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Oracle Fusion Middlewareライセンス情報
11g リリース1(11.1.1)
B55933-09
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1 Application Server製品

この章では、Application Server製品ファミリと、この製品ファミリで使用できる機能について説明します。内容は次のとおりです。

1.1 Oracle TopLink and Application Development Framework

Oracle TopLink and Application Development Frameworkは、Oracle WebLogic ServerまたはOracle Internet Application Serverのエディションとは別に、単独でライセンスを購入できます。また、Oracle TopLink、Application Development FrameworkおよびOracle MapViewerは、Oracle Internet Application Server、WebLogic ServerおよびSuiteのすべてのエディションに含まれています。

Oracle TopLink and Application Development Frameworkのライセンスを単独で購入した場合、そのライセンスには、Oracle TopLink Mapping WorkbenchおよびOracle MapViewerが含まれます。


注意:

アプリケーション開発フレームワークで使用する開発ツール(Oracle JDeveloperなど)は、「Developer Tools」ページ(http://www.oracle.com/technology/products/developer-tools/index.html)から無償で入手できます。

1.2 Oracle WebLogic Server製品ファミリ

Oracle WebLogic Serverには異なる機能を持つ3つのエディションがあり、各エディションは、様々な種類のアプリケーション、様々な開発シナリオおよびデプロイメント・シナリオに適しています。また、Oracleは、特定の用途に合わせてOracle WebLogic Serverの機能を拡張する、複数のアプリケーション・サーバー・オプション、パックおよびその他の製品を提供しています。この項では、Oracle WebLogic Serverの各エディションのライセンスについて説明します。

表1-1に、Oracle WebLogic Serverのライセンス・オプションを示します。

表1-1 Oracle WebLogic Serverの各エディションのライセンス

エディションのライセンス 高度な機能 含まれる機能

Standard Edition

WebLogic Server Standard Editionには次の機能が含まれます。

  • 管理コンソール、構成ウィザードおよびアップグレード・フレームワークを含むWebLogicのコア・アプリケーション・サーバー

  • Oracle Toplink、Oracle Application Development FrameworkおよびOracle MapViewer

  • Oracle JDeveloper

  • Oracle Enterprise Pack for Eclipse

  • Oracle Security Developer Tools

  • Oracle Web Tier

  • Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control

次のものが含まれます。

  • Java EE 5/EJB 3.0

  • 高パフォーマンスのJMSメッセージ

  • Web 2.0 HTTP Pub-Subサーバー

  • WebLogic JDBCドライバ、WebLogic Serverクライアント、WebLogicとApacheのWebサーバー・プラグイン

Enterprise Edition

Standard Editionのすべての機能に加えて、次の機能が含まれます。

  • クラスタリングのサポート

  • Oracle Enterprise Manager Diagnostics Pack for Oracle Middleware

Standard Editionのすべての機能に加えて、次の機能が含まれます。

  • 全サーバー移行およびサービス移行

  • Oracle Enterprise Manager Diagnostics Pack for Oracle Middlewareには、Application Diagnostics for Java(AD4J)およびJRockit Mission Controlが含まれています。詳細は、第1.2.2.2.2項「Diagnostics Pack for Oracle Middleware」を参照してください。

WebLogic Suite

Enterprise Editionのすべての機能に加えて、次の機能が含まれます。

  • Oracle Coherence Enterprise Edition

  • Oracle WebLogic Real Time

  • Oracle Forms, Reports, Portal and Discoverer

  • Oracle Enterprise Manager Management Pack for Oracle Coherence

Enterprise Editionのすべての機能に加えて、次の機能が含まれます。

  • Oracle Coherence Enterprise Editionにより提供されるアプリケーション・データ管理。フォルト・トレラントなデータ・キャッシュ、データ管理、ライトビハインド、トランザクション、分析およびイベントが含まれます。ライセンスの詳細は、第1.6項「Oracle Coherence」を参照してください。

  • WebLogic Server上でWebLogic Real Timeとともに実行するJava EEアプリケーション用の確定的ガベージ・コレクションを備えた高パフォーマンス、低レイテンシのJDK

  • Oracle Enterprise Manager Management Pack for Oracle Coherenceを使用した、Oracle Coherenceの監視、管理およびプロビジョニングを行う管理ツール

また、次を含むOracle Internet Application Server Enterprise Editionも含まれています。

  • Oracle Internet Directory

  • Oracle Single Sign-On

  • Oracle Discoverer

  • Oracle Reports Services

  • Oracle Forms Services

  • Oracle WebLogic Server

  • Oracle Containers for J2EE

  • Oracle Portal

  • Oracle Web Cache

  • Oracle Directory Integration Platform

Oracle Internet Application Server Enterprise Editionのライセンスの詳細は、第1.3項「Oracle Internet Application Server製品ファミリ」を参照してください。


1.2.1 Oracle WebLogic製品エディションのインストール

Oracle WebLogic Serverは、入手可能な各エディションに直接対応するインストール・プログラムを提供していません。ライセンスされているエディションに応じて、次に例示する個別のインストーラを1つまたは複数実行する必要があります。

  • Oracle WebLogic Server

  • Oracle Web Tier

  • Oracle Coherence

  • Oracle JRockit

  • Oracle JDeveloper

  • Oracle TopLink

  • Oracle Business Intelligence

  • SOA Suite for Oracle Middleware

  • Oracle Enterprise Manager Grid Control

  • Oracle Application Diagnostics for Java(AD4J)

また、インストーラの多くには、一括または個別にインストールできる複数のコンポーネントが含まれており、各インストール・コンポーネントには最小限のライセンス要件があります。次の表では、Oracle WebLogic Serverインストール・プログラムからインストールできる各インストール・オプションに対する最小限のエディション要件を示しています。

表1-2 WebLogic製品の各エディションに必要なインストール・プログラム

エディションのライセンス 対応するインストール・プログラム

Standard Edition

Standard Editionには、次のインストール・プログラムが含まれています。

  • WebLogic Serverのネット・インストーラまたはパッケージ・インストーラ、およびApacheプラグイン(オプション)。このインストーラには、コアJEE 5アプリケーション・サーバー、管理コンソール、構成ウィザードおよびアップグレード・フレームワーク、WebLogicおよびサード・パーティのJDBCドライバ、JMS、WebLogic Serverクライアント、Webサーバーのプラグイン、UDDIとXqueryのサポート、WebLogic Serverサンプル、Oracle Enterprise Pack for Eclipse、WebLogic SIP Server脚注1、およびSun JDKまたはOracle JRockit JDK(プラットフォームに依存)が含まれています。

  • Oracle JDeveloperインストーラ

  • Oracle TopLinkインストーラ

  • Oracle Web Tierインストーラ

Enterprise Edition

Enterprise Editionのインストール・プログラムには、Standard Editionのすべてのインストール・プログラムに加えて、次のインストーラが含まれています。

  • Oracle JRockit Mission Control

  • Oracle Enterprise Manager Grid Control

  • Oracle Application Diagnostics for Java(AD4J)

注意:

  • クラスタ・サポートを追加するために、追加のインストール手順は必要ありません。

  • Oracle Enterprise Manager Diagnostics Pack for Oracle Middlewareを取得するには、Oracle Enterprise Manager Grid ControlとAD4Jの両方のインストーラを実行する必要があります。

WebLogic Suite

WebLogic Suiteのインストール・プログラムには、Enterprise Editionのすべてのインストール・プログラムに加えて、次のものが含まれます。

  • Oracle Identity Management

  • Oracle Coherence Enterprise Edition

  • Oracle Enterprise Manager Management Pack for Oracle Coherence

  • Oracle JRockit

  • Oracle Portal, Forms, Reports and Discoverer


脚注1 WebLogic SIP Serverの使用権限を取得するには、Oracle Communications Converged Application Serverのライセンスが必要です。詳細は、第1.2.2.4項「WebLogic SIP Server」を参照してください。

1.2.2 その他の機能に関するライセンス上の考慮事項

WebLogic Serverの特定のエディションの一部の機能には、その他のライセンス上の考慮事項があります。

1.2.2.1 Oracle Internet Application ServerでのWebLogic

WebLogic Suite内のOracle Internet Application Serverのライセンスには、WebLogic Server Enterprise Editionの完全な機能に対する使用制限なしの権限が含まれています。


注意:

WebLogic Suiteとは別にOracle Internet Application Serverのライセンスを購入する場合は、WebLogic Server Basicと呼ばれる制約のあるWebLogicライセンスが含まれます。ただし、WebLogic Suiteの一部としてOracle Internet Application Serverのライセンスを購入する場合は、使用制限なしのWebLogic Server Enterprise Editionライセンスが含まれます。

これは、WebLogic Suite内に2つのWebLogic Server Enterpriseライセンスがあるのではなく、WebLogic Suiteに含まれるWebLogic Server Enterprise Editionを制限なしで使用できるように、Internet Application Serverに含まれるWebLogic Serverに対する権限が拡張されることを示しています。


1.2.2.2 管理および診断

次の各項目では、Oracle WebLogic Serverの各エディションの機能を管理および診断する際のライセンス上の考慮事項について説明します。

1.2.2.2.1 管理機能

管理機能については、次のライセンス上の考慮事項に注意してください。

  • Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlは、WebLogic Server Standard Edition、WebLogic Server Enterprise EditionおよびWebLogic Suiteに含まれています。

  • WebLogic Serverのすべてのエディションで、WebLogic Server管理コンソール、WebLogic Scripting Tool、およびWebLogic JMXが使用制限なしで使用できます。

  • WebLogic Server Standard Edition、WebLogic Server Enterprise EditionおよびWebLogic Suiteは、Oracle Enterprise Manager Grid Controlと連携します。 Oracle Enterprise Manager Grid Controlは、グリッド上で実行中のOracle Gridおよびコンポーネントを管理するための、Oracleの統合されたツールです。

1.2.2.2.2 Diagnostics Pack for Oracle Middleware

Oracle Enterprise Manager Diagnostics Pack for Oracle Middlewareを使用すると、Javaアプリケーションの可用性およびパフォーマンスが低いオーバーヘッドで向上し、詳細な診断が提供されます。管理者は、アプリケーションのパフォーマンスをプロアクティブに監視して、ビジネスに重大な影響を与える可能性のあるパフォーマンス問題(本番環境でのアプリケーションのクラッシュやハングなど)の根本原因を診断することが可能になります。

このパックには、次のコンポーネントが含まれています。

  • Enterprise Managerシステム: Oracle Internet Application ServerとOracle WebLogic Serverの両方に適用可能な機能を監視します。

  • Oracle Application Diagnostics for Java(AD4J): JavaアプリケーションにおけるJavaアプリケーション・パフォーマンス問題の根本原因を非常に低いパフォーマンス・オーバーヘッドで診断できます。この機能は、Sun、HPおよびIBM JVMで実行するアプリケーションをサポートできます。

  • Oracle JRockit Mission Control: JRockit JVMが含まれるWebLogicまたはOracle Internet Application Serverで使用できます。

