Sun Java System Communications Services 6 2005Q4 配備計画ガイド

第 24 章 Instant Messaging のインストール前の考慮事項について

この章では、Instant Messaging のインストール前に考慮が必要な事項について説明します。Java Enterprise System インストーラの実行手順については、『Sun Java Enterprise System 2005Q4 Installation Guide for UNIX』を参照してください。

この章には、次の節があります。

Instant Messaging のインストールの概要

Solaris システム上で Instant Messaging をインストールするには、Java Enterprise System インストーラを使用します。Linux および Windows システム上では、それぞれのメディアキット CD に含まれるセットアッププログラムを使用します。また、このソフトウェアは、次のサイトからダウンロードすることもできます。

http://www.sun.com/software/download

Java Enterprise System と Instant Messaging のマニュアルには、インストールやアップグレード、サーバーの設定、クライアントの設定などに関する手順やツール情報が記載されています。そうした詳しいインストール手順や設定手順については、次のマニュアルを参照してください。

『Sun Java Enterprise System 2005Q4 Installation Guide for UNIX』

『Sun Java Enterprise System 2005Q4 アップグレードガイド』

『Sun Java System Instant Messaging 7 2005Q1 Administration Guide』

インストールを始める前に、『Sun Java System Communications Services 2005Q4 リリースノート』の第 3 章「Sun Java System Instant Messaging 7 2005Q4 リリースノート」でハードウェア要件、ソフトウェア要件、およびサポートされているバージョンを確認してください。

Instant Messaging をインストールする前に、Directory Server、Web Server、および必要に応じて Messaging Server をインストールする必要があります。さらに、Solaris システム上で Access Manager と Portal Server が提供する機能を Instant Messaging から使用する場合には、それらのサーバーもインストールする必要があります。ほかのサーバーとの連携については、「Instant Messaging の関連コンポーネント」を参照してください。さらに、第 23 章「Instant Messaging アーキテクチャーの開発」では、Instant Messaging の各種機能を活用するうえで参考になるアーキテクチャーを、いくつか紹介しています。

Instant Messaging ワークシート

ユーザーは、インストールまたはアップグレード時に基本的な設定情報の入力を求められます。このような情報は事前に収集しておいてください。ユーザーはそうした情報の一部またはすべての入力を求められますが、そのどちらになるかは、ユーザーがどのコンポーネントをインストール対象として選択するかによります。

表 24–1 を印刷し、配備時の値を空白部分に記入してください。このインストール用ワークシートは、複数のインストールやアンインストール、アップグレードなどに再利用できます。この表にはパスワードなどの機密情報が含まれています。したがって、この情報を安全な場所に保管することをお勧めします。

表 24–1 Instant Messaging インストールパラメータ

パラメータ 

説明 

実際の設定値 

Installation Directory

instant-messaging-install-dir または installation directory

Instant Messaging のインストール先ディレクトリ。 

デフォルト: 

Solaris システム: /opt/SUNWiim

Linux システム: /opt/sun/im

Windows システム: C:\Program Files\Sun\Instant Messaging

 

Instant Messaging Server Host and Domain Name

Instant Messaging のインストール先ホスト名と、そのホストに関連付けられたドメイン名。例: 

ホスト名: instantmessaging.siroe.com

ドメイン名: siroe.com

 

Instant Messaging Server Port Number

Instant Messenger クライアント以外から着信した要求に対する Instant Messaging サーバーの待機ポートの番号。 

デフォルト: 49999 

 

Multiplexor Port Number (マルチプレクサ構成のみ)

Instant Messenger クライアントから着信した要求に対する Instant Messaging サーバーの待機ポートの番号。 

デフォルト: 49909 

 

Disable Server

インストールしたインスタンスをサーバーとしてではなくマルチプレクサとして動作させる場合に、このオプションを選択します。このオプションを選択した場合、Remote Instant Messaging Server Host Name (マルチプレクサ構成のみ) の値を入力する必要があります。 

 

Remote Instant Messaging Server Host Name (マルチプレクサ構成のみ)

このマルチプレクサがメッセージをルーティングする Instant Messaging サーバーのホスト名。設定対象のインストール済みインスタンスが、マルチプレクサではなく Instant Messaging サーバーである場合には、このパラメータの値を入力しないでください。 

依存関係: Disable Server パラメータを選択し、サーバー機能を無効にする必要があります。 

 

Assign Instant Messaging Services to existing users (省略可能)

このオプションを選択した場合、既存の Access Manager ユーザーに対して Instant Messaging が有効になります。 

依存関係: Portal Server と Access Manager。 

 

Secure Mode (省略可能)

これを選択した場合、Portal Server Secure Remote Access との統合化が有効になります。 

Secure Remote Access は、イントラネット内のリモートユーザーにセキュアアクセスを提供します。ユーザーは、ポータルゲートウェイを介して Web ベースの Portal Server Desktop にログインすることで、Secure Remote Access にアクセスできます。

依存関係: 

