Oracle Solaris のシステム管理 (Oracle Solaris コンテナ : 資源管理と Oracle Solaris ゾーン)

Solaris 10 10/09: パッチ適用時間を短縮するためのゾーンの並列パッチ

ゾーンの並列パッチは、標準の Solaris 10 パッチユーティリティーの拡張機能です。これは、Solaris 10 システム上の非大域ゾーンにパッチを適用するための方法であり、サポート対象に含まれます。この機能を使用すると、並列で非大域ゾーンへパッチを適用することにより、パッチ適用のパフォーマンスを高めます。

Solaris 10 10/09 より前のリリースでは、この機能は、119254-66 以降のリビジョン (SPARC) および 119255-66 以降のリビジョン (x86) のパッチユーティリティーのパッチで提供されます。

並列でパッチを適用する非大域ゾーンの最大数は patchadd, /etc/patch/pdo.conf の新しい構成ファイルに設定できます。このパッチのリビジョン 66 以降は、すべての Solaris 10 システムおよび Sun xVM Ops Center など高いレベルのパッチ自動化ツールで機能します。

ただし、最初にパッチを適用する必要があるのは大域ゾーンです。大域ゾーンへのパッチの適用が終了した時点で、num_proc= に設定されている数の非大域ゾーンに対して一緒にパッチの適用が行われます。最大数は、オンライン CPU の数の 1.5 倍であり、システム上の実際の非大域ゾーンの数まで設定できます。

次の例を参考にしてください。

システム上にこの数を超える非大域ゾーンがある場合は、最初の 6 つに並列でパッチを適用し、その後、最初のグループへのパッチの適用プロセスが終了すると、残りの非大域ゾーンにパッチが適用されます。

Solaris Live Upgrade とパッチを管理するこの新しいパッチを使用すれば、問題が発生した場合にフォールバック機能が使用できます。システムがまだ本稼働していても、アクティブでない起動環境 (BE) にパッチを適用したり、新しい BE で問題が発見された場合、元の BE に戻って起動することができます。

「Solaris 10 10/09: 非大域ゾーンに並列でパッチを適用する方法」』も参照してください。


注 –

ホストに新しくインストールされた非大域ゾーンで表示される内容と一致するように、ゾーンのすべてのパッケージをすばやく更新するには、大域ゾーンにパッチを適用する間は各ゾーンを切り離しておき、適用後に -U オプションを使用して再接続して、大域ゾーンのレベルと一致させます。詳細は、「パッチ適用のソリューションとして、接続時更新を使用する」を参照してください。