローバルクラスタ内にある任意のノード上でスーパーユーザーになります。

  2. clsetup(1CL) ユーティリティーを起動します。


    phys-schost# clsetup
    

    メインメニューが表示されます。

  3. クラスタ認証で作業するため、新規ノードのオプションに対応する番号を入力します。

    「新規ノード」メニューが表示されます。

  4. メニューから選択を行って、画面の指示に従います。


例 9–3 新しいマシンがグローバルクラスタに追加されないようにする

clsetup ユーティリティにより、claccess コマンドを生成します。次の例は、新しいマシンがクラスタに追加されないようにする claccess コマンドを示しています。


phys-schost# claccess deny -h hostname


例 9–4 すべての新しいマシンがグローバルクラスに追加されることを許可する

clsetup ユーティリティにより、claccess コマンドを生成します。次の例は、すべての新しいマシンをクラスタに追加できるようにする claccess コマンドを示しています。


phys-schost# claccess allow-all


例 9–5 グローバルクラスタに追加される新しいマシンを指定する

clsetup ユーティリティにより、claccess コマンドを生成します。次の例は、1 台の新しいマシンをクラスタに追加できるようにする claccess コマンドを示しています。


phys-schost# claccess allow -h hostname


例 9–6 認証を標準 UNIX に設定する

clsetup ユーティリティにより、claccess コマンドを生成します。次の例は、クラスタに参加している新規ノードの標準 UNIX 認証に対し、リセットを行う claccess コマンドを示しています。


phys-schost# claccess set -p protocol=sys


例 9–7 認証を DES に設定する

clsetup ユーティリティにより、claccess コマンドを生成します。次の例は、クラスタに参加している新規ノードの DES 認証を使用する claccess コマンドを示しています。


phys-schost# claccess set -p protocol=des

DES 認証を使用する場合、クラスタにノードが加わるには、すべての必要な暗号化鍵を構成します。詳細は、keyserv(1M)publickey(4)のマニュアルページを参照してください。


Procedureクラスタの時刻をリセットする

Sun Cluster ソフトウェアは、Network Time Protocol (NTP) を使用し、クラスタノード間で時刻を同期させています。グローバルクラスタの時刻の調整は、ノードが時刻を同期するときに、必要に応じて自動的に行われます。詳細は、『Sun Cluster Concepts Guide for Solaris OS』および『Network Time Protocol User's Guide』を参照してください。


注意 – 注意 –

NTP を使用する場合、クラスタの稼動中はクラスタの時刻を調整しないでください。date(1)rdate(1M)xntpd(1M)svcadm(1M) などのコマンドを、対話的に使用したり、cron(1M) スクリプト内で使用して時刻を調整しないでください。


phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。

この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短縮形については、付録 B Sun Cluster オブジェクト指向コマンドを参照してください。

  1. グローバルクラスタ内にある任意のノード上でスーパーユーザーになります。

  2. グローバルクラスタを停止します。


    phys-schost# cluster shutdown -g0 -y -i 0
    
  3. SPARC ベースのシステムではノードが ok プロンプトを表示し、x86 ベースのシステムでは GRUB メニューで「Press any key to continue」というメッセージが表示されていることを確認します。

  4. 非クラスタモードでノードを起動します。

    • SPARC ベースのシステム上で、次のコマンドを実行します。


      ok boot -x
      
    • x86 ベースのシステム上で、次のコマンドを実行します。


      # shutdown -g -y -i0
      
      Press any key to continue
    1. GRUB メニューで矢印キーを使用して該当する Solaris エントリを選択し、e と入力してコマンドを編集します。

      GRUB メニューは次のようになっています。


      GNU GRUB version 0.95 (631K lower / 2095488K upper memory)
      +-------------------------------------------------------------------------+
      | Solaris 10 /sol_10_x86                                                  |
      | Solaris failsafe                                                        |
      |                                                                         |
      +-------------------------------------------------------------------------+
      Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted.
      Press enter to boot the selected OS, 'e' to edit the
      commands before booting, or 'c' for a command-line.

      GRUB ベースの起動についての詳細は、『Solaris のシステム管理 (基本編) 』「GRUB を使用して x86 システムをブートする (作業マップ)」を参照してください。

    2. ブートパラメータの画面で、矢印キーを使用してカーネルエントリを選択し、e を入力してエントリを編集します。

      GRUB ブートパラメータの画面は、次のような画面です。


      GNU GRUB version 0.95 (615K lower / 2095552K upper memory)
      +----------------------------------------------------------------------+
      | root (hd0,0,a)                                                       |
      | kernel /platform/i86pc/multiboot                                     |
      | module /platform/i86pc/boot_archive                                  |
      +----------------------------------------------------------------------+
      Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted.
      Press 'b' to boot, 'e' to edit the selected command in the
      boot sequence, 'c' for a command-line, 'o' to open a new line
      after ('O' for before) the selected line, 'd' to remove the
      selected line, or escape to go back to the main menu.
    3. コマンドに -x を追加して、システムを非クラスタモードで起動するように指定します。


      [ Minimal BASH-like line editing is supported. For the first word, TAB
      lists possible command completions. Anywhere else TAB lists the possible
      completions of a device/filename. ESC at any time exits. ]
      
      grub edit> kernel /platform/i86pc/multiboot -x
    4. Enter キーを押して変更を受け入れ、ブートパラメータの画面に戻ります。

      画面には編集されたコマンドが表示されます。


      GNU GRUB version 0.95 (615K lower / 2095552K upper memory)
      +----------------------------------------------------------------------+
      | root (hd0,0,a)                                                       |
      | kernel /platform/i86pc/multiboot -x                                  |
      | module /platform/i86pc/boot_archive                                  |
      +----------------------------------------------------------------------+
      Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted.
      Press 'b' to boot, 'e' to edit the selected command in the
      boot sequence, 'c' for a command-line, 'o' to open a new line
      after ('O' for before) the selected line, 'd' to remove the
      selected line, or escape to go back to the main menu.-
    5. b と入力して、ノードを非クラスタモードで起動します。


      注 –

      カーネル起動パラメータコマンドへのこの変更は、システムを起動すると無効になります。次にノードを再起動する際には、ノードはクラスタモードで起動します。クラスタモードではなく、非クラスタモードで起動するには、これらの手順を再度実行して、カーネル起動パラメータコマンドに -x オプションを追加します。


  5. 単一のノードで、date コマンドを実行して時刻を設定します。


    phys-schost# date HHMM.SS
    
  6. ほかのマシンで、rdate(1M) コマンドを実行し、時刻をこのノードに同期化します。


    phys-schost# rdate hostname
    
  7. 各ノードを起動し、クラスタを再起動します。


    phys-schost# reboot
    
  8. すべてのクラスタノードで変更が行われたことを確認します。

    各ノードで、date コマンドを実行します。


    phys-schost# date
    

ProcedureSPARC: ノードで OpenBoot PROM (OBP) を表示する

OpenBoot™ PROM 設定を構成または変更する必要がある場合は、この手順を使用します。

phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。

この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短縮形については、付録 B Sun Cluster オブジェクト指向コマンドを参照してください。