  • JRockit Flight Recorderグラフィカル・ユーザー・インタフェース: 診断およびプロファイリング・ツールのOracle JRockit Mission Controlスイートの一部です。

Oracle Enterprise Manager Diagnostics Pack for Oracle Middlewareの主な機能およびライセンス情報の詳細は、『Oracle Enterprise Managerライセンス情報』のOracle Middleware Enterprise Managementに関する項を参照してください。

1.2.2.3 高可用性機能

Oracle WebLogic Serverは、高可用性およびスケーラビリティを備えたアプリケーションのデプロイをサポートする、次の複数の機能およびツールを提供しています。

  • WebLogic Serverクラスタ: 作業負荷をWebLogic Serverの複数のインスタンス間に分散させることにより、アプリケーションにスケーラビリティと信頼性を提供します。

  • ワーク・マネージャ: 定義したルールに基づき、また、実際のランタイム・パフォーマンスの統計を監視することによって、作業の優先順位を決定します。ワーク・マネージャは、過度の作業負荷の検出、回避、およびその状態からのリカバリなど、過負荷からの保護を提供します。ワーク・マネージャはWebLogic Serverドメイン全体に対して適用することも、特定のアプリケーション・コンポーネントに適用することもできます。

  • WebLogic Server永続ストア: 永続性を必要とするWebLogic Serverのサブシステムおよびサービスに対する、組込み型の高パフォーマンスのストレージ・ソリューションです。ストア・アンド・フォワード機能により送信されたメッセージを一時的に格納できます。ファイル・ベースのストアまたはJDBC対応データベースの永続性が永続ストアによってサポートされます。

  • ネットワーク・チャネル: ネットワークのトラフィックをその種類に基づいて複数のチャネルに分割することにより、ネットワーク・リソースの効率的な利用を簡単にできるようにします。

  • ストア・アンド・フォワード・サービス: 複数のWebLogic Serverインスタンスに分散されているアプリケーション間でメッセージを確実に配信できます。ネットワークの問題やシステム障害が原因で、メッセージの送信時に宛先が使用不能になっている場合、メッセージはローカルのサーバー・インスタンスに保存されて、リモートの宛先が使用可能になった時点で宛先に転送されます。

  • Oracle Database Real Application Cluster(RAC)統合: WebLogic Serverにより、マルチ・データ・ソース(アプリケーション・レイヤーで論理的に1つのデータ・ソースとして扱われるOracle Database RAC内の各ノードを表すデータ・ソースの集合)、およびGridLinkデータ・ソース(WebLogic Server内でOracle Database RACごとにデータ・ソースを1つのみ必要とするOracle Database RACとの統合)を介して提供されます。

    マルチ・データ・ソースは、接続リクエスト時にそのマルチ・データ・ソースに関連付けられたデータ・ソース間でロード・バランシングまたはフェイルオーバー処理を提供するデータ・ソースのグループを抽象化したものです。

WebLogic Serverの高可用性機能の一部では、特別なライセンス上の考慮事項が必要です。 これについは、次の項で説明します。

1.2.2.3.1 WebLogic Server Standard Edition

Standard Editionライセンスは、クラスタ・サポートを除く、WebLogic Serverのほとんどの高可用性機能に対して無制限にアクセスできます。Standard Editionライセンスでは、次に対して制限がありません。

  • WebLogicドメイン内で構成される管理対象サーバーのインスタンスの数

  • WebLogicClusterプラグイン構成パラメータを使用したクラスタ化されていない管理対象サーバーのインスタンス間のロード・バランシングを実行するための、Apache HTTP Serverプラグインの使用

1.2.2.3.2 クラスタ・サポート

クラスタ・サポートは、WebLogic Server Enterprise EditionおよびWebLogic Suiteのすべてのライセンスで提供されており、これには次の機能があります。

  • アプリケーション・フェイルオーバー

    アプリケーション・コンポーネントが何らかの理由で使用できなくなった場合、障害のあるオブジェクトのコピーによりジョブが終了されます。ハードウェアまたはその他で障害が発生した場合、セッション状態は、障害のあるノードの作業を再開させることができる他のクラスタ・ノードで使用できます。

  • クラスタ管理

    管理対象サーバーのクラスタを作成すると、これらのクラスタ化されたサーバーを1つのエンティティとして管理できます。クラスタ管理機能は、構成、アプリケーション・デプロイメントおよび監視用に提供されています。

  • サーバー移行を使用した、クラスタ化されたサーバー・インスタンスのコンピュータ間の自動および手動移行

    サーバー・インスタンスのホスティングが失敗した場合は、サービス移行を使用した、連続的なシングルトン・サービス(JMSおよびJTAトランザクション・リカバリ・システムなど、特定の時間に単一のサーバー・インスタンスでのみ実行されるサービス)の可用性が保証されます。

  • ロード・バランシング

    処理する作業の量に基づき、受信リクエストをWebLogic Serverクラスタ内のインスタンスにルーティングできます。

WebLogic Serverデプロイメントでは、次のタイプのオブジェクトをクラスタ化できます。

  • サーブレット

  • Java Server Pages

  • Enterprise JavaBeans

  • リモート・メソッド呼出し(RMI)オブジェクト

  • Java Messaging Service(JMS)宛先。注意:

    • 接続ファクトリと宛先の対象を、異なるWebLogic Serverインスタンスに指定できます。

    • 外部サーバーおよび分散宛先は、WebLogic Serverの複数インスタンス間で使用できます。

1.2.2.3.3 Oracle WebLogic Server中間層インスタンスの高可用性の考慮事項

複数の方法により、WebLogic Serverインスタンスを高可用性にすることができます。これらの高可用性モデルには、それぞれ固有のライセンス要件があります。これらの考慮事項は、Oracle Databaseの高可用性機能に関するライセンス上の考慮事項と同様です。

  • バックアップ: このタイプのリカバリの場合、プライマリ・サーバーのWebLogic Serverデータまたはファイルは、テープ・メディアなどのストレージ・デバイスに格納されます。ユーザーは追加のライセンスを購入する必要はありません

  • フェイルオーバー(アクティブ/パッシブ・クラスタまたはコールド・フェイルオーバー・クラスタとも呼ばれる): このタイプのリカバリの場合、WebLogic Serverのノードはアクティブ/パッシブ・クラスタ内で構成され、最初にインストールされたノードがプライマリ・ノードとして動作します。プライマリ・ノードに障害が発生した場合、クラスタ内のノードの1つが、プライマリ・ノードとして動作します。このような環境の場合、Oracleでは、Oracle WebLogic Serverのライセンスを持つユーザーに対し、年間最大10日(連続日数ではなく合計日数)まで、1台のスペア・コンピュータ上でのWebLogic Serverの実行を許可します。その他の使用については、環境がフル・ライセンスを取得している必要があります。また、フェイルオーバー環境にWebLogic Serverのライセンスを取得する場合は、同じメトリック(ProcessorまたはNamed User Plus)を使用する必要があります。

  • リモート・ミラーリング: このメソッドの内容は、WebLogic Serverソフトウェアのセカンダリ・サイトへのコピーと、プライマリWebLogic Serverの構成およびデータの変更内容のセカンダリ・サイトへのコピーです。これは、ストレージ・ベースのリモート・ミラーリングまたはホスト・ベースのミラーリングなどの技術を介して達成されます。プライマリ・サイトで障害が発生した場合、セカンダリ・サイト上のOracle WebLogic Serverがリモート・ストレージを使用して実行されます。このような環境の場合、Oracle WebLogic Serverはプライマリ・サイトでフル・ライセンスを取得している必要があり、セカンダリ・サイトでインストールまたは実行、あるいはその両方がすでに行われている場合には、そこでもフル・ライセンスを取得している必要があります。また、WebLogic Serverの両ドメインのライセンス取得には、同じメトリック(ProcessorまたはNamed User Plus)を使用する必要があります。

1.2.2.3.4 データベース統合

WebLogic Server JDBCマルチ・データ・ソースは、WebLogic Server Standard Edition、WebLogic Server Enterprise EditionおよびWebLogic Suiteで使用できます。

WebLogic Server GridLinkデータ・ソース(通称Active GridLink for RAC)は、WebLogic SuiteのExalogic Elastic Cloud Softwareオプションでライセンスを付与されている場合に使用できます。

1.2.2.4 WebLogic SIP Server

WebLogic SIP Serverは、Oracle WebLogic Serverのすべてのエディションに含まれます。 ただし、SIP Serverの使用権限を取得するには、Oracle Communications Converged Application Server(OCCAS)のライセンスが必要です。

1.2.2.5 Apache Derby

Apache Derbyは完全なJavaのオープン・ソースRDBMSであり、WebLogic Server配布キットに含まれているのは単にWebLogic Serverの評価(カスタム・アプリケーションを用いた評価、あるいはWebLogic Serverに付属して提供されるパッケージ済サンプル・アプリケーションを介した評価)をサポートするために提供されます。Derbyの使用は、次のURLで参照可能なApacheライセンス・バージョン2.0の条件に従います:

http://www.apache.org/licenses/

1.2.2.6 Oracle JRockit

Oracle JRockitの次の考慮事項に注意してください。

1.2.2.6.1 Oracle JRockit JDK

Oracle JRockit JDKには、Javaプログラミング言語を使用してアプリケーションを開発し実行するためのツール、ユーティリティ、および完全なランタイム環境が用意されています。JDKにはOracle JRockit Java Virtual Machine(JVM)が含まれています。 これは、Intelアーキテクチャを対象に最適化されており、サーバー・サイドJavaアプリケーションのための信頼性、スケーラビリティ、および管理性を提供するよう設計されています。

Oracle JRockit JDKは、Oracle WebLogic Server Standard Edition、Oracle WebLogic Enterprise Edition、およびWebLogic Suiteのすべてのライセンスに含まれています。JRockit JDKは、これらの製品内のコンポーネントにホストされた実行中のアプリケーションに限定されています。

1.2.2.6.2 Oracle JRockit Real Time

Oracle JRockit Real Timeは、低レイテンシのイベント駆動型のアプリケーションに対し、軽量なフロント・オフィスのインフラストラクチャを提供します。

Oracle JRockit Real Timeは、WebLogic Suite内では、Oracle WebLogic Real Timeという名前でライセンスされます。Oracle WebLogic Real Timeは、実行中のWebLogic ServerおよびそこにホストされたJava EEアプリケーションのみに限定されたJRockit Real Timeのライセンスです。

1.2.2.6.3 Oracle JRockit Mission Control

Oracle JRockit Mission Controlは、Oracle JRockit JVMの優れた問題分析、パフォーマンス・チューニング、および監視を可能にする診断ツールです。Oracle JRockit Mission Controlは、Oracle Enterprise Manager Diagnostics Pack for Oracle Middlewareの一部としてライセンスされ、WebLogic Server Enterprise Editionに含まれています。Oracle Enterprise Manager Diagnostics Pack for Oracle Middlewareの詳細は、『Oracle Enterprise Managerライセンス情報』のOracle Middleware Enterprise Managementに関する項を参照してください。

