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Oracle Solaris 11 GNOME デスクトップのアクセシビリティーガイド     Oracle Solaris 11 Information Library (日本語)
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ドキュメントの情報

はじめに

1.  アクセシビリティーの紹介

2.  支援技術を使用する

Orca スクリーン・リーダと拡大鏡

点字サポート

使用可能な音声

Orca での拡大

Orca を有効にするには

Orca を使用する

Orca を設定する

Orca を実行する

Orca を終了する

Orca 構成 GUI

Orca で一般設定を有効にする

キー配列

Orca メイン・ウィンドウの表示

確認なしで Orca を終了

gksu によるキーボード・フォーカスの取得を無効にする

ツールチップの表示

ポインタが指しているオブジェクトを読み上げる

ログインしたら Orca を起動する

Orca で読み上げ設定を有効にする

読み上げを有効にする

読み上げシステムと読み上げシンセサイザー

音声の設定

句読文字レベル

冗長の度合い

テーブル行の読み上げ

空行を読み上げる

大/小文字を含む文字列を単語として読み上げる

チュートリアルのメッセージを読み上げる

オブジェクトのショートカットキーを読み上げる

文の区切りで読み上げを中断する

子の位置を読み上げるには

字下げと行端揃えを読み上げるには

進捗状況バーの更新

読み上げの単位

Orca で点字設定を有効にする

点字をサポートする

点字モニタを表示する

ロールの名前を省略する

行末の記号を無効にする

縮約形の点字

冗長の度合い

選択インジケータを有効にする

ハイパーリンクインジケータを有効にする

Orca でキーエコー設定を有効にする

キーエコーを有効にする

文字毎にキーエコーを返す

単語毎にキーエコーを返す

段落毎にキーエコーを返す

Orca で拡大鏡設定を有効にする

拡大鏡を有効にする

ズームの設定

境界の設定

カーソル設定

照準線設定

色設定

追跡と配置設定

Orca でキーの割り当て設定を有効にする

Orca 修飾キー

キーの割り当てテーブルを使用する

Orca で発音設定を有効にする

文字の属性ページ

Orca のキーボードコマンドを使用する

デスクトップ配列のコマンドを使用する

フラットレビューのキーボードコマンド

ブックマークのキーボードコマンド

その他の機能

デバッグのキーボードコマンド

ノートパソコン配列のコマンドを使用する

フラットレビューのキーボードコマンド

ブックマークのキーボードコマンド

その他のキーボードコマンド

デバッグのキーボードコマンド

アプリケーション固有の情報

アプリケーション固有の設定を行う

点字を有効にするには

Orca のトラブルシューティング

デスクトップが応答しない

スクリーンセーバーを無効にする

PDF ビューアアプリケーションを変更するには

3.  マウスとキーボードを構成する

4.  キーボードを使用してデスクトップをナビゲートする

5.  デスクトップの表示をカスタマイズする

6.  システム管理

索引

Orca スクリーン・リーダと拡大鏡

Orca は、視覚障害者のための柔軟で強力な支援技術です。Orca では、読み上げシンセサイザー、点字、および拡大をさまざまに組み合わせて使用することで、AT-SPI (Assistive Technology Service Provider Interface) をサポートするアプリケーションやツールキットにアクセスできます。Orca は無料で、オープンソースのソフトウェアです。

Orca スクリーン・リーダと拡大鏡アプリケーションは、視力が制限されているユーザーまたは視力のないユーザーが Oracle Solaris デスクトップ および関連アプリケーションを使用する際に役立ちます。Orca には、次の機能があります。

Orca は GNOME プラットフォームの一部であり、Orca のリリースは GNOME プラットフォームのリリースに同梱されています。

次の節では、Orca およびその使用法について説明します。

点字サポート

点字は BRLTTY によってサポートされ、Orca と緊密に統合されています。BRLTTY は、ほぼすべての更新可能な点字でサポートされています。

また、Orca では、短縮形の点字出力も完全サポートされています。

使用可能な音声

Orca では、gnome-speech と emacspeak の両方の読み上げサービスへのインタフェースが提供されています。Orca で現在使用可能な音声は、使用可能な読み上げサービスでサポートされている読み上げエンジンに制限されています。

次の読み上げエンジンの一部が使用可能です。

Orca での拡大

現在、Orca では gnome-mag 拡大サービスが使用されています。gnome-mag サービスには、より滑らかなフルスクリーン拡大のサポートが組み込まれていますが、X ウィンドウシステムサーバーの新しい拡張機能に依存します。これらの拡張機能は、常にすべてのプラットフォームで正常に機能するとは限りません。したがって、滑らかな全画面拡大も常に機能するとは限りません。

Orca を有効にするには

この手順では、初めて Orca を有効にする方法について説明します。セットアップを続行するには、各操作後に Return キーを押します。

Orca の起動時に --text-setup オプションを実行するか、Orca の実行中に Insert キーと Space キーを押して Orca 構成 GUI を起動すれば、いつでも設定を変更できます。設定は ~/.orca/user-settings.py ファイルに保存されます。新しい設定を有効にするには、ログアウトしてからログインし直す必要があります。

