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SPARC プラットフォームでの Oracle Solaris のブートおよびシャットダウン     Oracle Solaris 11 Information Library (日本語)
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ドキュメントの情報

はじめに

1.  SPARC ベースシステムのブートおよびシャットダウン (概要)

2.  指定された状態への SPARC ベースシステムのブート (手順)

3.  システムのシャットダウン (手順)

4.  SPARC ベースシステムのリブート (手順)

5.  SPARC ベースシステムのネットワークからのブート (手順)

6.  SPARC ベースシステムでのブートパラメータの変更 (手順)

7.  SPARC プラットフォームでの ZFS ブート環境の作成と管理、およびこのブート環境からのブート (手順)

ZFS ブート環境の作成と管理、およびこのブート環境からのブート (タスクマップ)

ブート環境の作成と管理

新しいブート環境を作成する方法

ブート環境のスナップショットの作成方法

既存のスナップショットからブート環境を作成する方法

新しく作成されたブート環境をアクティブにする方法

使用可能なブート環境、スナップショット、およびデータセットの一覧を表示する方法

ブート環境を破棄する方法

SPARC プラットフォームの ZFS ブート環境からのブート

SPARC: ブートシーケンス中に使用可能なブート環境の一覧を表示する方法

ZFS ブート環境またはルートファイルシステムからブートする方法

8.  SPARC ベースシステムのブート可能状態の維持 (手順)

9.  SPARC ベースシステムのブートのトラブルシューティング (手順)

索引

ブート環境の作成と管理

次のタスクでは、beadm ユーティリティーを使用して、ブート環境、スナップショット、およびデータセットを作成および管理する方法について説明します。

beadm コマンドの詳細は、beadm(1M) のマニュアルページを参照してください。ブート環境の管理に関する詳細は、『Oracle Solaris 11 ブート環境の作成と管理』を参照してください。大域または非大域ゾーン環境での beadm コマンドの使用についての詳細は、『Oracle Solaris 11 ブート環境の作成と管理』の第 2 章「beadm でのゾーンのサポート」を参照してください。

新しいブート環境を作成する方法

  1. root の役割になります。
  2. beadm create コマンドを使用してブート環境を作成します。
    # beadm create beName

    beName は、新しいブート環境の名前を表す変数です。この新しいブート環境はアクティブではありません。


    注 - beadm create コマンドでは、部分的なブート環境は作成されません。新しい完全なブート環境が正常に作成されるか、コマンドが失敗するかのいずれかです。


  3. (省略可能) 新しいブート環境をマウントします。
    # beadm mount beName mountpoint

    マウントポイントのディレクトリが存在しない場合、beadm コマンドはそのディレクトリを作成してから、そのディレクトリにブート環境をマウントします。ブート環境がすでにマウントされている場合、beadm mount コマンドは失敗し、ブート環境は新しい場所に再マウントされません。

    ブート環境はマウントされますが、アクティブでない状態です。マウント済みのアクティブでないブート環境をアップグレードできます。また、システムをリブートする前にブート環境をマウント解除することを忘れないでください。

  4. (省略可能) 新しいブート環境からブートするには、最初にブート環境をアクティブにします。
    # beadm activate beName

    beName は、アクティブにするブート環境の名前を表す変数です。リブート時に、新しくアクティブになったブート環境は、GRUB メニューに表示されるデフォルトのブートエントリになります。

例 7-1 共有データセットを持つ複製されたブート環境を作成する

次の例は、BE2 という名前の新しく作成したブート環境内のデータセットを示しています。この例では、元のブート環境は BE1 です。新しいブート環境 BE2 には、BE1 から複製された個々のデータセットが含まれています。BE1/opt などの従来のファイルシステム用の個々のデータセットが含まれている場合は、それらのデータセットも複製されます。

# beadm create BE2
# beadm list -a BE2
BE/Dataset/Snapshot Active Mountpoint Space Policy Created
------------------- ------ ---------- ----- ------ -------
BE2
   rpool/ROOT/BE2   -      -          42.0K static 2011-04-07 10:56

前の出力に示すように、ストレージプールの名前は rpool です。このプールは、初期インストールまたはアップグレードによってあらかじめ設定されているため、すでにシステム上に存在します。ROOT は、同様に初期インストールまたはアップグレードによってあらかじめ作成された特殊なデータセットです。ROOT は、ブート環境のルートで使用するために排他的に予約されています。

ブート環境のスナップショットの作成方法

  1. root の役割になります。
  2. ブート環境のスナップショットを作成します。
    # beadm create beName@snapshot

    スナップショット名の例として、次のようなものがあります。

    • BE@0312200.12:15pm

    • BE2@backup

    • BE1@march132008

既存のスナップショットからブート環境を作成する方法

  1. root の役割になります。
  2. 次のコマンドを入力して、スナップショットから新しいブート環境を作成します。
    # beadm create -e BEname@snapshotdescription beName

