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Oracle Solaris の管理: デバイスとファイルシステム Oracle Solaris 11 Information Library (日本語) |
ここでは、Oracle Solaris リリースにおけるデバイス管理の新機能について説明します。
Oracle Solaris 11: この Solaris リリースでは、補足的なドライバ構成ファイル driver.conf を /etc/driver/drv ディレクトリに追加できます。以前の Solaris リリースでは、ベンダーの driver.conf ファイルを直接変更する必要がありました。
このリリースでは、ドライバベンダーの /kernel または /platform driver.conf ファイルとカスタマイズされた /etc/driver/drv driver.conf ファイルが自動的にマージされるため、両方のプロパティー値セットがドライバに認識されます。
prtconf -u コマンドを使用して、オリジナルベンダーのプロパティー値とカスタマイズされたプロパティー値を表示できます。ベンダーの driver.conf ファイルとローカルでカスタマイズされた driver.conf ファイルを分離することにより、管理者によるカスタマイズを上書きせずに、ベンダーの新しい driver.conf ファイルを使ってシステムをアップグレードできます。
/kernel/drv ディレクトリ内のドライバ構成ファイルに、以前の Solaris リリースまたはシステムからの変更がすでに存在する場合は、それらを /etc/driver/drv ディレクトリへコピーするようにしてください。
/etc/driver/drv/ driver.conf ファイルの作成については、「ドライバ構成のカスタマイズ方法」、driver.conf(4)、およびdriver(4) を参照してください。
Oracle Solaris 11: このリリースでは、システムのブート時に PCI Express (PCIe) デバイスのサポートに十分なリソースが確実に割り当てられるように、PCI リソースの均衡を再調整するための PCI リソースマネージャー (PCIRM) が用意されています。たとえば、SR-IOV (Single Root I/O Virtualization) デバイスは、仮想機能用に PCI メモリーリソースをより多く必要とします。現在のファームウェアは、大半が SR-IOV 標準より前に設計されているため、仮想デバイスのリソース予約要件を認識しません。リソースの均衡を再調整する処理はブート時に自動的に行われるため、管理の必要はありません。
Oracle Solaris 11: IPoIB の管理が、以前のリリースから変更されました。このリリースでは、dladm のサブコマンドである create-part、delete-part、view-part、および show-ib を使用して IPoIB データリンク情報を作成、削除、および表示できます。これらの新しい dladm サブコマンドにより、IPoIB データリンクの管理がより簡単になります。また、IB の問題のいくつかを表示したり障害追跡を行ったりするのにも役立ちます。たとえば、show-ib サブコマンドは、システムに存在する HCA の数、および対応する HCA GUID を表示します。新しい管理モデルでは、2 種類の IPoIB データリンクが存在します。
物理データリンク - 通常のネットワークインタフェースカード (NIC) データリンクに似ています
IB パーティションデータリンク - 仮想 NIC (VNIC) に似ています
新規にインストールされたシステムでは、デフォルトで物理リンクが自動的に作成されます。その後、dladm コマンドを使用して、IB 物理リンク上に IB パーティションリンクを作成できます。NIC データリンクとは異なり、IB 物理リンクを plumb 済みまたは割り当て済みの IP アドレスなどに構成して、そのリンクを使用することはできません。
dladm サブコマンドを使用した IB コンポーネントの管理方法の詳細は、「IPoIB デバイスの管理 (dladm)」を参照してください。
Oracle Solaris 11: system/io/infiniband/open-fabrics パッケージは、Open Fabrics Alliance (OFA) Open Fabrics Enterprise Distribution (OFED) バージョン 1.5.3 のコマンドとユーティリティーのサブセットを提供します。このツールコレクションを使用すると、IB デバイスのリスト作成とクエリー、IB ファブリックの診断とトラブルシューティング、および IB ユーザー verb のマイクロベンチマークのコレクションを使用した IB パフォーマンスの計測を実行できます。詳細は、「IB デバイスの監視と障害追跡」を参照してください。
