この章では、このガイドの残りの手順を進める前に必要な前提条件について説明します。
このガイドでは、単一ホストを使用して Oracle VDI の完全な配備を行います。このホストは、仮想化プラットフォームやストレージをはじめ、仮想デスクトップを実行して利用するために必要なすべてのものを提供します。
このホストは、次の最小限のハードウェア要件を満たす必要があります。
8G バイト (GB) のランダムアクセスメモリー (RAM)
約 6 台の仮想デスクトップを実行するためには 8G バイトで十分です。
クアッドコアの x86-64 (64 ビット) 中央演算処理装置 (CPU)、仮想化サポート (Intel VT‑x または AMD‑V) 付き
100G バイト (GB) の空きディスクスペース
このガイドでは、仮想デスクトップの格納にローカルディスクが使用されます。1 台のホストを少なくとも 2 つのディスクとともに使用して、ストレージをオペレーティングシステムと切り離せるようにするのが最善の策です。必ずストレージ用のディスクに仮想デスクトップを格納するための十分な容量があるようにしてください。
1G ビット (Gbit) のネットワークインタフェースカード (NIC)
これらの要件は、ホストが Oracle VDI にのみ使用される専用ホストであることを前提としています。
ホストのオペレーティングシステムとして Oracle Linux または Oracle Solaris のどちらかを使用できます。システム要件の詳細は、『Oracle VDI 管理者ガイド』を参照してください。Oracle VDI ホストと Oracle VM VirtualBox ホストの両方の要件を必ず確認してください。
次は、Oracle Linux プラットフォームの主な要件のサマリーです。
Oracle Linux Release 5.6 または 5.7 がサポートされています。
Oracle の Unbreakable Enterprise Kernel を使用する必要があります。現時点では、その他のカーネルで単一ホストの配備はできません。
yum が正しく構成され、それが動作していることを確認して、Oracle VDI のインストール時に不足している必須パッケージが自動的にインストールされるようにします。
Oracle Linux サポートを購入しておらず、ホストがインターネットにアクセスできる場合は、Oracle Public Yum Server を使用してパッケージの依存関係を解決できます。これらのリポジトリへのアクセスを有効にする方法の詳細は、http://public-yum.oracle.com を参照してください。
ホストがインターネットにアクセスできない場合は、Oracle Linux のインストール DVD または ISO イメージからパッケージの依存関係を解決するように yum を構成できます。これを行うには:
/mnt などの場所に DVD または ISO イメージをマウントします。
/dev/cdrom に挿入された DVD メディアをマウントするには、次のコマンドを使用します。
# mount -r -o loop -t iso9660 /dev/cdrom /mnt
ISO イメージファイルをマウントするには、次のコマンドを使用します。
# mount -o loop <path-to-iso-image-file> /mnt
local.repo というファイルを /etc/yum.repos.d ディレクトリに作成します。
ファイル名には .repo サフィックスを含める必要があります。
local.repo ファイルを編集して、次のテキストを挿入します。
[local] name=local DVD baseurl=file:///mnt/Server enabled=1 gpgcheck=0
yum のキャッシュをクリアーします。
# yum clean all
システムが実行レベル 5 (X ベースのログイン画面を備えたフルマルチユーザーモード) で動作している必要があります。
SELinux 設定が permissive または disabled に設定されている必要があります。
次は、Oracle Solaris プラットフォームの主な要件のサマリーです。
Oracle Solaris 10 リリース 09/10 (update 9) およびそれ以降がサポートされています。Oracle Solaris 11 はサポートされていません。
全体ディストリビューションをインストールして、Oracle VDI に必要なライブラリを取得する必要があります。
Solaris ゾーンを使用する場合は、このガイドに記載されたすべての構成手順を大域ゾーンで実行する必要があります。非大域ゾーンはサポートされていません。
システムが実行レベル 3 (NFS リソースが共有されているマルチユーザーレベル) で動作している必要があります。
zfs_arc_min パラメータが /etc/system
ファイルで設定されている必要があります。このパラメータが設定されていない場合は、それをまず
1G バイトに設定します
(システムパフォーマンスに影響がある場合はあとでそれを調整できます)。また、zfs_arc_max
パラメータが zfs_arc_min
と同じ値になるように設定してください。それらのパラメータ値は、次のようにバイト単位で設定します。
set zfs:zfs_arc_min = 1073741824 set zfs:zfs_arc_max = 1073741824
ホストで root ユーザーとしてログインできる必要があります。
SSH がホストで有効になっており、SSH が root ユーザーによるログインを許可するように構成されている必要があります。SSH が標準以外のポートを使用するように構成されている場合は、必ずポート番号がわかるようにしてください。
Oracle VDI システムをすぐに使える状態にするには、ホストでファイアウォールを無効にすることが最善の策です。ファイアウォールが有効になっている方が望ましい場合は、開く必要がある可能性のあるポートの詳細について、『Oracle VDI 管理者ガイド』を参照してください。
ホストに、クライアントで解決できるドメインネームシステム (DNS) エントリが含まれている必要があります。ホストの DNS 検索と逆検索は成功する必要があります。
ホストの一時的な場所に Oracle VDI ソフトウェアアーカイブをダウンロードするようにしてください。ソフトウェアのダウンロードとダウンロード手順へのリンクは、次にあります。
http://www.oracle.com/technetwork/server-storage/virtualdesktop/downloads/index.html.
