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Oracle® Enterprise Managerライフサイクル管理ガイド
12cリリース5 (12.1.0.5)
B66837-13
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D PXEブートおよびKickstartテクノロジについて

ここでは、PXEブートおよびKickstartテクノロジについて次の項で説明します。

D.1 PXEブートとKickstartテクノロジの概要

プロビジョニングの主要な要求の1つが、ディスクやCD-ROMにかわるネットワークを介してのハードウェア・サーバーのブート機能です。ネットワークを介してコンピュータをブートする方法はいくつかあり、Preboot Execution Environment(PXE)はその1つです。PXEは、いくつかのハードウェア・ベンダーおよびソフトウェア・ベンダーによってサポートされているオープンな業界標準です。PXEはWired for Management (WfM)仕様に含まれます。これは、1998年にIntelとMicrosoftによって定められたPC98仕様の一部です。PXEの仕様の詳細は、http://www.pix.net/software/pxeboot/archive/pxespec.pdfを参照してください。

PXEはシステムのネットワーク・インタフェース・カード(NIC)と連動し、NICをブート・デバイスのように使用します。クライアントのPXE対応NICは、ブロードキャスト・リクエストをDHCPサーバーに送信します。サーバーは、クライアントのIPアドレスの他に、TFTPサーバーのアドレスとTFTPサーバー上のブート・ファイルの場所を返します。この仕組みを次の手順で説明します。

  1. ターゲット・マシン(ベアメタルまたはブート・セクターを除去したマシン)がブートされます。

  2. マシンのネットワーク・インタフェース・カード(NIC)がDHCPリクエストをトリガーします。

  3. DHCPサーバーがリクエストをインターセプトして、標準の情報(IP、サブネット・マスク、ゲートウェイ、DNSなど)で応答します。また、TFTPサーバーの場所とブート・イメージ(pxelinux.0)の情報も提供します。

  4. クライアントはこの情報を受信すると、ブート・イメージを取得するためにTFTPサーバーにアクセスします。

  5. TFTPサーバーはブート・イメージ(pxelinux.0)を送信し、クライアントがそれを実行します。

  6. デフォルトでは、ブート・イメージは、TFTPサーバーのpxelinux.cfgディレクトリでTFTPサーバーのブート構成ファイルを、次の方法を使用して検索します。

    まず、MACアドレスに対応する名前(16進数が小文字で表記されハイフンで区切られたもの)のブート構成ファイルを検索します。たとえば、MACアドレスが88:99:AA:BB:CC:DDの場合は、01-88-99-aa-bb-cc-ddというファイルを検索します。

    次に、ブートされるマシンのIPアドレスに対応する名前(大文字の16進数)の構成ファイルを検索します。たとえば、IPアドレスが192.0.2.91の場合は、C000025Bというファイルを検索します。

    このファイルが見つからない場合は、末尾の16進数を1つ削除して再試行します。この方法でも見つからない場合は、default (小文字)という名前のファイルを検索します。

    たとえば、ブート・ファイル名が/tftpboot/pxelinux.0、Ethernet MACアドレスが88:99:AA:BB:CC:DD、IPアドレスが192.0.2.91の場合、ブート・イメージは次の順序でファイル名を検索します。

    /tftpboot/pxelinux.cfg/01-88-99-aa-bb-cc-dd
    /tftpboot/pxelinux.cfg/C000025B
    /tftpboot/pxelinux.cfg/C000025
    /tftpboot/pxelinux.cfg/C00002
    /tftpboot/pxelinux.cfg/C0000
    /tftpboot/pxelinux.cfg/C000
    /tftpboot/pxelinux.cfg/C00
    /tftpboot/pxelinux.cfg/C0
    /tftpboot/pxelinux.cfg/C
    
  7. クライアントが、必要なすべてのファイル(カーネルおよびルート・ファイル・システム)をダウンロードし、それらをロードします。

  8. ターゲット・マシンがリブートします。

    プロビジョニング・アプリケーションは、RedhatのKickstart方法を使用してターゲット・マシンでのRedhat Linuxのインストールを自動化します。Kickstartを使用すると、システム管理者は、一般的なRed Hat Linuxのインストールの際に尋ねられるすべての質問の答えを含む1つのファイルを作成できます。

    ホスト固有のブート構成ファイルには、kickstartファイルの場所が含まれます。このkickstartファイルは、ユーザーの入力に基づいてOSイメージのステージング・ディレクティブによって事前に作成されます。

D.2 サブネット・プロビジョニングのユースケース

次にサブネット・プロビジョニングのユースケース例を示します。

サイズ256のサブネット

IP接頭辞: 192.168.1.0

サブネット・マスク: 255.255.255.0

IPの範囲 - 192.168.1.0から192.168.1.255

サイズ16のサブネット

IP接頭辞: 192.168.1.0

サブネット・マスク: 255.255.255.240