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Solaris のシステム管理 (ネットワークサービス) Oracle Solaris 10 8/11 Information Library (日本語) |
パート II ネットワークファイルシステムへのアクセス (トピック)
6. ネットワークファイルシステムへのアクセス (リファレンス)
23. 非同期 Solaris PPP から Solaris PPP 4.0 への移行 (手順)
/etc/uucp/Systems ファイルの System-Name フィールド
/etc/uucp/Systems ファイルの Time フィールド
/etc/uucp/Systems ファイルの Type フィールド
/etc/uucp/Systems ファイルの Speed フィールド
/etc/uucp/Systems ファイルの Phone フィールド
/etc/uucp/Systems ファイルの Chat-Script フィールド
/etc/uucp/Systems ファイルでのハードウェアフロー制御
/etc/uucp/Systems ファイルでのパリティーの設定
/etc/uucp/Devices ファイルの Type フィールド
Devices ファイルおよび Systems ファイルの Type フィールド
/etc/uucp/Devices ファイルの Line フィールド
/etc/uucp/Devices ファイルの Line2 フィールド
/etc/uucp/Devices ファイルの Class フィールド
/etc/uucp/Devices ファイルの Dialer-Token-Pairs フィールド
/etc/uucp/Dialers ファイルによるハードウェアフロー制御の有効化
/etc/uucp/Dialers ファイルでのパリティーの設定
UUCP /etc/uucp/Permissions ファイル
UUCP NOREAD オプションと NOWRITE オプション
/etc/uucp/Devices ファイルには、リモートコンピュータへのリンクを確立するために使用できるすべてのデバイスに関する情報が入っています。この種のデバイスには、ACU (高速モデムを含む)、直接リンク、ネットワーク接続などがあります。
/etc/uucp/Devices ファイルのエントリは、次の構文を使用します。
Type Line Line2 Class Dialer-Token-Pairs
次に示す Devices ファイルエントリは、ポート A に接続され、38,400 bps で動作する U.S. Robotics V.32bis モデムを表しています。
ACUEC cua/a - 38400 usrv32bis-ec
Type フィールド内のエントリ。詳細は、「/etc/uucp/Devices ファイルの Type フィールド」を参照
Line フィールド内のエントリ。詳細は、「/etc/uucp/Devices ファイルの Line フィールド」を参照
Line2 フィールド内のエントリ。詳細は、「/etc/uucp/Devices ファイルの Line2 フィールド」を参照
Class フィールド内のエントリ。詳細は、「/etc/uucp/Devices ファイルの Class フィールド」を参照
Dialer-Token-Pairs フィールド内のエントリ。詳細は、「/etc/uucp/Devices ファイルの Dialer-Token-Pairs フィールド」を参照
このフィールドで、デバイスによって確立されるリンクの種類を説明します。このフィールドには次のセクションに示すキーワードのいずれかを入れることができます。
キーワード Direct は、主として cu 接続用のエントリ内で使用されます。このキーワードは、このリンクがほかのコンピュータまたはポートセレクタへの直接リンクであることを示します。cu の -l オプションで参照する各回線について、それぞれ独立したエントリを作成する必要があります。
キーワード ACU は、(cu、UUCP、asppp、または Solaris PPP 4.0 を介した) リモートコンピュータへのリンクを、モデムを介して確立することを示します。このモデムは、直接ローカルコンピュータに接続しているものでも、ポートセレクタを介して間接的に接続しているものでもかまいません。
ポートセレクタは、ポートセレクタの名前で置き換えるものとして、Type フィールド内で使用される変数です。ポートセレクタは、ネットワークに接続されたデバイスで、呼び出し側モデムの名前を要求し、アクセスを許可します。/etc/uucp/Dialers ファイルに入っている呼び出しスクリプトは、micom ポートセレクタと develcon ポートセレクタについてのものだけです。ユーザーは、Dialers ファイルに独自のポートセレクタエントリを追加できます。詳細は、「UUCP /etc/uucp/Dialers ファイル」を参照してください。
Type フィールド内のこの変数は、特定のマシンの名前で置き換えられます。これは、リンクがこのマシンへの直接リンクであることを示します。この命名スキーマは、この Devices エントリ内の行と、コンピュータ System-Name についての /etc/uucp/Systems ファイルエントリを対応付けるために使用されます。
