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Solaris のシステム管理 (印刷)     Oracle Solaris 10 8/11 Information Library (日本語)
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ドキュメントの情報

はじめに

1.  Oracle Solaris オペレーティングシステムでの印刷の概要

印刷の新機能

印刷コマンドを使用するための特権の要件

PPD ファイル管理ユーティリティー

Oracle Solaris 印刷アーキテクチャーの概要

使用可能な印刷ツールおよびサービス

Open Standard Print API の実装

印刷クライアントのコマンド

印刷サーバーと印刷クライアントの定義

インターネット印刷プロトコルの説明

RFC-1179 印刷プロトコルの説明

IPP と RFC-1179 プロトコルの比較

SMB プロトコルの説明

Samba とは

Oracle Solaris リリースでの印刷プロトコルの使用

使用する印刷プロトコルの決定

クライアントとサーバーの間のネットワーク印刷プロトコルを選択する

サポートされているプリンタ URI 形式

サーバーとプリンタの間のネットワーク印刷プロトコルを選択する

Oracle Solaris 印刷マネージャーの説明

LP 印刷サービスの説明

LP 印刷クライアントサーバーの処理手順

印刷サーバーの使用

印刷クライアントの使用

LP 印刷サービスで使用される印刷クライアント処理手順

ローカル印刷の処理スケジュール

LP 印刷サービスによるファイルの管理とローカル印刷要求のスケジューリングの方法

リモート印刷の処理スケジュール

印刷作業の情報の参照箇所

2.  印刷の計画 (作業)

3.  ネットワーク印刷サービスの設定 (作業)

4.  Oracle Solaris 印刷マネージャーを使用したプリンタの設定および管理 (作業)

5.  LP 印刷コマンドを使用したプリンタの設定 (作業)

6.  LP 印刷コマンドを使用したプリンタの管理 (作業)

7.  LP 印刷サービスとプリンタのカスタマイズ (作業)

8.  LP 印刷スケジューラの管理および印刷要求の管理 (作業)

9.  ネットワーク上のプリンタの管理 (作業)

10.  文字セット、フィルタ、フォーム、およびフォントの管理 (作業)

11.  PPD ファイル管理ユーティリティーを使用したプリンタの管理 (作業)

12.  Oracle Solaris オペレーティングシステムでの印刷 (参照情報)

13.  Oracle Solaris OS での印刷に関する問題のトラブルシューティング (作業)

A.  インターネット印刷プロトコルの使用

用語集

索引

LP 印刷クライアントサーバーの処理手順

この節では、LP 印刷サービスで使用される印刷クライアントサーバー処理手順の概要について説明します。

印刷サーバーの使用

印刷サーバーはローカルプリンタが接続されているシステムであり、プリンタがネットワーク上の他のシステムを利用できるようにします。次の図に、印刷手順の中で、印刷サーバーが印刷要求をプリンタに送信する処理を強調して示します。

図 1-2 印刷サーバーが印刷要求をプリンタに送信する

image:5 つの手順のうち、印刷サーバーが印刷要求をプリンタに送信しているところを示す図。これら 5 つの手順については、次に説明します。
  1. 印刷クライアントが印刷要求を発行する。

  2. 印刷要求が印刷クライアント上で処理される。

  3. 印刷要求が印刷サーバーに送信される。

  4. 印刷要求がプリンタに送信される。

  5. プリンタから印刷出力される。

印刷クライアントの使用

「印刷クライアント」とは、印刷要求を印刷サーバーに送信できるシステムのことです。

次の図に、印刷手順の中で、ユーザーが印刷クライアントから印刷要求を発行する処理を強調して示します。

図 1-3 ユーザーが印刷クライアントから印刷要求を発行する

image:ユーザーが印刷要求を発行してからの流れを示す図。これら 5 つの手順については、次の節で説明します。

LP 印刷サービスで使用される印刷クライアント処理手順

次の図に、ユーザーが要求を発行してから印刷されるまでの、印刷要求の流れを示します。

図 1-4 印刷クライアントの処理手順の概要

image:5 つの手順のうち、印刷クライアントの処理手順を示す図。これら 5 つの手順については、次に説明します。
  1. ユーザーは印刷クライアントから印刷要求を出します。

