Sun Java System Messaging Server 6 2005Q4 管理ガイド

アップグレードユーティリティーの実行

この節では、do_the_upgrade.sh ユーティリティーについて説明します。このユーティリティーは /var/tmp/UpgradeMsg5toMsg6.ScratchDir にあり、4 つのサブスクリプトで構成されているシェルスクリプトです。この節には、次の項目があります。

アップグレードユーティリティーの概要

do_the_upgrade.sh ユーティリティーは 4 つのシェルスクリプトで構成されています。これらのスクリプトは、*.MERGED ファイルを使用して、Messaging Server の現在のバージョンのシステムに含まれる MTA 設定の設定ディレクトリとファイルディレクトリの場所、configutil パラメータ、バックアップパラメータ、および mboxlist データベースを更新します。

このユーティリティーでは、do_the_upgrade.sh ユーティリティーを実行するほかに、do_the_upgrade.sh ユーティリティーを構成するスクリプト (make_mta_config_changes.shmake_configutil_changes.shmake_backup_config_changes.sh、および make_mboxlistdb_changes.sh) の 1つまたは複数を個別に実行することができます。

MTA リレーマシンを Messaging Server 5.2 から Messaging Server の現在のバージョンにアップグレードする場合は、make_mta_config_changes.shmake_backup_config_changes.sh を実行します (「バックアップ設定」を参照)。

do_the_upgrade.sh ユーティリティーやサブスクリプトを実行する場合、Messaging Server の 5.2 や 6 2005Q4 が起動や実行をしていないことを確認してください。

Proceduredo_the_upgrade.sh ユーティリティーを実行するには

手順
  1. 5.2 と Messaging Server の現在のバージョンの両方をシャットダウンします。

  2. 次のようにユーティリティーを実行します。


    # sh /var/tmp/UpgradeMsg5toMsg6.ScratchDir/do_the_upgrade.sh
    

    do_the_upgrade.sh スクリプトの実行後に、5.2 のパーティションパスの参照を継続するか (ただし、Messaging Server 5.2 の server-root ディレクトリは削除できなくなる)、Messaging Server の現在のバージョンのディレクトリが割り当てられる場所に 5.2 のストアパーティションを手動で移動するか、どちらかを選択できます。この手順は Messaging Server の再起動のまえに実行しておくことが必要です。

MTA の設定

do_the_upgrade.sh ユーティリティーを構成するサブスクリプトのうち、MTA のアップグレード設定を行うものは、make_mta_config_changes.sh と呼ばれ、/var/tmp/UpgradeMsg5toMsg6.ScratchDir にあります。

make_mta_config_changes.sh スクリプトは、*.MERGED サーバー設定ファイルをバックアップし、Messaging Server の現在のバージョンのファイルディレクトリ構造内の元の名前と位置に戻します。

このスクリプトによるファイルの名前の変更と移動が完了すると、imsimta cnbuild コマンドが自動的に実行されて MTA 設定が再コンパイルされます。


注 –

MTA リレーマシンを Messaging Server 5.2 から Messaging Server の現在のバージョンにアップグレードする場合は、make_mta_config_changes.shmake_backup_config_changes.sh を実行するだけです (「バックアップ設定」を参照)。


configutil の各パラメータ

do_the_upgrade.sh ユーティリティーを構成するサブスクリプトのうち、configutil のアップグレード設定を行うものは、make_configutil_changes.sh スクリプトと呼ばれ、/var/tmp/UpgradeMsg5toMsg6.ScratchDir にあります。

make_configutil_changes.sh スクリプトは、msg.conf および local.conf ファイル内の新規または更新されたパラメータを組み込みます。Messaging Server の現在のバージョンの configutil パラメータにデフォルト値が指定されていない場合、Messaging Server 5.2 の値が Messaging Server の現在のバージョンに繰り越されます。

バックアップ設定

do_the_upgrade.sh ユーティリティーを構成するサブスクリプトのうち、バックアップのアップグレード設定を行うものは、make_backup_config_changes.sh スクリプトと呼ばれ、/var/tmp/UpgradeMsg5toMsg6.ScratchDir にあります。

make_backup_config_changes.sh スクリプトは、backup-groups.conf ファイルにあるようなバックアップサービスの設定をアップグレードします。

mboxlist データベース

do_the_upgrade.sh ユーティリティーを構成するサブスクリプトのうち、mboxlist データベースのアップグレード設定を行うものは、make_mboxlistdb_changes.sh スクリプトと呼ばれ、/var/tmp/UpgradeMsg5toMsg6.ScratchDir にあります。

make_mboxlistdb_changes.sh スクリプトは、5.2 の mboxlist データベースを転送してアップグレードし、それを Messaging Server の現在のバージョンのディレクトリ構造にアップグレードします。このスクリプトは、4 つの *.db ファイル (folder.dbquota.dbperuser.db、および subscr.db) を、Messaging Server 5.2 システム上の server-root /msg-instance/store/mboxlist から Messaging Server の現在のバージョンのシステム上の msg_svr_base/data/store/mboxlist にコピーします。