  1. Alt + F2 キーまたは Meta + R キーを押して、「実行する」ダイアログを開きます。
  2. 次のコマンドを入力して、テキストのみのガイド付きセットアップを開始します。

    orca --text-setup Enter

  3. リストから言語を選択します。

    デフォルトの言語は英語に設定されます。


    注 - Orca では、デフォルトの eSpeak テキスト読み上げエンジンを使用すると、約 45 の言語がサポートされています。


  4. y または n を入力することによって、「単語毎にキーエコーを返す」オプションをアクティブにするかどうかを決定します。このオプションは、入力の完了後に単語を読み上げるように Orca に指示します。
  5. y または n を入力することによって、「キーエコー」オプションをアクティブにするかどうかを決定します。このオプションは、押されているときにすべてのキーを読み上げるように Orca に指示します。
  6. Orca 修飾キーとして機能するキーを決定するキー配列を選択します。このキーを他のキーと組み合わせて使用すると、ほとんどのプログラム機能にキーボードでアクセスできます。

    オプションは、次のとおりです。

    • 1 – デスクトップで Insert キーが使用されます。

    • 2 – ノートパソコンで Caps Lock が使用されます。

  7. y または n を入力することによって、点字出力が必要かどうかを指定します。

    この機能では、BRLTTY と互換性のあるデバイスが使用可能であることが前提となっています。ただし、BRLTTY デバイスが使用できない場合でも、y を入力すれば Orca は機能します。

  8. y または n を入力することによって、画面上で点字出力を監視するかどうかを決定します。

    この機能は、BRLTTY 出力を検証する必要がある開発者に役立ちますが、点字出力を視覚的に診断したり検証したりするなど、その他の状況で役立つこともあります。

    Orca はシステムで有効にする必要があります。


    注 - アクセシビリティーが有効になっていない場合、Orca はアクセシビリティーを有効にしてから、ログアウトしてログインセッションを再起動するようにユーザーに通知します。


全画面モードでの拡大鏡

Orca の拡大鏡部分を全画面モードで使用する予定がある場合は、X サーバーのコンポジット拡張が有効になっていることを確認します。X サーバーのコンポジット拡張を有効にするには、次の操作を実行します。

Orca を使用する

この節では、Orca の使用法について説明します。

Orca を設定する

初めて Orca を実行するときは、自動的にアプリケーションがセットアップモードで開きます。あとでセットアップを実行する場合は、次回 Orca を実行するときに --setup オプションを実行します。Orca の実行中に Insert + Space キーを押すと、Orca 構成 GUI を開くことができます。

Orca の構成 GUI には、ログイン時に Orca を自動的に起動するように指定できるオプションもあります。Orca のグラフィカルユーザーインタフェースの詳細については、「Orca 構成 GUI」を参照してください。

Orca を実行する

端末セッションウィンドウで orca コマンドを入力して、Orca を実行します。

GUI へのアクセス権がない場合は、仮想コンソールウィンドウから Orca を実行できます。

GUI がインストールされている場合は、Alt + F2 キーまたは Meta + R キーを押します。「実行する」ダイアログで、orca オプション (あとに省略可能なパラメータが続く) を入力して、Return キーを押します。

仮想コンソールウィンドウから Orca を実行すると、自動的にテキストセットアップモードに移行します。

Orca を終了する

  1. デスクトップモードの場合は Insert + Q キー、ノートパソコン配列モードの場合は CapsLock + Q キーを押して、Orca を終了します。

    確認ダイアログが開きます。

  2. 「終了」を選択して、Orca を閉じます。

  3. システムが応答しない場合は、次のいずれかを実行してください。

    • Ctrl + Alt + F1 キーを押して仮想コンソールに移動し、orca --quit コマンドを入力します。次に、Alt + F7 キーを押してデスクトップに戻ります。この手順によって、Orca プロセスが強制終了され、システムリソースが再生されます。その後、事前に定義された方法を使用して、Orca を再起動できます。

    • Ctrl + Alt + Backspace キーを押してログインセッションを終了し、グラフィカルログインプロンプトに戻ります。

Orca 構成 GUI

Orca 構成 GUI では、読み上げ、点字、拡大などの Orca の動作や機能をカスタマイズできます。たとえば、使用する読み上げシンセサイザーエンジンの種類を選択したり、点字を有効または無効にしたり、設定する拡大設定の種類を選択できます。キー配列 (デスクトップまたはノートパソコン) を選択したり、既存のキー配列を確認して変更したりすることもできます。

Orca 構成 GUI を開くには、Orca 修飾 + Space キー を押します。Orca 修飾キーは、デスクトップのキーボード配列を使用する場合は Insert キー、ノートパソコンのキーボード配列を使用する場合は CapsLock キーです。単一アプリケーションの設定を変更するには、アプリケーションにフォーカスがあるときに、Ctrl + Orca 修飾 + Space キーを押します。

デスクトップのキー配列の詳細は、デスクトップ配列のコマンドを使用するを参照してください。

ノートパソコンのキー配列の詳細は、ノートパソコン配列のコマンドを使用するを参照してください。

Orca で一般設定を有効にする

「一般」ページでは、キー配列の選択や Orca の起動と終了など、Orca の一般設定をカスタマイズできます。「一般」ページのオプションについては、次の節で説明します。

image:Orca の一般設定を示す図。
キー配列

キーボード配列のセクションでは、デスクトップ配列またはノートパソコン配列を選択できます。

デスクトップのキー配列の詳細は、デスクトップ配列のコマンドを使用するを参照してください。

ノートパソコンのキー配列の詳細は、ノートパソコン配列のコマンドを使用するを参照してください。

Orca メイン・ウィンドウの表示

Orca メイン・ウィンドウでは、Orca 構成 GUI を表示できます。

image:Orca メイン・ウィンドウを示す図

メインウィンドウには、Orca 構成 GUI を閉じるための「終了」オプションがあります。Orca 修飾 + Q キーを押して、Orca を終了することもできます。Alt + Tab キーを押してウィンドウを切り替えると、Orca メイン・ウィンドウはウィンドウマネージャーのタブ順序で表示されるため、「Orca のメイン・ウィンドウを表示する」ボタンを選択解除することをお勧めします。