  1. 停止するノード上でコンソールに接続します。


    # telnet tc_name tc_port_number
    
    tc_name

    端末集配信装置 (コンセントレータ) の名前を指定します。

    tc_port_number

    端末集配信装置のポート番号を指定します。ポート番号は構成に依存します。通常、ポート 2 (5002) と ポート 3 (5003) は、サイトで最初に設置されたクラスタで使用されています。

  2. clnode evacuate コマンドを使用してから、shutdown コマンドを使用することで、クラスタノードを正常に停止します。clnode evacuate コマンドは、すべてのデバイスグループを、指定ノードから次に優先されるノードに切り替えます。またこのコマンドは、グローバルクラスタ内の指定された投票ノードまたは非投票ノードから、次に優先される投票ノードまたは非投票ノードに、すべてのリソースグループを切り替えます。


    phys-schost# clnode evacuate node
    # shutdown -g0 -y
    

    注意 – 注意 –

    クラスタノードを停止する場合は、クラスタコンソール上で send brk を使用してはいけません。


  3. OBP コマンドを実行します。

Procedureノードのプライベートホスト名を変更する

このプロシージャーを使用して、インストール終了後にクラスタノードのプライベートホスト名を変更します。

デフォルトのプライベートホスト名は、クラスタの初期インストール時に割り当てられます。デフォルトのプライベートホスト名の形式は、clusternode<nodeid>-priv です (clusternode3-priv など)。名前がすでにドメイン内で使用されている場合にかぎり、プライベートホスト名を変更します。


注意 – 注意 –

新しいプライベートホスト名には IP アドレスを割り当てないでください。クラスタソフトウェアが IP アドレスを割り当てます。


phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。

この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短縮形については、付録 B Sun Cluster オブジェクト指向コマンドを参照してください。

  1. クラスタ内のすべてのノード上で、プライベートホスト名をキャッシュする可能性があるデータサービスリソースやアプリケーションをすべて無効にします。


    phys-schost# clresource disable resource[,...]
    

    無効にするアプリケーションには次のようなものがあります。

    • HA-DNS と HA-NFS サービス (構成している場合)

    • プライベートホスト名を使用するためにカスタム構成されたアプリケーション

    • クライアントがプライベートインターコネクト経由で使用しているアプリケーション

    clresource コマンドの使用に関する詳細は、clresource(1CL) のマニュアルページおよび『Sun Cluster Data Services Planning and Administration Guide for Solaris OS』を参照してください。

  2. NTP 構成ファイルが、変更しようとするプライベートホスト名を参照している場合、クラスタの各ノード上で Network Time Protocol (NTP) デーモンを停止します。

    • SPARC: Solaris 9 OS を使用している場合は、xntpd コマンドを使用して NTP デーモンを停止してください。NTP デーモンについての詳細は、xntpd(1M) のマニュアルページを参照してください。


      phys-schost# /etc/init.d/xntpd.cluster stop
      
    • Solaris 10 OS を使用している場合は、svcadm コマンドを使用して NTP デーモンを停止してください。NTP デーモンについての詳細は、svcadm(1M) のマニュアルページを参照してください。


      phys-schost# svcadm disable ntp
      
  3. clsetup(1CL) ユーティリティーを実行して、適切なノードのプライベートホスト名を変更します。

    クラスタ内の 1 つのノードでのみユーティリティーを実行します。


    注 –

    新しいプライベートホスト名を選択するときには、その名前がクラスタノード内で一意であることを確認してください。


  4. プライベートホスト名用のオプションに対応する番号を入力します。

  5. プライベートホスト名を変更するためのオプションに対応する番号を入力します。

    表示される質問に答えます。変更しようとしているプライベートホスト名のノード名 (clusternode<nodeid> -priv) および新しいプライベートホスト名を入力してください。

  6. ネームサービスキャッシュをフラッシュします。

    クラスタの各ノードで次の手順を実行します。フラッシュすることによって、クラスタアプリケーションとデータサービスが古いプライベートホスト名にアクセスしないようにします。


    phys-schost# nscd -i hosts
    
  7. NTP 構成ファイルでプライベートホスト名を変更した場合、各ノード上で NTP 構成ファイル (ntp.conf または ntp.conf.cluster) を更新します。

    1. 任意のエディタを使用してください。

      この手順をインストール時に行う場合は、構成するノードの名前を削除する必要があります。デフォルトのテンプレートには 16 のノードが事前構成されています。通常 ntp.conf.cluster ファイルは各クラスタノード上で同じです。

    2. すべてのクラスタノードから新しいプライベートホスト名に ping を実行できることを確認します。

    3. NTP デーモンを再起動します。

      クラスタの各ノードで次の手順を実行します。

      • SPARC: Solaris 9 OS を使用している場合は、xntpd コマンドを使用して NTP デーモンを再起動してください。

        ntp.conf.cluster ファイルを使用している場合は、次のように入力します。


        # /etc/init.d/xntpd.cluster start
        

        ntp.conf ファイルを使用している場合は、次のように入力します。


        # /etc/init.d/xntpd start
        
      • Solaris 10 OS を使用している場合は、svcadm コマンドを使用して NTP デーモンを再起動してください。


        # svcadm enable ntp
        
  8. 手順 1 で無効にしたデータサービスリソースとそのほかのアプリケーションをすべて有効にします。


    phys-schost# clresource disable resource[,...]
    

    scswitch コマンドの使用に関する詳細は、clresource(1CL) のマニュアルページおよび『Sun Cluster Data Services Planning and Administration Guide for Solaris OS』を参照してください。


例 9–8 プライベートホスト名を変更する

次に、ノード phys-schost-2 上のプライベートホスト名 clusternode2-privclusternode4-priv に変更する例を示します。


[Disable all applications and data services as necessary.]
phys-schost-1# /etc/init.d/xntpd stop
phys-schost-1# clnode show | grep node
 ...
 private hostname:                           clusternode1-priv
 private hostname:                           clusternode2-priv
 private hostname:                           clusternode3-priv
 ...
phys-schost-1# clsetup
phys-schost-1# nscd -i hosts
phys-schost-1# vi /etc/inet/ntp.conf
 ...
 peer clusternode1-priv
 peer clusternode4-priv
 peer clusternode3-priv
phys-schost-1# ping clusternode4-priv
phys-schost-1# /etc/init.d/xntpd start
[Enable all applications and data services disabled at the beginning of the procedure.]