例 26-5 は、/etc/uucp/Devices のフィールドと /etc/uucp/Systems のフィールドの比較を示しています。フィールドの書体を変えて示したように、Devices ファイルの Type フィールドで使用されているキーワードは、Systems ファイルエントリの 3 番目のフィールドと突き合わされます。Devices ファイルの Type フィールドには ACUEC というエントリが入っており、これは自動呼び出し装置、つまりこの例では V.32bis モデムを示しています。この値は、Systems ファイルの Type フィールドと突き合わされます。このフィールドにも ACUEC というエントリが入っています。詳細は、「UUCP /etc/uucp/Systems ファイル」 を参照してください。
例 26-5 Devices ファイルと Systems ファイルの Type フィールドの比較
次に、Devices ファイルのエントリ例を示します。
ACUEC cua/a - 38400 usrv32bis-ec
次に、Systems ファイルのエントリ例を示します。
Arabian Any ACUEC 38400 111222 ogin: Puucp ssword:beledi
このフィールドには、Devices エントリに対応付けられる回線 (ポート) のデバイス名が入ります。たとえば、特定のエントリに対応付けられているモデムが /dev/cua/a (シリアルポート A) に接続されている場合、このフィールドに入力する名前は cua/a です。Line フィールドでオプションのモデム制御フラグ M を使用すると、キャリアを待たないでデバイスをオープンすることを指定できます。例:
cua/a,M
このフィールドは、フィールドの数を合わせるために存在しているだけです。ここには常にハイフン (-) を指定します。Line2 フィールドを使用するのは 801 型のダイアラですが、この種類は Solaris OS ではサポートされていません。801 型以外のダイアラは通常はこの設定を使用しませんが、このフィールドにダッシュだけは入れておく必要があります。
Type フィールドでキーワード ACU または Direct を使用した場合は、Class フィールドにはデバイスの速度が入ります。ただし、このフィールドには、ダイアラのクラス (Centrex や Dimension PBX など) を区別するために、1 個の英字と速度値を含めることができます (C1200、D1200 など)。
大規模な事業所では複数種の電話ネットワークを使用することが多いため、このような指定が必要になります。たとえば、1 つのネットワークは事業所内の内線通信専用に使用し、もう 1 つのネットワークは外線通信に使用するといった方式が考えられます。このような場合は、内線回線と外線回線とを区別する必要があります。
Devices ファイルの Class フィールドで使用するキーワードは、Systems ファイルの Speed フィールドと突き合わされます。
例 26-6 Devices ファイルの Class フィールド
ACU cua/a - D2400 hayes
どのような速度でも使用できるデバイスでは、Class フィールドにキーワード Any を使用します。Any を使用した場合は、回線は、Systems ファイルの Speed フィールドで要求された任意の速度に適合します。このフィールドが Any で、Systems ファイルの Speed フィールドも Any である場合は、速度はデフォルトの 2400 bps となります。
Dialer-Token-Pairs (DTP) フィールドには、ダイアラの名前とそれに渡すトークンが入ります。DTP フィールドの構文は次のとおりです。
dialer token [dialer token]
dialer の部分は、モデムかポートモニターの名前あるいは直接リンクデバイスの場合は direct または uudirect です。ダイアラとトークンのペアはいくつでも指定できます。dialer の部分がない場合は、Systems ファイル内の関連エントリから取得されます。token 部は、dialer 部の直後に指定できます。
対応するダイアラによっては、最後のダイアラとトークンのペアはない場合もあります。ほとんどの場合は、最後のペアには dialer 部だけが含まれます。token 部は、対応する Systems ファイルエントリの Phone フィールドから取得されます。
dialer 部の有効エントリは、Dialers ファイル内で定義されているものか、いくつかの特殊ダイアラタイプのうちの 1 つとなります。これらの特殊ダイアラタイプはコンパイル時にソフトウェア中に組み込まれているので、Dialers ファイル内に該当エントリがなくても使用できます。次に、特殊なダイアラタイプを示します。
TCP/IP ネットワーク
トランスポートレベルインタフェースネットワーク (STREAMS を使用しないもの)
トランスポートレベルインタフェースネットワーク (STREAMS を使用するもの)
詳細は、「/etc/uucp/Devices ファイル内のプロトコル定義」を参照してください。
DTP フィールドの構造は、エントリに対応するデバイスに応じて 4 通りに設定できます。
次に 1 つ目の方法を示します。
直接接続モデム – コンピュータのポートにモデムが直接接続されている場合は、対応する Devices ファイルエントリの DTP フィールドに入るペアは 1 つだけです。このペアは、通常はモデムの名前です。この名前は、Devices ファイルの特定のエントリと、Dialers ファイル内のエントリとを対応付けるために使用されます。したがって、Dialer フィールドは、Dialers ファイルエントリの最初のフィールドに一致している必要があります。
例 26-7 直接接続モデム用 Dialers フィールド
Dialers hayes =,-, "" \\dA\pTE1V1X1Q0S2=255S12=255\r\c \EATDT\T\r\c CONNECT