確認なしで Orca を終了

Orca 修飾 + K キーを押して Orca を終了するか、Orca メイン・ウィンドウの「終了」ボタンを押すと、Orca には終了するかどうかを尋ねる確認ダイアログが表示されます。このオプションを選択すると、確認ウィンドウが再表示されることが回避されます。

gksu によるキーボード・フォーカスの取得を無効にする

多くのディストリビューションでは、「起動」メニューからコマンドを実行するときに、gksu というアプリケーションを使用して、これらのコマンドを実行するユーザーを承認します。gksu は、パスワードを要求する GUI です。gksu を実行すると、アプリケーションでキーボード・フォーカス機能が有効になります。

キーボード・フォーカスとは、キーボードの動作がデスクトップ上の他のアプリケーション (Orca を含む) に及ぶことを回避する機能です。キーボード・フォーカスによって、Orca はキーボードイベントを一切受信しなくなります。その結果、Orca が正常に機能しなくなります。

「gksu によるキーボード・フォーカスの取得を無効にする」ボタンを選択すると、キーボード・フォーカスの動作を無効にすることができます。その結果、システム管理アプリケーションで Orca が正常に機能します。


注 - キーボード・フォーカスは、アプリケーションによってキーボード入力が盗聴され、機密情報が取得されることを防ぐための、gksu によるセキュリティー対策です。gksu キーボード・フォーカス機能を無効にすると、このような動作が公開される可能性があります。システム管理目的で root アカウントを使用できます。これをシステム管理目的で行うには、システム管理コマンドを実行するたびに、ログイン用の root アカウントを有効にしてから、root としてログアウトしてログインし直す必要があります。


ツールチップの表示

「ツールチップを有効にする」オプションを選択すると、マウスホバーの結果として表示されるツールチップで情報が表示されます。オブジェクトにフォーカスがあるときに Ctrl + F1 キーを押すと、この設定に関係なく、必ずツールチップが表示されます。

ポインタが指しているオブジェクトを読み上げる

「ポインタが指しているオブジェクトを読み上げる」オプションを選択すると、Orca はマウスの下にあるオブジェクトに関するオーディオ情報を表示します。

ログインしたら Orca を起動する

「ログインしたら Orca を起動する」オプションを選択すると、ログイン時に Orca が自動的に起動します。

Orca で読み上げ設定を有効にする

「読み上げ」ページでは、Orca の読み上げシンセサイザー設定をカスタマイズできます。

image:Orca の読み上げ設定を示す図。
読み上げを有効にする

「読み上げを有効にする」オプションを選択すると、Orca で読み上げシンセサイザーを使用できます。

読み上げシステムと読み上げシンセサイザー

これらのオプションでは、読み上げシステムおよび読み上げシンセサイザーを選択できます。Orca では、サポートされる読み上げシステムの数が増えてきています。これらのシステムには、GNOME-speech、Emacspeak、および Speech Dispatcher の実験的なバックエンドが含まれます。マシン構成によっては、これらのオプションのすべてがある場合も、1 つもない場合もあります。デフォルトでは、GNOME-speech のみが使用可能です。

最初に、使用する読み上げシステムを決定します。次に、読み上げシンセサイザーのリストから使用可能なシンセサイザーを選択します。

音声の設定

シンセサイザーで音声の設定がサポートされている場合、Orca は複数の音声を使用して、ハイパーリンクや大文字テキストなどの特殊なケースをアプリケーション内で識別できます。これらの設定をカスタマイズするには、「音声の設定」および「音声の人物」オプションを使用します。たとえば、Fonix DECtalk を使用していて、Betty の音声で大文字を表すと想定します。次の手順を実行してください。

  1. 「音声の設定」オプションで、大文字の音声を選択します。

  2. 「音声の人物」オプションで、Betty の音声を選択します。

次のスライダーを使用して、シンセサイザーのレート、ピッチ、およびボリュームを設定します。

句読文字レベル

シンセサイザーで読み上げる句読文字の数を調整するには、「句読文字レベル」設定を使用します。次のレベルが使用できます。

冗長の度合い

「冗長の度合い」設定では、特定の状況で読み上げられる情報量を決定します。たとえば、「冗長の度合い」レベルを設定すると、シンセサイザーはメニューの項目に対応するショートカットキーを読み上げます。「簡略」に設定すると、これらのショートカットキーは読み上げられません。

テーブル行の読み上げ

「テーブル行の読み上げ」オプションでは、読み上げシンセサイザーでテーブル内の項目を読み上げる方法を決定します。次の設定を使用できます。

この動作を調整できることは、多くの状況で役立ちます。たとえば、Evolution で電子メールメッセージを閲覧するプロセスについて検討します。この場合は、「現在行の読み上げ」設定をお勧めします。メッセージのリストをナビゲートするときに、差出人、件名、メッセージに添付ファイルがあるかどうかなどの関連情報がすべて自動的に読み上げられます。現在行の設定がアクティブな場合は、左右の矢印を使用して個々のセルを読み上げることもできます。