Procedureグローバルクラスタ上の非投票ノードのプライベートホスト名を追加する

インストール完了後、グローバルクラスタ上の非投票ノードのプライベートホスト名を追加するには、次の手順を使用します。この章の手順の phys-schost# は、グローバルクラスタプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上のみで実行します。

  1. clsetup(1CL) ユーティリティーを実行して、適切なゾーンにプライベートホスト名を追加します。


    phys-schost# clsetup
    
  2. プライベートホスト名のオプションに対応する番号を入力し、Return キーを押します。

  3. ゾーンプライベートホスト名を追加するためのオプションに対応する番号を入力し、Return キーを押します。

    表示される質問に答えます。グローバルクラスタの非投票ノードには、デフォルトのプライベートホスト名はありません。ホスト名を入力する必要があります。

Procedureグローバルクラスタ上の非投票ノードのプライベートホスト名を変更する

インストール完了後、非投票ノードのプライベートホスト名を変更するには、次の手順を使用します。

プライベートホスト名は、クラスタの初期インストール時に割り当てられます。プライベートホスト名の形式は、clusternode<nodeid>-priv です (clusternode3-priv など)。名前がすでにドメイン内で使用されている場合にかぎり、プライベートホスト名を変更します。


注意 – 注意 –

新しいプライベートホスト名には IP アドレスを割り当てないでください。クラスタソフトウェアが IP アドレスを割り当てます。


phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。

この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短縮形については、付録 B Sun Cluster オブジェクト指向コマンドを参照してください。

  1. グローバルクラスタ内のすべてのノード上で、プライベートホスト名をキャッシュする可能性があるデータサービスリソースやアプリケーションをすべて無効にします。


    phys-schost# clresource disable resource1, resource2
    

    無効にするアプリケーションには次のようなものがあります。

    • HA-DNS と HA-NFS サービス (構成している場合)

    • プライベートホスト名を使用するためにカスタム構成されたアプリケーション

    • クライアントがプライベートインターコネクト経由で使用しているアプリケーション

    clresourceコマンドの使用に関する詳細は、clresource(1CL) のマニュアルページおよび『Sun Cluster Data Services Planning and Administration Guide for Solaris OS』を参照してください。

  2. clsetup(1CL) ユーティリティーを実行して、グローバルクラスタ上の適切な非投票ノードのプライベートホスト名を変更します。


    phys-schost# clsetup
    

    この手順は、クラスタ内の 1 つのノードからのみ実行する必要があります。


    注 –

    新しいプライベートホスト名を選択するときには、その名前がクラスタ内で一意であることを確認してください。


  3. プライベートホスト名のオプションに対応する番号を入力し、Return キーを押します。

  4. ゾーンプライベートホスト名を追加するためのオプションに対応する番号を入力し、Return キーを押します。

    グローバルクラスタのプライベートホスト名の非投票ノードには、デフォルトは存在しません。ホスト名を入力する必要があります。

  5. ゾーンプライベートホスト名を変更するためのオプションに対応する番号を入力します。

    表示される質問に答えます。ここでは、プライベートホスト名を変更する非投票ノードの名前 (clusternode<nodeid> -priv) と新しいプライベートホスト名を入力してください。

  6. ネームサービスキャッシュをフラッシュします。

    クラスタの各ノードで次の手順を実行します。フラッシュすることによって、クラスタアプリケーションとデータサービスが古いプライベートホスト名にアクセスしないようにします。


    phys-schost# nscd -i hosts
    
  7. 手順 1 で無効にしたデータサービスリソースとそのほかのアプリケーションをすべて有効にします。

Procedureグローバルクラスタ上の非投票ノードのプライベートホスト名を削除する

グローバルクラスタ上の非投票ノードのプライベートホスト名を削除するには、次の手順を使用します。この手順は、グローバルクラスタ上のみで実行します。

  1. clsetup(1CL) ユーティリティーを実行して、適切なゾーン上のプライベートホスト名を削除します。

  2. ゾーンのプライベートホスト名用のオプションに対応する番号を入力します。

  3. ゾーンプライベートホスト名を削除するためのオプションに対応する番号を入力します。

  4. 削除する非投票ノードのプライベートホスト名の名前を入力します。

Procedureノードを保守状態にする

サービスからグローバルクラスタノードを長時間はずす場合は、そのノードを保守状態にします。保守状態のノードは、サービス対象中に定足数確立の投票に参加しません。クラスタノードを保守状態にするには、clnode(1CL) evacuate および cluster(1CL) shutdown コマンドを使用して、ノードを停止しておく必要があります。


注 –

ノードを 1 つだけ停止する場合は、Solaris の shutdown コマンドを使用します。クラスタ全体を停止する場合にだけ、 cluster shutdown コマンドを使用します。


クラスタノードが停止されて保守状態になると、そのノードのポートで構成されるすべての定足数デバイスの、定足数投票数 (quorum vote count) が 1 つ減ります。このノードが保守状態から移動してオンラインに戻されると、ノードおよび定足数デバイスの投票数は 1 つ増えます。

クラスタノードを保守状態にするには、clquorum(1CL) disable コマンドを使用します。

phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。

この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短縮形については、付録 B Sun Cluster オブジェクト指向コマンドを参照してください。

  1. 保守状態にするグローバルクラスタノード上で、スーパーユーザーになるか、RBAC の承認 solaris.cluster.modify を提供する役割になります。

  2. すべてのリソースグループとデバイスグループをノードから退避します。clnode evacuate コマンドは、すべての非投票ノードを含むすべてのリソースグループとデバイスグループを、指定ノードから次に優先されるノードに切り替えます。


    phys-schost# clnode evacuate node
    
  3. 退避させたノードを停止します。


    phys-schost# shutdown -g0 -y-i 0
    
  4. クラスタ内の別のノード上で、スーパーユーザーになるか、RBAC の承認 solaris.cluster.modify を提供する役割になり、手順 3 で停止したノードを保守状態にします。


    phys-schost# clquorum disable  node
    
    node

    保守モードにするノードの名前を指定します。

  5. グローバルクラスタノードが保守状態にあることを確認します。


    phys-schost# clquorum status node
    

    保守状態にしたノードの Statusoffline で、その PresentPossible の定足数投票数は 0 (ゼロ) である必要があります。


例 9–9 グローバルクラスタノードを保守状態にする

次に、クラスタノードを保守状態にして、その結果を確認する例を示します。clnode status の出力では、phys-schost-1 のノードの Node votes0 (ゼロ) で、その状態は Offline です。Quorum Summary では、投票数も減っているはずです。構成によって異なりますが、Quorum Votes by Device の出力では、いくつかの定足数ディスクデバイスもオフラインである可能性があります。


[On the node to be put into maintenance state:]
phys-schost-1# clnode  evacuate phys-schost-1
phys-schost-1# shutdown -g0 -y -i0

[On another node in the cluster:]
phys-schost-2# clquorum disable phys-schost-1
phys-schost-2# clquorum status phys-schost-1

-- Quorum Votes by Node --

Node Name           Present       Possible       Status
---------           -------       --------       ------
phys-schost-1       0             0              Offline
phys-schost-2       1             1              Online
phys-schost-3       1             1              Online

