Oracle Solaris のシステム管理 (Oracle Solaris コンテナ : 資源管理と Oracle Solaris ゾーン)

プロジェクトとタスクの機能

作業負荷の応答性を最適化するには、まず解析対象のシステム上で実行中の作業負荷を特定できなければなりません。この情報は、プロセス指向の手法とユーザー指向の手法のどちらか一方だけを使用して取得できるものではありません。Solaris システムでは、作業負荷を区別して特定するための 2 つの追加機能を利用できます。 プロジェクトとタスクです。「プロジェクト」は、関連した作業に対してネットワーク全体で適用される管理識別子を与えます。「タスク」は、プロセスのグループを、作業負荷の構成要素を表す管理しやすいエンティティーにまとめます。

project ネームサービスデータベースで指定された制御は、プロセス、タスク、およびプロジェクトに対して設定されます。プロセスの制御とタスクの制御は fork および settaskid システムコールを通して継承されるので、これらの制御は同じプロジェクト内に作成されるすべてのプロセスとタスクに継承されます。これらのシステムコールについては、fork(2) および settaskid(2) のマニュアルページを参照してください。

実行中のプロセスは、そのプロセスのプロジェクトメンバーシップまたはタスクメンバーシップに基づいて、Solaris の標準コマンドを使って操作できます。拡張アカウンティング機能は、プロセスとタスクの両方の使用状況について報告を作成し、各レコードに管理用プロジェクト識別子のタグを付けることができます。この処理により、オフラインで行う作業負荷解析作業をオンラインでの監視作業と関連付けることができます。プロジェクト識別子は、project ネームサービスデータベースを介して複数のマシンで共有できます。したがって、最終的には、複数のマシン上で実行される (つまり複数のマシンにわたる) 関連した作業負荷の資源消費をすべてのマシンについて解析できます。