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Oracle Solaris Studio 12.3: C++ ユーザーズガイド     Oracle Solaris Studio 12.3 Information Library (日本語)
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ドキュメントの情報

はじめに

パート I C++ コンパイラ

1.  C++ コンパイラの紹介

2.  C++ コンパイラの使用方法

3.  C++ コンパイラオプションの使い方

パート II C++ プログラムの作成

4.  言語拡張

5.  プログラムの編成

6.  テンプレートの作成と使用

7.  テンプレートのコンパイル

8.  例外処理

9.  プログラムパフォーマンスの改善

10.  マルチスレッドプログラムの構築

パート III ライブラリ

11.  ライブラリの使用

12.  C++ 標準ライブラリの使用

13.  従来の iostream ライブラリの使用

14.  ライブラリの構築

14.1 ライブラリとは

14.2 静的 (アーカイブ) ライブラリの構築

14.3 動的 (共有) ライブラリの構築

14.4 例外を含む共有ライブラリの構築

14.5 非公開ライブラリの構築

14.6 公開ライブラリの構築

14.7 C API を持つライブラリの構築

14.8 dlopen を使って C プログラムから C++ ライブラリにアクセスする

パート IV 付録

A.  C++ コンパイラオプション

B.  プラグマ

用語集

索引

14.1 ライブラリとは

ライブラリには 2 つの利点があります。まず、ライブラリを使えば、コードをいくつかのアプリケーションで共有できます。共有するコードがある場合は、そのコードを含むライブラリを作成し、コードを必要とするアプリケーションとリンクできます。次に、ライブラリを使えば、非常に大きなアプリケーションの複雑さを軽減できます。アプリケーションの中の、比較的独立した部分をライブラリとして構築および保守することで、プログラマはほかの部分の作業により専念できるようになるためです。

ライブラリの構築とは、.o ファイルを作成し (コードを -c オプションでコンパイルし)、これらの .o ファイルを CC コマンドでライブラリに結合することです。ライブラリには、静的 (アーカイブ) ライブラリと動的 (共有) ライブラリがあります。

静的 (アーカイブ) ライブラリの場合は、のオブジェクトがリンク時にプログラムの実行可能ファイルにリンクされます。アプリケーションにとって必要な .o ファイルだけがライブラリから実行可能ファイルにリンクされます。静的 (アーカイブ) ライブラリの名前には、一般的に接尾辞として .a が付きます。

動的 (共有) ライブラリの場合は、 ライブラリのオブジェクトはプログラムの実行可能ファイルにリンクされません。その代わりに、プログラムがこのライブラリに依存することをリンカーが実行可能ファイルに記録します。プログラムが実行されるとき、システムは、プログラムに必要な動的ライブラリを読み込みます。同じ動的ライブラリを使用する 2 つのプログラムが同時に実行されると、ライブラリはこれらのプログラムによって共有されます。動的 (共有) ライブラリの名前には、接尾辞として .so が付きます。

共有ライブラリを動的にリンクすることは、アーカイブライブラリを静的にリンクすることに比べていくつかの利点があります。

ただし、動的ライブラリには短所もあります。