Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.1 管理ガイド

アカウントロックアウトのポリシー

この節では、アカウントロックアウトを制御するポリシー属性について説明します。

Directory Server のアカウントとは、大まかにはユーザーのエントリとそのユーザーがディレクトリに対して操作を実行するために必要な権限を指します。各アカウントはバインド DN とユーザーパスワードに関連付けられています。侵入者がパスワードをクラックしようとしているように見える場合、Directory Server でアカウントをロックする必要があります。ロックにより、侵入者はそのアカウントを使用してバインドできなくなります。さらに、ロックにより、侵入者が攻撃を続けることができなくなります。

管理者は、ロールを共有するすべてのユーザーのアカウントを手動で非アクティブ化することもできます。手順については、「アカウントの手動でのロック」を参照してください。さらに、パスワードポリシーを指定する際に重要なことは、管理者の介入なしに、Directory Server が自動的にアカウントをロックできる環境にすることです。

まず、バインドの失敗が著しく多く発生する場合は、Directory Server で pwdLockout(5dsat) を使用して、自動的にアカウントがロックされるように指定する必要があります。Directory Server は連続して失敗したアカウントへのバインド試行を追跡します。pwdMaxFailure(5dsat) を使用して、何回連続して失敗したら Directory Server がアカウントをロックするかを指定します。

Directory Server はパスワードポリシーに従って、厳密にアカウントをロックします。操作は完全に機械的です。アカウントは、侵入者がアカウントに対して攻撃を仕掛けようとしているためでなく、ユーザーが誤ったパスワードを入力したことによりロックされることもあります。pwdFailureCountInterval(5dsat) を使用して、失敗した試行の間隔がどれだけ空いたら Directory Server がそれまでの失敗した試行の記録を消去するかを指定できます。pwdLockoutDuration(5dsat) を使用してDirectory Server がアカウントのロックを自動的に解除するまで、ロックアウトを継続する期間を指定します。管理者は、悪意なく正当なミスをしたユーザーのアカウントのロックを解除するために介入する必要はありません。

ユーザーデータがレプリケーショントポロジにレプリケートされる場合、ロックアウト属性は、ほかのエントリデータとともにレプリケートされます。pwdIsLockoutPrioritized(5dsat) 属性のデフォルト設定は TRUE です。この設定では、ロックアウト属性の更新は高い優先順位でレプリケートされます。したがって、ユーザーが、ロックアウトされるまでにレプリカの 1 つへのバインド試行を連続して失敗できるのは、pwdMaxFailure で設定された回数までです。ユーザーのバインド試行の失敗がほかのレプリカに対してもカウントされることで、全体として試行できる回数はさらに少なくなる可能性があります。ユーザーが、レプリケートされたトポロジ全体でロックアウトされるまで、pwdMaxFailure で設定された回数だけ試行できるようにする方法の詳細については、『Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.1 配備計画ガイド』「グローバルアカウントロックアウトを使用した認証の防止」を参照してください。