注 - この動作を切り替えるには、Orca 修飾 + F11 キーを押します。


空行を読み上げる

ドキュメント内の空行にナビゲートするときに空白文字を読み上げるには、「空行を読み上げる」オプションを選択します。

大/小文字を含む文字列を単語として読み上げる

「大/小文字を含む文字列を単語として読み上げる」オプションを選択すると、Orca は読み上げシンセサイザーに渡す前に単語を分割します。したがって、大文字と小文字が交互に入れ替わる複数の単語で構成されるコード内の単語も正しく発音されます。

たとえば、「MultiCaseString」という単語は、Multi、Case、String という別々の単語に分割できます。

チュートリアルのメッセージを読み上げる

「チュートリアルのメッセージを読み上げる」オプションを選択すると、インタフェース内の別のコンポーネントに移動したときに、Orca は現在フォーカスのあるコンポーネントに関する情報を表示します。

オブジェクトのショートカットキーを読み上げる

「オブジェクトのショートカットキーを読み上げる」オプションを選択すると、Orca はフォーカスのあるオブジェクトに関連付けられたニーモニックを読み上げます。たとえば、「了解」ボタンの場合、Alt + O です。

文の区切りで読み上げを中断する

有効になっている読み上げ設定に応じて、Orca は特定のオブジェクトに関する一部の情報 (名前、役割、状態、ニーモニック、チュートリアルメッセージなど) を提供する場合があります。「文の区切りで読み上げを中断する」オプションを選択すると、Orca は情報の各部分間に短いポーズを挿入します。

子の位置を読み上げるには

「子の位置を読み上げる」チェックボックスを選択すると、Orca はメニューおよびリストでフォーカスのある項目の位置を読み上げることができます。たとえば、「9 of 16」と読み上げます。

字下げと行端揃えを読み上げるには

「字下げと行端揃えを読み上げる」オプションを選択すると、Orca は行端揃えおよび字下げの情報を提供します。

進捗状況バーの更新

「進捗状況バーの更新の読み上げ」設定を有効にすると、Orca は定期的に進捗状況バーの状態を読み上げます。読み上げる頻度は、更新間隔スピンとして選択した値で決定されます。この設定は、「進捗状況バーの更新の読み上げ」オプションが選択されている場合にのみ使用可能です。

読み上げられる進捗状況バーを制御するには、「進捗状況バーの更新の制限」設定を使用します。デフォルト値は「アプリケーション」です。次の選択が可能です。

読み上げの単位

「読み上げの単位」設定では、Orca の「読み上げの単位」機能が文または行ごとに読み上げるかどうかを指定します。

Orca で点字設定を有効にする

「点字」ページでは、点字の使用に関するさまざまな側面をカスタマイズできます。

image:Orca の点字設定を示す図。

注 - Orca では、自動的に BRLTTY が起動されません。これは、ブート時に実行する必要があります。


点字をサポートする

点字ディスプレイを利用するには、「点字をサポートする」オプションを選択します。デフォルトでは、このオプションが有効になっています。

BRLTTY が実行されていない場合、Orca は正常に回復し、点字ディスプレイとの通信を行いません。あとで BRLTTY を構成する場合、Braille を使用するために Orca を再起動する必要があります。

点字モニタを表示する

Orca の点字モニターでは、点字ディスプレイ上で発生したことが画面上に表示されます。この機能は主にデモ目的に使用されますが、点字ディスプレイを入手していない Orca 開発者にも役立ちます。

ロールの名前を省略する

「ロールの名前を省略する」チェックボックスでは、ロールの名前を表示する方法を決定します。これを使用すると、点字ディスプレイ上の領域を確保する際に役立ちます。たとえば、スライダーにフォーカスがあり、「ロールの名前を省略する」オプションが選択されている場合、「slider」という単語は「sldr」と短縮されます。

行末の記号を無効にする

「行末の記号を無効にする」オプションでは、Orca が行の最後に $l 文字列を表示しないように指定します。

縮約形の点字

Orca では、Liblouis プロジェクトによる縮約形の点字がサポートされています。Orca での Liblouis の設定の詳細は、 Orca wiki を参照してください。

冗長の度合い

「冗長の度合い」オプションでは、特定の状況において点字で表示される情報量を決定します。たとえば、このオプションを「冗長の度合い」に設定すると、キーボードショートカットおよびロールの名前の情報が表示されます。この情報は、簡略モードでは表示されません。

選択インジケータを有効にする

テキストを選択すると、Orca は点字ディスプレイ上のテキストにドット 7 および 8 で下線を引きます。必要に応じて、インジケータをドット 7 またはドット 8 に変更したり、インジケータを非表示にしたりできます。

ハイパーリンクインジケータを有効にする

ハイパーリンクを選択すると、Orca は点字ディスプレイ上のテキストにドット 7 および 8 で下線を引きます。必要に応じて、インジケータをドット 7 またはドット 8 に変更したり、インジケータを非表示にしたりできます。

Orca でキーエコー設定を有効にする

「キーエコー」ページでは、ページ上のキーを押したときの Orca の動作、および単語が完成したときに読み上げるかどうかを指定できます。

image:Orca のキーエコー設定を示す図。

キーエコー機能によって、柔軟性が増します。たとえば、あるユーザーがすべてのキーエコーオプションを有効にする一方で、別のユーザーは単語エコーは使用するが、ロックキーは読み上げないようにする場合があります。

