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Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム) Oracle Solaris 10 8/11 Information Library (日本語) |
SPARC: UFS ファイルシステム用のディスクの設定 (作業マップ)
SPARC: UFS ルートファイルシステム用のディスクを設定する方法
SPARC: UFS ファイルシステム用のディスクを設定する方法
SPARC: UFS ファイルシステム用のディスクスライスを作成する方法
SPARC: UFS ルートファイルシステムのブートブロックをインストールする方法
SPARC: ZFS ファイルシステム用のディスクの設定 (作業マップ)
SPARC: ZFS ルートファイルシステム用のディスクを設定する方法
SPARC: ZFS ルートファイルシステム用のディスクスライスの作成
SPARC: ZFS ルートファイルシステム用のディスクスライスを作成する方法
14. Oracle Solaris iSCSI ターゲットおよびイニシエータの構成 (手順)
22. UFS ファイルシステムのバックアップと復元 (概要)
23. UFS ファイルとファイルシステムのバックアップ (手順)
次の作業マップは、SPARC ベースシステム上で ZFS ルートファイルシステム用の ZFS ルートプールディスクまたはルート以外の ZFS プールディスクを設定するための手順を記述したものです。
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ZFS ファイルシステムでも、記述された手順に従ってディスクを設定できますが、ディスクやディスクスライスへの直接のマッピングは行われません。ZFS ファイルシステムを作成する前に、ZFS ストレージプールを作成する必要があります。詳細については、『Oracle Solaris ZFS 管理ガイド』を参照してください。
ルートプールには、Oracle Solaris OS のブートに使用されるルートファイルシステムが含まれています。ミラー化されていないルートプールのディスクが破損すると、システムがブートしない可能性があります。ルートプールディスクが破損した場合の復旧方法としては、次の 2 つの方法が考えられます。
Oracle Solaris OS 全体を再インストールします。
ルートプールディスクを交換し、スナップショットまたはバックアップメディアからファイルシステムを復元します。ハードウェア障害によるシステムの停止時間を減らすには、冗長ルートプールを作成します。サポートされる冗長ルートプール構成は、ミラー化ルートプールだけです。
ルート以外のプールで使用されているディスクには通常、ユーザーファイルまたはデータファイル用の領域が含まれています。ルートプールやルート以外のプールに別のディスクを接続または追加すれば、ディスク容量を増やすことができます。あるいは、プール内の破損したディスクを次の方法で交換することもできます。
非冗長プール内のディスクは、すべてのデバイスが現在 ONLINE 状態になっている場合は交換可能です。
冗長プール内のディスクは、ほかのデバイスで十分な冗長性を確保できる場合は交換可能です。
ミラー化ルートプールでは、ディスクを交換したりディスクを接続したりしたあと、故障したディスクやサイズの小さいディスクを切り離してプールのサイズを増やすことができます。
一般に、システム上でのディスクの設定方法はハードウェアごとに異なるため、システム上でディスクの追加や交換を行う際にはハードウェアのドキュメントを確認してください。ディスクを既存のコントローラに追加する必要がある場合、システムがホットプラグをサポートしていれば、空のスロットにディスクを挿入するだけですむ可能性があります。新しいコントローラを構成する必要がある場合は、「動的再構成とホットプラグ機能」を参照してください。
ディスクの交換方法については、ハードウェアの取り付けガイドを参照してください。
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数分後に、スーパーユーザーのプロンプト (#) が表示されます。
ディスクの接続や交換が完了したら、スライスを作成してディスクラベルを更新することができます。「SPARC: ZFS ルートファイルシステム用のディスクスライスを作成する方法」を参照してください。
ZFS ルートプールで使用するためのディスクでは、ディスクスライスを作成する必要があります。これは、長年にわたるブートの制限です。ルートプールディスクの次の要件を確認してください。
ディスクスライスと SMI (VTOC) ラベルが含まれている必要があります。
ルートプールディスクでは、EFI ラベルはサポートされません。
単一のディスクであるか、あるいはミラー化構成の一部になっている必要があります。ルートプールでは、非冗長構成や RAIDZ 構成はサポートされません。
ルートファイルシステムの、OS イメージの一部となっているサブディレクトリのうち、/var 以外のものはすべて、ルートファイルシステムと同じデータセット内に存在している必要があります。
スワップデバイスとダンプデバイス以外の Solaris OS コンポーネントはすべて、ルートプール内に存在している必要があります。
さらに、/var ディレクトリまたはデータセットは単一のデータセットでなければならない、という制限もあります。たとえば、Oracle Solaris Live Upgrade を使って ZFS BE の移行やパッチ適用を行ったり、このプールの ZFS フラッシュアーカイブを作成したりする必要もある場合には、/var/tmp のような /var の下位ファイルシステムを作成することはできません。
一般に、スライス 0 で、ディスク領域の全体を使ってディスクスライスを作成します。ディスク上の別のスライスを使用し、そのディスクを各種オペレーティングシステム間で共有したり、別の ZFS ストレージプールやストレージプールコンポーネントと共有したりしようとすることは、お勧めできません。
一般に、ルートプールディスクのインストールは、システムのインストール時に自動的に行われます。ルートプールディスクを交換したり、新しいディスクをミラー化ルートプールのディスクとして接続したりする必要がある場合には、次の手順を参照してください。
一部のハードウェアでは、故障したディスクを交換するための zpool replace 操作を試みる前に、ディスクをオフラインにして構成解除する必要があります。例:
# zpool offline rpool c2t1d0s0 # cfgadm -c unconfigure c2::dsk/c2t1d0
# cfgadm -c configure c2::dsk/c2t1d0
一部のハードウェアでは、交換用ディスクの装着後にそのディスクを再構成する必要がありません。
