Sun GlassFish Enterprise Server 2.1 リリースノート

アップグレードユーティリティー

この節では、アップグレードユーティリティーに関する既知の問題とその解決方法を示します。

一部の Linux システムで「アップグレードウィザードを起動」ボタンをクリックしたあとに、「同じ場所にアップグレード」を実行するインストーラがアップグレードツールの起動に失敗する (6207337)

説明

この問題はさまざまな Linux システムで発生しています。Java Desktop System 2 でもっとも一般的ですが、Red Hat ディストリビューションでも発生しています。

インストールプログラムの最後の画面で「アップグレードツールの起動」ボタンをクリックすると、そのインストールプログラムはアップグレード処理を完了するためのアップグレードツールの起動に失敗し、コマンドプロンプトに戻ることなくハングアップします。

解決方法

この問題は、コマンド行インストールモードを使って代替アップグレードを実行している場合には発生しません。

  1. GUI モードで代替アップグレードを実行してこの問題が発生した場合には、インストールプログラムを起動した端末ウィンドウで Ctrl+C を押すことにより、そのインストールプログラムを終了します。

  2. その端末ウィンドウから次のコマンドを使ってアップグレードツールを起動します。


    as-install/bin/asupgrade --source as-install/domains --target 
    as-install --adminuser adminuser --adminpassword adminpassword 
    --masterpassword changeit

    adminuser および adminpassword は、アップグレード中のインストールで使用されている値に一致する必要があります。

  3. アップグレードツールがアップグレードプロセスを完了したあとは、ブラウザを起動して次の URL を入力することにより、「バージョン情報」ページを参照できます。


    file://as-install/docs-ee/about.html

製品を登録するインストールオプションを選択した場合には、「バージョン情報」ページ上の登録ページへのリンクをたどってください。

8.0 Platform Edition (PE) から 8.1 Enterprise Edition (EE) UR2 へのアップグレード中およびそのあと、自己署名付き証明書が信頼されない (6296105)

解決方法

アップグレード後、ターゲットの domain.xml から次のエントリを削除し、サーバーを再起動します。

<jvm-options>-Djavax.net.ssl.keyStore=${com.sun.aas.instanceRoot}
/config/keystore.jks</jvm-options>-
<jvm-options>Djavax.net.ssl.trustStore=${com.sun.aas.instanceRoot}
/config/cacerts.jks</jvm-options>

(sbs-manual、sbs-installer) 「サーバーインスタンスサーバーに null という名前のシステムコネクタがない」というエラーをスローする (6545145)

説明

Enterprise Server 8.0 PE から 2.1 へのアップグレード時に、サーバーに null という名前のシステムコネクタがないというエラーがスローされ、sbs-manual に示されているような無効なユーザー情報が表示されます。ハードコードされた値を変更しても、同じエラーメッセージが表示されます。

解決方法

このバグは、8.0 PE から Enterprise Server にアップグレードする場合にのみ発生します。回避策として、8.1、8.2、または 9.0 のいずれかにアップグレードしてから、Enterprise Server にアップグレードします。

異なるビルドの組み合わせを使用すると、アップグレード中に異なるドメインが失われる (6546130)

説明

インプレースアップグレード実行時に、ソースに複数のドメインがある場合、プロセスが中止になっても、インストーラはアップグレードツールを呼び出します。GUI モードで呼び出した場合にそうなります。

解決方法

  1. インプレースを CLI モードでインストールし、インストール処理の最後にインストーラがアップグレードツールを選択するプロンプトを表示したときに終了します。この操作を行っても、ドメインディレクトリにあるどのドメインも削除されません。アップグレードツールは bin ディレクトリから手動で呼び出す必要があります。

  2. GUI モードでインプレースをインストールする場合は、処理中にドメインが失われることがないようにするために、ドメインルートにあるドメインのバックアップを取ります。インストール処理の最後に、インストーラがアップグレードツールを選択するプロンプトを表示したときに終了します。失われているドメインがあれば、ドメインバックアップしたドメインをドメインディレクトリにコピーします。アップグレードツールを起動して、手動でアップグレードを実行します。

Solaris: アップグレードツールであらかじめ入力されるマスターパスワードに、AS8.2 ではなく Enterprise Server 2.1 のパスワードが使用される (6565825)

説明

AS 8.2 からのアップグレードで、8.2 インストール環境のマスターパスワードがターゲットのインストール環境に継承されません。これが原因となって、次の管理者ログイン時に認証エラーとなります。

解決方法

Enterprise Server 2.1 のデフォルト管理パスワードは changeit です。8.2 からアップグレードしたあと、Enterprise Server にログインするときの問題を回避するために、次の 3 つの手順のいずれかを行なってください。

asupgrade GUI のローカライズされたオンラインヘルプが存在しない (6610170)

説明

英語以外の言語で asupgrade GUI を実行すると、この GUI のオンラインヘルプが選択した英語以外の言語にローカライズされていません。

解決方法

現時点ではありません。オンラインヘルプは英語以外のすべての目標言語にローカライズされる予定です。

複数ドメインのアップグレード (逆順序) 時にアップグレードツールが nodeagents ディレクトリを削除する (6636871)

説明

複数のドメインを含む構成をサイドバイサイドアップグレードすると、最後に処理されたドメインのノードエージェントだけが存在します。この問題は、アップグレードツールがドメインを処理するたびに、ターゲットの nodeagents ディレクトリを削除してから再作成するために発生します。

Procedure解決方法: 複数ドメインのサイドバイサイドアップグレードですべてのノードエージェントを保持する

  1. 各ドメインの処理後に、nodeagents ディレクトリの zip ファイルを作成します。

  2. すべてのドメインが処理されたあとで、作成した zip ファイルを解凍します。

    これで、すべてのノードエージェントが存続します。