参照

ノードをオンライン状態に戻す方法については、「ノードを保守状態から戻す」を参照してください。

Procedureノードを保守状態から戻す

次の手順を使用して、グローバルクラスタノードをオンラインに戻し、定足数投票数をリセットしてデフォルト設定に戻します。クラスタノードのデフォルトの投票数は 1 です。定足数デバイスのデフォルトの投票数は N-1 です。N は、投票数が 0 以外で、定足数デバイスが構成されているポートを持つノードの数を示します。

ノードが保守状態になると、そのノードの投票数は 1 つ減ります。また、このノードのポートに構成されているすべての定足数デバイスの投票数も (1 つ) 減ります。投票数がリセットされ、ノードが保守状態から戻されると、ノードの投票数と定足数デバイスの投票数の両方が 1 つ増えます。

保守状態にしたグローバルクラスタノードを保守状態から戻した場合は、必ずこの手順を実行してください。


注意 – 注意 –

globaldev または node オプションのどちらも指定しない場合、定足数投票数はクラスタ全体でリセットされます。


phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。

この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短縮形については、付録 B Sun Cluster オブジェクト指向コマンドを参照してください。

  1. グローバルクラスタの、保守状態のノード以外の任意のノード上で、スーパーユーザーになるか、RBAC の承認 solaris.cluster.modify を提供する役割になります。

  2. グローバルクラスタ構成内にあるノードの数に応じて、次の手順のいずれかを実行します。

    • クラスタ構成内に 2 つのノードがある場合は、手順 4 に進みます。

    • クラスタ構成内に 3 つ以上のノードがある場合は、手順 3 に進みます。

  3. 保守状態から解除するノードに定足数デバイスがある場合は、保守状態にあるノード以外のノードからクラスタ定足数のカウントをリセットします。

    保守状態ではないノードの定足数投票数をリセットするのは、そのノードを再起動する前である必要があります。そうしないと、定足数の確立を待機中にハングアップすることがあります。


    phys-schost# clquorum reset
    
    reset

    定足数をリセットする変更フラグです。

  4. 保守状態を解除するノードを起動します。

  5. 定足数投票数を確認します。


    phys-schost# clquorum status
    

    保守状態を解除したノードの状態は online であり、PresentPossible の定足数投票数は適切な値である必要があります。


例 9–10 クラスタノードの保守状態を解除して、定足数投票数をリセットする

次に、クラスタノードの定足数投票数をリセットして、その定足数デバイスをデフォルトに戻し、その結果を確認する例を示します。scstat -q の出力では、phys-schost-1Node votes1 であり、その状態は online です。Quorum Summary では、投票数も増えているはずです。


phys-schost-2# clquorum reset

phys-schost-1# clquorum status

--- Quorum Votes Summary ---

            Needed   Present   Possible
            ------   -------   --------
            4        6         6


--- Quorum Votes by Node ---

Node Name        Present       Possible      Status
---------        -------       --------      ------
phys-schost-2    1             1             Online
phys-schost-3    1             1             Online


--- Quorum Votes by Device ---

Device Name           Present      Possible      Status
-----------           -------      --------      ------
/dev/did/rdsk/d3s2    1            1             Online
/dev/did/rdsk/d17s2   0            1             Online
/dev/did/rdsk/d31s2   1            1             Online
`

ゾーンクラスタ管理タスクの実行

ゾーンクラスタに関するほかの管理作業 (ゾーンパスの移動、アプリケーションを実行するためのゾーンクラスタの準備、ゾーンクラスタの複製など) を実行できます。これらのコマンドは、必ずグローバルクラスタの投票ノードから実行してください。


注 –

グローバルクラスタ内の投票ノードからのみ実行する Sun Clusterコマンドは、ゾーンクラスタには使用できません。各種ゾーンでのコマンドの有効な使用方法については、Sun Cluster の該当するマニュアルページを参照してください。


表 9–2 そのほかのゾーンクラスタ作業

作業 

参照先 

新規ゾーンパスへのゾーンパスの移動 

clzonecluster move -f zonepath zoneclustername

アプリケーション実行用のゾーンクラスタの準備 

clzonecluster ready -n nodename zoneclustername

ゾーンクラスタの複製 

clzonecluster clone -Z source- zoneclustername [-m copymethod] zoneclustername

clone サブコマンドを使用する前に、複製元のゾーンクラスタを停止してください。複製先のゾーンクラスタは、構成済みであることが必要です。

ゾーンクラスタの削除 

「ゾーンクラスタを削除する」

ゾーンクラスタからファイルシステムを削除 

「ゾーンクラスタからファイルシステムを削除する」

ゾーンクラスタからストレージデバイスを削除 

「ゾーンクラスタからストレージデバイスを削除する」

ノードのアインストールに関するトラブルシュート 

「ノードのアンインストールに伴う問題の解決」

Sun Cluster SNMP Event MIB の作成、設定、および管理 

「Sun Cluster SNMP イベント MIB の作成、設定、および管理」「Sun Cluster SNMP イベント MIB の作成、設定、および管理」

Procedureゾーンクラスタを削除する

グローバルクラスタ上に構成されているゾーンクラスタは、特定の 1 つのゾーンクラスタを削除することも、ワイルドカードを使用してすべてのゾーンクラスタを削除することもできます。構成されていないゾーンクラスタは、削除できません。

  1. グローバルクラスタのノードで、スーパーユーザーになるか、RBAC の承認 solaris.cluster.modify を提供する役割になりますグローバルクラスタのノードから、次の手順のステップをすべて実行します。

  2. ゾーンクラスタからすべてのリソースグループとそのリソースを削除します。


    phys-schost# clresourcegroup delete -F -Z zoneclustername +
    

    注 –

    この手順は、グローバルクラスタノードから実行されます。この手順をゾーンクラスタのノードから実行するには、ゾーンクラスタノードにログインし、コマンドの「-Z zonecluster」を省略します。


  3. ゾーンクラスタを停止します。


    phys-schost# clzonecluster halt zoneclustername
    
  4. ゾーンクラスタをアンインストールします。


    phys-schost# clzonecluster uninstall zoneclustername
    
  5. ゾーンクラスタを構成解除します。


    phys-schost# clzonecluster delete zoneclustername
    

例 9–11 グローバルクラスタからのゾーンクラスタの削除


phys-schost# clresourcegroup delete -F -Z sczone +

phys-schost# clzonecluster halt sczone

phys-schost# clzonecluster uninstall sczone

phys-schost# clzonecluster delete sczone

Procedureゾーンクラスタからファイルシステムを削除する

この手順は、ゾーンクラスタからファイルシステムを削除する場合に実行します。ゾーンクラスタでサポートされるファイルシステムには、UFS、Vxfs、スタンドアロン QFS、ZFS (データセットとしてエクスポートされたもの)、およびループバックファイルシステムがあります。ファイルシステムをゾーンクラスタに追加する手順は、『Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)』「ゾーンクラスタにファイルシステムを追加する」を参照してください。

phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短縮形については、付録 B Sun Cluster オブジェクト指向コマンドを参照してください。