1.2.2.6.4 JRockit Flight Recorder

JRockit Flight Recorder(JFR)は、Oracle JRockit Mission Controlツール・スイートに含まれるパフォーマンス監視およびプロファイリングのツールです。JFRでは、JVMおよびアプリケーション・イベントなどの診断情報が継続的に記録され、システム・クラッシュなどの突発的な障害が発生してもその情報は常に使用できます。フライト記録データの分析を可能にするJRockit Flight Recorderグラフィカル・ユーザー・インタフェースは、JRockit Mission Controlのライセンスによって使用できます。

1.2.2.7 スタンドアロンWebLogicクライアント

WebLogic Server Standard Edition、WebLogic Server Enterprise EditionおよびWebLogic Suiteのライセンスでは、WebLogic Serverにホストされたアプリケーションにアクセスするスタンドアロン・クライアントを作成するためにWebLogic ServerとバンドルされたクライアントJARファイルが使用制限なしで使用できます。

スタンドアロン・クライアントを作成するためにOracle WebLogic Serverで提供しているクライアントJARとその他のリソース、およびそれらがサポートする主な機能を、表1-3に示します。

表1-3 スタンドアロン・クライアントに対して提供されるクライアントJARファイルおよびその他のリソース

クライアント・タイプ バンドルされたリソース 主要な機能

WebLogicフル・クライアント(T3)

wlfullclient.jar

次をサポートします。

  • ほとんどのJava EEおよびWebLogic固有の機能

  • クラスタリング、SSL

  • JMSおよびJMS SAFクライアント

WebLogicシン・クライアント(T3)

wlthint3client.jar

次をサポートします。

  • Oracle WebLogicのリモート・メソッド呼出し(RMI)用のT3プロトコル(RMI over HTTPなど)

  • WebLogic Serverで使用可能なJMX、JNDIおよびEJBリソースへのアクセス

  • JTAを使用したトランザクションの開始と終了

  • WebLogicクライアントのJMS機能

  • クライアント・サイドのクラスタリング

  • JAAS認証およびJSSE SSL

WebLogic-IIOP

wlfullclient.jar

  • ほとんどのWebLogic固有の機能をサポート

  • クラスタリング、SSLをサポート

  • IIOPシン・クライアントよりも高速で、スケーラビリティが高い

  • 非ORBベース

  • WebLogic Server JMSをサポートしない

Java EEアプリケーション・クライアント(シン・クライアント)

wlclient.jar

  • クラスタリング、SSL、セキュリティおよびトランザクションを含む多数のJava EE機能

  • CORBA 2.4 ORBを使用

JMSシン・クライアント

wljmsclient.jar

wlclient.jar

  • シン・クライアントの機能

  • WebLogic JMS(マルチキャスト・セッションおよびJMSHelperクラス・メソッドのクライアント・サイドのXML選択を除く)

  • SSL

JMS SAFクライアント(ストア・アンド・フォワード・サービス用)

wlsafclient.jar

wljmsclient.jar

wlclient.jar

  • メッセージをクライアント上でローカルに格納し、クライアントの接続時にサーバー・サイドのJMS宛先に転送

  • SSLをサポート

JMS Cクライアント

wlfullclient.jarまたは

wljmsclient.jar

wlclient.jar

  • WebLogic JMSアプリケーションおよびリソースにアクセス可能なCクライアント・アプリケーション

  • SSLをサポート

JMS .NETクライアント

WebLogic.Messaging.dll動的ライブラリ

WebLogic JMSアプリケーションおよびリソースにアクセス可能な、C#で記述されたMicrosoft .NETクライアント・アプリケーション

JMXクライアント

wljmxclient.jar

WebLogic Server MBeanにアクセス

Webサービス・クライアント

wseeclient.jar

Webサービスを起動


1.2.2.8 その他のWebLogic Serverクライアント

WebLogic Server Standard Edition、WebLogic Server Enterprise EditionおよびWebLogic Suiteのライセンスにより、ライセンスが付与されたWebLogic Serverインストールでは、表1-4でリストおよび説明しているクライアントを無制限に使用できます。

表1-4 ライセンスが付与されたWebLogic Serverでの使用について制限されていないその他のクライアント

クライアント・タイプ 主要な機能

WebLogic Scripting Tool(WLST)

WebLogic Serverインスタンスを構成するためのクライアント

WebLogic Server用のWebサーバーのプラグイン

Apache HTTP Server、Microsoft Internet Information Server、Oracle HTTP ServerおよびOracle iPlanet Web Server用のクライアント


1.2.3 使用制限付きライセンス

次の使用制限付きライセンスは、次に示すエディションおよび製品のOracle WebLogic Serverに含まれています。

1.2.3.1 Oracle Databaseライセンス要件

Oracle Database(Standard Edition、Standard Edition OneおよびEnterprise Edition)の使用制限付きライセンスの詳細は、第1.3.3項「使用制限付きライセンス」を参照してください。

1.2.3.2 Oracle Internet Application Server要件

WebLogic Suiteに含まれる使用制限付きライセンスの詳細は、第1.3.3項「使用制限付きライセンス」を参照してください。

1.2.3.3 Oracle JDeveloperライセンス要件

Oracle JDeveloperには、HP SOA SystinetレジストリからのUDDIクライアント・ライブラリがバンドルされています。これらのライブラリおよびUDDIクライアント機能は、Oracle Service Registryに接続して通信する目的でのみ、エンド・ユーザーにライセンスされます。

1.2.4 ライセンスの一般情報

Oracle WebLogic Server Standard Edition、WebLogic Server Enterprise Edition、およびWebLogic Suiteは、Named User PlusメトリックまたはProcessorメトリック、あるいはその両方によりライセンスを購入できます。

1.3 Oracle Internet Application Server製品ファミリ

Oracle Internet Application Serverには異なる機能を持つ3つのエディションがあり、各エディションは、様々な種類のアプリケーション、様々な開発シナリオおよびデプロイメント・シナリオに適しています。また、Oracleは、特定の用途にあわせてOracle Internet Application Serverの機能を拡張する、複数のアプリケーション・サーバー・オプション、パックおよびその他の製品を提供しています。この項では、Oracle Internet Application Serverの各エディションのライセンスについて説明します。


注意:

Oracle Internet Application ServerおよびOracle Forms and Reports Server製品のすべてのエディションには、WebLogic Server Basicに対する権限が含まれています。WebLogic Server Basicの用途は、Forms、Reports、Discoverer、Portalなどの製品内で提供されるコンポーネントの実行のみです。また、Oracle Containers for J2EEなどに開発されるカスタムJavaアプリケーションにも使用することができます。Oracle Internet Application ServerおよびOracle Forms and Reports以外の製品が、Oracle Internet Application ServerまたはOracle Forms and Reportsのいずれかのエディションに対するライセンスに依存している場合、ライセンス・ドキュメントに特に記載されていないかぎり、それらの製品をWebLogic Server Basicで実行する権限はありません。WebLogic Server Basicの詳細は、付録A「WebLogic Server Basic」を参照してください。

表1-5に、Oracle Internet Application Serverのライセンス・オプションを示します。

表1-5 Oracle Internet Application Serverのエディション

エディションのライセンス 高度な機能 含まれる機能

Standard Edition

Oracle Internet Application Server Standard Editionには次の機能が含まれています。

  • Oracle HTTP Server

  • Oracle TopLink

  • Oracle MapViewer

  • Oracle Portal

  • Oracle Web Cache

  • WebLogic Server Basic(付録Aを参照)

注意: Oracle Fusion Middleware 10g リリース2およびリリース3のOracle Internet Application Serverには、J2EEコンテナとしてのOracle Containers for J2EE(OC4J)のライセンス権限が含まれています。Oracle Fusion Middleware 11gのOracle Internet Application Serverユーザーは、OC4J 10g リリース2およびリリース3の権限を引き続き保持します。

Oracle Internet Application Serverには、Oracle Security Developer Toolsも含まれています。

Oracle Internet Application Server Standard Editionには、前述のコンポーネントに加えて、次のコンポーネントも含まれます。

  • Oracle Internet Directory

  • Oracle Single Sign-On

  • Oracle Directory Services Manager

注意: Oracle Fusion Middleware 10g リリース2のOracle Internet Application Serverには、Oracle Single Sign-Onのライセンス権限が含まれています。Oracle Fusion Middleware 11gのOracle Internet Application Serverユーザーは、Oracle Single Sign-On 10g リリース2の権限を引き続き保持します。また、付録B「Oracle Access Manager Basic」で説明するOracle Access Manager Basicに対する権限が付与されます。

Oracle Fusion Middleware 10g リリース2のOracle Internet Application Server Standard Editionには、Oracle Internet DirectoryおよびOracle Single Sign-Onの使用制限付きライセンスが含まれています。これらの製品のフルユース・ライセンスは、第9.13項「Oracle Identity and Access Management Suite Plus」で説明しているように、Oracle Internet Application Server Enterprise EditionおよびOracle Identity and Access Management Suite Plusで使用できます。

  • mod_ossl

  • mod_oradav

  • mod_fastcgi

  • mod_rewrite

  • プロキシ・プラグイン

  • XML Developer Kit

  • Oracle Application Development Framework(ADF)

  • Oracle Security Developer Tools

  • Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control

  • JAAS(Java Authentication and Authorization Service)プロバイダ

  • OracleおよびOracle以外のデータベース用Data Direct JDBCドライバ

  • mod_plsql

  • mod_osso

  • mod_perl

  • Perl Interpreter

  • DBI/DBDデータ・アクセス・ライブラリ

  • Oracle Content Management SDK

  • Oracle Repository Creation Utility

Standard Edition One

Oracle Internet Application Server Standard Edition Oneには、Standard Editionのすべての機能が含まれています。

Standard Editionに含まれるすべての機能

Enterprise Edition

Oracle Internet Application Server Enterprise Editionには、Standard Editionのすべての機能に加えて、次の機能が含まれています。

  • Oracle Internet Directory

  • Oracle Single Sign-On

  • Oracle Discoverer

  • Oracle Reports Services

  • Oracle Forms Services

  • Oracle Directory Services Manager

前述のコンポーネントに加えて、Oracle Internet Application Server Enterprise Editionには、Oracle Fusion Middleware 10g リリース2の次のコンポーネントに対する権限が含まれています。

  • Oracle Delegated Administration Services

  • Oracle Directory Integration Platform

  • Oracle Single Sign-On

Oracle Internet Application Server Enterprise Editionには、Oracle Internet Directoryのフルユース・ライセンスが含まれています。

注意: Oracle Fusion Middleware 10g リリース2のOracle Internet Application Serverには、Oracle Single Sign-Onのライセンス権限が含まれています。Oracle Fusion Middleware 11gのOracle Internet Application Serverユーザーは、Oracle Single Sign-On 10g リリース2の権限を引き続き保持します。また、付録B「Oracle Access Manager Basic」で説明するOracle Access Manager Basicに対する権限が付与されます。

