Sun GlassFish Enterprise Server 2.1 配備計画ガイド

スループットの見積もり

広義では、スループットは Enterprise Server によって実行された作業の量を測定します。Enterprise Server の場合、スループットは、サーバーインスタンスあたり、1 分あたりに処理された要求の数として定義できます。また、高可用性アプリケーションでは、セッション状態データが定期的に保存されるため、HADB にもスループット要件が課せられます。HADB の場合、スループットは、1 分あたりに格納されるセッションデータの量として定義できます。これは、1 分あたりの HADB 要求の数と、1 要求あたりの平均セッションサイズの積です。

次の節で説明するように、Enterprise Server のスループットは、ユーザー要求の性質やサイズ、ユーザーの数、Enterprise Server インスタンスやバックエンドデータベースのパフォーマンスを含む、多くの要因から成る関数です。シミュレートされた作業負荷のベンチマークによって、1 台のマシンでのスループットを見積もることができます。

高可用性アプリケーションでは、データが HADB に定期的に保存されるため、追加のオーバーヘッドが発生します。このオーバーヘッドの量は、データの量、データが変更される頻度、およびデータの保存頻度によって異なります。最初の 2 つの要因は対象のアプリケーションによって異なり、さらに後者はサーバー設定によっても影響されます。

HADB のスループットは、1 分あたりの HADB 要求の数に、1 要求あたりの平均データ量を掛けた値として定義できます。HADB のスループットを向上させるには、より多くの HADB ノードと、より大きいストアサイズが必要になります。