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Oracle Solaris Studio 12.3: C ユーザーガイド Oracle Solaris Studio 12.3 Information Library (日本語) |
大部分の lint のメッセージは簡単な 1 行の文で、問題が起こって診断されるたびに出力されます。インクルードファイルで検出されたエラーはコンパイラによって複数回報告されますが、lint によってはそのファイルがほかのソースファイルに何度インクルードされても一度報告されるだけです。複合メッセージは、ファイル全域の矛盾に対して、また時にはファイル内の問題に対しても表示されます。単一メッセージは、検査しているファイルで問題が発生するごとに知らせます。lint フィルタを使用することで、発生ごとにメッセージの出力が必要になるときは、-s オプションを使用して lint を呼び出すことにより、複合メッセージを単純なタイプに変換できます。詳細は、「4.6.2 lint ライブラリ」を参照してください。
lint のメッセージは stderr に書き込まれます。
いくつかの lint オプションを使用して、lint 診断メッセージを抑制できます。メッセージは、-erroff オプションのあとに 1 つ以上の タグ を指定することで抑制できます。これらのニーモニックタグは、-errtags=yes オプションで表示することができます。
次の表に lint のメッセージを抑制するオプションを示します。
表 4-8 メッセージを抑制する lint オプション
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lint プログラムに特定のオプションを付けると、エラーが発生した行へのポインタを付けて、ソースファイルの正確な行が示されます。この機能を有効化するオプションは -errfmt=f で、lint から次の情報が提供されます。
ソースの行と位置
マクロの展開
エラーを起こしやすいスタック
たとえば、次に示すプログラム Test1.c にはエラーがあります。
1 #include <string.h> 2 static void cpv(char *s, char* v, unsigned n) 3 { int i; 4 for (i=0; i<=n; i++){ 5 *v++ = *s++;} 6 } 7 void main(int argc, char* argv[]) 8 { 9 if (argc != 0){ 10 cpv(argv[0], argc, strlen(argv[0]));} 11}
Test1.c に対して lint を —errfmt=src オプション付きで使用すると、次の出力が生成されます。
% lint -errfmt=src -Nlevel=2 Test1.c |static void cpv(char *s, char* v, unsigned n) | ^ line 2, Test1.c | | cpv(argv[0], argc, strlen(argv[0])); | ^ line 10, Test1.c warning: improper pointer/integer combination: arg #2 | |static void cpv(char *s, char* v, unsigned n) | ^ line 2, Test1.c | |cpv(argv[0], argc, strlen(argv[0])); | ^ line 10, Test1.c | | *v++ = *s++; | ^ line 5, Test1.c warning:use of a pointer produced in a questionable way v defined at Test1.c(2) ::Test1.c(5) call stack: main() , Test1.c(10) cpv() , Test1.c(5)
1 つめの警告は、2 つのコード行の間で矛盾があることを示しています。2 つめの警告には、コールスタックとエラーになるまでの制御フローが表示されます。
次に示すプログラム Test2.c には、前述のものとは異なる種類のエラーがあります。
1 #define AA(b) AR[b+l] 2 #define B(c,d) c+AA(d) 3 4 int x=0; 5 6 int AR[10]={1,2,3,4,5,6,77,88,99,0}; 7 8 main() 9 { 10 int y=-5, z=5; 11 return B(y,z); 12 }
Test2.c に対して lint を —errfmt=macro オプション付きで使用すると、次の出力が生成され、マクロ置換の手順が表示されます。
% lint -errfmt=macro Test2.c | return B(y,z); | ^ line 11, Test2.c | |#define B(c,d) c+AA(d) | ^ line 2, Test2.c | |#define AA(b) AR[b+l] | ^ line 1, Test2.c error: undefined symbol: l | | return B(y,z); | ^ line 11, Test2.c | |#define B(c,d) c+AA(d) | ^ line 2, Test2.c | |#define AA(b) AR[b+l] | ^ line 1, Test2.c variable may be used before set: l lint: errors in Test2.c; no output created lint: pass2 not run - errors in Test2.c