キーエコーを有効にする

「キーエコーを有効にする」オプションでは、キーエコー機能に固有の設定を行います。

文字毎にキーエコーを返す

「文字毎にキーエコーを返す」オプションを選択すると、入力したばかりの文字のエコーが発生します。文字単位のエコーは英数字キーおよび句読文字キーのキーエコーと同じように見えますが、アクセント記号付きの文字や専用キーが付かないその他の記号に関連する重要な違いがあります。キーエコーでは押したばかりのキーが読み上げられ、挿入したばかりの文字が読み上げられます。

「文字単位のエコーを有効にする」オプションは、他にどのキーエコーオプションが選択されているかに関係なく、常に使用可能です。

単語毎にキーエコーを返す

「単語毎にキーエコーを返す」オプションを選択すると、入力したばかりの単語のエコーが発生します。「単語毎にキーエコーを返す」オプションは、どのキーエコーオプションが選択されているかに関係なく、常に使用可能です。

段落毎にキーエコーを返す

「段落毎にキーエコーを返す」オプションを選択すると、入力したばかりの文のエコーが発生します。「段落毎にキーエコーを返す」オプションは、他にどのキーエコーオプションが選択されているかに関係なく、常に使用可能です。

Orca で拡大鏡設定を有効にする

「拡大鏡」ページでは、拡大を有効または無効にして、拡大の実行方法を指定できます。

image:Orca の拡大鏡設定を示す図。
拡大鏡を有効にする

「拡大鏡を有効にする」オプションを選択すると、Orca は拡大を実行します。

ズームの設定

2 つのズーム GUI コントロールによって、拡大の特性が決まります。

境界の設定

「境界を有効にする」オプションでは、拡大鏡にウィンドウ境界を表示するかどうかを指定します。「境界線の大きさ」オプションでは、境界のサイズをピクセル単位で指定します。


注 - これらのオプションは、全画面モードでは使用できません。


カーソル設定

「カーソル設定」では、次のオプションを使用して、拡大鏡のカーソルのサイズと色をカスタマイズできます。

照準線設定

「照準線設定」では、次のオプションを使用して、拡大鏡の省略可能な領域を対象としたカーソルをカスタマイズできます。

色設定

「色設定」では、次のオプションを使用して、拡大される領域の色を調整できます。

追跡と配置設定

「追跡と配置設定」では、マウスカーソルの追跡を制御します。次の追跡および配置の設定オプションが使用できます。

Orca でキーの割り当て設定を有効にする

「キーの割り当て」ページでは、Orca のキーの割り当てを確認および変更できます。

image:Orca のキーの割り当て設定を示す図。
Orca 修飾キー

「キーの割り当て」ウィンドウの 1 番目のコントロールでは、Orca 修飾キーとして機能するキー (複数可) を指定できます。Orca 修飾キーは、他のキーと同時に押したままにして、コマンドを Orca に渡すキーです。

デスクトップのキーボードでは、デフォルトの Orca 修飾キーは Insert キーです。ノートパソコンのキーボードでは、デフォルトの Orca 修飾キーは Caps Lock キーです。デフォルト値については、デスクトップのキー配列およびノートパソコンのキー配列の節を参照してください。


注 - 構成 GUI を使用して、Orca 修飾キーを変更することはできません。


キーの割り当てテーブルを使用する

「キーの割り当て」テーブルには、割り当てられる Orca 操作およびキーのリストが表示されます。

image:Orca のキーの割り当て設定を示す図。

Orca キーの割り当てリストの下には、割り当てられていないコマンドのグループが表示されます。これらのコマンドは一部のユーザーには役立ちますが、ほとんどのユーザーには必要ありません。このようなコマンドにはキーストロークを割り当てずに、これらのキーは未割り当てです。

このような未割り当てのコマンドには、次の方法でキーストロークを割り当てることができます。

  1. Return キーを押して、キーの割り当てを編集します。

  2. 新しいキーの割り当てを要求するプロンプトが表示されたら、Delete または Backspace キーを押します。

  3. Return キーを押して確認します。

Orca で発音設定を有効にする

読み上げシンセサイザーが、特定の文字列を伝達または発音するときに、正確な単語を使用しないことがあります。たとえば、「LOL」ではなく「laughing out loud」と読み上げたり、シンセサイザーでは間違って発音されるような名前や専門用語などを読み上げたりすることを優先する場合があります。「発音」ページでは、Orca の発音辞書のエントリを追加、編集、および削除できます。「発音」ページは、「アプリケーション固有の設定」ダイアログの一部です。このダイアログは、特定のアプリケーションにフォーカスがあるときに、Orca 修飾 + Ctrl + Space キーを入力すると起動されます。したがって、使用するアプリケーションごとの必要に応じて、エントリをカスタマイズできます。

image:Orca の発音設定を示す図。

新しい辞書エントリを追加するには

  1. 「追加」ボタンまたは Alt + N キーを押します。
  2. 新規エントリのテキストを入力し、Return キーを押して、実際の文字列の編集を完了します。
  3. 「置き換える文字列」列に移動し、Return キーを押して、編集を開始します。
  4. 代わりに読み上げられるテキストを入力します。Return キーを押して、置き換える文字列の編集を完了します。