注意: Oracle Internet Application Server Enterprise Editionのライセンスを取得した場合、Identity Management and Access Managementの一部のコンポーネントは、Oracle Fusion Middleware 10gの以前のリリースからのものとなります。

Standard Editionのすべての機能に加えて、次の機能が含まれます。

  • Oracle Identity Managementの機能

  • Business Intelligenceの機能

  • アプリケーション・インターコネクト・ツールキット

  • テクノロジ・アダプタおよびOracle Enterprise Service Bus

  • Oracle B2B

Identity Managementの機能の詳細は、第1.3.2.2.2項「Oracle Identity Management」を参照してください。


1.3.1 Oracle Internet Application Serverのエディションおよびインストール・タイプ

Oracle Internet Application Serverのインストール時には、いくつかのインストール・タイプから選択します。それぞれのインストール・タイプによって、特定のコンポーネントと機能のセットが用意されています。

Oracle Internet Application Serverのエディションは、これらの製品のインストール・タイプに直接マッピングしていません。これらの2つの概念が、どのように相互に関連しているかを理解することが重要です。表1-6に、各インストール・タイプの最小限のエディション要件を示します。

いずれの場合も、表示されている最小限のエディションは、インストール・タイプのインストールに必要なエディションです。ただし、最小限のエディションでは、該当のインストール・タイプに含まれているすべての製品を使用できない場合があります。たとえば、あるインストール・タイプからPortal、Forms、ReportsおよびDiscovererをインストールできますが、Standard EditionライセンスではOracle Forms、ReportsおよびDiscovererを使用できません。これらの制限事項については表1-7で説明します。

表1-6 Oracle Internet Application Serverのインストール・タイプに対するエディション要件

インストール・タイプ Oracle Internet Application Serverに必要な最小限のエディション

Web Tier

Standard Edition

WebLogic Server

Standard EditionまたはStandard Edition One

JDeveloper

Standard Edition

TopLink

Standard Edition

Oracle Identity Management

Standard EditionまたはStandard Edition One

Portal, Forms, Reports and Discoverer

Standard EditionまたはStandard Edition One

Integration、Oracle B2B

Enterprise Edition

Repository Creation Utility

Standard EditionまたはStandard Edition One


表1-7では、Oracle Internet Application Serverの各エディションで使用可能なインストール・タイプ、および各エディションとインストールの組合せに関連する例外と制限を示します。

表1-7 Oracle Internet Application Serverのエディションに含まれるインストール・タイプ

エディション インストール・タイプ 例外

Standard EditionまたはStandard Edition One

Web Tier

WebLogic Server

JDeveloper

TopLink

Portal, Forms, Reports and Discoverer

Repository Creation Utility

次の機能が必要な場合は、Enterprise Editionにアップグレードします。

  • Portal, Forms, Reports and Discoverer

  • Oracle Single Sign-On

  • Oracle Internet Directory

関連項目: 第1.3.3項「使用制限付きライセンス」

Enterprise Edition

Web Tier

WebLogic Server

JDeveloper

TopLink

Portal, Forms, Reports and Discoverer

Integration、Oracle B2B

Repository Creation Utility

Discoverer PlusまたはDiscoverer Viewer(あるいはその両方)を使用するには、少なくともInternet Developer Suiteの1ライセンスが必要です。

Integrationインストールの場合、すべてのパッケージ・アプリケーション、レガシー・システムおよびB2Bのアダプタは、単独でライセンスされます。

関連項目: 第1.3.3項「使用制限付きライセンス」


1.3.2 その他の機能に関するライセンス上の考慮事項

Oracle Application Serverの特定の機能には、その他のライセンス上の考慮事項があります。この項は、次の項目で構成されています。

1.3.2.1 管理機能

Oracle Internet Application Serverのすべてのエディションには、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlが含まれています。 この機能を使用してOracle Internet Application Serverのすべてのコンポーネントを管理します。また、Oracle Internet Application Serverのすべてのエディションは、Oracle Enterprise Manager Grid Controlと連携します。 これは、グリッド上で実行中のOracle Gridおよびコンポーネント(単一インスタンス・データベース、Real Application Clusters、Oracle Applications、Oracle Fusion Middlewareおよびサード・パーティ製品など)を管理するための、Oracleの統合されたツールです。

Grid Controlには、Grid Controlをデプロイするのに必要な、Oracle DatabaseおよびOracle Application Serverコンポーネントの使用制限付きライセンスが含まれます。使用制限付きライセンスの詳細は、第1.3.3項「使用制限付きライセンス」を参照してください。

1.3.2.2 セキュリティ機能

Oracle Application Serverは、クライアントとアプリケーション・サーバー間、アプリケーション・サーバーとデータベース間のセキュリティを確保するための多数の機能を提供しています。

1.3.2.2.1 Oracle Advanced Security

Oracle Advanced Securityによって、Oracle SQL*Netプロトコル上の通信が暗号化されセキュアになります。また、アプリケーション・サーバーとデータベース間における厳密認証サービスが提供されます。Oracle Advanced Securityは、セキュア・バイ・デフォルト・アーキテクチャの一部として、Oracle Fusion Middlewareとともにデフォルトでインストールされます。これにより、アプリケーション・サーバーとOracleデータベース間でのセキュアな通信と厳密認証に必要なクライアント・コンポーネントが提供されます。ただし、Oracle Advanced Securityによって提供されるセキュアな通信と認証サービスを構成して使用するには、アプリケーション・サーバーと通信するOracleデータベースとともに、Oracle Advanced Securityのライセンスも必要となります。

1.3.2.2.2 Oracle Identity Management

Oracle Internet Application Server Enterprise Editionに含まれるOracle Identity Managementライセンスには、次のコンポーネントが含まれます。

  • Oracle Internet Directory

  • Oracle Directory Integration Platform

  • Oracle Delegated Administration Services

  • Oracle Directory Services Manager

  • Oracle Single Sign-On

  • Oracle Access Manager Basic

    詳細は、付録B「Oracle Access Manager Basic」を参照してください。

一部のOracle Identity Management機能の使用制限付きライセンスは、特定の用途のアプリケーション・サーバーに含まれています。詳細は、第1.3.3項「使用制限付きライセンス」を参照してください。

1.3.2.3 高可用性機能

Oracle Internet Application Serverには、いくつかの高可用性機能があり、これには、別途ライセンス上の考慮事項があります。これらの考慮事項は、Oracle Databaseの高可用性機能に関するライセンス上の考慮事項と同様です。これらの考慮事項は、第1.2.2.3.3項「Oracle WebLogic Server中間層インスタンスの高可用性の考慮事項」を参照してください。Oracle Internet Application Serverの高可用性には、WebLogic Server Basicの使用制限付きライセンスに基づく追加的な制限があります。付録A「WebLogic Server Basic」を参照してください。

1.3.2.4 アダプタ

Fusion Middlewareアダプタの説明は、第3章「Oracle Fusion Middleware Adapters」を参照してください。テクノロジ・アダプタは、Oracle Internet Application Serverのすべてのエディションに含まれています。他のアダプタには、個別のライセンスが必要です。

1.3.2.5 Oracle JRockit

次の各項目で説明するOracle JRockitの考慮事項に注意してください。

1.3.2.5.1 Oracle JRockit JDK

Oracle JRockit JDKには、Javaプログラミング言語を使用してアプリケーションを開発し実行するためのツール、ユーティリティ、および完全なランタイム環境が用意されています。JDKにはOracle JRockit Java Virtual Machine(JVM)が含まれています。 これは、Intelアーキテクチャを対象に最適化されており、サーバー・サイドJavaアプリケーションのための信頼性、スケーラビリティ、および管理性を提供するよう設計されています。Oracle JRockit JVMは、Oracle Internet Application Serverのすべてのエディションに含まれています。JRockit JDKは、これらの製品内のコンポーネントにホストされた実行中のアプリケーションに限定されています。

1.3.2.5.2 Oracle JRockit Real Time

Oracle JRockit Real Timeは、低レイテンシのイベント駆動型のアプリケーションに対し、軽量なフロント・オフィスのインフラストラクチャを提供します。

Oracle JRockit Real Timeは、WebLogic Suite内では、Oracle WebLogic Real Timeという名前でライセンスされます。Oracle WebLogic Real Timeは、実行中のWebLogic ServerおよびそこにホストされたJava EEアプリケーションのみに限定されたJRockit Real Timeのライセンスです。

1.3.2.5.3 Oracle JRockit Mission Control

Oracle JRockit Mission Controlは、Oracle JRockit JVMの優れた問題分析、パフォーマンス・チューニング、および監視を可能にする診断ツールです。Oracle JRockit Mission Controlは、Oracle Enterprise Manager Diagnostics Pack for Oracle Middlewareの一部としてライセンスされ、Oracle Internet Application Serverのエディションには含まれません。詳細は、第1.2.2.2.2項「Diagnostics Pack for Oracle Middleware」を参照してください。

1.3.3 使用制限付きライセンス

次の使用制限付きライセンスは、次に示すエディションおよび製品のOracle Internet Application Serverに含まれています。

1.3.3.1 Standard EditionおよびStandard Edition One

  • Oracle Single Sign-On: Oracle Portalとともに使用するためにのみ提供されています。

  • Oracle Internet Directory: Oracle Single Sign-Onおよびアプリケーション・サーバー・コンポーネントとともに使用して、次の操作を実行するために提供されています。

    • ユーザーとグループ、および対応するセキュリティ資格証明と権限をプロビジョニング、格納および管理します。

    • サード・パーティのディレクトリ・サービスとデータの同期をとります。

    • コンポーネント固有のその他のメタデータを格納します。

  • Oracle Advanced Securityオプション: Oracle Java SSLライブラリでの使用にのみ制限されて組み込まれています。

  • Oracle Database(Enterprise Edition): Oracle Repository Creation Utilityデータベース・スキーマで製品メタデータの格納に使用するためにのみ提供されています。


注意:

インストール時に、ライセンス購入済の既存のデータベースに製品メタデータをインストールするように選択できます。このオプションを選択すると、ライセンス上、次のような影響があります。
  • 使用制限付きライセンスは、既存のデータベースのOracle Repository Creation Utilityデータベース・スキーマとしての使用には適用されません。

  • 既存のデータベースが実行されているコンピュータで、他のOracle Application Serverのインストールが実行されていない場合、そのコンピュータに対するOracle Internet Application Serverライセンス要件はありません。

  • Oracle Repository Creation Utilityデータベース・スキーマを既存のデータベースにインストールすると、そのデータベースにアクセスするユーザー数が増加し、その結果、データベースのライセンス要件に影響が出る場合があります。契約に従った適切な数のデータベース・ライセンスがあることを確認する必要があります。