Oracle Solaris を使用している場合は、ストレージとしてローカルディスクを使用するため、リリース 3.4.1 またはそれ以降をダウンロードする必要があります。リリース 3.4.1 は、My Oracle Support (MOS) サービスポータルに登録されている契約したお客様のみが使用できます。このリリースをダウンロードするには、https://support.oracle.com にアクセスし、「パッチと更新版」タブでパッチ番号 14226229 を検索します。あるいは、ホストでローカルの ZFS ストレージプールを使用することもできます。
通常、Sun Ray クライアントは Oracle VDI デスクトップを表示するために使用されます。Sun Ray クライアントは省電力のハードウェアデバイスです。アクセスの容易さと速度を考慮して、このガイドではデスクトップへのアクセスに Oracle Virtual Desktop Client を使用します。Oracle Virtual Desktop Client は Sun Ray クライアントに代わって使用されるソフトウェアです。Oracle Virtual Desktop Client のダウンロードとダウンロード手順へのリンクは、次にあります。
http://www.oracle.com/technetwork/server-storage/sunrayproducts/downloads/index.html.
Oracle Virtual Desktop Client をダウンロードしたあと、それをインストールします。Oracle Virtual Desktop Client をサーバーにインストールする必要はなく、デスクトップ PC またはノートパソコンにそれをインストールできます。クライアントプラットフォームが Oracle VDI ホストに接続できる必要があります。サポートされているプラットフォームおよびインストール手順の詳細は、次でダウンロード対象クライアントのバージョンのリリースノートを参照してください。
http://www.oracle.com/technetwork/server-storage/sunrayproducts/docs/index.html
Oracle VDI 用のデフォルトの仮想化プラットフォームは Oracle VM VirtualBox であり、このガイドではそのプラットフォームが使用されています。
VirtualBox に精通していて、既存の仮想マシンがある場合、このガイドではその仮想マシンをデスクトップテンプレートとして使用できるように準備する方法について説明します。
別の仮想化プラットフォームで準備されたもので、そのプラットフォームから Open Virtualization Format (OVF または OVA) でエクスポートできる既存の仮想マシンがある場合、このガイドではマシンを VirtualBox にインポートする方法について説明します。エクスポートしたファイルはすべて、ホストの一時的な場所にコピーするようにしてください。
VirtualBox に精通していない場合、このガイドではインストールメディアを必要とする仮想マシンの作成手順について説明します。このガイドでは Windows 7 を使用します。インストールメディアは、物理 CD/DVD であっても、ISO イメージであってもかまいません。ISO イメージを使用する場合は、そのイメージをホストの一時的な場所にコピーしてください。Windows のアクティブ化のようなことに関する問題を回避するために、選択したデスクトップオペレーティングシステム用の Windows ボリュームライセンスキーを持っていることが最善の策です。
通常は、企業のユーザーディレクトリに保持されている情報を使用するように Oracle VDI を構成します。このガイドは、Microsoft Active Directory を使用していることを前提としていますが、このガイドに記載されたユーザーディレクトリへの接続手順はサポートされているどのユーザーディレクトリにも役立つはずです。サポートされているディレクトリの詳細は、『Oracle VDI 管理者ガイド』に記載されています。接続に SSL (LDAPS) が必要かどうかも含め、ディレクトリへのアクセスに使用する URL を書きとめてください。また、ディレクトリへの読み取りアクセスを持つユーザーの識別名 (cn=Jane Doe,cn=Users,dc=example,dc=com など) およびパスワードも必要です。
このガイドでは、Windows デスクトップを自動ログインおよび Oracle VDI の高速準備用に構成するために必要な手順を実行します。これらの手順はオプションですが、それによってユーザーの利便性が向上します。この構成によって、Oracle VDI にログインしたユーザーは、それぞれのデスクトップに自動的にログインし、そのデスクトップは Windows ドメインに参加します。これを成功させるためには、次の情報が必要です。
コンピュータアカウントの作成とドメインへの参加に必要なアクセス権を持つドメイン管理者の資格情報。
Active Directory がコンピュータに使用するコンテナの識別名。デフォルトのコンテナは ou=Computers です。
Windows Server 2008 およびそれ以降では、ドメインコントローラが読み取り専用として構成されているかどうか。
準備が完了したあとは、このソフトウェアをいつでもインストールできます。「3章ソフトウェアのインストール」では、この方法について説明します。