Sun Java System Communications Services 6 2005Q4 配備計画ガイド

有効化テクニックとテクノロジの使用

前節で説明した高可用性ソリューションのほかに、有効化テクニックとテクノロジを使用して可用性とパフォーマンスの両方を向上させます。これらのテクニックとテクノロジには、ロードバランサ、Sun Java System Directory Proxy Server 、レプリカロールプロモーションなどがあります。

ロードバランサの使用

ロードバランサを使用して、エンドツーエンドのシステム全体に高可用性を提供することにより、アーキテクチャーの各層の機能の可用性を保証することができます。ロードバランサは、専用のハードウェア機器または完全なソフトウェアソリューションです。

負荷分散は、単一のアプリケーションインスタンス、サーバー、またはネットワークが単一の障害ポイントになることを回避すると同時にサービスのパフォーマンスを向上させる最善の方法です。負荷分散の主な目的の 1 つは、サービスの水平方向の能力を拡大することです。たとえば、ディレクトリサービスの場合、ロードバランサは、ディレクトリサービスが処理可能な同時 LDAP 接続の総数および 1 秒あたり LDAP 操作の総数を増加させます。

Directory Proxy Server の使用

Sun Java System Directory Proxy Server (以前の SunTM ONE Directory Proxy Server) は多くのプロキシ形式の機能を提供します。これらの機能の 1 つに LDAP 負荷分散があります。Directory Proxy Server は専用ロードバランサと同じ機能を実行できませんが、フェイルオーバー、レフェラルのフォロー、セキュリティ、マッピング機能のために、この機能の使用を検討します。

詳細については、次の Web サイトの Directory Proxy Server のマニュアルを参照してください。

http://docs.sun.com/app/docs/coll/1317.1

レプリカロールプロモーションの使用

Directory Server には、ディレクトリインスタンスのレプリカロールを昇格させたり、降格させる方法があります。この機能により、レプリカハブをマルチマスターサプライヤに昇格させる、またはその逆を行うことができます。コンシューマをレプリカハブのロールに昇格させる、またはその逆を行うこともできます。ただし、コンシューマを直接マルチマスターサプライヤとして昇格させること、またはその逆を行うことはできません。この場合には、コンシューマはまずレプリカハブとなり、次にハブからマルチマスターのレプリカとなることができます。逆の場合も同じように実行できます。

レプリカロールプロモーションは分散配備に役立ちます。地理的に分散した 6 箇所のサイトがある場合について考えてみます。マルチマスターサプライヤを各サイトに配置したいと思いますが、最大 4 つのサイトに、サイトごとに 1 つ配置するだけに制限されています。ほかの 2 つの各サイトに少なくとも 1 つのハブを配置する場合は、ほかのマルチマスターサプライヤの 1 つがオフラインになっているか、または何らかの理由で運用されていない場合に、それらを昇格させることができます。

詳細については、『Sun Java System Directory Server 5 2005Q1 Administration Guide』を参照してください。