Sun GlassFish Enterprise Server 2.1 配備計画ガイド

HTTP ロードバランサプラグイン

ロードバランサは、複数の物理マシン間で作業負荷を分散させることによって、システムの全体的なスループットを向上させます。Enterprise Server には、Sun Java System Web Server、Apache Web Server、および Microsoft Internet Information Server 用のロードバランサプラグインが用意されています。

ロードバランサプラグインは、HTTP および HTTPS 要求を受け付け、それをクラスタ内のアプリケーションサーバーインスタンスのうちの 1 つに転送します。(ネットワーク障害により) インスタンスが停止して使用不能または応答不能になると、要求は既存の使用可能なマシンにリダイレクトされます。ロードバランサはまた、障害が起きたインスタンスが復旧したことを認識し、それに応じて負荷を再配分することもできます。

状態を持たない単純なアプリケーションであれば、負荷分散されたクラスタで十分なこともあります。しかし、セッション状態を持ったミッションクリティカルなアプリケーションの場合は、負荷分散されたクラスタを HADB とともに使用します。

システムで負荷分散を設定するには、Application Server に加えて、Web サーバーおよびロードバランサプラグインをインストールする必要があります。その後、次のことを行う必要があります。

負荷分散に関わるサーバーインスタンスとクラスタは、同種の環境を確保しています。これは、通常、サーバーインスタンスが同じサーバー設定を参照し、同じ物理リソースにアクセスでき、さらに配備された同じアプリケーションを持っていることを意味します。この均質性によって、障害の前後に、ロードバランサが常に負荷を均等にクラスタ内のアクティブなインスタンスに分散することが保証されます。

asadmin コマンド行ツールを使用して、ロードバランサ設定を作成し、クラスタおよびサーバーインスタンスへの参照をその設定に追加し、クラスタでロードバランサによる参照を有効にし、アプリケーションで負荷分散を有効にし、必要に応じて健全性検査を作成し、ロードバランサ設定ファイルを生成し、最後に、ロードバランサ設定ファイルを Web サーバーの config ディレクトリにコピーします。管理者は、スクリプトを作成してこのプロセス全体を自動化できます。

詳細と完全な設定手順については、『Sun GlassFish Enterprise Server 2.1 高可用性 (HA) 管理ガイド』の第 4 章「HTTP 負荷分散の設定」を参照してください。