たとえば、次の format コマンドでは、このシステムに 4 つのディスクが接続されていることがわかります。
# format -e AVAILABLE DISK SELECTIONS: 0. c2t0d0 <SUN36G cyl 24620 alt 2 hd 27 sec 107> /pci@1c,600000/scsi@2/sd@0,0 1. c2t1d0 <SEAGATE-ST336607LSUN36G-0307-33.92GB> /pci@1c,600000/scsi@2/sd@1,0 2. c2t2d0 <SEAGATE-ST336607LSUN36G-0507-33.92GB> /pci@1c,600000/scsi@2/sd@2,0 3. c2t3d0 <SEAGATE-ST336607LSUN36G-0507-33.92GB> /pci@1c,600000/scsi@2/sd@3,0
たとえば、c2t1d0 のパーティション (スライス) 出力から、このディスクに EFI ラベルが含まれていることがわかります。なぜなら、先頭と末尾のセクターが認識されているからです。
Specify disk (enter its number): 1 selecting c2t1d0 [disk formatted] format> p PARTITION MENU: 0 - change `0' partition 1 - change `1' partition 2 - change `2' partition 3 - change `3' partition 4 - change `4' partition 5 - change `5' partition 6 - change `6' partition expand - expand label to use whole disk select - select a predefined table modify - modify a predefined partition table name - name the current table print - display the current table label - write partition map and label to the disk !<cmd> - execute <cmd>, then return quit partition> p Current partition table (original): Total disk sectors available: 71116508 + 16384 (reserved sectors) Part Tag Flag First Sector Size Last Sector 0 usr wm 256 33.91GB 71116541 1 unassigned wm 0 0 0 2 unassigned wm 0 0 0 3 unassigned wm 0 0 0 4 unassigned wm 0 0 0 5 unassigned wm 0 0 0 6 unassigned wm 0 0 0 8 reserved wm 71116542 8.00MB 71132925 partition>
次の例では、c2t1d0 ディスクに SMI ラベルが付け直されていますが、デフォルトのパーティションテーブルは最適なスライス構成になっていません。
partition> label [0] SMI Label [1] EFI Label Specify Label type[1]: 0 Auto configuration via format.dat[no]? Auto configuration via generic SCSI-2[no]? partition> p Current partition table (default): Total disk cylinders available: 24620 + 2 (reserved cylinders) Part Tag Flag Cylinders Size Blocks 0 root wm 0 - 90 128.37MB (91/0/0) 262899 1 swap wu 91 - 181 128.37MB (91/0/0) 262899 2 backup wu 0 - 24619 33.92GB (24620/0/0) 71127180 3 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 4 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 5 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 6 usr wm 182 - 24619 33.67GB (24438/0/0) 70601382 7 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 partition>
未割り当てのディスク領域がすべてスライス 0 に集められるように、free hog パーティションを設定します。次に、すべてのスライスサイズフィールドで Return キーを押すことで、1 つの大きなスライス 0 を作成します。
partition> modify Select partitioning base: 0. Current partition table (default) 1. All Free Hog Choose base (enter number) [0]? 1 Part Tag Flag Cylinders Size Blocks 0 root wm 0 0 (0/0/0) 0 1 swap wu 0 0 (0/0/0) 0 2 backup wu 0 - 24619 33.92GB (24620/0/0) 71127180 3 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 4 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 5 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 6 usr wm 0 0 (0/0/0) 0 7 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 Do you wish to continue creating a new partition table based on above table[yes]? Free Hog partition[6]? 