既存の辞書エントリを編集するには

  1. 編集するセルに移動し、Return キーを押して、編集を開始します。
  2. 変更を行ってから Return キーを押して、編集を完了します。

既存の辞書エントリを削除するには

  1. 削除するエントリに移動します。
  2. 「削除」ボタンまたは Alt + D キーを押します。

文字の属性ページ

Orca 修飾キーを押したときに、オブジェクトに関する既知の文字の属性情報が読み上げられます。構成 GUI の「文字の属性」ページでは、Orca で表示される文字の属性をカスタマイズできます。

image:Orca 文字の属性設定を示す図。

このページには、各行が 4 つの列で構成されている文字の属性リストが表示されます。

最初にダイアログが表示されるときに、リストの値を初期状態に戻すには、「リセット」ボタン (Alt + R キー) を使用します。

最初に文字の属性区画を表示するときに、選択されたすべての属性がリストの一番上に表示されます。属性は、点字で読み上げられ、使用される順序で表示されます。

その他を選択したり、順序を調整したりするには、「選択した属性の調整」ボタンを使用します。

指定された属性を 1 つ以上含むテキストを示すために使用されるセル (複数可) を選択するには、「点字の表示方法」ボタンを使用します。選択肢は次のとおりです。

文字の属性をアプリケーションごとに設定することもできます。「文字の属性」区画は、「アプリケーション固有の設定」ダイアログボックスの一部です。このダイアログボックスは、特定のアプリケーションにフォーカスがあるときに、Orca 修飾 + Ctrl + Space キーを入力すると起動されます。

Orca のキーボードコマンドを使用する

「キーの割り当て」ページでは、Orca 構成 GUI で使用可能なキーボードコマンドの完全リストを示します。Orca 構成 GUI を開くには、Orca 修飾 + Space キーを押します。

Orca の実行中に Orca の学習モードに移行するには、Orca 修飾 + H キーを押します。Orca の学習モードでは、すべてのキーボードおよび点字の入力イベントが解釈され、その効果が表示されます。学習モードを終了するには、Escape キーを押します。

Orca では、Firefox などの一部のアプリケーション用の追加コマンドも提供されています。アプリケーション用の追加コマンドのリストを表示するには、アプリケーションにフォーカスがあるときに、Ctrl + Orca 修飾 + Space キーを押します。Orca 構成 GUI はアプリケーション固有の状態で開き、「キーの割り当て」ページに追加コマンドが表示されます。

GNOME デスクトップには、デスクトップおよびアプリケーションを制御するための組み込みキーボードコマンドもあります。GNOME ショートカットキーの詳細は、第 4 章キーボードを使用してデスクトップをナビゲートするを参照してください。


注意

注意 - マウスキーは KP_Insert キーを使用して、マウスボタンを押すことをエミュレートします。これを有効にすると、マウスキーが Orca 修飾キーとして KP_Insert と競合することにより、Orca 修飾キーがスタックする可能性があります。代替策として、ノートパソコンのキーの割り当てを使用すれば、Orca コマンドのキーパッドが回避されます。誤ってマウスキーを有効にした場合でも、gnome-keyboard-properties アプリケーションを使用すれば無効にすることができます。


デスクトップ配列のコマンドを使用する

次の節では、デスクトップキーボードで共通する Orca キーボードコマンドをカテゴリ別に整列して一覧表示します。

フラットレビューのキーボードコマンド

次の表には、デスクトップ配列を使用した場合のフラットレビューコマンドに対応するキーボードショートカットを一覧表示します。

キー
機能
Numpad + 7
フラットレビューカーソルを前の行に移動して読み上げます
Numpad + 8
現在の行を読み上げます。
Numpad + 9
フラットレビューカーソルを次の行に移動して読み上げます
Numpad + 4
フラットレビューカーソルを前の単語に移動して読み上げます
Numpad + 5
現在の単語を読み上げます
Numpad + 6
フラットレビューカーソルを次の単語に移動して読み上げます
Numpad + 1
フラットレビューカーソルを前の文字に移動して読み上げます
Numpad + 2
現在の文字を読み上げます
Numpad + 3
フラットレビューカーソルを次の文字に移動して読み上げます
Numpad + スラッシュ
フラットレビューカーソルの位置で左マウスのクリックを実行します
Numpad + アスタリスク
フラットレビューカーソルの位置で右マウスのクリックを実行します
Numpad + マイナス記号
フラットレビューモードとフォーカス追跡モードを切り替えます

注 - これらのコマンドは、テキストの操作時の他に、オブジェクトの操作時にも適用されます。たとえば、フラットレビューカーソルがメニューバーにある場合に、「現在行の読み上げ」コマンドを発行すると、表示されるすべてのメニューの名前が読み上げられます。同様に、「次の単語の読み上げ」コマンドを発行すると、同じ行のフラットレビューカーソルの右側にあるオブジェクトが読み上げられます。また、これ以上オブジェクトが見つからない場合は、フラットレビューが次の行に移動します。


ブックマークのキーボードコマンド

次の表には、デスクトップ配列を使用した場合のブックマークコマンドに対応するショートカットキーを一覧表示します。

キー
機能
Alt + Insert + [1-6]
ブックマークを番号付きスロットに割り当てます。すでにブックマークがスロットに存在する場合は、新しいブックマークで置換されます。
Insert + [1-6]
この番号付きスロットに割り当てられたブックマークで指定された位置に移動します。
Alt + Shift + [1-6]
このブックマークの現在位置情報を、現在のポインタ位置と相対的に示します。
Insert + B および Insert + Shift + B
特定のアプリケーションまたはページに指定されたブックマーク間を移動します。
Alt + Insert + B
現在のアプリケーションまたはページに定義されたブックマークを保存します。
その他の機能

