Sun Java System Messaging Server 6 2005Q4 管理ガイド

分散共有フォルダを設定するには

通常、共有フォルダは特定のメッセージストア上のユーザーのみが使用できます。ただし、Messaging Server では、複数のメッセージストアからアクセスできる「分散共有フォルダ」を作成できます。つまり、分散共有フォルダへのアクセス権は、メッセージストアグループ内の任意のユーザーに付与できます。ただし、Web メールクライアント (Messenger Express などの HTTP アクセスクライアント) では、リモートでの共有フォルダアクセスがサポートされていないことに注意してください。ユーザーは共有フォルダを一覧表示および購読できますが、内容を表示したり変更したりすることはできません。

分散共有フォルダでは、次の条件を満たす必要があります。

リモートのメッセージストア (つまり、共有フォルダを保持していないメッセージストア) は、表 18–4 に示されている設定変数を使用してプロキシサーバーとして設定されている必要があります。

表 18–4 分散共有フォルダの設定に使用する変数

名前 

値 

データ形式 

local.service.proxy.serverlist

メッセージストアのサーバーリスト 

スペースで区切られた文字列 

local.service.proxy.admin

デフォルトのストア管理者ログイン名 

文字列 

local.service.proxy.adminpass

デフォルトのストア管理者パスワード 

文字列 

local.service.proxy.admin.hostname

特定ホスト用のストア管理者ログイン名 

文字列 

local.service.proxy.adminpass.hostname

特定ホスト用のストア管理者パスワード 

文字列 

分散共有フォルダの設定例

図 18–3 に、StoreServer1、StoreServer2、および StoreServer3 という 3 つのメッセージストアサーバーで共有する分散フォルダの例を示します。

図 18–3 分散共有フォルダの例

図は、分散共有フォルダの例を示しています。

これらのサーバーは、表 18–4 で示されている変数を設定することによって、ピアプロキシメッセージストアとして互いに接続しています。各サーバーには、golf (Han が所有)、tennis (Kat が所有)、および hurling (Luke が所有) という非公開共有フォルダがあります。さらに、press_releases および Announcements という 2 つの公開共有フォルダもあります。これら 3 つのサーバーのいずれかに存在するユーザーは、これら 3 つの共有フォルダすべてにアクセスできます。図 18–2 に、Ed の共有フォルダリストが示されています。次に、この構成における各サーバーの ACL の例を示します。


$ StoreServer1 :> readership -l
Ed: user/Han/golf 
Ian: user/Han/golf 
anyone: user/public/press_releases

            

$ StoreServer2 :> readership -l
Jan: user/Kat/tennis
Ann: user/Kat/tennis
anyone: user/public+Announcements user/public+press_releases

            

$ StoreServer3 :> readership -l
Tuck: user/Ian/hurling
Ed: user/Ian/hurling 
Jac: user/Ian/hurling 
anyone: user/public/Announcements