この章では、データ統合製品のライセンスについて説明します。内容は次のとおりです。
Oracle Data Integrator Enterprise Editionは、異種データ環境でのスケーラブルなデータ統合を可能にするための包括的なソフトウェア・パッケージです。Oracle Data Integrator Enterprise Editionは、Oracle WebLogic Serverのすべてのエディション、Oracle Business Intelligence Server Enterprise Edition、またはOracle Business Intelligence Suite Enterprise Editionとは別に、単独でライセンスされます。したがって、Oracle Data Integrator Enterprise Editionで高可用性を利用するには、Oracle WebLogic ServerまたはOracle Coherenceの適切なエディションの個別ライセンスが必要です。
Oracle Data Integrator Enterprise Editionには、次のコンポーネントが含まれています。
Oracle Data Integrator(ODI): モデリングおよびマッピング用のデザインタイム・コンポーネント、およびバルク・データ移動およびトランスフォーメーションを実行するためのランタイム・コンポーネントを含む、データ統合用の異種プラットフォームです。ODIには、ジョブ・スケジューラ・サービス、Changed Data Captureコンポーネント、および無制限のソース・テクノロジへのアクセスを提供するナレッジ・モジュールの全セットが含まれています。
Oracle Warehouse Builder Enterprise ETL: モデリングおよびマッピング用のデザインタイム・コンポーネント、バルク・データ移動およびトランスフォーメーションを実行するためのランタイム・コンポーネント、およびメタデータ・リポジトリを管理するための管理コンポーネントを含む、Oracle Database用のエンタープライズ・クラスのデータ統合プラットフォームです。
Oracle Warehouse Builder Enterprise ETLはOracle Database ETLの機能を拡張するもので、次の機能が含まれています。
ソースおよびターゲットへのアクセス
新規プラットフォーム・タイプ、JDBC接続、ナレッジ・モジュールおよびコード・テンプレートの定義を含む、異種データベースのネイティブ・サポート
ETLにおけるチェンジ・データ・キャプチャ・マッピング
Oracle BPEL Process Managerなどのプロセス編成テクノロジとの統合を含む、Webサービスの公開および使用
組込みウィザードを使用したCOBOLコピーブックのインポート
XMLファイルのターゲット指定
ディメンション・オブジェクトの操作
緩やかに変化するディメンション(タイプ2および3)の作成
OLAPキューブ構成マテリアライズド・ビューへのデータの格納
孤立管理ポリシーの定義
ETLジョブの設計および実行
キューとリアルタイム・マッピングを使用した、適切な時点でのデータ・ウェアハウス処理
マッピング・コードの再利用、およびプラッガブルなマッピングによるマッピング・コードの埋込み
単一マッピング内の複数ターゲットのロード順序の指定
データ・チャンク機能を使用した表の更新のパーティション化および並行処理
組込みスケジュール・インタフェースを使用したETLジョブのスケジューリング
拡張プロセス・フロー機能の使用(アクティビティ・テンプレート、次のアクティビティの使用: 割当て、ステータスの設定、Forループ、Whileループ、ルート、通知、EJB、JavaクラスおよびWebサービス)
次の演算子を使用した、複合タイプを処理するためのマッピングの設計: 可変長配列イテレータ、オブジェクトの構成およびオブジェクトの拡張
トランスポート可能なモジュールによる、大量のデータの高速移動
Spatial変換およびStreams変換の使用
その他の製品との統合
Oracle Discoverer End User Layerへの直接的なメタデータのデプロイ
メタデータの導出およびOracle Business Intelligence Enterprise Editionへのデプロイ
Warehouse Builderおよびそのメタデータ・リポジトリの管理
複数構成機能を使用した、開発からテストを経て本番に至る環境の管理
メタデータの系統および影響の対話形式による分析、およびメタデータ依存性マネージャを使用したメタデータ変更の自動伝播
次を使用したメタデータ・リポジトリの拡張: ユーザー定義オブジェクト、ユーザー定義アソシエーション、ユーザー定義モジュール、アイコン・セットおよびカスタム・アイコンの作成
Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)環境でのOWBデザイン・リポジトリのホスティング(Oracle RAC環境で実行する場合はライセンス不要)
Warehouse Builder機能の詳細は、Oracle Database 11.2ドキュメント・ライブラリのData WarehousingおよびBusiness Intelligenceに関するドキュメントを参照してください。
Oracle Data Integration Suiteは、異種データ環境でのスケーラブルで高度にアクセス可能なデータ統合を可能にするための包括的なソフトウェア・バンドルです。Oracle Data Integration Suiteは、Oracle Internet Application Serverのすべてのエディションとは別に、単独でライセンスを購入できます。
Oracle Data Integration Suiteには、次のものが含まれます。
Oracle Data Integrator Enterprise Edition
Hyperion Data Relationship Management(Processor当たり最大2000レコード)
Oracle Data Integration Suiteには、次のコンポーネントの使用制限付きライセンスが含まれます。
Oracle WebLogic Suite: Oracle Data Integration Suite専用のホストとして含まれており、これには、Javaランタイム環境を提供するランタイム・コンポーネント、およびそれらのランタイム・コンポーネントの設定および管理に使用する構成コンポーネントおよび管理コンポーネントが含まれます。
