自動インストーラの使用方法

AI を使用してネットワーク経由でクライアントシステムをインストールするには、DHCP を設定し、さらにインストールサーバー上の AI インストールサービスを設定する必要があります。第 8 章インストールサーバーの設定を参照してください。AI は、DHCP を使用して、インストールされるクライアントマシンに IP アドレス、サブネットマスク、ルーター、DNS サーバー、およびインストールサーバーの場所を提供します。DHCP サーバーと AI インストールサーバーは、同じマシンにすることも、2 つの別々のマシンにすることもできます。

インストール対象のクライアントマシンは、Oracle Solaris Image Packaging System (IPS) ソフトウェアパッケージリポジトリにアクセスできる必要があります。IPS パッケージリポジトリは、インストールサーバー上、ローカルネットワークの別のサーバー上、またはインターネット上に配置できます。

AI インストールサービスには、SPARC または x86 ネットワークブートイメージ (ネットイメージ)、1 つ以上のインストール手順ファイル (AI マニフェスト)、および 0 個以上のシステム構成手順 SMF プロファイルファイルが含まれています。ネットイメージは完全なインストールではありません。クライアントマシンは、インストールを完了するために IPS パッケージリポジトリにアクセスする必要があります。各クライアントでは、AI マニフェストを 1 つのみ使用します。それぞれのクライアントが別々の AI マニフェストを使用できます。AI マニフェストによって、クライアントがインストールの完了に必要なパッケージを取得する 1 つ以上の IPS パッケージリポジトリが指定されます。AI マニフェストには、インストールする追加パッケージの名前と、ターゲットデバイスやパーティションなどの情報も含まれています。クライアントのブート前に、またはクライアントのインストール時に動的に AI マニフェストをカスタマイズする方法については、第 10 章クライアントシステムのプロビジョニングを参照してください。クライアントの構成手順を指定することもできます。システム構成プロファイルについては、第 11 章クライアントシステムの構成を参照してください。クライアントの初回ブート時にインストールと構成をさらに行う方法については、第 13 章初回ブート時のカスタムスクリプトの実行を参照してください。

2 台のクライアントマシンのアーキテクチャーが異なる場合、または異なるバージョンの Oracle Solaris 11 OS をインストールする必要がある場合は、2 つの AI インストールサービスを作成して、それぞれのインストールサービスを、インストール対象のアーキテクチャーと OS バージョンの適切なイメージソースに関連付けます。特定のアーキテクチャーの 1 番目のインストールサービスがインストールサーバーに作成されると、そのサービスのコピー default-i386 または default-sparc が自動的に作成されます。このデフォルトのサービスは、そのアーキテクチャーのクライアントのうち、create-client サブコマンドを使って別のインストールサービスに明示的に関連付けられていなかったクライアントへのすべてのインストールで使用されます。

2 台のクライアントマシンに同じバージョンの Oracle Solaris 11 OS をインストールする必要があるときに、異なる方法でインストールする必要がある場合は、AI インストールサービスに対して 2 つの AI マニフェストを作成します。AI マニフェストを別にすることによって、たとえば、異なるパッケージをインストールするように指定したり、異なるスライスをインストールターゲットとして指定したりすることができます。

クライアントシステムに異なる構成を適用する必要がある場合は、インストールサービスに対して複数のシステム構成プロファイルを作成します。システム構成プロファイルを別にすることによって、たとえば、異なるネットワークまたはロケール設定を指定したり、独自のホスト名や IP アドレスを指定したりできます。

インストールは、クライアントをブートしたときに開始します。クライアントをブートすると、クライアントは DHCP によって AI インストールサーバーに接続され、正しいインストールサービスとそのサービスに含まれている正しい AI マニフェストおよびシステム構成プロファイルにアクセスします。第 15 章クライアントシステムのインストールでは、クライアントを特定のインストールサービスに関連付ける方法について説明します。第 9 章インストールのカスタマイズでは、使用する正しい AI マニフェストとシステム構成プロファイルをクライアントで特定する方法について説明します。

適切なシステム構成手順が指定されていない場合、インストール後の初回ブート時に対話型ツールによってシステム構成情報の入力を求めるプロンプトが表示されます。システム構成プロファイルの情報と例については、第 11 章クライアントシステムの構成を参照してください。対話型構成ツールについては、「システムの構成」を参照してください。

非大域ゾーンのインストールを指定した場合は、インストール後の初回ブート時にそのゾーンが構成されインストールされます。AI クライアントインストールの一環として非大域ゾーンの構成およびインストールを指定する方法については、第 12 章ゾーンのインストールと構成を参照してください。

また、初回ブート時に Oracle Configuration Manager はシステム構成情報を収集し、その情報を Oracle Support に送信しようとします。第 14 章AI クライアントシステムで使用するための Oracle Configuration Manager の設定を参照してください。