Sun Java System Communications Services 6 2005Q4 配備計画ガイド

Instant Messaging のシステムパフォーマンスガイドラインについて

負荷シミュレータを使用してハードウェアとユーザーベースの評価を行うと、システムパフォーマンスを測定する必要があります。この節の各トピックでは、システムの全体的なパフォーマンスを向上させる方法について説明します。

Instant Messaging のメモリー使用率

配備で使用するそれぞれのマシンに、適切な量の物理メモリーが搭載されていることを確認してください。物理メモリーを追加するとパフォーマンスが向上し、ピークボリューム時でも Instant Messaging サーバーが適切に動作するようになります。メモリー容量が十分であれば、Instant Messaging は過度のスワッピングをすることなく効率的に動作できます。

ほとんどの配備では、256M バイト以上の RAM が必要です。RAM の必要容量は、同時並行クライアント接続の数、およびサーバーとマルチプレクサが同じホストに配備されているかどうかによって異なります。同時接続については、「Instant Messaging の使用率プロファイルの作成」を参照してください。サーバーとマルチプレクサの同一ホスト上でのホスティングについては、「Instant Messaging アーキテクチャー戦略の構築」を参照してください。

Solaris システムでは、iim.conf ファイルの iim.jvm.maxmemorysize パラメータを変更して、サーバーに割り当てるメモリーの容量を設定できます。このパラメータは、サーバーを実行する JVM (Java Virtual Machine) が使用できる最大メモリー数を M バイト単位で指定します。デフォルトの設定は 256M バイト、最大設定は 500M バイトです。このパラメータの設定方法については、『Sun Java System Instant Messaging 7 2005Q1 Administration Guide』を参照してください。

Windows NT システムでは、現時点ではこの値を変更できません。

Instant Messaging のディスクスループット

ディスクのスループットとは、システムでメモリーからディスクに、またはディスクからメモリーに転送されるデータ量のことです。このデータ転送レートは、Instant Messaging のパフォーマンスに重大な影響を及ぼします。システムのディスクスループット効率を向上させる方法は、次のとおりです。

Instant Messaging のディスク容量

サーバーシステムのディスク容量を計画するときは、オペレーティング環境ソフトウェア、Instant Messaging ソフトウェア、Instant Messaging をサポートするためにインストールが必要で、現在ネットワーク内に存在しないサーバー (LDAP など) の容量を考慮してください。必ず外部ディスク配列を使用してください。さらに、ユーザーディスク容量を割り当てます。この容量は、通常、サイトのポリシーに従って決定されます。一般的なインストールでは、次の容量が必要です。

表 22–1 は、アーカイブ機能を有効または無効にした場合のサーバーおよびマルチプレクサのディスク容量のサイズ設定を示しています。この表に示す値は、400MHz の Ultra SPARC II Processor を使用して算出したものです。

表 22–1 同時接続ユーザーを考慮した、Instant Messaging サーバーとマルチプレクサのメモリーディスク容量のサイズ設定

 

接続/非アクティブユーザーのサーバーメモリー消費量 

接続/アクティブユーザーのサーバーメモリー消費量 

接続/非アクティブユーザーのマルチプレクサメモリー消費量 

接続/アクティブユーザーのマルチプレクサメモリー消費量 

アーカイブ無効 

ユーザーあたり 8M バイト + 20K バイト 

ユーザーあたり 120M バイト +20K バイト 

ユーザーあたり 8M バイト +20K バイト 

ユーザーあたり 8M バイト + 28K バイト 

SSO/ ポータル / アーカイブ有効 

ユーザーあたり 100M バイト + 25K バイト 

ユーザーあたり 120M バイト + 30K バイト 

ユーザーあたり 8M バイト + 35K バイト 

ユーザーあたり 8M バイト + 40K バイト 

Instant Messaging のネットワークスループット

ネットワークスループットは、一定時間内にクライアントアプリケーションとサーバー間のネットワークで転送可能なデータ量のことです。ネットワークに接続されたサーバーがクライアントからの要求に応答できない場合、通常クライアントは要求の再送信を何度も行います。再送信のたびに、システムにはオーバーヘッドと余分なネットワークトラフィックが生じます。

データの完全性とシステムのパフォーマンスを向上させ、ネットワークの混雑を解消することで、再送信の数を減らすことができます。それには、次の手順に従います。

Instant Messaging の CPU リソース

サーバーとマルチプレクスサービス用に十分な数の CPU を用意します。さらに、使用を計画している RAID システムにも十分な CPU を用意します。配備でアーカイブ機能を利用する場合は、ディスク容量の要件についても考慮する必要があります。

表 22–2 は、アーカイブが有効または無効な場合のインストールの最適なパフォーマンスに必要な CPU 数を示しています。この表に示す値は、400MHz の Ultra SPARC II Processor を使用して算出したものです。

表 22–2 Instant Messaging の CPU の使用に関する数値

 

接続/非アクティブユーザーのサーバー CPU 使用率 

接続/アクティブユーザーのサーバー CPU 使用率 

接続/非アクティブユーザーのマルチプレクサ CPU 使用率 

接続/アクティブユーザーのマルチプレクサ CPU 使用率 

アーカイブ無効 

1 CPU あたり数十万のユーザー 

1 CPU あたり 30,000 ユーザー 

1 CPU あたり 50,000 ユーザー 

1 CPU あたり 5,000 ユーザー 

Instant Messaging マルチプレクサの最適設定

マルチプレクサの配備を計画するときは、次に提案する一般的な値を参考にしてください。ここで説明するパラメータは、iim.conf ファイルで設定できます。

これらのパラメータの詳細については、『Sun Java System Instant Messaging 7 2005Q1 Administration Guide』を参照してください。