Portal Server と Access Manager が必要です。 

Instant Messaging をセキュリティー保護されたモードで実行できるのは、Secure Remote Access が設定されている場合だけです。手順については、『Sun Java System Instant Messaging 7 2005Q1 Administration Guide』および『Sun Java System Portal Server 6 2005Q4 Secure Remote Access 管理ガイド』を参照してください。

この機能を有効にした場合、次にパラメータの値を入力する必要があります。 

  • Netlet Instant Messaging Port Number (省略可能)

  • Messenger Secure Download Port (省略可能)

 

Netlet Instant Messaging Port Number (省略可能)

Secure Mode (省略可能) を有効にした場合、これが着信要求に対する Netlet の待機ポートの番号になります。 

デフォルト: 49917 

依存関係: Secure Mode (省略可能) の有効化、Portal Server、および Access Manager。 

 

Messenger Secure Download Port (省略可能) 

Secure Mode (省略可能) を有効にした場合、これが、 Instant Messenger リソースを Netlet 経由でダウンロードする際のポート番号になります。 

デフォルト: 49916 

依存関係: Secure Mode (省略可能) の有効化、Portal Server、および Access Manager。 

 

Enable Instant Messaging Archive (省略可能) 

これを選択した場合、Instant Messaging に対する Portal Server 検索ベースアーカイブが有効になります。 

依存関係: Portal Server と Access Manager。 

 

LDAP Host Name 

Instant Messaging に対するユーザーとグループの情報が格納された LDAP サーバーのホスト名。たとえば、directory.siroe.com など。

依存関係: Directory Server などの LDAP サーバー。 

 

LDAP Port Number 

着信した要求に対するディレクトリサーバーの待機ポート番号。たとえば、389 など。

依存関係: Directory Server などの LDAP サーバー。 

 

Base DN 

Instant Messaging のユーザーとグループの情報が格納されているディレクトリツリー内のベース識別名。たとえば、o=siroe.com など。

依存関係: Directory Server などの LDAP サーバー。 

 

Bind DN 

インストール中に、ディレクトリマネージャの バインド DN とパスワードを使用する必要があります。この情報に基づき、インスタントメッセージングと在席確認サービスのテンプレートと属性のみを使ってディレクトリスキーマが更新されます。これにはディレクトリマネージャのアクセス権が必要となります。インストールや初期設定の終了後に、ディレクトリマネージャのバインド DN とパスワードが保存または使用されることはありません。 

サーバー構成の場合、Instant Messaging はこのバインド DN を使ってディレクトリ内のユーザーとグループを検索します。匿名でのディレクトリ検索が可能である場合は、これを空白のままにしてください。 

依存関係: Directory Server などの LDAP サーバー。 

 

Bind Password 

Bind DN のパスワード。 

 

SMTP Server Host Name (省略可能) 

オフラインユーザーにメッセージ通知を電子メールで送信する際に使用する SMTP サーバーのホスト名。たとえば、mail.siroe.com など。SMTP サーバーが 25 以外のポートを使用する場合、ホスト名のほかにそのポートも指定します。たとえば、SMTP サーバーがポート 1025 を使用する場合、次のように指定します。

mail.siroe.com:1025

依存関係: Messaging Server などの SMTP サーバー。 

 

Database, Logs, and Runtime File Pathname 

実行時ファイル、データベース、およびログの格納先。 

デフォルト: 

Solaris システム: /var/opt/SUNWiim/default

Linux システム: /var/opt/sun/im

Windows システム: C:\Program Files\Sun\Instant Messaging

 

Resources and Help Files Pathname 

instant-messaging-resource-directory または resource directory

リソースファイルとオンラインヘルプファイルのインストール先ディレクトリ。 

デフォルト: 

Solaris システム: /opt/SUNWiim/html

Linux システム: /opt/sun/im/html

Windows システム: C:\Program Files\Sun\Instant Messaging\html

 

Code Base 

Instant Messenger がリソースをダウンロードする URL。

リソースは、Web サーバーのドキュメントルート内にインストールします。たとえば、Web サーバー www.example.com の待機ポートが 89、ドキュメントルートが /opt/web/ であり、Instant Messenger リソースを /opt/web/im にインストールする場合は、Instant Messenger リソースのコードベースは次のようになります。

http://www.example.com:89/im/

インストール時に正しい codebase を入力しなかった場合、Instant Messenger の起動ページ codebase /lang/im[ssl].html codebase/lang /im[ssl].jnlp 内の URL を、正しい値に更新する必要があります。

UNIX の場合、リソースを任意のディレクトリにインストールし、シンボリックリンクを使ってそのリソースを Web サーバーから見えるようにする、といったことも可能です。 

たとえば、前述した例で、/opt/SUNWiim/html 内に Instant Messenger リソースをインストールした場合、そのリソースを Web サーバーから見えるようにするには、次のようなシンボリックリンクを作成します。

ln -s /opt/SUNWiim/html /opt/web/im

詳細については、『Sun Java System Instant Messaging 7 2005Q1 Administration Guide』と Web サーバーのマニュアルを参照してください。