1.3.3.2 Enterprise Edition

  • Oracle Advanced Securityオプション: Oracle Java SSLライブラリでの使用にのみ制限されて組み込まれています。

  • Oracle Database(Enterprise Edition): Oracle Repository Creation Utilityデータベース・スキーマで製品メタデータの格納に使用するためにのみ提供されています。


注意:

インストール時に、ライセンス購入済の既存のデータベースにOracle Repository Creation Utilityデータベース・スキーマをインストールするように選択できます。このオプションを選択すると、ライセンス上、次のような影響があります。
  • 使用制限付きライセンスは、既存のデータベースのOracle Repository Creation Utilityデータベース・スキーマとしての使用には適用されません。

  • 既存のデータベースが実行されているコンピュータで、他のOracle Fusion Middlewareのインストールが実行されていない場合、そのコンピュータに対するOracle Internet Application Serverライセンス要件はありません。

  • Oracle Repository Creation Utilityデータベース・スキーマを既存のデータベースにインストールすると、そのデータベースにアクセスするユーザー数が増加し、その結果、データベースのライセンス要件に影響が出る場合があります。契約に従った適切な数のデータベース・ライセンスがあることを確認する必要があります。


1.3.3.3 Oracle Databaseライセンス要件: Oracle Internet Application Server(Standard Edition、Standard Edition One、Enterprise Edition)およびWebLogic Suite

Oracle Application Server InfrastructureデータベースにOracle Repository Creation Utilityデータベース・スキーマ以外のデータを格納するには、そのOracle Database(Standard Edition、Standard Edition OneまたはEnterprise Edition)のフルユース・ライセンスが必要です。

1.3.3.3.1 Oracle Database Standard EditionまたはStandard Edition Oneのフルユース・ライセンス

Oracle DatabaseのStandard EditionまたはStandard Edition Oneのフルユース・ライセンスの購入が必要なデータの種類として、次のようなものがあります。

  • Oracle Content Management SDKのOracle Databaseに格納されるドキュメントまたはその他のオブジェクト

  • ポータル・リポジトリに格納されるドキュメントまたはすべてのタイプのコンテンツ

  • Oracle Integration B2B

  • BPEL Process Managerのすべてのプロセス・インスタンス・データ(Oracle Databaseをデハイドレーション・ストアとして使用するものも含む)

  • 汎用のLDAPディレクトリとしてのOracle Internet Directoryの使用に関連するすべてのLDAPデータ

  • アプリケーションによって作成または更新される、その他すべてのカスタム・データ

1.3.3.3.2 Oracle Database Enterprise Editionのフルユース・ライセンス

次の2種類のデータでは、Oracle Database Enterprise Editionのフルユース・ライセンスの購入が必要です。

  • ホスティング用のデータベースのVPD機能を使用する、すべてのOracle Portal

  • データベース・レプリケーションが使用されるときのOracle Internet Directory LDAPディレクトリの使用に関連するすべてのLDAPデータ

1.3.3.3.3 Oracle Databaseのフルユース・ライセンスが不要な場合

次の場合、Oracle Internet Application Serverの購入時に、Oracle Databaseのフルユース・ライセンスの購入は不要です。

  • Oracle Web Cacheのみを使用している場合

  • Oracle以外のデータベースに対してのみOracle Business Intelligence Discovererを使用している場合

  • Oracle以外のデータベースに対してのみOracle Reports Servicesを使用している場合

1.3.4 ライセンスの一般情報

Oracle Internet Application Server Standard Edition、Oracle Internet Application Server Standard Edition One、およびOracle Internet Application Server Enterprise Editionは、Named User PlusメトリックまたはProcessorメトリック(あるいはその両方)によりライセンスを購入できます。

1.4 Oracle GlassFish Server

Oracle GlassFish Serverは、Java EEアプリケーションの開発およびデプロイ用の機能豊富な管理コンソールおよびスクリプティング・インフラストラクチャが用意された、Java EEサーバー・インフラストラクチャです。Oracle GlassFish Serverは、スタンドアロン製品として提供されています。

Oracle GlassFish Serverのライセンスを取得した場合、次のものが含まれています。

Oracle GlassFish Serverは、Oracle Fusion Middlewareアプリケーション・グリッド・ポートフォリオの一部であり、エンタープライズJava、Java EE 6およびJava Webサービス・インフラストラクチャの最新の実装を備えた軽量インフラストラクチャを必要とするアプリケーションに理想的に適しています。

1.4.1 Oracle JRockit JDK

Oracle JRockit JDKには、Javaプログラミング言語を使用してアプリケーションを開発し実行するためのツール、ユーティリティ、および完全なランタイム環境が用意されています。JDKにはOracle JRockit Java Virtual Machine(JVM)が含まれています。Oracle JRockit JVMは、Oracle GlassFish Serverのライセンスの一部として含まれています。JRockit JVMは、Oracle GlassFish Serverにホストされたアプリケーションの実行に制限されています。

Oracle JRockit Mission Controlへのアクセスは、Oracle Enterprise Manager Diagnostics Pack for Oracle Middlewareで可能です。Oracle JRockit Real Timeへのアクセスは、Oracle WebLogic SuiteおよびOracle Coherence Suite内で可能です。

1.4.2 Hotspot JDK

Hotspot JDKには、Javaプログラミング言語を使用してアプリケーションを開発し実行するためのツール、ユーティリティ、および完全なランタイム環境が用意されています。Hotspot JDKにはOracle Hotspot Java Virtual Machine(JVM)が含まれています。Hotspot JVMは、Oracle GlassFish Serverのライセンスの一部として含まれています。Hotspot JVMは、Oracle GlassFish Serverにホストされたアプリケーションの実行に制限されています。

1.5 Oracle Web Tier

Oracle Web Tierは、次のコンポーネントで構成される高パフォーマンスのWebサーバー・インフラストラクチャです。

1.6 Oracle Coherence

Oracle Coherenceは、インメモリー・データ・グリッド・ソリューションです。 これを使用すると、頻繁に使用するデータへの高速アクセスが提供されることで、アプリケーションをスケーリングできるようになります。

この項は、次の項目で構成されています。

1.6.1 Oracle Coherence StandardおよびEnterprise Edition

この項は、次の項目で構成されています。

1.6.1.1 ライセンス・モデル

Coherence EnterpriseおよびStandard Editionのライセンス・モデルは、クラスタ内での同種のピアツーピア・デプロイメントを提供します。つまり、Coherenceクラスタ内のすべてのメンバー・ノードがCoherenceの同一サーバー・エディションでライセンスを付与される必要があります。たとえば、Enterprise Editionクラスタ内のクラスタ・メンバー・ノードはすべて、Coherence Enterprise Editionの適切なライセンスを受けて実行される必要があります。StandardおよびEnterprise Editionのライセンスでは、キャッシュ・クライアント脚注 1 とキャッシュ・サーバー脚注2は区別されません。StandardおよびEnterprise Editionでは、キャッシュ・クライアントは適切なサーバー・エディション・ライセンスを付与される必要があります。

1.6.1.2 EnterpriseおよびStandard Editionクラスタへのクライアント・アクセス

TCP/IPを使用(Extend/TCPを使用)した、クラスタのメンバーではないクライアントによるEnterprise EditionまたはStandard Editionクラスタへのアクセスを可能にするため、Coherenceデータ・クライアントを使用できます。Coherence EnterpriseまたはStandard Editionのすべてのライセンスには、Coherenceデータ・クライアントのライセンスが追加料金なしで無制限に含まれます。データ・クライアントは複数言語クライアントでもあります。現在使用できるのは、Java、C++または.NET(C#)データ・クライアントです。Coherenceデータ・クライアントは、Extendプロキシと呼ばれる1つ以上の特別構成クラスタ・メンバー・ノードによってCoherenceクラスタに接続します。また、Extendプロキシ・ノードはすべて、適切なサーバー・エディション・ライセンスによって正しくライセンス付与されている必要があります。Coherenceデータ・クライアントは、Coherenceクラスタ内のデータにアクセス(データの挿入、取得、問合せ)し、標準のCoherence APIを使用してサービス起動リクエストを発行できますが、グリッド内のデータの変更について通知を受け取るためにサインアップすることはできません。さらに、データ・クライアントはニア・キャッシュまたは連続問合せを使用できません。 これらの機能も、クラスタからのデータ変更通知を受け取る機能に依存しているためです。

図1-1は、EnterpriseまたはStandard Editionのデプロイメントをライセンスの観点から示しています。

図1-1 Oracle Coherence StandardまたはEnterprise Editionのデプロイメント

図1-1の説明は次にあります
「図1-1 Oracle Coherence StandardまたはEnterprise Editionのデプロイメント」の説明

1.6.2 Oracle Coherence Grid Edition

Grid Editionライセンスには、Real Time Clientの無制限の使用が含まれます。 このReal Time Clientは、次の2種類があります。

1.6.2.1 Real Time Cluster Member Client

Real Time Cluster Member Clientは、Grid Editionクラスタの一部であり、Grid Editionのあらゆる機能を有します。 ただし、パーティション化されたデータを管理するためのGrid Edition機能およびExtendプロキシとして機能するためのGrid Edition機能は有しません。別の言い方をすれば、これはパーティション化されたすべてのキャッシュ・サービスのstorage-enabled属性がfalseに設定され、Extend/TCPクライアントからの接続をホスティングできないGrid Editionノードです。

Real Time Cluster Member Clientは必ずJavaクライアントです。

Real Time Cluster Member Clientノードは、他のReal Time ClientのExtendプロキシとしては構成できません(サーバー・エディション・ノードのみ、複数言語のデータ・クライアントおよびReal Time Extend/TCP Clientが使用するプロキシ・サーバーとして構成できます)。

1.6.2.2 Real Time Extend/TCP Client

Real Time Extend/TCP Clientは、TCP/IPを使用し、Extendプロキシと呼ばれる特別な構成のクラスタ・メンバー・ノードの1つ以上を介してCoherenceクラスタに接続します。Extendプロキシ・ノードも、すべてGrid Editionライセンスによって正しくライセンス付与されている必要があります。

Real Time Extend/TCP Clientは複数言語クライアントであり、現在使用できるのは、Java、.NET(C#)およびC++ Real Time Extend/TCP Clientです。

データ・クライアントとは対照的に、Real Time Extend/TCP Clientは、グリッドでのイベント発生について通知を受け取るためにサインアップでき、Coherenceのニア・キャッシュおよび連続問合せを利用できます。

Grid Editionライセンス・モデルでは、Coherence Grid Editionの各ライセンスにReal Time Clientのライセンスが追加料金なしで無制限に含まれています。

図1-2は、Grid Editionのデプロイメントをライセンスの観点から示しています。

図1-2 Oracle Coherence Grid Editionのデプロイメント

図1-2の説明は次にあります
「図1-2 Oracle Coherence Grid Editionのデプロイメント」の説明

1.6.3 Oracle JRockit with Oracle Coherence

Oracle JRockit JDKは、Oracle Coherence Standard Edition、Oracle Coherence Enterprise Edition、およびOracle Coherence Grid Editionのすべてのライセンスに含まれています。JRockit JDKは、これらの製品内のコンポーネントにホストされた実行中のアプリケーションに限定されています。

