Sun Java System では、ショートメッセージサービス (SMS) によって電子メールからモバイル、モバイルから電子メールへのメッセージングが実装されます。SMS は、片方向 (電子メールからモバイルのみ)、または双方向 (電子メールからモバイル、モバイルから電子メールの両方) のどちらかに設定できます。片方向のみのサービスを有効にするには、SMS チャネルを追加および設定する必要があります。双方向のサービスを有効にするには、SMS チャネルを追加および設定し、さらに SMS Gateway Server を設定する必要があります。
片方向と双方向のどちらの場合でも、生成された SMS メッセージは、Short Message Peer to Peer (SMPP) プロトコルを介してショートメッセージサービスセンター (SMSC) に送信されます。具体的には、SMSC では TCP/IP をサポートする V3.4 以上の SMPP サーバーが提供されている必要があります。
図 D–1 に、片方向 SMS の場合と双方向 SMS の場合のメッセージの論理フローを示します。
片方向サービスを有効にするために、Messaging Server はリモート SMSC と通信する SMPP クライアント (MTA SMS チャネル) を使用します。SMS チャネルは、「電子メールから SMS への変換プロセス」で説明されているように、キューに入れられた電子メールメッセージを SMS メッセージに変換します。この変換には、マルチパート MIME メッセージや、文字セットの変換問題の処理が含まれます。
このような処理を実行する SMS チャネルは、SMPP の外部ショートメッセージエンティティー (ESME) として機能します。
双方向 SMS では、メールサーバーは電子メールをリモート機器に送信するだけでなく、リモート機器から返信を受信したり、リモート機器の電子メール作成に対応したりできます。
双方向の SMS を有効にするには、前項目で説明されている MTA SMS チャネル (SMPP クライアント) に加えて、SMS Gateway Server が必要です。SMS Gateway Server は、Sun Java System の一般的なインストールプロセスの一環でインストールされますが、インストール後に設定する必要があります。SMS Gateway Server では、以下の 2 つの機能を実行します。
SMPP リレー
SMS Gateway Server は、MTA SMS チャネルと SMSC 間の透過的な SMPP クライアントとして機能します。リレーとして機能することに加え、SMS Gateway Server はリレーするメッセージ用に一意の SMS ソースアドレスを生成します。また、リモート SMSC から返されたメッセージ ID をあとで SMS 通知メッセージとの関連で使用するために保存します。
SMPP サーバー
SMS Gateway Server は SMPP サーバーとして機能し、モバイルを起点とする SMS メッセージ、電子メールに対する返信、および SMS 通知を受信します。SMS Gateway Server は、SMS メッセージから宛先電子メールアドレスを抽出します。抽出には変換プロセスが定義されているプロファイルを使用します。プロファイルには、電子メールからモバイルに送信されたメッセージに応答してリモート SMSC が返した通知メッセージの処理方法も定義されています。
Sun Java System は、Windows プラットフォーム上での双方向 SMS をサポートしていません。
このマニュアルでは、LogicaCMG の SMPP 仕様および使用している SMSC の SMPP マニュアルを読み終えていることを前提にしています。
Sun Java System Messaging Server 6 以上 (片方向 SMS は、iPlanet Messaging Server 5.2 でも実装される)
SMSC は、TCP/IP 対応の SMPP V3.4 以上をサポートしている必要があり、Messaging Server を実行するホストと SMSC の間で TCP/IP 接続が可能である必要があります。
SMS Gateway Server のストレージ計画については、「SMS Gateway Server のストレージ要件」を参照してください。