  2. 印刷コマンドは印刷構成資源の階層をチェックして、印刷要求をどこに送信するか決定します。

  3. 印刷コマンドは、印刷要求を適切な印刷サーバーに直接送信します。印刷サーバーとしては、Berkley Software Distribution (BSD) 印刷プロトコルを受け付ける任意のサーバー、たとえば System V Release 4 (SVR4) (LP) 印刷サーバーや BSD LPD ベースの印刷サーバーと、IPP を受け付けるサーバーを使用できます。

  4. 印刷サーバーは印刷要求を適切なプリンタに送信します。

  5. 印刷要求が印刷されます。

ローカル印刷の処理スケジュール

印刷要求は、クライアントとサーバーが異なるシステムにある場合と同じ経路をたどります。要求は常に同じ経路をたどり、クライアントからサーバーに流れます。

次の図に、ユーザーがローカルプリンタ上に PostScript ファイルを印刷する要求を出したときに実行される処理を示します。ローカルプリンタとは、ユーザーのシステムに接続されたプリンタです。ローカルシステム上の lpsched デーモンがすべての処理を行います。

この処理には、以下が含まれます。

プリンタインタフェースプログラムは、次のことを行います。

図 1-5 ローカルでの印刷処理

image:この図については周囲のテキストで説明されています。

LP 印刷サービスによるファイルの管理とローカル印刷要求のスケジューリングの方法

LP 印刷サービスには、lpsched というスケジューラデーモンが組み込まれています。スケジューラデーモンは、プリンタの設定と構成に関する情報を使用して LP システムファイルを更新します。

また lpsched デーモンは、次の図のように、印刷サーバー上のすべてのローカル印刷要求をスケジュールします。ユーザーは、アプリケーションまたはコマンド行から要求を出します。さらに、スケジューラはプリンタとフィルタの状態を追跡します。プリンタが 1 つの要求を印刷し終えた時に、印刷サーバー上の待ち行列に残っているものがあれば、スケジューラは次の要求をスケジュールします。

図 1-6 LP 印刷サービスの印刷スケジューリング処理手順

image:この図については周囲のテキストで説明されています。

システムを再起動しなくても、svcadm disable application/print/server コマンドを使用してスケジューラを停止できます。その後、svcadm enable application/print/server コマンドを使用してスケジューラを再起動できます。各システムのスケジューラは、lp コマンドによってシステムに出された要求を管理します。

リモート印刷の処理スケジュール

次の図は、印刷クライアントのユーザーが LPD ベースの印刷サーバーに印刷要求を出したときに実行される処理を示します。このコマンドは、直接印刷サーバーと接続して、自身の通信を処理します。

図 1-7 印刷クライアントが LPD ベースの印刷サーバーへ印刷要求を送る方法

image:印刷クライアントが LPD ベースの印刷サーバーへ印刷要求を送ると、サーバーがその要求を受け付け、スプールに入れ、印刷対象としてスケジューリングする様子を示した図。

次の図は、LPD ベースの印刷クライアントが 印刷サーバーに印刷要求を出す様子を示しています。lpd デーモンは、印刷要求のローカル部分と印刷サーバーへの接続を処理します。印刷サーバー上の inetd プロセスは、ネットワーク印刷要求を待って、プロトコルアダプタを起動して要求を処理します。プロトコルアダプタは lpsched デーモンと通信し、このデーモンが印刷サーバー上で要求を処理します。

図 1-8 リモート印刷の処理手順

image:この図については周囲のテキストで説明されています。

次の図は、印刷クライアントのユーザーが 印刷サーバーに印刷要求を出したときに実行される処理を示します。印刷クライアント上の印刷コマンドは、印刷サーバーと直接通信することにより、各印刷要求のローカル部分を処理します。

図 1-9 印刷要求の処理方法

image:この図については周囲のテキストで説明されています。

印刷サーバー上の inetd プロセスは、ネットワーク印刷要求を監視し、プロトコルアダプタを起動して、印刷サーバー上の lpsched デーモンと通信します。このデーモンが印刷要求を処理します。