1.6.4 Management Pack for Oracle Coherence

Oracle Coherenceは、組織がミッション・クリティカルなアプリケーションを予測に従ってスケーリングすることを可能にするインメモリー・データ・グリッド・ソリューションです。Oracle Coherenceにおけるパフォーマンス問題は、アプリケーションの可用性およびサービスのクオリティ(QoS)に直接影響を及ぼすので、アプリケーションのQoSの確保と迅速な問題解決のために、他のシステム・コンポーネントと組み合せてOracle Coherenceを管理することが重要です。

Management Pack for Oracle Coherenceには、単一のコンソールからOracle Coherence Cluster全体を管理および監視するための包括的なツールが用意されています。このパックには、検出、監視、レポート、イベント管理、構成管理、ライフ・サイクル管理および処理の自動化などの管理の主要な要素すべてが含まれています。

1.6.4.1 機能

Management Pack for Oracle Coherenceには、表1-8に示す機能が含まれています。

表1-8 Management Pack for Oracle Coherenceの主な機能

機能 利点

Coherenceクラスタ管理の簡素化

クラスタ全体とクラスタのすべてのコンポーネント(ノード、サービス、キャッシュ、接続、接続マネージャなど)を自動検出することで、Coherenceクラスタの管理を簡素化します。

Coherenceクラスタの監視

リアルタイムでのCoherenceクラスタ・コンポーネントの監視を支援し、問題領域を識別します。

パフォーマンスと使用状況の詳細な統計

パフォーマンスと可用性の向上に役立つパフォーマンスと使用状況の詳細な統計を提供します。

構成管理

Coherenceクラスタ・コンポーネントの構成を管理します。

デプロイメントの自動化

Coherenceノードのデプロイメントと設定を自動化します。


1.6.4.2 インストールおよびライセンス・リンク

Management Pack for Oracle Coherenceは、Oracle Enterprise Manager Grid Controlインストーラから使用できます。

Management Pack for Oracle Coherenceライセンス情報に関するライセンスの詳細は、『Oracle Enterprise Managerライセンス情報』のOracle Middleware Enterprise Managementに関する項を参照してください。

1.6.5 Coherenceサーバー・エディションの使用可能な機能

表1-9に、次のCoherenceサーバー・エディションで使用可能な機能を示します。

  • Standard Edition(旧称Caching Edition。 アプリケーション・キャッシュ・ソリューション)

  • Enterprise Edition(旧称Application Edition。 アプリケーション・データ管理ソリューション)

  • Grid Edition(旧称Data Grid Edition。 企業全体のデータ管理ソリューション)

表1-9 Coherenceサーバー・エディション

カテゴリ 機能 Standard Edition Enterprise Edition Grid Edition

全般

フォルト・トレラントなデータ・キャッシュ

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全般

データ管理(ライトビハインド、トランザクション、分析、およびイベントなど)

該当なし

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全般

異種クライアントのサポート

該当なし

該当なし

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接続性

組込みのデータ・クライアントおよびReal Time Client機能脚注1

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接続性

TCMPクラスタ・テクノロジ脚注2脚注3

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接続性

クロス・プラットフォーム・データ・クライアントのサポート

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接続性

マルチキャスト・フリーの操作(WKA)

該当なし

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セキュリティ

ネットワーク・トラフィック暗号化

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セキュリティ

JAAS(Java Authentication & Authorization Service)

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管理および監視

管理ホスト脚注4

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管理および監視

クラスタ化したJMXを介した管理

該当なし

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キャッシング

ローカル・キャッシュ、ニア・キャッシュ、連続問合せキャッシュ、リアルタイム・イベント

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キャッシング

完全にレプリケートされたデータの管理

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キャッシング

パーティション化されたデータの管理

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キャッシング

リードスルー/ライトスルー・キャッシングを介したデータ・ソースの統合

周囲の本文でcheck.gifについて説明しています。
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統合

Hibernateとの統合

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周囲の本文でcheck.gifについて説明しています。
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統合

アプリケーション・サーバーのHTTPセッション管理

該当なし

周囲の本文でcheck.gifについて説明しています。
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統合

BEA Portal p13n cacheとの統合

該当なし

周囲の本文でcheck.gifについて説明しています。
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分析

InvocableMapとQueryMapの並行処理脚注5

該当なし

周囲の本文でcheck.gifについて説明しています。
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トランザクション

ライトビハインド・キャッシュ

該当なし

周囲の本文でcheck.gifについて説明しています。
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トランザクション

J2CAリソース・アダプタ

該当なし

周囲の本文でcheck.gifについて説明しています。
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コンピューティング・グリッド

InvocationService

該当なし

周囲の本文でcheck.gifについて説明しています。
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コンピューティング・グリッド

WorkManager

該当なし

周囲の本文でcheck.gifについて説明しています。
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エンタープライズ・データ・グリッド

WANサポート脚注6

該当なし

該当なし

周囲の本文でcheck.gifについて説明しています。

エンタープライズ・データ・グリッド

クロス・プラットフォームReal Time Clientのサポート

該当なし

該当なし

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脚注1 Coherence TCMPクラスタは、Coherenceのエディションに関して同種である必要があります。あるタイプのTCMPクラスタ(Caching Editionなど)がデータ・クライアントまたはReal Time Clientとして別のタイプのTCMPクラスタ(Grid Editionなど)に接続することは可能ですが、これにはサーバー・サイドのライセンスが必要です。接続タイプは構成可能であり、デフォルトでReal Time Clientに設定されます。

脚注2 単一のTCMPベース・クラスタの枠の中で、Coherenceのエディションを混在させることはできません。異なるエディション・タイプを統合するには、Coherence*Extendを使用します(各クラスタがデータ・クライアントまたはReal Time Clientのいずれかの役割を果たします)。

脚注3 Oracleのクラスタを意識したワイヤ・プロトコル(TCMP)は、直接的なサーバー・アクセスを可能にするクラスタ全体の詳細な情報を提供することにより、低レイテンシおよび高スループット、フェイルオーバー/フェイルバック/リバランシングの高速化を実現するとともに、任意の参加メンバーがサービス・プロバイダとしての機能(データ管理、リモート起動、管理および監視など)を実行することを可能にします。

脚注4 ローカルMBeanServerとの統合をサポートします。ローカルJMXエージェントとともに、このノードによる管理および監視機能の提供を可能にします。クラスタ化したJMXのサポートによって、このノードによるリモート・ノードの管理および監視機能も追加されます。

脚注5 InvocableMapとQueryMapの並行処理サポートでは、処理は可能なかぎりサーバー・サイドで実行されるようになり、データ転送が最小化され、索引付けの使用が可能になり、クラスタ全体で実行が並行処理されます。並行処理サポートがない場合、処理では評価のためクライアントに渡すデータセット全体が取得されます(非常に非効率的)。

脚注6 クラスタ間の相互接続を実装するWANおよびその他のデプロイメントにはGrid Editionが必要です。データまたは処理(あるいはその両方)に対する責任の範囲が複数のデータ・センターにまたがっており、Coherenceが提供するメッセージングまたは接続の任意の形式を介してデータ・センター間でアクティビティが統合されるようなデプロイメントが含まれます(Coherence*Extendによって相互接続された2つ以上のTCMPクラスタを特徴とするデプロイメントなど)。

1.6.6 Coherenceクライアント・エディションの使用可能な機能

表1-10に、次のCoherenceクライアント・エディションで使用可能な機能を示します。データ・クライアントは、すべてのCoherenceサーバー・エディションで使用できます。Real Time Clientは、Grid Editionでのみ使用できます。Extend/TCPは、TCP/IPによるトランスポート用に構成されたCoherence*Extendの略称です。

  • データ・クライアント: どこでも使用できるデータ・グリッド・クライアント。あらゆるCoherenceサーバー・エディションで使用できます。

  • Extend/TCPクライアントとして構成されたReal Time Client: リアルタイム・デスクトップ・クライアント。Coherence Grid Editionでのみ使用できます。

  • コンピューティング・クライアントとして構成されたReal Time Client: 重要な管理容易性、監視、サービスのクオリティおよびパフォーマンス機能を提供するサーバー・クラスのクライアント。Coherence Grid Editionでのみ使用できます。

表1-10 Coherenceクライアント・エディション

カテゴリ 機能 データ・クライアント Real Time Client(Extend/TCP) Real Time Client(コンピューティング)

全般

データ・グリッド上のデータおよびサービスへのアクセス

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全般

データ・グリッドとのリアルタイム同期

該当なし

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API言語

Java

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API言語

.NET

周囲の本文でcheck.gifについて説明しています。
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該当なし

API言語

C++

周囲の本文でcheck.gifについて説明しています。
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該当なし

クライアントAPI

データ変換(PIFPOF / ExternalizableLite / XmlBean)

周囲の本文でcheck.gifについて説明しています。
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クライアントAPI

InvocationService脚注1

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クライアントAPI

NamedCache(コア)

周囲の本文でcheck.gifについて説明しています。
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クライアントAPI

NamedCache(ObservableMapリアルタイム・イベントあり)

該当なし

周囲の本文でcheck.gifについて説明しています。
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クライアントAPI

MemberListener

該当なし

該当なし

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接続性

Coherence*Extendクライアント脚注2

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接続性

マルチキャスト・フリーの操作脚注2

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接続性

TCMPクラスタ・テクノロジ脚注3

該当なし

該当なし

周囲の本文でcheck.gifについて説明しています。

セキュリティ

ネットワーク・トラフィック暗号化

周囲の本文でcheck.gifについて説明しています。
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セキュリティ

JAAS(Java Authentication & Authorization Service)

該当なし

該当なし

周囲の本文でcheck.gifについて説明しています。

キャッシング

ローカル・キャッシュ

該当なし

周囲の本文でcheck.gifについて説明しています。
周囲の本文でcheck.gifについて説明しています。

キャッシング

ニア・キャッシュ

該当なし

周囲の本文でcheck.gifについて説明しています。
周囲の本文でcheck.gifについて説明しています。

キャッシング

連続問合せキャッシュ

該当なし

周囲の本文でcheck.gifについて説明しています。
周囲の本文でcheck.gifについて説明しています。

キャッシング

完全にレプリケートされたキャッシュ

該当なし

該当なし

周囲の本文でcheck.gifについて説明しています。

トランザクション

ローカル・トランザクション

該当なし

該当なし

周囲の本文でcheck.gifについて説明しています。

統合

Hibernateとの統合

該当なし

該当なし

周囲の本文でcheck.gifについて説明しています。

統合

アプリケーション・サーバーのHTTPセッション管理

該当なし

該当なし

周囲の本文でcheck.gifについて説明しています。

統合

BEA Portal p13n cacheとの統合

該当なし

該当なし

周囲の本文でcheck.gifについて説明しています。

管理および監視

管理ホスト

該当なし

該当なし

周囲の本文でcheck.gifについて説明しています。

管理および監視

クラスタ化したJMXを介した管理

該当なし

該当なし

周囲の本文でcheck.gifについて説明しています。

コンピューティング・グリッド

InvocationService

該当なし

該当なし

周囲の本文でcheck.gifについて説明しています。

コンピューティング・グリッド

WorkManager

該当なし

該当なし

周囲の本文でcheck.gifについて説明しています。

脚注1 データ・クライアントおよびReal Time Client(Extend/TCP)の起動は、接続先のExtendプロキシ・サーバーによって実行されます。

脚注2 データ・クライアントおよびReal Time Client(Extend/TCP)では、コアTCMPクラスタをより広範囲のネットワーク(デスクトップ、その他のサーバーおよびWANリンクを含む)に拡張するために、Coherence*Extendが使用されます。Coherence*Extendプロトコルは、TCP/IPによりトランスポートされます。