    BEname@snapshotdescription を既存のスナップショットの名前に、beName を新しいブート環境のカスタム名にそれぞれ置き換えます。

    例:

    # beadm create -e BE1@now BE2

    このコマンドは、BE1@now という名前の既存のスナップショットから BE2 という名前の新しいブート環境を作成します。このあと、このブート環境をアクティブにすることができます。手順については、「新しく作成されたブート環境をアクティブにする方法」を参照してください。

新しく作成されたブート環境をアクティブにする方法

新しく作成されたブート環境をアクティブにすることによって、リブート時にそのブート環境がデフォルトのブート環境となりブートされます。アクティブにできるブート環境は常に 1 つだけであることに注意してください。

  1. root の役割になります。
  2. 次のコマンドを使用して、新しく作成されたブート環境をアクティブにします。
    # beadm activate beName

    beName は、アクティブにするブート環境を表す変数です。

    次の事項に注意してください。

    • beadm activate beName コマンドは、bootfs ブート可能プールプロパティーを、アクティブにするブート環境の ROOT データセットの値に設定することによってブート環境をアクティブにします。

    • beadm activate コマンドは、新しくアクティブにしたブート環境を menu.lst ファイルにデフォルトとして設定します。

  3. システムをリブートします。

    これで新しくアクティブにしたブート環境が SPARC ブートメニューのデフォルトエントリになります。

使用可能なブート環境、スナップショット、およびデータセットの一覧を表示する方法

beadm コマンドを使用して作成された使用可能なブート環境、スナップショット、およびデータセットを表示するには、beadm list コマンドを使用します。

  1. root の役割になります。
  2. beadm コマンドを使用して作成されたシステム上の使用可能なデータセットをすべて表示するには、次のコマンドを入力します。
    # beadm list option
    -a

    ブート環境に関する利用可能なすべての情報を一覧表示します。このオプションには、従属データセットおよびスナップショットが含まれます。

    -d

    ブート環境のデータセットに関する情報を一覧表示します。

    -s

    ブート環境のスナップショットに関する情報を一覧表示します。このオプションは、-d オプションと組み合わせて使用されます。

    -H

    表示からヘッダー情報を省略します。このオプションを選択すると、スクリプトやほかのプログラムの表示をより簡単に解析できるようになります。

  3. 特定のブート環境について使用可能なデータセットを一覧表示するには、beadm list コマンド構文にブート環境名を含めます。

    たとえば、oracle-solaris ブート環境内で使用可能なデータセットをすべて表示するには、次のようなコマンドを入力します。

    # beadm list -a oracle-solaris
     BE/Dataset/Snapshot   Active Mountpoint Space  Policy Created
    -------------------   ------ ---------- -----  ------ -------
    oracle-solaris
       rpool/ROOT/solaris -      -          14.33M static 2011-01-20 07:45

例 7-2 スナップショットの仕様を表示する

次の beadm list の例では、-s オプションを指定します。これにより、現在のイメージに存在するすべてのスナップショットの情報が表示されます。zfs コマンドを使用することによって、これらのスナップショットの状況も表示できます。

次の結果の例では、各スナップショットのタイトルに、スナップショットが作成された日時を示すタイムスタンプが含まれています。

# beadm list -s test-2

結果の例が表示されます。

BE/Snapshot     Space Policy Created
----------- ----- ------ ------- 
test-2
test-2@2010-04-12-22:29:27 264.02M static 2010-04-12 16:29
test-2@2010-06-02-20:28:51 32.50M static 2010-06-02 14:28
test-2@2010-06-03-16:51:01 16.66M static 2010-06-03 10:51
test-2@2010-07-13-22:01:56 25.93M static 2010-07-13 16:01
test-2@2010-07-21-17:15:15 26.00M static 2010-07-21 11:15
test-2@2010-07-25-19:07:03 13.75M static 2010-07-25 13:07
test-2@2010-07-25-20:33:41 12.32M static 2010-07-25 14:33
test-2@2010-07-25-20:41:23 30.60M static 2010-07-25 14:41
test-2@2010-08-06-15:53:15 8.92M static 2010-08-06 09:53
test-2@2010-08-06-16:00:37 8.92M static 2010-08-06 10:00
test-2@2010-08-09-16:06:11 193.72M static 2010-08-09 10:06
test-2@2010-08-09-20:28:59 102.69M static 2010-08-09 14:28
test-2@install 205.10M static 2010-03-16 19:04

ブート環境を破棄する方法

システム上で使用可能なディスク容量を増やす場合は、beadm コマンドを使用すると既存のブート環境を破棄 (削除) できます。

次の事項に注意してください。

  1. root の役割になります。
  2. ブート環境を破棄するには、次のコマンドを入力します。
    # beadm destroy beName

    ブート環境を破棄する前に、確認のプロンプトが表示されます。

    beadm destroy

    beName で指定されたブート環境を破棄します。

    -F

    確認を要求せずに、ブート環境を強制的に破棄します。

    -f

    ブート環境がマウントされている場合でも強制的に破棄します。