Sun Java System Messaging Server 6 2005Q4 管理ガイド

ETRN コマンドのサポート

キーワード: allowetrnblocketrndisableetrndomainetrnsilentetrnsendetrnnosendetrnnovrfy

RFC 1985 で規定されている ETRN コマンドは SMTP サービスの拡張を可能にするものです。このコマンドによって SMTP サーバーがクライアントとの通信に基づいてメッセージキューの処理を開始し、指定のホストにメッセージを配信できるようになります。

SMTP クライアントは ETRN を使用して、自分宛のメッセージキューの処理を開始するようリモート SMTP サーバーに要求できます。つまり、ETRN は、自分のシステムに入ってくるメッセージのためにリモート SMTP システムをポーリングする方法を提供します。これは、一過性の接続しか持たないシステム間 (たとえば、ダイアルアップ以外の方法ではインターネットに接続できないサイト用に二次的な MX ホストとして設定されているサイトなど) に対して有用です。このコマンドを有効にすることで、ダイアルアップ接続を行うリモートサーバーもメール配信の要求を送ることができるようになります。

SMTP クライアントは、SMTP ETRN コマンド行でメッセージの送信先となるシステム名 (通常、その SMTP クライアントシステムの名前) を指定します。リモート SMTP サーバーが ETRN コマンドをサポートする場合、サーバーは指定のシステムに別途接続し、そのシステム宛のメッセージの配信を開始するためのプロセスがトリガされます。

ETRN コマンドへの応答

allowetrnblocketrndomainetrn、および silentetrn キーワードは、SMTP クライアントが ETRN コマンドを発行して MTA キュー内のメッセージを配信するよう要求した際に、MTA がどのように対応するかを指定するキーワードです。

デフォルト設定では allowetrn キーワードが有効になっているため、MTA はすべての ETRN コマンドを処理します。MTA が ETRN コマンドを拒否するように指定するには、チャネル定義に blocketrn キーワードを使用します。

MTA がすべての ETRN コマンドに従い、かつドメインによって確認されたチャネル名をエコーしないように指定するには、silentetrn キーワードを使用します。ETRN コマンドがドメインを指定している場合にのみ MTA がそのコマンドを処理するように指定するには、domainetrn キーワードを使用します。また、このキーワードを使用すると、MTA は、ドメインと一致し、MTA が実行しようとするチャネル名をエコーしません。

disableetrn では、ETRN コマンドに対するサポートが完全に無効となります。SMTP サーバーで、ETRN はサポートされているコマンドとして通知されません。

ETRN コマンドを送信する

sendetrn および nosendetrn チャネルキーワードは、MTA が SMTP 接続開始時に ETRN コマンドを送るかどうかを指定するためのものです。デフォルト設定では nosendetrn が有効になっているため、MTA は ETRN コマンドを送りません。リモート SMTP サーバーが ETRN コマンドをサポートする場合にのみ MTA が ETRN を発行するように指定するには、sendetrn キーワードを使用します。sendetrnn キーワードのあとには、メッセージの配信先となるシステムの名前を記述する必要があります。