脚注3 Oracleのクラスタを意識したワイヤ・プロトコル(TCMP)は、直接的なサーバー・アクセスを可能にするクラスタ全体の詳細な情報を提供することにより、低レイテンシおよび高スループット、フェイルオーバー/フェイルバック/リバランシングの高速化を実現するとともに、任意の参加メンバーがサービス・プロバイダとしての機能(データ管理、リモート起動、管理および監視など)を実行することを可能にします。

1.7 Coherence Suite

Coherence Suiteには、次の製品のすべてのエディションが含まれています。

  • Oracle Coherence Grid Edition

    Oracle Coherence Grid Editionは、アプリケーション・データ管理、フォルト・トレラントなデータ・キャッシュ、データ管理、ライトビハインド、トランザクション、分析およびイベントを提供します。ライセンスの詳細は、第1.6項「Oracle Coherence」を参照してください。

  • Oracle WebLogic Operations Control

    Oracle WebLogic Operations Controlを使用すると、Coherenceの一元化されたガバナンスと制御、動的なアクティブ化、およびサービス・レベルの管理が可能になります。

  • Oracle JRockit Real Time

    Oracle JRockit Real Timeは、Coherence Grid Edition上で実行されるJavaアプリケーションでの、確定的ガベージ・コレクションによる高パフォーマンス、低レイテンシのJDKを提供します。

  • Oracle Enterprise Manager Management Pack for Non-Oracle Middleware

    Oracle Enterprise Manager Management Pack for Non-Oracle Middlewareは、Oracle以外のミドルウェア(IBM WebSphere Application Server、JBoss Application Server、Apache Tomcatなど)にデプロイされたJavaアプリケーションの可用性とパフォーマンスを低いオーバーヘッドで向上させるとともに、綿密な診断を提供します。詳細は、第1.7.3項「Management Pack for Non-Oracle Middleware」を参照してください。

  • Oracle Enterprise Manager Management Pack for Oracle Coherence

    このEnterprise Manager Management Pack for Oracle Coherenceは、Oracle Coherenceの監視、管理およびプロビジョニングを行う機能を提供します。詳細は、第1.6.4項「Management Pack for Oracle Coherence」を参照してください。


注意:


Coherence Suiteには、WebLogic Serverは含まれません。

1.7.1 Coherence Suiteのインストール・プログラム

Coherence Suiteをインストールするには、次の製品の各インストーラを実行します。

  • Oracle Coherence Grid Edition

  • Oracle WebLogic Operations Control

  • Oracle JRockit

  • Oracle Enterprise Manager Grid Control

  • Oracle Application Diagnostics for Java(AD4J)


注意:


AD4Jは、Oracle Enterprise Manager Diagnostics Pack for Oracle Middlewareの一部であるため、Oracle Enterprise Manager Diagnostics Pack for Oracle MiddlewareおよびOracle Enterprise Manager Management Pack for Oracle Coherenceを取得するには、AD4JとOracle Enterprise Manager Grid Controlの両方のインストーラを実行する必要があります。

1.7.2 Oracle JRockit with Coherence Suite

Oracle JRockitの次の考慮事項に注意してください。

1.7.2.1 Oracle JRockit JDK

Oracle JRockit JDKには、Javaプログラミング言語を使用してアプリケーションを開発し実行するためのツール、ユーティリティ、および完全なランタイム環境が用意されています。JDKにはOracle JRockit Java Virtual Machine(JVM)が含まれています。これは、Intelアーキテクチャを対象に最適化されており、サーバー・サイドJavaアプリケーションのための信頼性、スケーラビリティ、および管理性を提供するよう設計されています。

JRockit JDKは、これらの製品内のコンポーネントにホストされた実行中のアプリケーションに限定されています。

1.7.2.2 Oracle JRockit Real Time

Oracle JRockit Real Timeは、低レイテンシのイベント駆動型のアプリケーションに対し、軽量なフロント・オフィスのインフラストラクチャを提供します。

Coherence Suiteパッケージは、ライセンス取得済のサーバー・プロセッサごとに、JRockit Real Timeのフルユース・ライセンスを提供します。

1.7.2.3 Oracle JRockit Mission Control

Oracle JRockit Mission Controlは、Oracle JRockit JVMの優れた問題分析、パフォーマンス・チューニング、および監視を可能にする診断ツールです。Oracle JRockit Mission Controlは、Oracle Enterprise Manager Diagnostics Pack for Oracle Middlewareの一部としてライセンスされ、Coherence Suiteに含まれています。詳細は、第1.2.2.2.2項「Diagnostics Pack for Oracle Middleware」を参照してください。

1.7.3 Management Pack for Non-Oracle Middleware

このパックは、Oracle以外のミドルウェア(IBM WebSphere Application Server、JBoss Application Server、Apache Tomcatなど)にデプロイされたJavaアプリケーションの可用性とパフォーマンスを低いオーバーヘッドで向上させるとともに、綿密な診断を提供します。管理者は、アプリケーションのパフォーマンスをプロアクティブに監視して、ビジネスに重大な影響を与える可能性のあるパフォーマンス問題(本番環境でのアプリケーションのクラッシュやハングなど)の根本原因を診断することが可能になります。

1.7.3.1 機能

このパックには、次のコンポーネントが含まれています。

  • Enterprise Managerシステム: IBM WebSphere Application Server、JBoss Application ServerおよびApache Tomcatの機能を監視します。

  • Oracle Application Diagnostics for Java(AD4J): サポートされているJVMで実行するApplication ServerおよびスタンドアロンJavaアプリケーションに適用できます。この機能は、JavaアプリケーションにおけるJavaアプリケーション・パフォーマンス問題の根本原因を非常に低いパフォーマンス・オーバーヘッドで診断します。

  • JRockit Mission Control: JRockit JVMで実行するApplication ServerおよびスタンドアロンJavaアプリケーションに適用できます。

    表1-11に、Management Pack for Non-Oracle Middlewareに含まれる各機能の要約を示します。

表1-11 Management Pack for Non-Oracle Middlewareの主な機能

機能 利点

パフォーマンスの監視

リアルタイムでのパフォーマンスの監視と履歴パフォーマンスの監視を提供します。ターゲットのパフォーマンス問題を診断して修正する複雑なタスクを軽減します。

詳細なアラート管理

通知メソッド、ルールとスケジュール、メトリック履歴と関連へのドリルダウン、ブラックアウトの設定機能、修正措置とアラートの関連付け、ユーザー定義メトリック、メトリック・スナップショットおよび監視テンプレートを提供します。

JVMのリアルタイムの監視

データベース、I/O、CPUおよびロックなど、パフォーマンスに影響を与えるリソースのボトルネックの要約を表示します。

進行中のトランザクションのトレース

  • リクエスト・パフォーマンス問題をリアルタイムで表示します。

  • 各リソース・ボトルネックの消費時間を(各Javaメソッドにまで広げて)分析します。

メモリー・リークの検出および分析

  • 本番稼働時のメモリー・リークを分析します。

  • メモリー・リークの分析に開発者および開発ツールは不要です。

  • テスト環境での問題の再現が不要です。


1.7.3.2 インストールおよびライセンス・リンク

Management Pack for Non-Oracle Middlewareは、Oracle Enterprise Manager Grid Controlインストーラから入手できます。

Oracle Enterprise Manager Management Pack for Non-Oracle Middlewareに関するライセンスの完全な詳細は、『Oracle Enterprise Managerライセンス情報』のその他のインフラストラクチャ管理に関する項を参照してください。

1.8 BPEL Process Manager

エンタープライズでは、Oracle BPEL Process Managerを使用すると、BPEL(Business Process Execution Language)プロセスのモデリング、デプロイおよび管理を実行できます。Oracle BPEL Process Managerには、BPELビジネス・プロセス・モデラー、スケーラブルなBPELランタイム・エンジン、拡張可能なWSDLバインディング・フレームワーク、および監視用コンソールが含まれています。

Oracle BPEL Process Managerは、スタンドアロン製品またはWebLogic Suiteのオプションとして、ライセンスを購入できます。これは、次のスイートのコンポーネントでもあります。

  • SOA Suite for Non Oracle Middleware

  • SOA Suite for Oracle Middleware

Oracle BPEL Process Managerには、HP SOA Systinet RegistryからのUDDIクライアント・ライブラリがバンドルされています。これらのライブラリおよびUDDIクライアント機能は、Oracle Service Registryに接続して通信する目的でのみ、エンド・ユーザーにライセンスされます。

スタンドアロン・バージョンのOracle BPEL Process Managerには、クラスタリングのみを目的としたOracle Coherence Standard Editionの使用制限付きライセンスが含まれます。

1.9 WebLogic Integration

Oracle WebLogic Integrationは、Javaベースの柔軟な包括的ソリューションです。企業内や企業間でシステム、データ、および従業員を統合し、既存資産がどこにあっても最大限に活用できるようにします。Oracle WebLogic Integrationは、すべての主要なパッケージ・アプリケーションに対する標準ベースの接続機能、ベスト・プラクティス・パターンのサポート、そして複雑なトランザクション・プロセス・シナリオを短時間で構築できるように設計された統合開発環境を備えています。WebLogic Integrationは、企業の情報とプロセスをサービスとして迅速に統合することでSOAイニシアチブを促進し、絶え間ないビジネス革新を推進します。

Oracle WebLogic Integrationは、スタンドアロン製品として単独でライセンスされます。

1.10 Service Registry

Oracle Service Registry(OSR)は、SOAに対し、DNSに類似したリファレンスを提供します。UDDI v3に完全準拠するレジストリであるOracle Service Registryは、SOAランタイム・インフラストラクチャに標準ベースのインタフェースを提供して、デプロイ済サービスのエンド・ポイントの動的な検出およびバインドを可能にします。Oracle SOA Governanceソリューションの一部としてOracle Service Registryは、Oracle Enterprise RepositoryおよびSOA Suite for Oracle Middlewareを使用した自動化された同期により、デザインタイム環境とランタイム環境のギャップを解消します。

