Oracle Solaris のシステム管理 (Oracle Solaris コンテナ : 資源管理と Oracle Solaris ゾーン)

ゾーンがインストールされている Solaris システムのバックアップ

次の手順を使用して、ゾーン内のファイルをバックアップできます。ゾーンの構成ファイルもバックアップしてください。

Procedureufsdump を使用してバックアップを実行する方法

ufsdump コマンドを使用して、完全バックアップまたは増分バックアップを実行できます。この手順では、ゾーン /export/my-zone/backup/my-zone.ufsdump にバックアップします。ここで my-zone は使用しているシステム上のゾーンの名前に置き換えてください。/backup にマウントされたファイルシステムなど、別のファイルシステムにバックアップを格納することもできます。

  1. スーパーユーザーまたは Primary Administrator 役割になります。

    役割の作成と作成した役割のユーザーへの割り当てについては、『Solaris のシステム管理 (基本編)』「Solaris 管理ツールを RBAC と組み合わせて使用する (作業マップ)」を参照してください。

  2. (省略可能) 共有ファイルシステムのバックアップを作成しないように、ゾーンを停止して休止状態にします。


    global# zlogin -S my-zone init 0
    
  3. ゾーンの状態を検査します。


    global# zoneadm list -cv
    

    次のような情報が表示されます。


    ID  NAME     STATUS       PATH                           BRAND      IP
     0  global   running      /                              native     shared
     -  my-zone  installed    /export/home/my-zone           native     shared
  4. バックアップを実行します。


    global# ufsdump 0f /backup/my-zone.ufsdump /export/my-zone
    

    次のような情報が表示されます。


    DUMP: Date of this level 0 dump: Wed Aug 10 16:13:52 2005
    DUMP: Date of last level 0 dump: the epoch
    DUMP: Dumping /dev/rdsk/c0t0d0s0 (bird:/) to /backup/my-zone.ufsdump. 
    DUMP: Mapping (Pass I) [regular files]
    DUMP: Mapping (Pass II) [directories]
    DUMP: Writing 63 Kilobyte records
    DUMP: Estimated 363468 blocks (174.47MB).
    DUMP: Dumping (Pass III) [directories]
    DUMP: Dumping (Pass IV) [regular files]
    DUMP: 369934 blocks (180.63MB) on 1 volume at 432 KB/sec
    DUMP: DUMP IS DONE
  5. ゾーンを起動します。


    global# zoneadm -z my-zone boot
    

Procedurefssnap を使用して UFS スナップショットを作成する方法

この手順では、fssnap コマンドを使用して、バックアップのためにファイルシステムの一時的なイメージを作成します。

この方法を利用すれば、ゾーンファイルだけの純粋で一貫性のあるバックアップファイルを作成することができ、しかも、その作業をゾーンの動作中に実行できます。ただし、スナップショットを作成するときには、ファイルを更新中のアクティブなアプリケーションを中断するか、チェックポイントを設定することをお勧めします。スナップショットが作成されるときにファイルを更新中のアプリケーションは、これらのファイルを、内部的に一貫性のない状態、一部を切り捨てた状態、または使用できない状態にすることがあります。

下記の手順の例では、次のようになっています。

始める前に

バックアップ先は /backup/my-zone.ufsdump です。/ の下に backup ディレクトリを作成する必要があります。

  1. スーパーユーザーまたは Primary Administrator 役割になります。

    役割の作成と作成した役割のユーザーへの割り当てについては、『Solaris のシステム管理 (基本編)』「Solaris 管理ツールを RBAC と組み合わせて使用する (作業マップ)」を参照してください。

  2. スナップショットを作成します。


    global# fssnap -o bs=/export /export/home
    

    次のような情報が表示されます。


    dev/fssnap/0
  3. スナップショットをマウントします。


    global# mount -o ro /dev/fssnap/0 /mnt
    
  4. スナップショットから my-zone をバックアップします。


    global# ufsdump 0f /backup/my-zone.ufsdump /mnt/my-zone
    

    次のような情報が表示されます。


    DUMP: Date of this level 0 dump: Thu Oct 06 15:13:07 2005
       DUMP: Date of last level 0 dump: the epoch
       DUMP: Dumping /dev/rfssnap/0 (pc2:/mnt) to /backup/my-zone.ufsdump.
       DUMP: Mapping (Pass I) [regular files]
       DUMP: Mapping (Pass II) [directories]
       DUMP: Writing 32 Kilobyte records
       DUMP: Estimated 176028 blocks (85.95MB).
       DUMP: Dumping (Pass III) [directories]
       DUMP: Dumping (Pass IV) [regular files]
       DUMP: 175614 blocks (85.75MB) on 1 volume at 2731 KB/sec
       DUMP: DUMP IS DONE
  5. スナップショットのマウントを解除します。


    global# umount /mnt
    
  6. スナップショットを削除します。


    global# fssnap -d /dev/fssnap/0
    

    システムを再起動すると、スナップショットもシステムから削除されます。

Procedurefind および cpio を使用してバックアップを実行する方法

  1. スーパーユーザーまたは Primary Administrator 役割になります。

    役割の作成と作成した役割のユーザーへの割り当てについては、『Solaris のシステム管理 (基本編)』「Solaris 管理ツールを RBAC と組み合わせて使用する (作業マップ)」を参照してください。

  2. ディレクトリをルートディレクトリに変更します。


    global# cd /
    
  3. ループバックマウントされていない my-zone ファイルを /backup/my-zone.cpio にバックアップします。


    global# find export/my-zone -fstype lofs -prune -o -local
     | cpio -oc -O /backup/my-zone.cpio type as one line
    
  4. 結果を確認します。


    global# ls -l backup/my-zone.cpio
    

    次のような情報が表示されます。


    -rwxr-xr-x   1 root     root     99680256 Aug 10 16:13 backup/my-zone.cpio

Procedureゾーン構成のコピーを出力する方法

非大域ゾーン構成のバックアップファイルを作成することをお勧めします。必要に応じて、このバックアップを使用してゾーンをあとで再作成することができます。ゾーンにはじめてログインして sysidtool からの質問に回答したあとに、ゾーンの構成のコピーを作成します。この手順では、処理をわかりやすく説明するために、my-zone という名前のゾーンと my-zone.config という名前のバックアップファイルを使用します。

  1. スーパーユーザーまたは Primary Administrator 役割になります。

    役割の作成と作成した役割のユーザーへの割り当てについては、『Solaris のシステム管理 (基本編)』「Solaris 管理ツールを RBAC と組み合わせて使用する (作業マップ)」を参照してください。

  2. ゾーン my-zone の構成を my-zone.config というファイルに出力します。


    global# zonecfg -z my-zone export > my-zone.config