  1. ゾーンクラスタをホストするグローバルクラスタのノードで、スーパーユーザーになります。グローバルクラスタのノードから、このプロシージャの一部のステップが実行されます。他のステップは、ゾーンクラスタのノードから実行されます。

  2. 削除するファイルシステムに関連するリソースを削除します。

    1. 削除するゾーンクラスタのファイルシステム用に構成されている Sun Cluster のリソースタイプ (HAStoragePlusSUNW.ScalMountPoint など) を特定し、削除します。


      phys-schost# clresource delete -F -Z zoneclustername fs_zone_resources
      
    2. 削除するファイルシステム用のグローバルクラスタ内に構成されている SUNW.qfs タイプの Sun Cluster リソースがあれば、そのリソースを特定し、削除します。


      phys-schost# clresource delete -F fs_global_resouces
      

      -F オプションを指定すると、前もって無効にしていないリソースも含め、指定したリソースがすべて強制的に削除されるため、このオプションは注意して使用してください。すべての指定リソースが、ほかのリソースのリソース関係設定から削除されるため、クラスタ内のサービスが失われることがあります。削除されていない依存リソースは、無効な状態やエラー状態になる可能性があります。詳細は、clresource(1CL) のマニュアルページを参照してください。


    ヒント –

    削除したリソースのリソースグループがあとで空になると、そのリソースグループを安全に削除できます。


  3. ファイルシステムのマウントポイントディレクトリのパスを調べます。たとえば、次のように使用します。


    phys-schost# clzonecluster configure zoneclustername
    
  4. ファイルシステムをゾーンクラスタの構成から削除します。


    phys-schost# clzonecluster configure zoneclustername
    

    clzc:zoneclustername> remove fs dir=filesystemdirectory
    

    clzc:zoneclustername> commit
    

    ファイルシステムのマウントポイントは、dir= で指定します。

  5. ファイルシステムが削除されたことを確認します。


    phys-schost# clzonecluster show -v zoneclustername
    

例 9–12 ゾーンクラスタ内の高可用性ファイルシステムの削除

この例は、sczone というゾーンクラスタ内に構成された、マウントポイントディレクトリ ( /local/ufs-1) のあるファイルシステムを削除する方法を示しています。リソースは hasp-rs で、そのタイプは HAStoragePlus です。


phys-schost# clzonecluster show -v sczone
...
 Resource Name:                           fs
   dir:                                     /local/ufs-1
   special:                                 /dev/md/ds1/dsk/d0
   raw:                                     /dev/md/ds1/rdsk/d0
   type:                                    ufs
   options:                                 [logging]
 ...
phys-schost# clresource delete -F -Z sczone hasp-rs
phys-schost# clzonecluster configure sczone
clzc:sczone> remove fs dir=/local/ufs-1
clzc:sczone> commit
phys-schost# clzonecluster show -v sczone


例 9–13 ゾーンクラスタ内の高可用性 ZFS ファイルシステムの削除

この例は、HAzpool という ZFS プール内の ZFS ファイルシステムを削除する方法を示しています。このファイルシステムは、sczone ゾーンクラスタ内に構成されており、リソースは hasp-rs で、そのタイプは SUNW.HAStoragePlus です。


phys-schost# clzonecluster show -v sczone
...
 Resource Name:                           dataset
   name:                                     HAzpool
...
phys-schost# clresource delete -F -Z sczone hasp-rs
phys-schost# clzonecluster configure sczone
clzc:sczone> remove dataset name=HAzpool
clzc:sczone> commit
phys-schost# clzonecluster show -v sczone

Procedureゾーンクラスタからストレージデバイスを削除する

ストレージデバイス (SVM ディスクセット、DID デバイスなど) をゾーンクラスタから削除することが可能です。この手順は、ゾーンクラスタからストレージデバイスを削除する場合に実行します。

  1. ゾーンクラスタをホストするグローバルクラスタのノードで、スーパーユーザーになります。グローバルクラスタのノードから、このプロシージャーの一部のステップが実行されます。ほかのステップは、ゾーンクラスタのノードから実行することが可能です。

  2. 削除するデバイスに関連するリソースを削除します。削除するゾーンクラスタのデバイス用に構成されている Sun Cluster のリソースタイプ (SUNW.HAStoragePlus、SUNW.ScalDeviceGroup など) を特定し、削除します。


    phys-schost# clresource delete -F -Z zoneclustername dev_zone_resources
    
  3. 削除するデバイスに対して一致するエントリを調べます。


    phys-schost# clzonecluster show -v zoneclustername
    ...
     Resource Name:       device
        match:              <device_match>
     ...
  4. デバイスをゾーンクラスタの構成から削除します。


    phys-schost# clzonecluster configure zoneclustername
    clzc:zoneclustername> remove device match=<devices_match>
    clzc:zoneclustername> commit
    clzc:zoneclustername> end
    
  5. ゾーンクラスタを再起動します。


    phys-schost# clzonecluster reboot zoneclustername
    
  6. デバイスの削除を確認します。


    phys-schost# clzonecluster show -v zoneclustername
    

例 9–14 SVM ディスクセットをゾーンクラスタから削除する

この例は、sczone というゾーンクラスタに構成された apachedg という SVM ディスクセットを削除する方法を示しています。apachedg ディスクセットのセット番号は 3 です。このデバイスは、クラスタに構成された zc_rs のリソースにより使用されます。


phys-schost# clzonecluster show -v sczone
...
  Resource Name:      device
     match:             /dev/md/apachedg/*dsk/*
  Resource Name:      device
     match:             /dev/md/shared/3/*dsk/*
...
phys-schost# clresource delete -F -Z sczone zc_rs

phys-schost# ls -l /dev/md/apachedg
lrwxrwxrwx 1 root root 8 Jul 22 23:11 /dev/md/apachedg -> shared/3
phys-schost# clzonecluster configure sczone
clzc:sczone> remove device match=/dev/md/apachedg/*dsk/*
clzc:sczone> remove device match=/dev/md/shared/3/*dsk/*
clzc:sczone> commit
clzc:sczone> end
phys-schost# clzonecluster reboot sczone
phys-schost# clzonecluster show -v sczone


例 9–15 DID デバイスをゾーンクラスタから削除する

この例は、DID デバイス d10 および d11 を削除する方法を示しています。このデバイスは、sczone というゾーンクラスタに構成されています。このデバイスは、クラスタに構成された zc_rs のリソースにより使用されます。


phys-schost# clzonecluster show -v sczone
...
 Resource Name:       device
     match:             /dev/did/*dsk/d10*
 Resource Name:       device
    match:              /dev/did/*dsk/d11*
...
phys-schost# clresource delete -F -Z sczone zc_rs
phys-schost# clzonecluster configure sczone
clzc:sczone> remove device match=/dev/did/*dsk/d10*
clzc:sczone> remove device match=/dev/did/*dsk/d11*
clzc:sczone> commit
clzc:sczone> end
phys-schost# clzonecluster reboot sczone
phys-schost# clzonecluster show -v sczone

