メーリングリストに電子メール専用メンバーを追加するには、次のいずれかまたは両方を行います。
メンバーを 1 人ずつメーリングリストに追加します。
グループのメンバーを決定するフィルタとして、ユーザーディレクトリに適用するダイナミック検索条件を定義します。
ここでは、コンソールの「ユーザーおよびグループ」インタフェース上で「電子メール専用メンバー」と呼ばれるメーリングリストメンバーについて説明します。電子メール専用メンバーには、グループのメーリングリストに関する権限のみが与えられます。正規メンバーの追加は、インタフェースの別の場所で実行します。その手順については、『Sun ONE Server Console 5.2 Server Management Guide』の「User and Group Administration」の章を参照してください。通常、正規メンバーには電子メール専用メンバーより多くの権限や責任が与えられます。グループの詳細については、『Sun ONE Server Console 5.2 Server Management Guide』の「User and Group Administration」の章を参照してください。
ダイナミック検索条件は、ユーザーディレクトリ内でメンバーを検索する際にフィルタとして適用される LDAP 検索 URL によって構成されています。グループ宛にメッセージが届くと、このメカニズムによって、名前のスタティックなリストではなく、ディレクトリ検索に基づいて、メッセージが配信されるユーザーが決まります。そのため、各メンバーの情報を詳細にたどらなくても、大規模で複雑なグループを作成して管理することができます。
LDAP 検索フィルタには、必ず LDAP URL の構文の形式を使用してください。LDAP フィルタの作成の詳細については、『Sun ONE Server Console 5.2 Server Management Guide』の「User and Group Administration」の章を参照してください。Sun Java System Directory Server マニュアルおよび RFC 1959 も参照してください。
LDAP URL の構文は、次のとおりです。
ldap://hostname:port/base_dn?attributes?scope?filter
URL の各オプションには、次の意味があります。
表 C–1 LDAP URL オプション
オプション |
説明 |
---|---|
hostname |
Directory Server のホスト名です (デフォルトは Messaging Server が使用する Directory Server のホスト名)。 |
port |
LDAP サーバーのポート番号です。ポート番号を指定しない場合は、Messaging Server が使用するデフォルトの標準 LDAP ポートが使用されます。 |
base_dn |
検索ベースとして使用されるディレクトリエントリの識別名です。必ず指定する必要があります。 |
attributes |
検索結果として返される属性です。これらの属性は、Messaging Server によって返されます。 |
scope |
検索範囲です。 「base」を指定すると、検索ベース (base_dn) レベルの情報のみが検索対象になります。 「one」を指定すると、検索ベースの 1 つ下のレベルの情報が検索対象になります (検索ベースレベルは含まれない)。 「sub」を指定すると、検索ベースおよびその下のレベルにあるすべての情報が検索対象になります。 |
filter |
検索範囲内のエントリに適用される検索フィルタです。フィルタを指定しない場合は、(objectclass=*) が使用されます。 |
次に、「Sunnyvale」をメールホストとするユーザーをフィルタリングする LDAP 検索 URL の例を示します。
ldap:///o=Siroe Corp,c=US??sub?(&(mailHost=sunnyvale.siroe.com) (objectClass=inetLocalMailRecipient))
この URL は、組織名が Siroe (o=Siroe)、所在地が米国 (c=US)、メールホスト名が Sunnyvale (mailHost=sunnyvale) のユーザーをフィルタリングするためのものです。objectClass 属性は、検索対象のエントリの種類を定義するもので、この場合は inetLocalMailRecipient (objectClass=inetLocalMailRecipient) となっています。
コンソールを使用して検索フィルタを作成した場合、グループ名はすべて無視され、検索結果にはユーザー名だけが表示されることに注意してください。これは、グループメンバーでもあるユーザーの名前が重複して表示されることを避けるための設定です。コマンド行設定ユーティリティー (configutil) を使うとこの設定を無効にすることができますが、コマンド行の使用はできるかぎり避けてください。
次の項で説明しているとおり、検索 URL は、コンソールのテンプレートウィンドウ (「LDAP 検索 URL の作成」ウィンドウ) を使用して作成できます。
メーリングリストに (電子メール専用) メンバーを追加するには、次の手順に従います。
コンソールから「グループの作成」ウィンドウまたは「エントリの編集」ウィンドウにアクセスします。手順については、「メーリングリストにアクセスするには」を参照してください。
「メール」タブをクリックします。
「電子メール専用メンバー」タブをクリックします。
(省略可) メンバーの検索に LDAP 検索 URL を使用する場合は、「電子メール専用メンバーのダイナミック検索条件」フィールドの下にある「追加」ボタンをクリックし、「ダイナミック検索条件」ウィンドウで次の手順を実行します。
フィールドに LDAP 検索 URL を入力するか、または「構築」ボタンをクリックして「LDAP 検索 URL の作成」ウィンドウ (検索 URL の構築に使用するテンプレート) を開きます。
「了解」をクリックして「電子メール専用メンバーのダイナミック検索条件」フィールドに入力した条件を有効にし、「ダイナミック検索条件」ウィンドウを閉じます。
LDAP 検索 URL の作成については、「メンバーのダイナミック検索条件を定義するには」を参照してください。
(省略可) メーリングリストに個々のメンバーを追加するには、「電子メール専用のメンバー」フィールドの下にある「追加」ボタンをクリックし、「電子メール専用メンバーの追加」ウィンドウで次の手順を実行します。
フィールドに新規メンバーのプライマリアドレスを入力します。RFC 821 に準拠する有効な形式の SMTP アドレスを入力してください。グループに制約を設定する場合は特に、代替アドレスは指定しないでください。フィールドに複数のアドレスを入力することはできないため、このウィンドウで一度に複数のメンバーを追加することはできません。
「了解」をクリックしてリストにメンバーを追加し、「電子メール専用メンバーの追加」ウィンドウを閉じます。別のアドレスを入力するには、もう一度「追加」をクリックして、「電子メール専用メンバーの追加」ウィンドウを開きます。
メーリングリスト情報の設定が完了したら、「エントリの編集」ウィンドウの下部にある「了解」をクリックします。変更作業を続ける場合は、別のタブをクリックします。