Sun Java System Communications Services 6 2005Q4 配備計画ガイド

Calendar Server セキュリティーの概要

セキュリティーは、今日のビジネスにおける日々の業務の中で重要な役割を果たしています。セキュリティーの侵害は、企業秘密を危険にさらす可能性だけでなく、停止時間、データの破損、および運用コストの増大を招く可能性もあります。Calendar Server は、ユーザーを盗聴、不許可の使用、または外部からの攻撃から保護するために多くのセキュリティーレベルを提供します。基本レベルのセキュリティーは認証によるものです。Calendar Server は、デフォルトの設定で LDAP 認証を使用していますが、代替の認証方法が必要とされる場合、認証プラグインの使用もサポートしています。さらに、Access Manager と統合する場合、Calendar Server はそのシングルサインオン機能を利用することができます。

セキュリティーにはユーザーが本人であることを確かめる以上のことが関係しています。セキュリティーにはデータの機密保護を確実にすることも含まれます。このため、Calendar Server はログインまたはログインとデータに対して、SSL 暗号化技術の使用をサポートしています。つまり、Web クライアントからサーバーへ、ログインのみが暗号化される場合と、ログインを含むセッション全体が暗号化される場合があります。

Secure Remote Access との統合によっても SSL 暗号化が可能になりますが、その場合、プロキシゲートウェイを介することになります。さらに、ポータルゲートウェイとの統合により提供される URL 書き換え機能により、外部のエンティティからさらに Calendar Server を隔離することが可能になります。Calendar Server は、ゲートウェイを介さない Calendar Server と直接接続ができないようにする、ポータルゲートウェイとともに配備することができます。この場合、すべての URL が書き換えられるため、Calendar Server の本当の URL の特定が困難になります。ユーザーが認証される場合でも、それによって、そのユーザーに他のカレンダユーザーのデータへのアクセス権があるわけではありません。

カレンダドメインの中には、認証されたユーザーが他の認証されたユーザーのカレンダデータへの不正にアクセスするのを防ぐ、他のセキュリティー層があります。セキュリティーの方策の 1 つに、Calendar Server アクセス制御のエントリによる方法があります。アクセス制御によって、カレンダユーザーは、自分のカレンダを閲覧可能な人、予定を自分のカレンダにスケジュール設定可能な人、自分のカレンダを変更可能な人、自分のカレンダから予定を削除可能な人を指定することができます。さらにアクセス制御によって、ユーザーは、自分の代わりに出席依頼に応答することのできる人、予定のスケジュール設定または変更ができる人、予定を削除できる人を選択することができます。最後に、アクセス制御を使用すると、ユーザーのドメインの範囲を調整できるので、あるドメインのユーザーが別のドメインのユーザーによる予定のスケジュール設定を防止したり、または可能にしたりすることができます。

ただし、アクセス制御に加えて、Calendar Server は、カレンダフロントエンドとデータベースバックエンドを分割する配備に対して、データベースプロトコルレベルにおける追加レベルのセキュリティーを提供します。このセキュリティーレベルは、DWP (データベースワイヤプロトコル) 認証と呼ばれ、ユーザーの名前とパスワードのペアを利用して DWP 接続を認証します。DWP 接続が認証されるためには、ユーザー名とパスワードのペアが、フロントエンドとデータベースバックエンドの両方で同じである必要があります。

セキュリティー戦略の監視

サーバーの監視は、セキュリティー戦略で重要な位置を占めます。システムに対する攻撃を識別するには、メッセージキューのサイズ、CPU の使用率、ディスクの空き容量、ネットワークの使用率を監視します。メッセージキューサイズの異常な増大やサーバー応答時間の異常な減少から、攻撃のいくつかは識別できます。また、通常とは異なるシステムの負荷パターンや接続についても調査します。ログを毎日チェックして、異常な活動がないか調べます。