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Solaris のシステム管理 (基本編) Oracle Solaris 10 8/11 Information Library (日本語) |
1. Oracle Solaris 管理ツール (製品概要)
3. Oracle Java Web Console の操作 (手順)
11. Oracle Solaris ブート動作の変更 (手順)
12. Oracle Solaris システムのブート (手順)
13. Oracle Solaris ブートアーカイブの管理 (手順)
14. Oracle Solaris システムのブートのトラブルシューティング (手順)
16. x86: GRUB を実装しないシステムのブート (手順)
17. Oracle Solaris 自動登録コマンド regadm の操作 (手順)
21. Oracle Solaris システム管理ツールによるソフトウェアの管理 (手順)
Oracle Solaris ソフトウェアは、電子メールやネットワークソフトウェアをいつでも利用できるように、停止することなく動作するように設計されています。しかし、システム管理作業を行う場合や緊急事態が発生した場合は、システムをシャットダウンして安全に電源を切断できる状態にする必要があります。場合によっては、システムを一部のシステムサービスしか利用できない中間の実行レベルまで移行する必要があります。
次のような場合がそれに該当します。
ハードウェアを追加または削除する
予定された停電に備える
ファイルシステムの保守を行う (バックアップなど)
システムのシャットダウンを必要とするシステム管理作業の詳細については、第 9 章システムのシャットダウンとブート (概要)を参照してください。
システムの電源管理機能を使用する方法については、pmconfig(1M) のマニュアルページを参照してください。
システムをシャットダウンするもっとも基本的な方法は、init と shutdown の各コマンドを使用する方法です。どちらのコマンドも、システムを「正常な状態でシャットダウンする」ため、すべてのファイルシステムに対する変更がディスクに書き出され、すべてのシステムサービス、プロセス、オペレーティングシステムが正常に終了します。
システムのアボートキーシーケンスを使用したり、電源をオフにしてからオンにする方法では、システムサービスが突然終了してしまうので、正常なシャットダウン方法とはいえません。しかし、緊急時には、これらの方法が必要となる場合もあります。システムの復旧方法については、第 12 章Oracle Solaris システムのブート (手順) and第 13 章Oracle Solaris ブートアーカイブの管理 (手順)を参照してください。
注 - Solaris 10 6/06 以降のリリースが稼働する x86 システムでは、電源ボタンを押して離すとシステムの正常なシャットダウンが開始されます。この方法は、init 5 コマンドを使用するのと同等です。
次の表に、各種シャットダウンコマンドとその用途を要約します。
表 10-1 シャットダウンコマンド
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shutdown コマンドは起動時に、ログインしているすべてのユーザーと、システムリソースをマウントしているすべてのシステムに、警告と最終メッセージという形でシャットダウンを通知します。
サーバーをシャットダウンする必要がある場合に、init コマンドではなく shutdown コマンドを使用することを推奨するのはこのためです。どちらを使用するにしても、ユーザーには予定されているシャットダウンについてあらかじめ電子メールで知らせるようにしてください。
システム上のどのユーザーに通知する必要があるかを確認するには、who コマンドを使用します。このコマンドは、システムの現在の実行レベルを調べる場合にも役立ちます。詳細は、「システムの実行レベルを確認する」 と、who(1) のマニュアルページを参照してください。
例 10-1 システムにログインしているユーザーを知る
次の例は、システムにログインしているユーザーを表示する方法を示しています。
$ who holly console May 7 07:30 kryten pts/0 May 7 07:35 (starlite) lister pts/1 May 7 07:40 (bluemidget)
1 列目のデータはログインしているユーザーのユーザー名を示します。
2 列目のデータはログインしているユーザーの端末回線を示します。
3 列目のデータはユーザーがログインした日時を示します。
4 列目のデータ (省略可能) は、ユーザーがリモートシステムからログインしている場合のホスト名を示します。
役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。
# who
ログインしているすべてのユーザーがリスト表示されます。システムがシャットダウンされることを、メールかブロードキャストメッセージで知らせることをお勧めします。
# shutdown -iinit-level -ggrace-period -y
システムをデフォルトの S 以外の init レベルにします。0、1、2、5、6 のいずれかを指定できます。
実行レベル 0 および 5 は、システムのシャットダウン用に予約された状態です。実行レベル 6 はシステムをリブートします。実行レベル 2 はマルチユーザーオペレーティング状態として使用できます。
システムがシャットダウンするまでの時間 (秒) を示します。デフォルト値は 60 秒です。
ユーザーの介入なしにシャットダウンを継続します。それ以外の場合、シャットダウンを継続するかどうか 60 秒後に尋ねられます。
詳細は、shutdown(1M) のマニュアルページを参照してください。
Do you want to continue? (y or n): y
-y オプションを指定した場合、このプロンプトは表示されません。
Type Ctrl-d to proceed with normal startup, (or give root password for system maintenance): xxxxxx
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例 10-2 SPARC: サーバーを実行レベル S にする
次の例では、shutdown コマンドを使用して、3 分後に、SPARC システムを実行レベル S (シングルユーザーレベル) にしています。