0 Enter size of partition '1' [0b, 0c, 0.00mb, 0.00gb]: Enter size of partition '3' [0b, 0c, 0.00mb, 0.00gb]: Enter size of partition '4' [0b, 0c, 0.00mb, 0.00gb]: Enter size of partition '5' [0b, 0c, 0.00mb, 0.00gb]: Enter size of partition '6' [0b, 0c, 0.00mb, 0.00gb]: Enter size of partition '7' [0b, 0c, 0.00mb, 0.00gb]: Part Tag Flag Cylinders Size Blocks 0 root wm 0 - 24619 33.92GB (24620/0/0) 71127180 1 swap wu 0 0 (0/0/0) 0 2 backup wu 0 - 24619 33.92GB (24620/0/0) 71127180 3 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 4 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 5 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 6 usr wm 0 0 (0/0/0) 0 7 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 Okay to make this the current partition table[yes]? Enter table name (remember quotes): "c2t1d0" Ready to label disk, continue? yes partition> quit format> quit
# zpool replace rpool c2t1d0s0 # zpool online rpool c2t1d0s0
一部のハードウェアでは、交換用ディスクの装着後にそのディスクをオンラインにする必要がありません。
新しいディスクを接続してミラー化ルートプールを作成したり、サイズの大きなディスクを接続してサイズの小さいディスクと交換したりする場合には、次のような構文を使用します。
# zpool attach rpool c0t0d0s0 c1t0d0s0
例:
# zpool status rpool installboot -F zfs /usr/platform/`uname -i`/lib/fs/zfs/bootblk /dev/rdsk/c2t1d0s0
この手順が必要となるのは、故障したディスクやサイズの小さいディスクを交換するために新しいディスクを接続した場合だけです。
# zpool detach rpool c0t0d0s0
ZFS ルートファイルシステム用のディスクスライスを作成し終わったら、ルートプールのスナップショットを復元してルートプールを回復する必要があります。『Oracle Solaris ZFS 管理ガイド』の「ZFS ルートプールまたはルートプールのスナップショットを回復する」を参照してください。
# installboot -F zfs /usr/platform/`uname -i`/lib/fs/zfs/bootblk /dev/rdsk/cwtxdys0
詳細は、installboot(1M) のマニュアルページを参照してください。
# init 6
例 12-4 SPARC: ZFS ルートファイルシステムのブートブロックのインストール
ルートプールで使用するためのディスクを物理的に交換してから Oracle Solaris OS を再インストールした場合や、ルートプール用の新しいディスクを接続した場合には、ブートブロックは自動的にインストールされます。ルートプールで使用するためのディスクを zpool replace コマンドを使用して交換する場合は、交換後のディスクからシステムをブートできるように、ブートブロックを手動でインストールする必要があります。
次の例は、ZFS ルートファイルシステムのブートブロックをインストールする方法を示しています。
# installboot -F zfs /usr/platform/`uname -i`/lib/fs/zfs/bootblk /dev/rdsk/c0t1d0s0
ルート以外の ZFS ファイルシステムで使用されるディスクを設定する場合、そのディスクには、プールが作成されるときやプールにディスクが追加されるときに自動的にラベルが付けられます。ディスクの全体を使ってプールが作成される場合や、ZFS ストレージプールに 1 つのディスク全体が追加される場合には、EFI ラベルが適用されます。EFI ディスクラベルの詳細は、「EFI ディスクラベル」を参照してください。
一般に、最近のバスタイプのほとんどで、ホットプラグ機能がサポートされています。これは、ユーザーが空のスロットにディスクを挿入すれば、システムがそのディスクを認識してくれることを意味します。ホットプラグ対応デバイスの詳細は、第 6 章デバイスの動的構成 (手順)を参照してください。
詳細は、ディスクのハードウェアインストールガイドを参照してください。
一部のハードウェアでは、故障したディスクを交換するための zpool replace 操作を試みる前に、ディスクをオフラインにして構成解除する必要があります。例:
# zpool offline tank c1t1d0 # cfgadm -c unconfigure c1::dsk/c1t1d0 <Physically remove failed disk c1t1d0> <Physically insert replacement disk c1t1d0> # cfgadm -c configure c1::dsk/c1t1d0
一部のハードウェアでは、交換用ディスクの装着後にそのディスクを再構成する必要がありません。
format ユーティリティーの出力を確認し、AVAILABLE DISK SELECTIONS の下にディスクが表示されているかチェックします。その後、format ユーティリティーを終了します。
# format
# zpool replace tank c1t1d0 # zpool online tank c1t1d0
新しいディスクの再同期化が実行されていることを確認します。
# zpool status tank
例:
# zpool attach tank mirror c1t0d0 c2t0d0
新しいディスクの再同期化が実行されていることを確認します。
# zpool status tank
詳細については、『Oracle Solaris ZFS 管理ガイド』の第 4 章「Oracle Solaris ZFS ストレージプールの管理」を参照してください。