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Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)     Oracle Solaris 10 8/11 Information Library (日本語)
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ドキュメントの情報

はじめに

1.  リムーバブルメディアの管理 (概要)

2.  リムーバブルメディアの管理 (手順)

3.  リムーバブルメディアへのアクセス (手順)

4.  CD および DVD への書き込み (手順)

5.  デバイスの管理 (概要と手順)

6.  デバイスの動的構成 (手順)

7.  USB デバイスの使用 (概要)

8.  USB デバイスの使用 (手順)

9.  InfiniBand デバイスの使用 (概要/手順)

10.  ディスクの管理 (概要)

11.  ディスクの管理 (手順)

12.  SPARC: ディスクの設定 (手順)

13.  x86: ディスクの設定 (手順)

14.  Oracle Solaris iSCSI ターゲットおよびイニシエータの構成 (手順)

15.  format ユーティリティー (参照情報)

16.  ファイルシステムの管理 (概要)

17.  ファイルシステムの作成およびマウント (手順)

18.  CacheFS ファイルシステムの使用 (手順)

19.  追加スワップ空間の構成 (手順)

20.  UFS ファイルシステムの整合性検査 (手順)

21.  UFS ファイルシステム (参照情報)

22.  UFS ファイルシステムのバックアップと復元 (概要)

UFS バックアップと復元についての参照先

UFS ファイルシステムのバックアップと復元の概要

ファイルシステムをバックアップする理由

どの UFS ファイルシステムをバックアップするかの計画

バックアップタイプの選択

テープデバイスの選択

UFS ファイルシステムのバックアップおよび復元の概要 (作業マップ)

バックアップスケジュールに関するその他の注意事項

バックアップ頻度

バックアップ間隔の用語と定義

バックアップスケジュールを設定する際のガイドライン

ダンプレベルを使用して増分バックアップを作成する

例--日単位累積バックアップのダンプレベル

例--日単位増分バックアップのダンプレベル

バックアップスケジュールの例

例 -- 日単位累積、週単位累積バックアップスケジュール

日単位累積、週単位累積スケジュールのテープ要件

例 -- 日単位累積、週単位増分バックアップスケジュール

日単位累積、週単位増分バックアップスケジュールのテープ要件

例 -- 日単位増分、週単位累積バックアップスケジュール

日単位増分、週単位累積スケジュールのテープ要件

例--サーバーの月単位バックアップスケジュール

23.  UFS ファイルとファイルシステムのバックアップ (手順)

24.  UFS スナップショットの使用 (手順)

25.  UFS ファイルとファイルシステムの復元 (手順)

26.  UFS バックアップおよび復元コマンド (参照情報)

27.  ファイルとファイルシステムのコピー (手順)

28.  テープドライブの管理 (手順)

索引

UFS ファイルシステムのバックアップと復元の概要

ファイルシステムの「バックアップ」とは、消失、損傷、または破損に備えて、ファイルシステムをリムーバブルメディア (テープなど) にコピーすることを意味します。ファイルシステムの「復元」とは、現在のバックアップファイルをリムーバブルメディアから作業ディレクトリに適宜コピーすることを意味します。

この章では、UFS ファイルシステムのバックアップおよび復元に使用する ufsdump および ufsrestore コマンドについて説明します。ほかのコマンドを使用してファイルやファイルシステムをコピーし、ファイルの共有や移動を行うこともできます。次の表に、個々のファイルやファイルシステムをほかのメディアにコピーするためのすべてのコマンドの参照先を示します。

表 22-1 ファイルとファイルシステムのバックアップおよび復元用コマンド

作業
コマンド
参照先
1 つまたは複数のファイルシステムをローカルまたはリモートのテープデバイスにバックアップします。
ufsdump
ファイルシステムの読み取り専用コピーを作成します。
fssnap
ネットワーク上のシステムのファイルシステム全体をバックアップサーバーからバックアップします。
Solstice Backup ソフトウェア
Solstice Backup 6.1 Administration Guide
NIS+ マスターサーバーをバックアップ、復元します。
nisbackup および nisrestore コマンド
テープまたはフロッピーディスク上でファイルをコピー、表示、検索します。
tarcpio、または pax コマンド
マスターディスクをクローンディスクにコピーします。
dd
ファイルシステム全体または個々のファイルを、リムーバブルメディアから作業ディレクトリに復元します。
ufsrestore コマンド

ファイルシステムをバックアップする理由

ファイルのバックアップは、もっとも重要なシステム管理作業の 1 つです。次のような問題によるデータの消失に備えて、定期的にバックアップを実行することをお勧めします。

どの UFS ファイルシステムをバックアップするかの計画

頻繁に更新されるファイルシステムなど、ユーザーにとって重要なファイルシステムはバックアップしておく必要があります。次の表に、スタンドアロンシステムおよびサーバーについてバックアップすべきファイルシステムに関する一般的なガイドラインを示します。