Devices ファイルエントリの DTP フィールドには、dialer 部 (hayes) だけが示されている点に注意してください。これは、ダイアラに渡す token (この例では電話番号) が、Systems ファイルエントリの Phone フィールドから取得されることを意味します (例 26-9 で説明するように、\T が暗黙で指定されます)。
次に、DTP フィールドの構造化に利用できる 2 つ目と 3 つ目の方法を示します。
直接リンク – 特定のコンピュータへの直接リンクの場合は、対応するエントリの DTP フィールドには、キーワード direct が入ります。これは、Direct、System-Name の両方の直接リンクエントリにもあてはまります。「/etc/uucp/Devices ファイルの Type フィールド」を参照してください。
同じポートセレクタ上のコンピュータ – 通信するコンピュータが、ローカルコンピュータと同じポートセレクタスイッチ上にある場合は、ローカルコンピュータはまずそのスイッチにアクセスする必要があります。そのスイッチが、相手のコンピュータとの接続を確立します。この種のエントリでは、ペアは 1 つだけです。dialer 部が Dialers ファイルのエントリと突き合わされます。
例 26-8 同一ポートセレクタ上のコンピュータ用 UUCP Dialer フィールド
Dialers develcon ,"" "" \pr\ps\c est:\007 \E\D\e \007
token 部が空である点に注意してください。このように指定されている場合は、この部分が Systems ファイルから取得されることを示しています。このコンピュータ用の Systems ファイルエントリには、Phone フィールドにトークンが含まれています。このフィールドは、通常、コンピュータの電話番号用として確保されています。詳細は、「UUCP /etc/uucp/Systems ファイル」を参照してください。この種類の DTP にはエスケープ文字 (\D) が含まれています。これは、Phone フィールドの内容が、Dialcodes ファイル内の有効エントリとして解釈されないことを保証します。
次に、DTP フィールドの構造化に利用できる 4 つ目の方法を示します。
ポートセレクタに接続しているモデム – ポートセレクタに高速モデムが接続されている場合は、ローカルコンピュータはまずポートセレクタスイッチにアクセスする必要があります。そして、そのスイッチがモデムとの接続を確立します。この種類のエントリには、ダイアラとトークンのペアが 2 つ必要です。各ペアの dialer 部 (エントリの 5 番目と 7 番目のフィールド) が、Dialers ファイル内のエントリと突き合わされます。
例 26-9 ポートセレクタに接続されたモデム用 UUCP Dialer フィールド
develcon "" "" \pr\ps\c est:\007 \E\D\e \007 ventel =&-% t"" \r\p\r\c $ <K\T%\r>\c ONLINE!
最初のペアでは、develcon がダイアラで、vent が Develcon スイッチに渡されるトークンです。トークンは、コンピュータに接続するデバイス (たとえば Ventel モデム) をダイアラに指示しています。各スイッチごとに設定が異なることがあるので、このトークンは各ポートセレクタに固有のものにします。Ventel モデムが接続されたあと、第 2 のペアがアクセスされます。このペアでは、Ventel がダイアラで、トークンは Systems ファイルから取得されます。
DTP フィールドで使用できるエスケープ文字が 2 つあります。
\T – Phone (token) フィールドを、/etc/uucp/Dialcodes ファイルを使用して解釈することを指定します。通常、モデム (Hayes、US Robotics など) に対応する各呼び出しスクリプトについて、/etc/uucp/Dialers ファイルにこのエスケープ文字を組み込みます。したがって、呼び出しスクリプトがアクセスされるまでは、解釈は行われません。
\D – Phone (token) フィールドを、/etc/uucp/Dialcodes ファイルを使用して解釈しないことを指定します。Devices エントリの末尾にエスケープ文字が何も指定されていないときは、デフォルトで \D があるものと想定します。\D は、/etc/uucp/Dialers ファイルの中でも、ネットワークスイッチ develcon と micom に関連したエントリで使用されます。
/etc/uucp/Devices では、各デバイスに使用するプロトコルを定義できます。通常は、デフォルトを使用するか、または呼び出そうとしている特定のシステムに対してプロトコルを定義できるので、この指定は不要です。詳細は、「UUCP /etc/uucp/Systems ファイル」を参照してください。プロトコルを指定する場合は、次の形式を使用する必要があります。
Type,Protocol [parameters]
たとえば、TCP/IP プロトコルを指定するには、TCP,te と入力します。
次の表に、Devices ファイルで使用できるプロトコルを示します。
表 26-2 /etc/uucp/Devices で使用されるプロトコル
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次に、デバイスエントリ用のプロトコル指定の例を示します。
TCP,te - - Any TCP -
この例は、デバイス TCP について t プロトコルの使用を試みるように指示しています。相手側がそれを拒否した場合は、e プロトコルが使用されます。
e と t のどちらも、モデムを介した通信には適していません。モデムがエラーのない伝送を保証するものであったとしても、モデムと CPU との間でデータが失われる可能性があります。