次の表には、デスクトップ配列を使用した場合のその他の機能に対応するショートカットキーを一覧表示します。

キー
機能
Numpad + プラス記号
すべてを読み上げるコマンド。キャレットの現在位置からドキュメントの最後までを読み上げます。
Numpad + Return
現在位置のコマンド。現在フォーカスのあるコントロールの名前の他に、現在のアプリケーションウィンドウのタイトルなどの情報も読み上げます。
Insert + H
学習モードに移行します。終了するには、Escape キーを押します。
Insert + F
現在の文字に関するフォントおよび属性情報を読み上げます。
Insert + Space
Orca 構成ダイアログボックスを表示します。
Insert + Ctrl + Space
ユーザー設定を再ロードし、必要に応じてサービスを再初期化します。また、現在のアプリケーション用の Orca 構成ダイアログボックスを表示します。
Insert + S
読み上げのオンとオフを切り替えます。
Insert + F11
表の読み上げ単位を単一セルとセル全体のいずれかに切り替えます。
Insert + Q
Orca を終了します。
デバッグのキーボードコマンド

次の表には、デスクトップ配列を使用した場合のデバッグコマンドに対応するショートカットキーを一覧表示します。

キー
機能
Ctrl + Alt + Insert + Home
現在アクティブなスクリプトに関する情報を報告します。

注 - 次の 3 つのコマンドを使用するには、仮想コンソールまたは gnome-terminal から Orca を起動する必要があります。出力はコンソールにのみ送信され、読み上げや点字には送信されません。


Ctrl + Alt + Insert + End
Orca を実行しているコンソールに既知のすべてのアプリケーションのデバッグリストを出力します。
Ctrl + Alt + Insert + Page Up
フォーカスのあるオブジェクトの上位オブジェクトに関するデバッグ情報を出力します。
Ctrl + Alt + Insert + Page Down
フォーカスのあるアプリケーションの階層に関するデバッグ情報を出力します。

ノートパソコン配列のコマンドを使用する

次に、ノートパソコンキーボードで共通する Orca キーボードコマンドをカテゴリ別に整列した一覧を示します。

フラットレビューのキーボードコマンド

次の表には、ノートパソコン配列を使用した場合のフラットレビューコマンドに対応するキーボードショートカットを一覧表示します。

キー
機能
Caps Lock + U
フラットレビューカーソルを前の行に移動して読み上げます。ダブルクリックすると、フラットレビューがカーソルウィンドウの一番上に移動します。
Caps Lock + I
現在の行を読み上げます。ダブルクリックすると、書式設定や大文字使用の詳細を含む現在の行を読み上げます。
Caps Lock + O
フラットレビューカーソルを次の行に移動して読み上げます。ダブルクリックすると、フラットレビューがカーソルウィンドウの一番下に移動します。
Caps Lock + J
フラットレビューカーソルを前の単語に移動して読み上げます。ダブルクリックすると、フラットレビューが現在の単語の上にある単語に移動します。
Caps Lock + K
現在の単語を読み上げます。ダブルクリックすると、単語のスペルを読み上げます。トリプルクリックすると、入力された単語を発音どおりに読み上げます。
Caps Lock + L
フラットレビューカーソルを次の単語に移動して読み上げます。ダブルクリックすると、フラットレビューが現在の単語の下にある単語に移動します。
Caps Lock + M
フラットレビューカーソルを前の文字に移動して読み上げます。ダブルクリックすると、フラットレビューが現在の行の最後に移動します。
Caps Lock + コンマ
現在の文字を読み上げます。ダブルクリックすると、英字の場合はその文字を発音どおりに読み上げます。
Caps Lock + ピリオド
フラットレビューカーソルを次の文字に移動して読み上げます。
Caps Lock + 7
フラットレビューカーソルの位置で左マウスのクリックを実行します。
Caps Lock + 8
フラットレビューカーソルの位置で右マウスのクリックを実行します。
Caps Lock + p
フラットレビューモードとフォーカス追跡モードを切り替えます。

これらのコマンドは、テキストの操作時の他に、オブジェクトの操作時にも適用されます。たとえば、フラットレビューカーソルがメニューバーにある場合に、「現在行の読み上げ」コマンドを発行すると、表示されるすべてのメニューの名前が読み上げられます。同様に、「次の単語の読み上げ」コマンドを発行すると、同じ行のフラットレビューカーソルの右側にあるオブジェクトが読み上げられます。これ以上オブジェクトが見つからない場合は、フラットレビューが次の行に移動します。

ブックマークのキーボードコマンド

次の表には、ノートパソコン配列を使用した場合のブックマークコマンドに対応するキーボードショートカットを一覧表示します。

キー
機能
Alt + Caps Lock + [1-6]
ブックマークを番号付きスロットに追加します。すでにブックマークがスロットに存在する場合は、新しいブックマークで置換されます。
Caps Lock + [1-6]
この番号付きスロットに割り当てられたブックマークで指定された位置に移動します。
Alt + Shift + [1-6]
このブックマークの現在位置情報を、現在のポインタ位置と相対的に示します。
Caps Lock + B
特定のアプリケーションまたはページに指定されたブックマーク間を移動します。
Alt + Caps Lock + B
現在のアプリケーションまたはページに定義されたブックマークを保存します。
その他のキーボードコマンド

