18.10. パフォーマンス調整

18.10.1. Sun Ray 3 シリーズのクライアントのネットワークパフォーマンスの改善
18.10.2. 過度のディスクスワッピング
18.10.3. スクリーンセーバーのリソース消費
18.10.4. ネットワークスイッチ
18.10.5. ネットワーク負荷
18.10.6. アプリケーション

18.10.1. Sun Ray 3 シリーズのクライアントのネットワークパフォーマンスの改善

Sun Ray 3 および 3i クライアントのパフォーマンスとネットワークの信頼性を向上させるには、クライアントが直接接続されているネットワークスイッチで、リンクレベルのフロー制御 (IEEE 802.3 のリンク一時停止) を有効にします。これは Sun Ray 3 Plus クライアントには適用されません。Sun Ray 3 Plus クライアントにはリンクレベルのフロー制御が不要であるためです。

18.10.2. 過度のディスクスワッピング

Sun Ray サーバーの使用可能な仮想メモリーが十分でないと、X ウィンドウサーバーのインスタンスが起動せず、ユーザーへの応答が遅くなります。仮想メモリーが不十分な場合、Sun Ray サーバーは過度のディスクスワッピングを行います。

Sun Ray サーバーが過度にディスクにスワップされているかどうかを判断するには、次のように vmstat コマンドを使用します。

# vmstat 5

過度のスワッピングが発生している場合は、システムが普通より小さい、または使いすぎている可能性があります。

解決するには、メモリーを増設するか、あるいはスワップパーティションのサイズを増やす必要があります。

18.10.3. スクリーンセーバーのリソース消費

グラフィックに凝った多くのスクリーンセーバープログラムは、大量の CPU、メモリー、およびネットワーク帯域を消費します。Sun Ray サーバーでの過度のリソース消費を避けるには、これらを無効にしてください。

18.10.3.1. スクリーンセーバーを無効にする方法 (Solaris 版)

スクリーンセーバーのパッケージを削除します。

# pkgrm SUNWxscreensaver-hacks
# pkgrm SUNWxscreensaver-hacks-gl

SUNWxscreensaver-hacks-gl パッケージが正常に削除されない場合は、gl パッケージを削除してから SUNWxscreensaver-hacks-gl パッケージを削除してください。

18.10.4. ネットワークスイッチ

ネットワークスイッチの中には、サーバー側の接続速度を 1 Gbps に設定すると、Sun Ray クライアントでうまく動作しなくなるものがあります。Sun Ray クライアントは 100 Mbps で実行され、そのデータは X ウィンドウシステムのサーバーから周期的バーストで送信されるため、これらのスイッチでは一定量のデータをバッファリングする必要があります。この状況は、X サーバーからの平均データ速度が 100 Mbps を優に下回る場合でも起こり得ます。

X サーバーは、一定の許容量のデータをチックの間隔で送信するようにプログラムされています。元の実装では毎秒 50 チックありました。X サーバーは、Sun Ray クライアントによって許可された特定の比率で送信できます。

たとえば、Sun Ray クライアントが 40 Mbps の送信速度を許可している場合、X サーバーは、毎秒 5M バイトのバーストで 1/50 秒ごとにデータを送信できます。つまり、サーバーはチックごとに 100K バイトのデータを 1 Gbps の速度で送信できることになります。この速度によって 100K バイト近辺のスイッチにキューのビルドアップが起こることになり、さらにそれによって次の 1/50 秒間にわたってビルドアップしたデータが 100 Mbps の速度でドレインアウトすることになります。

この種の問題を緩和する最初の対策は、毎秒のチック数を毎秒 50 から 100 に増やすことです。上記の例では、X サーバーが 20 ms ごとに 100K バイトではなく、10 ms ごとに 50K バイトのデータを送信することになります。 この設定により状況はかなり改善するでしょうが、問題はまだ残るでしょう。毎秒 100 チックの速度が選択されたのは、それが Solaris と Linux ソフトウェアでのタイマーの通常のレゾリューションに対応していたからです。

18.10.4.1. オペレーティングシステムのタイマーを増やす方法 (Solaris 版)

毎秒のチック数を 100 より増やす場合は、オペレーティングシステムのタイマーも増やす必要があります。Solaris プラットフォームでは、次の手順を使用します。

  1. /etc/system ファイルを開きます。

  2. 次のコマンドを追加します。

    set hires_tick=1
    
  3. ファイルを保存して閉じます。

  4. システムを再起動します。

hires_tick=1 を設定すると、システムのタイマーレゾリューションが毎秒 1000 チックに増加します。

X サーバーのコードはシステムの設定を使用するので、X サーバーのデータのバーストは同じ値の 1000 チック = 1 秒 (1 チック = 1 ms) を使用することになります。例では新たなチック時間を使用した結果、X サーバーが 1 ms ごとに 5K バイトのデータを送信するようになっています。

チック時間を変更すると、ネットワークスイッチで必要なバッファリング量が減るため、Sun Ray クライアントのパフォーマンスが向上します。

18.10.5. ネットワーク負荷

ネットワーク負荷またはパケットロスが高すぎる場合、ごくまれにネットワークケーブルまたはスイッチ機器に欠陥がある可能性があります。

  1. ネットワーク接続が 100F であることを確認します。

  2. utcapture を使用して、ネットワーク応答時間とパケットロスを評価します。

応答時間とパケットロスが増加すると、パフォーマンスは低下します。

18.10.6. アプリケーション

高度な 3-D 画像シミュレーションなどのアプリケーションは、Sun Ray クライアントでは実行速度が遅くなる場合があります。

擬似ステレオビューアなどのダブルバッファリングを使用するアプリケーション、および 8 ビットの画像表示に高周波数の動的カラーテーブルを使用するアプリケーションでは、適切な結果が得られない場合があります。アンチエイリアスをオフにして、画面のリソースを保存してください。

Web ブラウザや StarOffice(TM) などの対話型アプリケーション、および Citrix や Sun Secure Global Desktop (SGD) ソフトウェアなどの PC 相互運用性ツールを Sun Ray サーバーにインストールしてください。これにより、アプリケーションでは Sun Ray の X サーバーへのコマンド送信が高速になり、ネットワークトラフィックが低減します。

DGA または OpenGL(R) の代わりに共有メモリーを使用するようアプリケーションが構成可能な場合は、共有メモリーを使用するとパフォーマンスが向上します。