表 22-2 スタンドアロンシステムにおけるバックアップ対象のファイルシステム

バックアップするファイルシステム
説明
バックアップ間隔
ルート (/) – スライス 0
このファイルシステムにはカーネルが格納されていますが、/var ディレクトリが格納されていることもあります。/var ディレクトリには、一時ファイル、ロギングファイル、または状態ファイルのほか、頻繁に更新されるシステムアカウンティングファイルやメールファイルが含まれる場合もあります。
定期的 (毎週、毎日など)
/usr – スライス 6、/opt
/usr および /opt ファイルシステムには、ソフトウェアと実行可能ファイルが含まれます。/opt ディレクトリは、ルート (/) の一部であるか、独自のファイルシステムです。
随時
/export/home – スライス 7
このファイルシステムには、スタンドアロンシステム上のすべてのユーザーのディレクトリおよびサブディレクトリを格納できます。
ルート (/) や /usr よりも頻繁に、サイトのニーズによっては毎日
/export/var、またはその他のファイルシステム
/export ファイルシステムには、ディスクレスクライアント用のカーネルおよび実行可能プログラムが含まれます。/var ディレクトリには、一時ファイル、ロギングファイル、または状態ファイルが含まれます。
サイトの必要に応じて

表 22-3 UFS ファイルシステムをサーバー用にバックアップする

バックアップするファイルシステム
説明
バックアップ間隔
ルート (/) – スライス 0
このファイルシステムには、カーネルおよび実行可能プログラムが含まれます。
サイトの必要に応じて毎日 1 度ないし月に 1 度。

ネットワーク上でユーザーとシステムの追加および削除を頻繁に実行する場合、このファイルシステム内の構成ファイルを変更する必要があります。この場合、週に 1 度から月に 1 度の間隔で、ルート (/) ファイルシステムの完全バックアップを実行する必要があります。

サイトでユーザーのメールをメールサーバー上の /var/mail ディレクトリに保管しておき、後でクライアントシステムがマウントする場合は、ルート (/) ディレクトリを毎日バックアップすることをお勧めします。別のファイルシステムの場合は、/var を毎日バックアップすることをお勧めします。

/export – スライス 3
このファイルシステムには、ディスクレスクライアント用のカーネルおよび実行可能プログラムが含まれます。
サイトの必要に応じて毎日 1 度ないし月に 1 度。

このファイルシステム内の情報はスライス 0 にあるサーバーのルートディレクトリと同様なので、ファイルシステムは頻繁に変化することはありません。サイトからメールをクライアントシステムに送信していない場合、このファイルシステムのバックアップは随時に実行するだけでかまいません。送信している場合は、/export のバックアップをさらに頻繁に実行する必要があります。

/usr – スライス 6、/opt
/usr および /opt ファイルシステムには、ソフトウェアと実行可能ファイルが含まれます。/opt ディレクトリは、ルート (/) の一部であるか、独自のファイルシステムです。
サイトの必要に応じて毎日 1 度ないし月に 1 度。

ソフトウェアの追加や削除が頻繁に行われなければ、これらのファイルシステムは比較的静的です。

/export/home – スライス 7
このファイルシステムには、システムの全ユーザーのホームディレクトリを格納できます。このファイルシステム内のファイルは、頻繁に変更されます。
毎日または毎週。

バックアップタイプの選択

ufsdump コマンドを使用すると、完全バックアップまたは増分バックアップを実行できます。fssnap コマンドを使用すると、ファイルシステムの一時イメージを作成できます。次の表に、各バックアップタイプの手順の違いを示します。

表 22-4 バックアップタイプの相違点

バックアップのタイプ
結果
長所
短所
完全 (フル)
ファイルシステムやディレクトリ全体をコピーします
すべてのデータが 1 カ所に格納されます
大量のバックアップテープが必要であり、書き込みに時間がかかります。ドライブはテープ上でファイルが入っている位置に順番に移動しなければならないので、個々のファイルの検索時間が長くなります。複数のテープを検索しなければならない場合もあります。
スナップショット
ファイルシステムの一時イメージを作成します
システムはマルチユーザモードで動作可能です
スナップショットの作成中は、システムのパフォーマンスが低下する可能性があります。
増分
指定されたファイルシステム内で、前回のバックアップ以降に変更されたファイルのみをコピーします
ファイルシステム内の小さな変化を簡単に検索できます
どの増分テープにファイルが入っているかを探すのに時間がかかることがあります。最後の完全バックアップに戻らなければならない場合もあります。

テープデバイスの選択

次の表に、バックアップ処理中にファイルシステムを格納するための典型的なテープデバイスを示します。記憶容量は、ドライブのタイプとテープに書き込むデータのタイプによって異なります。テープデバイスの詳細は、第 28 章テープドライブの管理 (手順)を参照してください。

表 22-5 ファイルシステムのバックアップに使用する一般的なメディア

バックアップメディア
記憶容量
1/2 インチのリールテープ
140M バイト (6250 bpi)
2.5G バイト、1/4 インチのカートリッジ (QIC) テープ
2.5G バイト
DDS3 4mm カートリッジテープ (DAT)
12 - 24G バイト
14G バイト、8mm カートリッジテープ
14G バイト
DLT 7000 1/2 インチ カートリッジテープ
35 - 70G バイト