Sun GlassFish Enterprise Server 2.1 管理ガイド

メッセージセキュリティーの概要

「メッセージセキュリティー」を使用する場合、メッセージ内にセキュリティー情報が挿入され、その情報がメッセージとともにネットワークレイヤー経由でメッセージの送信先に届けられます。メッセージセキュリティーは、『Java EE 5.0 Tutorial』の「Security」の章で説明されているトランスポートレイヤーセキュリティーとは異なり、メッセージトランスポートからメッセージ保護を分離して伝送後もメッセージを保護されたままにするために使用することができます。

「Web Services Security: SOAP Message Security (WS-Security)」は、米国 Sun Microsystems, Inc. を含むすべての主要な Web サービステクノロジプロバイダによって共同開発された、相互運用可能な Web サービスセキュリティーを実現するための OASIS 国際標準です。WS-Security のメッセージセキュリティーメカニズムは、SOAP 経由で送信される Web サービスメッセージを XML 暗号化と XML デジタル署名を使ってセキュリティー保護する、というものです。WS-Security 仕様には、X.509 証明書、SAML アサーション、ユーザー名/パスワードなどの各種セキュリティートークンを使って SOAP Web サービスメッセージの認証および暗号化を実現する方法が規定されています。

WS-Security 仕様は、http://docs.oasis-open.org/wss/2004/01/oasis-200401-wss-soap-message-security-1.0.pdf で確認できます。