ProcedureSun Cluster ソフトウェアをクラスタノードからアンインストールする

完全に確立されたクラスタ構成からグローバルクラスタノードを切り離す前に、そのノードから Sun Cluster ソフトウェアをアンインストールするには、この手順を使用します。この手順では、クラスタに存在する最後のノードからソフトウェアをアンインストールできます。


注 –

クラスタにまだ結合されていない、あるいはまだインストールモードであるノードから Sun Cluster ソフトウェアをアンインストールする場合、この手順を使用してはいけません。その代わりに、『Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)』 の「Sun Cluster ソフトウェアをアンインストールしてインストール問題を解決する」に進みます。


phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。

この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短縮形については、付録 B Sun Cluster オブジェクト指向コマンドを参照してください。

  1. クラスタノードを削除するための前提作業 (作業マップを参照) がすべて完了していることを確認します。

    表 8–2 を参照してください。


    注 –

    この手順を続ける前に、clnode remove を使用してクラスタ構成からノードを削除します。


  2. アンインストールするグローバルクラスタノード以外の、アクティブなグローバルクラスタメンバー上で、スーパーユーザーになります。この手順は、グローバルクラスタノードから実行します。

  3. アクティブなクラスタメンバーから、アンインストールを行うノードをクラスタ のノード認証リストに追加します。


    phys-schost# claccess allow -h hostname
    
    -h

    ノードの認証リストに追加するノードの名前を指定します。

    または、clsetup(1CL) ユーティリティーを使用できます。手順については、「ノードを認証ノードリストに追加する」を参照してください。

  4. アンインストールするノードでスーパーユーザーになります。

  5. ゾーンクラスタがある場合は、アンインストールします。


    phys-schost# clzonecluster uninstall -F zoneclustername
    

    具体的な手順は、「ゾーンクラスタを削除する」を参照してください。

  6. ノードにグローバルデバイス名前空間用の専用パーティションがある場合、グローバルクラスタノードを非クラスタモードで再起動します。

    • SPARC ベースのシステム上で、次のコマンドを実行します。


      # shutdown -g0 -y -i0ok boot -x
      
    • x86 ベースのシステム上で、次のコマンドを実行します。


      # shutdown -g0 -y -i0
      ...
                            <<< Current Boot Parameters >>>
      Boot path: /pci@0,0/pci8086,2545@3/pci8086,1460@1d/pci8086,341a@7,1/
      sd@0,0:a
      Boot args:
      
      Type    b [file-name] [boot-flags] <ENTER>  to boot with options
      or      i <ENTER>                           to enter boot interpreter
      or      <ENTER>                             to boot with defaults
      
                        <<< timeout in 5 seconds >>>
      Select (b)oot or (i)nterpreter: b -x
      
  7. /etc/vfstab ファイルから、グローバルにマウントされるすべてのファイルシステムエントリを削除します。ただし、/global/.devices グローバルマウントを除きます。

  8. このノード上で Sun Cluster ソフトウェアを再インストールする場合は、Sun Java Enterprise System (Java ES) 製品のレジストリから Sun Cluster のエントリを削除します。

    Java ES 製品のレジストリに Sun Cluster ソフトウェアがインストールされたという記録が含まれていると、Java ES のインストーラは Sun Cluster のコンポーネントを灰色で表示し、再インストールを許可しません。

    1. Java ES のアンインストーラを起動します。

      次のコマンドを実行します。ver は Sun Cluster ソフトウェアのインストール元である Java ES ディストリビューションのバージョンです。


      # /var/sadm/prod/SUNWentsysver/uninstall
      
    2. プロンプトに従い、アンインストールする Sun Cluster を選択します。

      uninstall コマンドの詳細については、『Sun Java Enterprise System 5 Update 1 Installation Guide for UNIX』 の第 8 章、「Uninstalling」 を参照してください。

  9. このクラスタ上で Sun Cluster ソフトウェアを再インストールしない場合は、ほかのクラスタデバイスからトランスポートケーブルとトランスポートスイッチを切断します (存在する場合)。

    1. アンインストールしたノードが、並列 SCSI インタフェースを使用する記憶装置デバイスに接続されている場合は、トランスポートケーブルを切り離した後で、この記憶装置デバイスのオープン SCSI コネクタに SCSI ターミネータを取り付ける必要があります。

      アンインストールしたノードが、Fibre Channel インタフェースを使用する記憶装置デバイスに接続されている場合は、終端処理は必要ありません。

    2. 切り離し手順については、ホストアダプタやサーバーに添付されているマニュアルを参照してください。


    ヒント –

    ループバックファイルインターフェース (lofi) デバイスを使用する場合、Java ES アンインストーラが自動的に /.globaldevices という lofi ファイルを削除します。グローバルデバイス名前空間の lofi への移行に関する詳細は、「グローバルデバイス名前空間を移行する」を参照してください。


ノードのアンインストールに伴う問題の解決

ここでは、scinstall -r コマンドを実行したときに出力される可能性があるエラーメッセージとその対処方法について説明します。

削除されないクラスタファイルシステムのエントリ

次のエラーメッセージは、削除したグローバルクラスタノードに、vfstab ファイルから参照されているクラスタファイルシステムがまだあることを示しています。


Verifying that no unexpected global mounts remain in /etc/vfstab ... failed
scinstall:  global-mount1 is still configured as a global mount.
scinstall:  global-mount1 is still configured as a global mount.
scinstall:  /global/dg1 is still configured as a global mount.
 
scinstall:  It is not safe to uninstall with these outstanding errors.
scinstall:  Refer to the documentation for complete uninstall instructions.
scinstall:  Uninstall failed.

このエラーを修正するためには、「Sun Cluster ソフトウェアをクラスタノードからアンインストールする」に戻って、その手順を繰り返す必要があります。手順 7 コマンドを再度実行する前に、このStep 7が正しく行われているか確認してください。

デバイスグループに削除されていないリストがある場合

次のエラーメッセージは、削除したノードが依然としてデバイスグループにリストされていることを示しています。


Verifying that no device services still reference this node ... failed
scinstall:  This node is still configured to host device service "
service".
scinstall:  This node is still configured to host device service "
service2".
scinstall:  This node is still configured to host device service "
service3".
scinstall:  This node is still configured to host device service "
dg1".
 
scinstall:  It is not safe to uninstall with these outstanding errors.          
scinstall:  Refer to the documentation for complete uninstall instructions.
scinstall:  Uninstall failed.