次の表には、ノートパソコン配列を使用した場合のその他の機能に対応するショートカットキーを一覧表示します。

キー
機能
Caps Lock + セミコロン
すべてを読み上げるコマンド。キャレットの現在位置からドキュメントの最後までを読み上げます。
Caps Lock + Return
現在位置のコマンド。現在フォーカスのあるコントロールの名前の他に、現在のアプリケーションウィンドウのタイトルなどの情報も読み上げます。
Caps Lock + H
学習モードに移行します。終了するには、Escape キーを押します。
Caps Lock + F
現在の文字に関するフォントおよび属性情報を読み上げます。
Caps Lock + Space
Orca 構成ダイアログを起動します。
Caps Lock + Ctrl + Space
ユーザー設定を再ロードし、必要に応じてサービスを再初期化します。現在のアプリケーション用の Orca 構成ダイアログも起動されます。
Caps Lock + S
読み上げのオンとオフを切り替えます。
Caps Lock + F11
表の読み上げ単位を単一セルとセル全体のいずれかに切り替えます。
Caps Lock + Q
Orca を終了します。
デバッグのキーボードコマンド

次の表には、ノートパソコン配列を使用した場合のデバッグコマンドに対応するショートカットキーを一覧表示します。

キー
機能
Caps Lock + Alt + Ctrl + Home
現在アクティブなスクリプトに関する情報を報告します。

注 - 次の 3 つのコマンドを使用するには、仮想コンソールまたは gnome-terminal から Orca を起動する必要があります。出力はコンソールにのみ送信され、読み上げや点字には送信されません。


Caps Lock + Alt + Ctrl + End
Orca を実行しているコンソールに既知のすべてのアプリケーションのデバッグリストを出力します。
Caps Lock + Alt + Ctrl + Page Up
フォーカスのあるオブジェクトの上位オブジェクトに関するデバッグ情報を出力します。
Caps Lock + Alt + Ctrl + Page Down
フォーカスのあるアプリケーションのオブジェクト階層に関するデバッグ情報を出力します。

アプリケーション固有の情報

Orca は、AT-SPI (Assistive Technology Service Provider Interface) をサポートするアプリケーションおよびツールキットを操作するように設計されています。これらのアプリケーションには、Oracle Solaris デスクトップ およびそのバンドルアプリケーション (OpenOffice、Firefox、および Java プラットフォーム) が同梱されています。

アプリケーション固有の設定を行う

  1. 特定のアプリケーションの設定をカスタマイズするには、該当するアプリケーションを起動します。
  2. アプリケーションにフォーカスがあることを確認してから、Orca 修飾 + Ctrl + Space キーを押します。

    Orca 構成ダイアログと似ているタブ付きのダイアログウィンドウが表示されますが、次の点で違いがあります。

    • 初期の「一般」区画がありません。

    • 「読み上げ」区画の「読み上げシステムと読み上げシンセサイザー」オプションがアクティブになっていません。

    • アプリケーション固有のキーの割り当てが「キーの割り当て」区画リストの一番上に表示されます。

    • 新しいアプリケーション固有の設定区画が標準のタブセットの最後に表示される場合もあります。タブリストから「終了」キーを押すと、一番右のタブに直接移動します。

    アプリケーション固有の設定を調整します。たとえば、一般に Orca ではキーエコーが無効になっていますが、特に GNOME カリキュレータアプリケーションを使用するために有効する場合があります。

    アプリケーション設定のカスタマイズが完了したら、「了解」をクリックします。

    これらの設定は、~/.orca/app-settings ディレクトリ の APPNAME.py (APPNAME はアプリケーションの名前) というファイルに書き込まれます。

    これらのファイルは、Orca によって自動的に書き込まれます。該当アプリケーションのアプリケーション設定を変更するたびに、ファイルの内容が上書きされます。

    アプリケーション固有の設定またはコードを保持するには、~/.orca/app-settings/APPNAME-customizations.py というファイルにコピーします。このファイルは、アプリケーションの設定がロードされると自動的に読み込まれます。


    注 - アプリケーション固有のキーの割り当てを 1 つ以上調整する場合は、「了解」をクリックするまで新しい値が有効になりません。これを回避するには、Orca を再起動するか、または Alt + Tab キーを押して別のアプリケーションに移動してから、Alt + Tab キーを押してキーの割り当てを変更したばかりのアプリケーションに戻ります。


点字を有効にするには

Orca では、点字をサポートするために BRLTTY が使用されます。BRLTTY を使用して、テキストモードコンソールの内容にアクセスします。Oracle Solaris の点字を有効にした一般的なインストールでは、BRLTTY がすでに実行されていて、テキストコンソールにアクセスできます。Orca を起動すると、BRLTTY に接続されます。テキストコンソールから X ウィンドウシステムセッションに切り替えると、点字ディスプレイが自動的に続き、Orca で表示されている内容が表示されます。

現在、Orca は BRLTTY v3.8 以上で最適に機能しますが、BRLTTY v3.7.2 でも正常に機能します。このドキュメントでは、BRLTTY 3.8 での Orca の使用に関する情報を提供します。

Orca のトラブルシューティング

この節では、Orca でのトラブルシューティングに関するトピックについて説明します。

デスクトップが応答しない

  1. Alt + F2 キーまたは Meta + R キーを押して、「実行する」ダイアログを開きます。

  2. orca と入力してから Return キーを押して、Orca の新規インスタンスを起動します。

    これにより、既存の Orca プロセスが強制終了し、Orca が再起動します。

    この手順で、デスクトップがハングアップする可能性もあります。通常、この原因はアプリケーションの不正な動作です。


注 - 端末ウィンドウにアクセスできない場合は、Ctrl + Alt + Backspace キーを押してみてください。これにより、X ウィンドウシステムサーバーがシャットダウンします。

この操作によって、ログイン画面に戻ります。