Oracle BPEL Process Manager: Oracle Data IntegratorまたはHyperion Data Relationship Management(あるいはその両方)とともにエンドポイントとして使用するために含まれています。
Oracle Service Bus: Oracle Data IntegratorまたはHyperion Data Relationship Management(あるいはその両方)とともにエンドポイントとして使用するために含まれています。
Oracle Data Profilingを使用すると、ビジネス・ユーザーは、メトリックを介してデータの品質を評価し、このデータに基づいてルールを検出または推測し、長期にわたってデータ品質の変化を監視できます。
Oracle Data Profilingには、前提条件としてライセンス所有者がOracle Data Integratorの有効なライセンスも所有している必要があります。
Oracle Data Quality for Data Integratorは、データの標準化、マッチング、マージ、重複除去、ハウスホールディング、および名前とアドレスのクレンジングを可能にする、包括的なデータ品質プラットフォームです。
Oracle Data Quality for Data Integratorには、前提条件としてライセンス所有者がOracle Data Integratorの有効なライセンスも所有している必要があります。
Oracle Data Quality for Data Integratorは、1年につき最大1億RecordsのProcessorごとのメトリックにより、ライセンスされます。レコードは、本番環境でクレンジングされている一意のキーによって識別される、個別で非重複の関連データの属性セットである必要があります。
Oracle Data Quality for Data Integrator (Up to a Maximum of 100 Million Records)のライセンスには、Oracle Data Quality Rulesが、1 Rule Set含まれています。追加のRule Setについては、それぞれ個別のライセンスが必要です。
Oracle Data Quality for Data Integrator (for Greater than 100 Million Records)では、1年につき1億を超えるRecordsの使用を可能にします。これは、1000Recordsごとのメトリックによりライセンスされます。レコードは、本番環境でクレンジングされている一意のキーによって識別される、個別で非重複の関連データの属性セットである必要があります。
Oracle Data Quality Rules for Data Integratorは、Oracle Data Quality for Data Integratorの、1つ以上の国に対する名前とアドレスのクレンジング機能を明示的に拡張する事前定義済のクレンジング・ルール・セットを提供します。
Oracle Data Quality Rules for Data Integratorの各ライセンスで、所有者には、1つの国に対してこれらのルールを使用する機能が付与されます。
Rule Setは、次の国に対して使用可能であり、各Rule Setは個別にライセンスされます: アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブラジル、ブルネイ・ダルサラーム、カナダ、チリ、中国、コロンビア、チェコ共和国、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、香港、ハンガリー、インド、アイルランド、イスラエル、イタリア、ジャマイカ、日本、韓国、ルクセンブルグ、マレーシア、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ペルー、フィリピン、ポーランド、ポルトガル、ロシア、サウジアラビア、シンガポール、南アフリカ、スペイン、スウェーデン、スイス、台湾、トルコ、アラブ首長国連邦、英国、米国、ベネズエラ
Oracle Application Adapters for Data Integrationは、様々なERPソフトウェア・アプリケーションからメタデータのリバース・エンジニアリングおよびバルク・データの抽出を行うための、特定のソフトウェア・コンポーネントを提供します。個々のApplication Adapter for Data Integrationはそれぞれ単独でライセンスされますが、Oracle Data Integrator Enterprise EditionおよびData Integratorコンポーネントとともに使用する必要があります。
Application Adapters for Data Integrationは、PeopleSoft、JD Edwards、E-Business Suite、SiebelおよびSAPアプリケーションに使用できます。各Application Adapter for Data Integrationは、個別にライセンスされます。
Oracle Application Adapters for Warehouse Builderは、様々なERPソフトウェア・アプリケーションからメタデータのリバース・エンジニアリングおよびバルク・データの抽出を行うための、特定のソフトウェア・コネクタを提供します。個々のApplication Adapter for Warehouse Builderはそれぞれ単独でライセンスされます。ドキュメント化されたAPIを使って顧客がWarehouse Builder用の独自のアプリケーション・アダプタを構築する場合を含め、Application Adapters for Warehouse Builderの使用には、必ずOracle Data Integrator Enterprise Editionのライセンスが必要になります。
Application Adapters for Warehouse Builderは、PeopleSoft、SAP、SiebelおよびE-Business Suiteに使用できます。
Oracle GoldenGateは、待機時間をごくわずかに抑えながら大量のトランザクション・データをデータベース間で移動する、ログベースかつリアルタイムのチェンジ・データ・キャプチャ(CDC)・ソフトウェア・プラットフォームであり、論理データ・レプリケーションを可能にします。標準の環境は、取得、ポンプおよび配信を行うプロセスで構成されます。各プロセスは、ほとんどの一般的なオペレーティング・システムで実行できます。データのすべてまたは一部のレプリケートが可能であり、どのプロセスにおいても、異機種環境のデータだけでなく、異なるデータベース・スキーマのデータも操作できます。