Oracle Solaris 11: Ethernet over InfiniBand (eoib) ドライバは、マルチスレッド、ロード可能、複製可能な、GLD ベースの STREAMS ドライバです。このドライバは、Data Link Provider Interface (DLPI) および Oracle Network QDR InfiniBand Gateway スイッチに接続されたシステム上の IB ポート全般をサポートします。
Oracle Solaris 11: このリリースでは、hotplug コマンドを使って、PCI Express (PCIe) および PCI SHPC (Standard Hot Plug Controller) デバイス上でホットプラグを実行可能な接続を管理できるようになりました。この機能は、USB や SCSI などの、ほかの種類のバスではサポートされません。
ホットプラグを実行可能な USB および SCSI デバイスの管理には、以前の Solaris リリースと同様に、引き続き cfgadm を使用します。このリリースでホットプラグ機能を使用する利点は、有効化と無効化の操作に加え、hotplug コマンドを使って対応する PCI デバイスをオフラインおよびオンラインにできることです。
詳細については、「hotplug コマンドによる PCIe ホットプラグ」を参照してください。
Oracle Solaris 11: /dev 名前空間は、必要に応じて複数のファイルシステムインスタンスをサポートします。/dev ファイルシステムの大域インスタンスは、システムのブート時に自動的に作成されます。後続の /dev インスタンスは、必要に応じて (デバイスが非大域ゾーンに追加されるときなどに) 作成およびマウントされます。非大域ゾーンをシャットダウンすると、使用可能な /dev インスタンスがマウント解除され、使用不可になります。
また、デバイス構成は次の方法で改善されています。
再ブート (boot-r) が不要になる – 以前の Solaris リリースでは、電源がオフのシステムにデバイスを接続した場合、再ブート (boot-r) が必要でした。
このリリースでは、電源がオフのシステムにデバイスを接続するときに再ブート (boot-r) の実施は不要です。システムのリブート時に、新たに接続されたデバイスが自動的に認識され、適切なデバイスリンクが作成されます。
詳細は、dev(7FS) を参照してください。
ゾーンデバイスのサポートが簡略化される - 前述したように、非大域ゾーンに /dev ディレクトリの特定のインスタンスを提供することによって、Oracle Solaris ゾーンのデバイスサポートが向上しました。また、ゾーン内のデバイスを再構成する際に、ゾーンが devfsadm デーモンに依存することもなくなりました。
疑似デバイスの作成が改善される – このリリースでは、/dev/pts ディレクトリの内容が、必要に応じてグローバルの /dev 名前空間内、および非大域ゾーン内で必要な場合に /dev インスタンス内に作成されます。また、pty リンクは、それらのリンクの割り当て元となる大域ゾーンまたは非大域ゾーンにのみ表示されます。
詳細は、grantpt(3C) を参照してください。
デバイス構成の詳細は、「Oracle Solaris OS でのデバイス管理」を参照してください。
Oracle Solaris 11: この Oracle Solaris リリースでは、PCI Express (PCIe) インターコネクトをサポートします。PCI Express (PCIe) インターコネクトは、SPARC システムと x86 システムの両方で、周辺デバイスをデスクトップ、エンタープライズ、モバイル、通信、組み込みの各アプリケーションに接続するために設計されています。
PCIe インターコネクトは、業界標準の高性能シリアル入出力バスです。PCIe 技術の詳細は次のサイトを参照してください。
PCIe ソフトウェアは、この Oracle Solaris リリースで次の機能を提供します。
拡張された PCIe 構成スペースのサポート
PCIe ベースラインエラー処理と MSI 割り込みのサポート
PCIe デバイスに合わせた IEEE-1275 プロパティーの変更
cfgadm コマンドの cfgadm_pci コンポーネントの拡張による PCIe ホットプラグ (ネイティブおよび ACPI ベース) のサポート
Attention ボタンの使用に基づく PCIe 周辺デバイスの自動構成
ホットプラグ対応 PCIe 周辺デバイスは、PCI 周辺デバイスと同じように cfgadm コマンドを使用して管理します。
使用しているハードウェアマニュアルを参照して、使用しているシステム上で PCIe および PCIe のホットプラグがサポートされているかどうかを確認します。また、アダプタを物理的にシステムに挿入する手順とシステムから取り外す手順、および該当する場合のデバイスの自動構成のセマンティクスについてよく確認してください。
PCIe 周辺デバイスでの cfgadm コマンドの使用方法については、「cfgadm コマンドによる PCI または PCIe ホットプラグ (タスクマップ)」を参照してください。