Oracle Service Registryは、スタンドアロン製品として単独でライセンスされますが、Oracle Enterprise Repository、Oracle Web Services ManagerおよびSOA Management Pack Enterprise Editionと連携して、エンタープライズ・クラスのSOA Governanceソリューションを提供します。

2008年9月1日以前にOracle Internet Application Server(Java Edition、Standard Edition、またはEnterprise Edition)のライセンスを購入されたお客様には、Service Registryの50エントリの無償ライセンスが継続されます。Internet Application Server(すべてのエディション)の2008年9月1日以降のライセンスには、これらは含まれません。

1.11 Enterprise Repository

Oracle Enterprise Repository(OER)は、すべてのSOA資産とそれらの関係の可視性を高めることで、冗長性の排除、再利用の促進、変更の影響管理を可能にする包括的なリポジトリです。 また、SOAのライフ・サイクルに対するエンド・ツー・エンドのガバナンスを提供し、自動化された反復可能なプロセスによるリスク削減を可能にします。 さらに、SOAのビジネス・バリューへの洞察をもたらす分析手法を提供し、よりよい意思決定を可能にします。

OERには、OERに付属する既存のワークフローを変更し、リポジトリ中心のワークフローを新たに実装するための、Oracle Unified Business Process Management SuiteまたはOracle Unified Business Process Management Suite for Non Oracle Middlewareの使用制限付きライセンスが含まれます。Oracle BPM SuiteのSimulation、Business Activity Monitoring、Process AnalyticsおよびProcess Portalの各機能は使用制限付きライセンスに含まれておらず、使用するにはフルユース・ライセンスが必要になります。

OERには、OERに付属する事前構成済レポートを実行するための、Oracle Business Intelligence Publisherの使用制限付きライセンスが含まれます。レポートのレイアウト変更は許可されていますが、内容の変更や新規レポートの作成はフルユース・ライセンスが必要になります。

Oracle Enterprise Repositoryは、スタンドアロン製品として単独でライセンスされますが、Oracle Service Registry、Oracle Web Services ManagerおよびSOA Management Pack Enterprise Editionと連携して、エンタープライズ・クラスのSOA Governanceソリューションを提供します。

1.12 Oracle Web Services Manager

Oracle Web Services Managerは、Webサービスおよびそのクライアントのための、ポリシー・ベースの宣言的セキュリティと信頼性を提供します。Oracle Web Services Managerは、SOA Suite for Oracle Middlewareの一部としてライセンスされます。Oracle Web Services Managerは、Oracle Enterprise Repository、Oracle Service RegistryおよびSOA Management Pack Enterprise Editionと連携して、エンタープライズ・クラスのSOA Governanceソリューションを提供します。

1.13 SOA Suite for Non Oracle Middleware

SOA Suiteは、部門レベルから企業規模まで、様々なシステムのデプロイメントを構築、デプロイおよび管理するための統合されたベストインクラスの製品スイートです。WebLogic Serverを使用しているユーザーは、SOA Suite for Oracle Middleware(第2.3項「SOA Suite for Oracle Middleware」)を使用する必要があります。WebSphereなどOracle以外のアプリケーション・サーバーを使用しているユーザーは、この"Non Oracle"バージョンのライセンスが必要になります。

SOA Suite for Non Oracle Middlewareは、SOA Suite for Oracle Middlewareと同じコンポーネントおよびライセンスを含みますが、次の例外があります:

  • SOA Suite for Non Oracle Middlewareは、Oracle B2Bおよびテクノロジ・アダプタを含みます。SOA Suite for Oracle Middlewareは、前提条件であるWebLogic Suiteのコンポーネントとして間接的にOracle B2Bおよびテクノロジ・アダプタを含みます。

  • SOA Suite for Non Oracle Middlewareには、Oracle Service Bus(第2.2項「Oracle Service Bus」)は含まれません。

  • SOA Suite for Non Oracle Middlewareには、クラスタリングのみを目的としたOracle Coherence Standard Editionの使用制限付きライセンスが含まれます。

1.14 Unified Business Process Management Suite for Non Oracle Middleware

Oracle Unified Business Process Management Suiteは、ビジネス・プロセスのモデリング、統合、実行、管理および監視を、急激な変化をサポートする完全なライフ・サイクルに統合するソフトウェア・スイートです。ビジネス・プロセスの作成、実行および最適化を可能にし、ビジネスとITのたぐいまれなコラボレーションを実現します。その結果、ビジネス・プロセスが自動化および最適化され、効率性と即応性が向上し、コストが削減されます。Oracle Unified Business Process Management Suiteは既存のIT投資を活用するものであり、特にライン・オブ・ビジネスのユーザー向けにチューニングされています。Oracle Unified Business Process Management Suiteを使用することで生産性と可視性が向上し、市場ニーズに対するかつてないほどの即応力が組織にもたらされます。

WebLogic Serverを使用しているユーザーは、Oracle Unified Business Process Management Suite(第2.4項「Unified Business Process Management Suite」)を使用する必要があります。WebSphereなどOracle以外のアプリケーション・サーバーを使用しているユーザーは、この"Non Oracle"バージョンのライセンスが必要になります。Oracle Unified Business Process Management Suite for Non Oracle Middlewareは、Oracle Unified Business Process Management Suiteと同じコンポーネントおよびライセンスを含みます。

Oracle Unified Business Process Management Suite for Non Oracle Middlewareは、SOA Suite for Non Oracle Middlewareのオプションとしてライセンスされます。

1.15 Oracle Business Process Analysis Suite

Oracle BPA Suiteは、ビジネス・アナリストを対象としたモデリングおよび分析用のツールです。シックス・シグマのような厳密なプロセス手法や、最終的にはBPMNモデルに分解される価値連鎖図などの階層的プロセス・モデリングがサポートされています。これらのBPMNモデルは、シームレスなラウンド・トリップ設計を行うために、BPELエディタ(完全な双方向同期化機能を含む)と共有されます。BPA Suiteは、分析、シミュレーションおよびレポート作成の機能も豊富です。

Oracle BPA Suiteは、Oracle BPM Suiteパッケージには含まれていませんが、Oracle Business Process Managementプラットフォームの重要な構成要素です。

1.16 Event-Driven Architecture Suite

EDA Suiteは、低レイテンシ、高スループット、および確定的なデータ・ストリーム/イベント・ストリーム処理を必要とするフロント・オフィス・アプリケーションを定義する開発者のイベント駆動型アプリケーションへの開発ニーズに応えることに重点を置いた、Oracle統合製品の特別なスイート。

Event-Driven Architecture Suiteには、次のものが含まれます。

  • Oracle Complex Event Processing(CEP)

    Oracle CEP(かつてのBEAのWebLogic Event Server)は、高パフォーマンスなイベント駆動型アプリケーションの開発を目的とした、世界で最初のJavaサーバーです。これは、Equinox OSGiを基盤としてゼロから構築された軽量Javaアプリケーション・コンテナで、ビジネス運営管理の効率性と効果を向上させるための機能が豊富で宣言型の環境を提供する、強力なComplex Event Processing(CEP)サービスなどの共有サービスを含んでいます。CEPは、イベント・ソース間のフィルタリング、相関関係、および集計に基づいて、イベントのフローのパターンを検出します。 CEPには、業界最先端の一時機能および順序付け機能が含まれています。CEPは、超高速スループット(100万超のイベント/秒)とマイクロ秒のレイテンシを提供します。Oracle CEPにはOracle JRockit JVMが含まれています。

  • Oracle Business Activity Monitoring

    Oracle Business Activity Monitoring(BAM)は、Webを介したリアルタイムの経営ダッシュボードと、監視およびアラートのアプリケーションを構築するための完全なソリューションです。これを使用すると、ビジネス・プロセスとそこから発生するイベントを監視して、ビジネスに作用するKPI(キー・パフォーマンス・インディケータ)への影響を把握することができます。

  • Oracle Enterprise Service Bus(第1.12項「SOA Suite for Non Oracle Middleware」を参照)

  • Oracle Business Rules

    Oracle Business Rulesは、推論可能な宣言型のルール・エンジンで、これにより、ルールおよびポリシーのプロセスおよびアプリケーションを外部化することができます。Oracle Business Rulesには、オーサリング環境およびランタイム・サーバーが含まれています。

EDA Suiteは、スタンドアロン製品として単独でライセンスされます。 ただし、Oracle CEPの高パフォーマンス・デプロイの場合は、最適な低レイテンシのためにCoherence Suiteが必要です。

1.17 Oracle Forms and Reports

Oracle Forms and Reportsは、Oracle Internet Application Serverのどのエディションにも依存することなく、単独でライセンスを購入できます。

単独でライセンスを購入した場合、Oracle Forms and Reportsには次のものが含まれます。

  • Oracle Forms

  • Forms client Applet

  • Forms ランタイム

  • Oracle Reports

  • WebLogic Server Basic

  • Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control


注意:

Oracle Internet Application ServerおよびOracle Forms and Reports Server製品のすべてのエディションには、WebLogic Server Basicに対する権限が含まれています。WebLogic Server Basicの用途は、Forms、Reports、Discoverer、Portalなどの製品内で提供されるコンポーネントの実行のみです。また、Oracle Containers for J2EEなどに開発されるカスタムJavaアプリケーションにも使用することができます。Oracle Internet Application ServerおよびOracle Forms and Reports以外の製品が、Oracle Internet Application ServerまたはOracle Forms and Reportsのいずれかのエディションに対するライセンスに依存している場合、ライセンス・ドキュメントに特に記載されていないかぎり、それらの製品をWebLogic Server Basicで実行する権限はありません。WebLogic Server Basicの詳細は、付録A「WebLogic Server Basic」を参照してください。

1.17.1 使用制限付きライセンス

Oracle Formsのライセンスを単独で購入した場合、次の使用制限付きライセンスが含まれます。

  • Oracle Single Sign-On: Oracle Forms and Reportsにアクセスするユーザーへの認証サービスのために提供されています。

  • Oracle Internet Directory: ユーザーとグループ、および対応するセキュリティ資格証明と権限をプロビジョニング、格納および管理し、サード・パーティのディレクトリ・サービスとデータの同期をとり、Oracle Forms and Reports固有のその他のメタデータを格納するために提供されています。

  • Oracle HTTP Serverおよびそのモジュール: Oracle Forms and Reportsアプリケーションを実行するためにのみ提供されています。

  • WebLogic Server Basic: Oracle Forms and Reportsアプリケーションを実行するためにのみ提供されています。



脚注の説明

脚注1: キャッシュ・クライアントとして構成されたクラスタ・メンバーは、ストレージが無効化されたクラスタ・メンバーです。つまり、パーティション化されたすべてのキャッシュ・サービスのlocal-storage属性がfalseに設定されたクラスタ・メンバーです。
脚注2: キャッシュ・サーバーとして構成されたクラスタ・メンバーは、ストレージが有効化されたクラスタ・メンバーです。つまり、パーティション化されたすべてまたは一部のキャッシュ・サービスのlocal-storage属性がtrueに設定されたクラスタ・メンバーです。