Oracle GoldenGate製品は、別のサードパーティ・データベースからOracleデータベースへ、またはOracleデータベースから別のサードパーティ・データベースへの異機種間レプリケーションを実現するために、Oracle GoldenGate for Non Oracle Databaseと併用できます。
Oracle GoldenGateのライセンスには、Oracleデータベースからデータベース・トランザクションを取得し、Oracleデータベースにデータベース・トランザクションを配信する権限が含まれています。Oracle Active Data GuardのFull UseライセンスとXStreamのFull Useライセンスも含まれています。Oracle GoldenGateの取得機能と配信機能はOracle Databaseのどのエディションでも動作しますが、Active Data GuardとXStreamにはOracle Database Enterprise Editionが必要ですので注意してください。
Oracle GoldenGateをOracleからOracleへの環境で使用する場合、次のコンポーネントが組み込まれます。
XStream: Oracle Streamsのインフラストラクチャをベースに、クライアント・アプリケーションがOracleデータベースからのリアルタイムのデータ変更の受信(XStream Out APIを使用)と、Oracleデータベースへのリアルタイムのデータ変更の送信(XStream In APIを使用)を行えるようにする、アプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)を提供します。これらのデータ変更は、Oracleデータベースと他のシステム(ファイルシステムや非Oracleデータベースなど)の間で共有できます。
Oracle Active Data Guard: プライマリ・データベースから変更が適用される間、フィジカル・スタンバイ・データベースを読取り専用としてオープンしておくことができ、レポーティングから本番データ取得までの待機時間を最小限に抑えたフィジカル・スタンバイへの読取り専用レポーティングが可能になります。高速の増分バックアップを使用して、バックアップ操作をスタンバイ・データベースにオフロードすることもできます。Oracle Active Data Guardには、本番サイトで計画停止または計画外停止が発生した場合にスタンバイ・データベースへすばやくフェイルオーバーすることで、高可用性が維持され、障害から保護されるというメリットもあります。
Oracle Active Data GuardおよびXStreamの機能の詳細は、Oracle Database 11.2ドキュメント・ライブラリの高可用性に関するドキュメントを参照してください。
Oracle GoldenGateは、待機時間をごくわずかに抑えながら大量のトランザクション・データをデータベース間で移動する、ログベースかつリアルタイムのチェンジ・データ・キャプチャ(CDC)・ソフトウェア・プラットフォームであり、論理データ・レプリケーションを可能にします。標準の環境は、取得、ポンプおよび配信を行うプロセスで構成されます。各プロセスは、ほとんどの一般的なオペレーティング・システムで実行できます。データのすべてまたは一部のレプリケートが可能であり、どのプロセスにおいても、異機種環境のデータだけでなく、異なるデータベース・スキーマのデータも操作できます。
Oracle GoldenGate for Non Oracle Database製品は、異機種間レプリケーションを実現するために、OracleデータベースをサポートするOracle GoldenGateと併用できます。たとえば、Oracle GoldenGate for Non Oracle Databaseを使用してサードパーティ・データベースから取得し、Oracle GoldenGateを使用してOracleデータベースに配信するなど、異なる種類のデータベースを自由に組み合せることが可能です。
Oracle GoldenGate for Non Oracle Databaseのライセンスには、サポートされる非Oracleオープン・システム・データベースからデータベース・トランザクションを取得し、サポートされる非Oracleオープン・システム・データベースにデータベース・トランザクションを配信する権限が含まれています。
Oracle GoldenGate for Non Oracle Database 11g リリース1は現在、次のデータベース・プラットフォームで使用できます。詳しい動作保証マトリックスは、Oracleサポート・サービスから入手可能です。
Microsoft SQL Server 2000、2005、2008
Management Pack for Oracle GoldenGateは、サーバーベースの製品であり、ユーザーのインフラストラクチャ全体に実装されたOracle GoldenGateプロセスについての集中的な設計、構成、管理、監視およびレポート作成を行うための、直感的なグラフィカル・インタフェースを特徴としています。この製品に含まれるOracle GoldenGate Directorにより、組織はOracle GoldenGateのデプロイメントを容易に監視および管理できます。
Management Pack for Oracle GoldenGateのライセンスを取得する場合、Oracle WebLogic Server Standard Editionの使用制限付きライセンスが含まれます。使用制限付きライセンスでは、Management Pack for Oracle GoldenGateの一部として配布されるJava Enterprise Edition(Java EE)またはJavaアプリケーション・ロジックをホスティングする目的にのみ、Oracle WebLogic Server Standard Editionを使用できます。
Oracle GoldenGate Veridataは、継続中のビジネス・プロセスを中断せずにデータベース間のデータ不一致を識別し報告する、高速データ比較ソリューションです。Oracle GoldenGate Veridataを使用することで、企業は各種ビジネス・アプリケーション間の大量のデータを確実に監査および検証し、信頼できるデータ同期を維持できます。