Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.1 管理ガイド

ldapsearch コマンドの例

SSL を使用せずに DIGEST-MD5 クライアント認証を実行することができます。次の例は、デフォルトの DIGEST-MD5 アイデンティティーマッピングを使用してバインド DN を決定します。


$ ldapsearch -h host1 -p 1389 \
 -o mech=DIGEST-MD5 [ \
 -o realm="example.com"] \
 -o authid="dn:uid=bjensen,dc=example,dc=com" \
 -w - \
 -o authzid="dn:uid=bjensen,dc=example,dc=com" \
 -o secProp="minssf=56,maxssf=256,noplain" \
 -b "dc=example,dc=com" "(givenname=Richard)"

上の例は、-o (小文字の o) オプションを使用して SASL オプションを指定しています。レルムの指定は省略できますが、指定する場合は、サーバーホストマシンの完全修飾ドメイン名を指定する必要があります。プロキシ操作を対象とする authzid は使用されませんが、authidauthzid はどちらも必要であり、同じ値を指定する必要があります。-w パスワードオプションは authid に適用されます。

authid の値は、アイデンティティーマッピングで使用される主体です。authid には、ディレクトリ内の有効なユーザー DN が後に続くdn: プレフィックス か、クライアントが決定した任意の文字列が後に続く u: プレフィックスが含まれているはずです。このように authid を使用すると、「DIGEST-MD5 アイデンティティーマッピング」で説明しているマッピングを使用することができます。

最も一般的な設定は、クライアント認証のために LDAPS セキュアポートと DIGEST-MD5 を使用して暗号化を行う SSL 接続に対する設定です。次の例は、同じ処理を SSL 経由で実行します。


$ ldapsearch -h host1 -P 1636 \
 -Z -P .mozilla/bjensen/BJE6001.slt/cert8.db \
 -N "cert-example" -w - \
 -o mech=DIGEST-MD5 [-o realm="example.com"] \
 -o authid="dn:uid=bjensen,dc=example,dc=com" \
 -o authzid="dn:uid=bjensen,dc=example,dc=com" \
 -o secProp="minssf=0,maxssf=0,noplain" \
 -b "dc=example,dc=com" "(givenname=Richard)"

この例では、SSL を経由して処理を行う場合に ldapsearch コマンドに -N オプションと -w オプションが必要です。ただし、これらのオプションはクライアント認証には使用されません。その代わりに、サーバーは authid の値に含まれる主体の DIGEST-MD5 アイデンティティーマッピングを行います。