Sun Cluster SNMP イベント MIB の作成、設定、および管理

この節では、Simple Network Management Protocol (簡易ネットワーク管理プロトコル、SNMP) イベント Management Information Base (管理情報ベース、MIB) を作成、設定、および管理する方法を説明します。またこのセクションでは、Sun Cluster SNMP イベント MIB を有効化、無効化、および変更する方法も説明します。

Sun Cluster ソフトウェアでは現在、イベント MIB という MIB を 1 つサポートしています。SNMP マネージャーソフトウェアがクラスタイベントをリアルタイムでトラップします。有効な場合、SNMP マネージャー はトラップ通知を clsnmphost コマンドによって定義されているすべてのホストに自動的に送信します。MIB には、最新の 50 イベントの読み取り専用のテーブルが保持されます。クラスタは多数の通知を生成するので、重要度が warning 以上のイベントだけがトラップ通知として送信されます。この情報は、リブートが実行されると消失します。

SNMP イベント MIB は、sun-cluster-event-mib.mib ファイルで定義されており、/usr/cluster/lib/mib ディレクトリにあります。この定義を使用して、SNMP トラップ情報を解釈できます。

イベント SNMP モジュールのデフォルトのポート番号は 11161 で、SNMP トラップのデフォルトのポートは 11162 です。これらのポート番号は、共通エージェントコンテナのプロパティーファイル (/etc/cacao/instances/default/private/cacao.properties) を変更することによって変更できます。

Sun Cluster SNMP イベント MIB の作成、設定、および管理には次の作業が含まれます。

表 9–3 作業マップ: Sun Cluster SNMP イベント MIB の作成、設定、および管理

作業 

参照先 

SNMP イベント MIB の有効化 

「SNMP イベント MIB を有効にする」

SNMP イベント MIB の無効化 

「SNMP イベント MIB を無効にする」

SNMP イベント MIB の変更 

「SNMP イベント MIB を変更する」

MIB のトラップ通知を受信するホストリストへの SNMP ホストの追加 

「SNMP ホストがノード上の SNMP トラップを受信できるようにする」

SNMP ホストの削除 

「SNMP ホストがノード上の SNMP トラップを受信できないようにする」

SNMP ユーザーの追加 

「SNMP ユーザーをノードに追加する」

SNMP ユーザーの削除 

「SNMP ユーザーをノードから削除する」

ProcedureSNMP イベント MIB を有効にする

この手順では、SNMP イベント MIB を有効化する方法を説明します。

phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。

この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短縮形については、付録 B Sun Cluster オブジェクト指向コマンドを参照してください。

  1. スーパーユーザーになるか、RBAC 承認 solaris.cluster.modify を提供する役割になります。

  2. SNMP イベント MIB を有効にします。


    phys-schost-1# clsnmpmib enable [-n node] MIB
    
    [-n node]

    有効にするイベント MIB がある node を指定します。ノード ID またはノード名を指定できます。このオプションを指定しないと、デフォルトで現在のノードが使用されます。

    MIB

    有効にする MIB の名前を指定します。この場合、MIB 名は event にしてください。

ProcedureSNMP イベント MIB を無効にする

この手順では、SNMP イベント MIB を無効化にする方法を説明します。

phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。

この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短縮形については、付録 B Sun Cluster オブジェクト指向コマンドを参照してください。

  1. スーパーユーザーになるか、RBAC 承認 solaris.cluster.modify を提供する役割になります。

  2. SNMP イベント MIB を無効にします。


    phys-schost-1# clsnmpmib disable -n node MIB
    
    -n node

    無効にするイベント MIB がある node を指定します。ノード ID またはノード名を指定できます。このオプションを指定しないと、デフォルトで現在のノードが使用されます。

    MIB

    無効にする MIB の種類を指定します。この場合、event を指定してください。

ProcedureSNMP イベント MIB を変更する

この手順では、SNMP イベント MIB のプロトコルを変更する方法を説明します。

phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。

この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短縮形については、付録 B Sun Cluster オブジェクト指向コマンドを参照してください。

  1. スーパーユーザーになるか、RBAC 承認 solaris.cluster.modify を提供する役割になります。

  2. SNMP イベント MIB のプロトコルを変更します。


    phys-schost-1# clsnmpmib set -n node -p version=value MIB
    
    -n node

    変更するイベント MIB がある node を指定します。ノード ID またはノード名を指定できます。このオプションを指定しないと、デフォルトで現在のノードが使用されます。

    -p version=value

    MIB で使用する SNMP プロトコルのバージョンを指定します。value は次のように指定します。

    • version=SNMPv2

    • version=snmpv2

    • version=2

    • version=SNMPv3

    • version=snmpv3

    • version=3

    MIB

    サブコマンドが適用される単数または複数の MIB の名前を指定します。この場合、event を指定してください。このオペランドを指定しない場合は、デフォルトのプラス記号 (+) がサブコマンドで使用されます (すべての MIB を意味します)。MIB オペランドを使用する場合は、ほかのコマンドラインオプションの後ろに、スペース区切りリストで MIB を指定します。

ProcedureSNMP ホストがノード上の SNMP トラップを受信できるようにする

この手順では、ノード上の SNMP ホストを、MIB のトラップ通知を受信するホストのリストに追加する方法を説明します。

phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。

この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短縮形については、付録 B Sun Cluster オブジェクト指向コマンドを参照してください。

  1. スーパーユーザーになるか、RBAC 承認 solaris.cluster.modify を提供する役割になります。

  2. ホストを、別のノード上のコミュニティーの SNMP ホストリストに追加します。


    phys-schost-1# clsnmphost add -c SNMPcommunity [-n node] host
    
    -c SNMPcommunity

    ホスト名とともに使用される SNMP コミュニティー名を指定します。

    ホストを public 以外のコミュニティーに追加する場合は、コミュニティー名 SNMPcommunity を指定してください。add サブコマンドを -c オプションなしで使用すると、このサブコマンドは public をデフォルトのコミュニティー名として使用します。

    指定されたコミュニティー名が存在しない場合、このコマンドはそのコミュニティーを作成します。

    -n node

    クラスタ内の SNMP MIB に対するアクセス権を付与されている SNMP ホストの node の名前を指定します。ノード名またはノード ID を指定できます。このオプションを指定しないと、デフォルトで現在のノードが使用されます。

    host

    クラスタ内の SNMP MIB に対するアクセス権が付与されたホストの名前、IP アドレス、または IPv6 アドレスを指定します。

ProcedureSNMP ホストがノード上の SNMP トラップを受信できないようにする

この手順では、ノード上の SNMP ホストを、MIB のトラップ通知を受信するホストのリストから削除する方法を説明します。

phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。

この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短縮形については、付録 B Sun Cluster オブジェクト指向コマンドを参照してください。

