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Oracle Solaris Studio 12.3: C ユーザーガイド Oracle Solaris Studio 12.3 Information Library (日本語) |
libfast.a は、C 標準ライブラリのうち、32 ビットの SPARC 固有バージョンであり、シングルスレッドの単体で実行可能なアプリケーション用に最適化されたメモリー割り当てを実現します。これはオプションライブラリであるため、標準 C ライブラリに適していない可能性のあるアルゴリズムやデータ表現を使用できます。ただし、ほとんどのアプリケーションのパフォーマンスが改善されます。
プロファイリングを使用して、次のチェックリストのルーチンが自分のアプリケーションのパフォーマンスにとって重要かどうかを判断してください。それから、このチェックリストを使用して、libfast.a がパフォーマンスに利益をもたらすかどうかを判断してください。
メモリー割り当てのパフォーマンスが重要で、通常もっとも多く割り当てられるメモリーのサイズが 2 のべき乗に近い場合は libfast.a を使用してください。重要なルーチン: malloc()、free()、realloc()
ブロック移動またはブロック塗りつぶしのパフォーマンスが重要な場合は libfast.a を使用してください。重要なルーチン: bcopy()、bzero()、memcpy()、memmove()、memset()
アプリケーションがマルチスレッド対応である場合は、libfast.a を使用しないでください。
アプリケーションをリンクする際には、cc コマンドの後ろに -lfast オプションを加えてください。cc コマンドは標準の C ライブラリよりも先に libfast.a にあるルーチンをリンクします。