Sun Java System Messaging Server 6 2005Q4 管理ガイド

IDENT 検索

キーワード: identnoneidentnonelimitedidenttnonnumericidentnonesymbolicidenttcpidenttcpnumericidenttcpsymbolic identtcplimited

IDENT キーワードは、MTA が IDENT プロトコルを使用して接続や検索を処理する方法を制御します。IDENT プロトコルは、RFC 1413 で規定されています。

identtcpidenttcpsymbolic、および identtcpnumeric キーワードは、MTA が接続や検索に IDENT プロトコルを使用するように指定するものです。IDENT プロトコルから入手した情報 (通常、SMTP 接続を使用しているユーザーの ID) は、次のようにメッセージの Received: ヘッダー行に挿入されます。


注 –

identtcpidenttcpsymbolic、または identtcpnumeric による IDENT 検索が役に立つのは、リモートシステムで IDENT サーバーが稼働している場合です。


IDENT クエリの試行でパフォーマンスヒットが発生する場合があります。そうすると、ルーターは認識できないポートへの接続試行を次第に「ブラックホール化」するようになります。IDENT 検索でこのような状況が発生した場合は、接続がタイムアウトするまで MTA には応答が返されません (通常、このタイムアウトは TCP/IP スタックが制御するもので、1、2 分ほどかかる)。

別のパフォーマンスの問題が、identtcpindenttcplimited、あるいは identtcpsymbolicidenttcpnumeric と比較するときにも発生します。identtcpidenttcplimited、または identtcpsymbolic によって DNS リバース検索が実行された場合、よりユーザーフレンドリーなホスト名を返すにはより長い時間が必要になります。

identnone キーワードは IDENT 検索を無効にしますが、IP からホスト名への変換は行われます。メッセージの Received: ヘッダーには IP 番号とホスト名の両方が含まれます。

identnonesymbolic キーワードは IDENT 検索を無効にしますが、IP からホスト名への変換は行われます。メッセージの Received: ヘッダーにはホスト名だけが含まれます。

identnonenumeric キーワードは IDENT 検索を無効にし、DNS リバース検索の IP 番号からホスト名への変換を禁止します。また、Received: ヘッダーにユーザーフレンドリーではない情報を使用するため、パフォーマンスの向上につながる可能性もあります。これがデフォルトです。

IDENT 検索、リバース DNS 検索、Received: ヘッダーに表示する情報などに関し、identtcplimited キーワードは identtcp と、identnonelimited キーワードは identnone とそれぞれ同様の効果をもたらします。ただし、異なる点として、identtcplimited および identnonelimited の場合は、switchchannel キーワードの影響で、DNS リバース検索によってホスト名が検出されたかどうかにかかわらず常に IP リテラルアドレスがチャネルスイッチのベースとして使用されます。