  1. スーパーユーザーになるか、RBAC 承認 solaris.cluster.modify を提供する役割になります。

  2. 指定のノード上のコミュニティーの SNMP ホストリストからホストを削除します。


    phys-schost-1# clsnmphost remove -c SNMPcommunity -n node host
    
    remove

    指定のノードから指定の SNMP ホストを削除します。

    -c SNMPcommunity

    SNMP ホストを削除する SNMP コミュニティーの名前を指定します。

    -n node

    構成から削除される SNMP ホストの node の名前を指定します。ノード名またはノード ID を指定できます。このオプションを指定しないと、デフォルトで現在のノードが使用されます。

    host

    構成から削除されるホストの名前、IP アドレス、または IPv6 アドレスを指定します。

    指定の SNMP コミュニティー内のすべてのホストを削除するには、-c オプション付きの host に正符号 (+) を使用します。すべてのホストを削除するには、host に正符号 + を使用します。

ProcedureSNMP ユーザーをノードに追加する

この手順では、ノード上の SNMP ユーザー構成に SNMP ユーザーを追加する方法を説明します。

phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。

この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短縮形については、付録 B Sun Cluster オブジェクト指向コマンドを参照してください。

  1. スーパーユーザーになるか、RBAC 承認 solaris.cluster.modify を提供する役割になります。

  2. SNMP ユーザーを追加します。


    phys-schost-1# clsnmpuser create -n node -a authentication \
                  -f password user
    
    -n node

    SNMP ユーザーが追加されるノードを指定します。ノード ID またはノード名を指定できます。このオプションを指定しないと、デフォルトで現在のノードが使用されます。

    -a authentication

    ユーザーの承認に使用する認証プロトコルを指定します。認証プロトコルの値は SHA または MD5 です。

    -f password

    SNMP ユーザーパスワードを含むファイルを指定します。新しいユーザーを作成する際にこのオプションを指定しないと、コマンドはパスワードを求めるプロンプトを表示します。このオプションは、add サブコマンドとだけ有効です。

    ユーザーパスワードは、次の形式で、独立した行の上に指定します。

    user:password
    

    パスワードには次に示す文字または空白文字を含めることはできません。

    • ; (セミコロン)

    • : (コロン)

    • \ (バックスラッシュ)

    • \n (復帰改行)

    user

    追加する SNMP ユーザーの名前を指定します。

ProcedureSNMP ユーザーをノードから削除する

この手順では、ノード上の SNMP ユーザー構成から SNMP ユーザーを削除する方法を説明します。

phys-schost# プロンプトは、グローバルクラスタのプロンプトを表します。この手順は、グローバルクラスタ上で実行します。

この手順では、長形式の Sun Cluster コマンドを使用して説明します。多くのコマンドには短縮形もあります。コマンド名の形式の長短を除き、コマンドは同一です。コマンドのリストとその短縮形については、付録 B Sun Cluster オブジェクト指向コマンドを参照してください。

  1. スーパーユーザーになるか、RBAC 承認 solaris.cluster.modify を提供する役割になります。

  2. SNMP ユーザーを削除します。


    phys-schost-1# clsnmpuser delete -n node user
    
    -n node

    SNMP ユーザーが削除されるノードを指定します。ノード ID またはノード名を指定できます。このオプションを指定しないと、デフォルトで現在のノードが使用されます。

    user

    削除する SNMP ユーザーの名前を指定します。

障害追跡

このセクションでは、テスト用に使用できる障害追跡手順について説明します。

Procedure非クラスタモードで起動したノードから Solaris Volume Manager メタセットを取得する

この手順を使用して、テスト用にグローバルクラスタ外でアプリケーションを実行します。

  1. Solaris Volume Manager メタセットで定足数デバイスが使用されているかどうかを確認し、定足数デバイスが SCSI2 または SCSI3 予約を使用するかどうかを確認します。


    phys-schost# clquorum show
    
    1. 定足数デバイスが Solaris Volume Manager メタセットにある場合は、あとで非クラスタモードにするメタセットには含まれない、新しい定足数デバイスを追加します。


      phys-schost# clquorum add did
      
    2. 古い定足数デバイスを削除します。


      phys-schost# clqorum remove did
      
    3. 定足数デバイスが SCSI2 予約を使用する場合は、古い定足数からの SCSI2 予約をスクラブして、SCSI2 予約が残らないことを確認します。


      phys-schost# /usr/cluster/lib/sc/pgre -c pgre_scrub -d /dev/did/rdsk/dids2
      phys-schost# /usr/cluster/lib/sc/pgre -c pgre_inkeys -d /dev/did/rdsk/dids2
      
  2. 非クラスタモードで起動するグローバルクラスタノードを退避します。


    phys-schost# clresourcegroup evacuate -n targetnode
    
  3. HAStorage または HAStoragePlus リソースを含み、あとで非クラスタモードにするメタセットの影響を受けるデバイスまたはファイルシステムを含む、1 つまたは複数のリソースグループをオフラインにします。


    phys-schost# clresourcegroup offline resourcegroupname
    
  4. オフラインにしたリソースグループ内のすべてのリソースを無効にします。


    phys-schost# clresource disable resourcename
    
  5. リソースグループを非管理状態に切り替えます。


    phys-schost# clresourcegroup unmanage resourcegroupname
    
  6. 対応する 1 つまたは複数のデバイスグループをオフラインにします。


    phys-schost# cldevicegroup offline devicegroupname
    
  7. 1 つまたは複数のデバイスグループを無効にします。


    phys-schost# cldevicegroup disable devicegroupname
    
  8. パッシブノードを非クラスタモードで起動します。


    phys-schost# reboot -x
    
  9. 続ける前にパッシブノードで起動プロセスが完了していることを確認します。

    • Solaris 9

      ログインプロンプトは起動プロセスが完了したあとにのみ表示されるため、操作は不要です。

    • Solaris 10


      phys-schost# svcs -x
      
  10. メタセット内のディスクに SCSI3 予約があるかどうかを調べます。メタセット内のすべてのディスクで次のコマンドを実行します。


    phys-schost# /usr/cluster/lib/sc/scsi -c inkeys -d /dev/did/rdsk/dids2
    
  11. ディスク上に SCSI3 予約がある場合は、それらをスクラブします。


    phys-schost# /usr/cluster/lib/sc/scsi -c scrub -d /dev/did/rdsk/dids2
    
  12. メタセットを退避したノードに移します。


    phys-schost# metaset -s name -C take -f
    
  13. メタセット上で定義されたデバイスを含む 1 つまたは複数のファイルシステムをマウントします。


    phys-schost# mount device mountpoint
    
  14. アプリケーションを起動して、必要なテストを実行します。テストが終了したら、アプリケーションを停止します。

  15. ノードを再起動し、起動プロセスが終了するまで待ちます。


    phys-schost# reboot
    
  16. 1 つまたは複数のデバイスグループをオンラインにします。


    phys-schost# cldevicegroup online -e devicegroupname
    
  17. 1 つまたは複数のリソースグループを起動します。


    phys-schost# clresourcegroup online -eM  resourcegroupname