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Oracle® VMユーザーズ・ガイド
リリース3.0 for x86
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A P2Vパラメータ

この付録には物理マシンから仮想マシンへの変換(P2V)ユーティリティに関する情報が含まれており、使用方法、構文およびパラメータの詳細が説明されています。


P2V

P2V変換ユーティリティを使用して、コンピュータのオペレーティング・システム(LinuxおよびWindows)およびアプリケーションをOracle VMハードウェア仮想化ゲスト・イメージに変換できます。P2Vユーティリティは、Oracle VM ServerのCDに含まれています。Oracle VM ServerのCDを使用してコンピュータを再起動することによって、P2Vユーティリティにアクセスできます。Oracle VM Serverの起動画面が表示されます。boot:プロンプトで、次を入力します。

p2v

P2V kickstartファイルを使用すると、物理コンピュータのハードウェア仮想化ゲスト・イメージの作成を自動化できます。この項では、P2V kickstartファイルのオプションおよびパラメータについて説明します。

P2Vユーティリティは、コンピュータ上のディスクを仮想ディスク・イメージに変換します。仮想ディスク・イメージは、元のディスク名を使用して、ゲスト上にIDEディスク(hda、hdb、hdc、hddなど)として作成されます。P2V kickstartファイルを使用すると、最大で4つのディスクがゲストに自動的にデプロイされます。それ以上のディスクは、デプロイはされませんが、変換されてゲスト構成ファイル(vm.cfg)に追加されます。ゲストに追加ディスクをデプロイするには、ゲスト構成ファイルを編集し、ディスク・エントリからコメントを削除して、その追加ディスクをSCSIデバイス名(sda、sdb、sdcなど)にマップします。ブート・ディスクは、常にデバイスhdaにマップする必要があります。ゲストのファイルのうち、これらのデバイスを参照しているファイルも変更する必要があります(たとえば、/etc/fstabファイルは/dev/hda1、/dev/sda1などを参照している場合があります)。

P2V kickstartファイルを使用する際は、1つ以上のネットワーク・インタフェースでDHCPを使用する必要があります。これは、P2Vユーティリティを実行しているコンピュータがネットワーク経由でkickstartファイルを読み込む場合に必要です。このネットワーク・インタフェースのネットワーク構成は、kickstartファイルからは変更できません。

kickstartセッションの開始に使用したネットワーク・インタフェース以外のネットワーク・インタフェースを使用して、P2VユーテリティのWebサーバーでリスニングする場合は、そのネットワーク・インタフェースのネットワーク構成(DHCPまたは静的IPアドレス)をkickstartファイルに指定できます。

kickstartファイルを使用してP2Vユーティリティを起動する前に、複数の画面が表示される場合があります。P2Vユーティリティを完全に自動化するため、これらの画面を表示しないようにすることができます。P2Vユーティリティを起動する前に、最大で次の4つの画面が表示されます。

次の項では、これらの画面を表示しないようにする方法の例を示します。

「P2V Network Configuration」画面の非表示

「P2V Network Configuration」画面を表示しないようにするには、次のように、コマンドラインでイーサネット・デバイスを指定します。

p2v ks=http://example.com/ks.cfg ksdevice=eth0

「Language Selection」画面の非表示

「Language selection」画面を表示しないようにするには、次のように、言語のkickstartパラメータを指定します。

lang en_US.UTF-8

「Keyboard Selection」画面の非表示

「Keyboard selection」画面を表示しないようにするには、次のように、キーボードのkickstartパラメータを指定します。

keyboard us

「Installation Source」画面の非表示

「Installation source」画面を表示しないようにするには、次のように、ソースのkickstartパラメータを指定します。

cdrom

P2V Kickstartファイルの例

次にP2V kickstartファイルの例を示します。

p2v
cdrom
lang en_US.UTF-8
keyboard us
target --ovmmanager
network --device eth0 --bootproto dhcp
diskimage --device /dev/sda --type IDE
vm_options --name myGuest --mem 1024 --vcpus 1 --consolepasswd mypassword