# who root console Jun 14 15:49 (:0) # shutdown -g180 -y Shutdown started. Mon Jun 14 15:46:16 MDT 2004 Broadcast Message from root (pts/4) on venus Mon Jun 14 15:46:16... The system venus will be shut down in 3 minutes . . . Broadcast Message from root (pts/4) on venus Mon Jun 14 15:46:16... The system venus will be shut down in 30 seconds . . . INIT: New run level: S The system is coming down for administration. Please wait. Unmounting remote filesystems: /vol nfs done. Shutting down Solaris Management Console server on port 898. Print services stopped. Jun 14 15:49:00 venus syslogd: going down on signal 15 Killing user processes: done. Requesting System Maintenance Mode SINGLE USER MODE Root password for system maintenance (control-d to bypass): xxxxxx single-user privilege assigned to /dev/console. Entering System Maintenance Mode #
例 10-3 SPARC: サーバーを実行レベル 0 にする
次の例では、shutdown コマンドを使用して、SPARC システムを 5 分後に実行レベル 0 にしています。確認用プロンプトが表示されないように -y オプションを指定しています。
# who root console Jun 17 12:39 userabc pts/4 Jun 17 12:39 (:0.0) # shutdown -i0 -g300 -y Shutdown started. Thu Jun 17 12:40:25 MST 2004 Broadcast Message from root (console) on pretend Thu Jun 17 12:40:25... The system pretend will be shut down in 5 minutes . . . Changing to init state 0 - please wait # INIT: New run level: 0 The system is coming down. Please wait. System services are now being stopped. . . . The system is down. syncing file systems... done Program terminated Type help for more information ok
システムを実行レベル 0 にしてすべてのデバイスの電源を落とす場合は、「すべてのデバイスの電源を落とす方法」を参照してください。
例 10-4 SPARC: サーバーをリブートして実行レベル 3 にする
次の例では、shutdown コマンドを使用して SPARC システムをリブートし、2 分後に実行レベル 3 にしています。確認用プロンプトが表示されないように y オプションを指定しています。
# who root console Jun 14 15:49 (:0) userabc pts/4 Jun 14 15:46 (:0.0) # shutdown -i6 -g120 -y Shutdown started. Mon Jun 14 15:46:16 MDT 2004 Broadcast Message from root (pts/4) on venus Mon Jun 14 15:46:16... The system venus will be shut down in 2 minutes Changing to init state 6 - please wait # INIT: New run level: 6 The system is coming down. Please wait. . . . The system is down. syncing file systems... done rebooting... . . . venus console login:
参照
システムをシャットダウンした理由にかかわらず、すべてのファイルリソースが利用可能かつユーザーがログイン可能な、実行レベル 3 にシステムが戻ることを想定しているでしょう。システムをマルチユーザーレベルに戻す手順については、第 12 章Oracle Solaris システムのブート (手順)を参照してください。
スタンドアロンシステムをシャットダウンする必要がある場合は、次の手順を実行します。
役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。
# init 5
詳細は、init(1M) のマニュアルページを参照してください。
# uadmin 2 0
この機能は、init 5 コマンドを使ってシステムをシャットダウンするのと同等です。詳細については、「システムのシャットダウンとブートに関する新機能」を参照してください。
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例 10-5 uadmin コマンドを使ってシステムをシャットダウンする
# uadmin 2 0 syncing file systems... done Program terminated
例 10-6 スタンドアロンシステムを実行レベル 0 にする
次の例では、init コマンドを使用して、x86 スタンドアロンシステムを、電源を安全に落とせるレベルにします。
# init 0 # INIT: New run level: 0 The system is coming down. Please wait. . . . The system is down. syncing file systems... [11] [10] [3] done Press any key to reboot
システムを実行レベル 0 にしてすべてのデバイスの電源を落とす場合は、「すべてのデバイスの電源を落とす方法」を参照してください。
例 10-7 SPARC: スタンドアロンシステムを実行レベル S にする
次の例では、init コマンドを使用して、SPARC スタンドアロンシステムを実行レベル S (シングルユーザーレベル) にしています。
# init s # INIT: New run level: S The system is coming down for administration. Please wait. Unmounting remote filesystems: /vol nfs done. Print services stopped. syslogd: going down on signal 15 Killing user processes: done. SINGLE USER MODE Root password for system maintenance (control-d to bypass): xxxxxx single-user privilege assigned to /dev/console. Entering System Maintenance Mode #
参照
システムをシャットダウンした理由にかかわらず、すべてのファイルリソースが利用可能かつユーザーがログイン可能な、実行レベル 3 にシステムが戻ることを想定しているでしょう。システムをマルチユーザーレベルに戻す手順については、第 12 章Oracle Solaris システムのブート (手順)を参照してください。