オプション

P2V kickstartファイルでは次のパラメータを使用できます。

p2v

kickstartファイルがP2V変換の自動化を目的としていることを示します。このパラメータは自動化されたP2V変換を実行するために必要であり、installupdateまたはrescueではなく、Oracle VM Serverのboot:プロンプトで指定する必要があります。パラメータは使用しません。

target [option]

ゲスト・イメージの宛先を設定します。

optionパラメータには、次のオプションのみを指定できます。

--ovmmanager

P2VユーティリティをHTTPSサーバー・モードで動作するように設定し、ゲスト・イメージをOracle VM Managerの実行中のインスタンスに転送します。

diskimage [option...]

ゲスト・イメージに含めるディスクを指定します。P2Vユーティリティでは、デバイス・マッパー・ベースのスナップショット機能を使用して、ディスクをsystem-*.imgファイルとしてターゲット・コンピュータにコピーします。P2V kickstartファイル内に複数のdiskimageディレクティブが存在する場合があり、ディレクティブごとにゲスト・イメージにディスク・イメージが作成されます。--deviceパラメータは、イメージ化する必要があるデバイスを示すdiskimageディレクティブとともに使用する必要があります。

optionパラメータは、次に示す1つ以上のオプションで構成されます。

--device path

イメージ化するデバイスです。pathにはデバイスのフルパスを指定します。次に例を示します。

diskimage --device /dev/sda

--type [IDE | SCSI | LVM | MDRAID]

ディスクの種類を設定します。IDESCSILVMまたはMDRAIDのいずれかである必要があります。デバイス/dev/hda、/dev/hdb、/dev/hdcおよび/dev/hddはIDEである必要があります。デバイス/dev/sd[a-zz]はSCSIである必要があります。論理ボリュームはLVMである必要があります。デバイス/dev/md[a-zz]はMDRAIDである必要があります。次に例を示します。

diskimage --device /dev/hda --type IDE
network [option...]

コンピュータのネットワーク情報を構成します。

optionパラメータは、次に示す1つ以上のオプションで構成されます。

--bootproto [dhcp | bootp | static]

ネットワーク構成を判別する方法を設定します。dhcpbootpまたはstaticのいずれかである必要があります。デフォルトはdhcpです。bootpおよびdhcpは同様に処理されます。

dhcpでは、次のように、DHCPサーバーを使用して、ネットワーク構成を取得します。

network --bootproto dhcp

staticではすべてのネットワーク情報が必要です。名前が示すとおり、この情報は静的であり、インストール中およびインストール後に使用されます。すべてのネットワーク構成情報を1行に含める必要があるため、静的ネットワークのエントリはより複雑です。次のように、IPアドレス、ネットマスク、ゲートウェイおよびネームサーバーを指定する必要があります。

network --bootproto static --ip 10.0.2.15 --netmask 255.255.255.0 --gateway 10.0.2.254 --nameserver 10.0.2.1

staticの方法には次の制限があります。

  • 静的ネットワーク構成情報は、すべてを1行に指定する必要があり、バックスラッシュを使用して行をラップすることはできません。

  • ネームサーバーは1つのみ指定できます。

--ip ipaddress

コンピュータのIPアドレスです。

--gateway ipaddress

デフォルト・ゲートウェイのIPアドレスです。

--nameserver ipaddress

プライマリ・ネームサーバーのIPアドレスです。

--netmask netmask

コンピュータのネットマスクです。

vm_options [option...]

ゲストの構成オプションを設定します。

--name name

ゲストの名前です。

--mem size

ゲストのメモリーの割当て(MB)です。

--vcpus number

ゲストのVCPUの数です。

--consolepasswd password

ゲストのコンソール・パスワードです。次に例を示します。

vm_options --name myGuest --mem 1024 --vcpus 1 --consolepasswd mypassword