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Oracle Solaris Cluster Data Service for Oracle Real Application Clusters ガイド Oracle Solaris Cluster 4.0 (日本語) |
6. Oracle RAC のサポート のトラブルシューティング
Oracle RAC のサポート のステータスを検証する方法
Oracle RAC のサポート の初期化中のノードパニック
ucmmd デーモンまたは関連コンポーネントの障害から回復する方法
複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループの障害
複数所有者ボリュームマネージャーフレームワークの初期化中のノードパニック
vucmmd デーモンまたは関連コンポーネントの障害から回復する方法
SUNW.rac_framework または SUNW.vucmm_framework リソースの開始の失敗
SUNW.rac_framework の起動失敗ステータスメッセージ
以降のサブセクションでは、Oracle RAC のサポート に影響を与える可能性がある問題について説明します。各サブセクションで、問題の原因と問題の解決方法について説明します。
このセクションでは、Oracle RAC フレームワークリソースグループに影響を与える可能性がある問題について説明します。
Oracle RAC のサポート の初期化中に致命的な問題が発生した場合は、次のエラーメッセージと同様のエラーメッセージとともにノードでパニックが発生します。
panic[cpu0]/thread=40037e60: Failfast: Aborting because "ucmmd" died 30 seconds ago
説明: 再構成中に、UCMM が制御するコンポーネントが UCMM にエラーを返しました。
原因: この問題のもっとも一般的な原因は次のとおりです。
再構成の手順がタイムアウトしたために、Oracle RAC のサポート の初期化中にノードでパニックが発生する場合もあります。詳細は、「タイムアウトによって発生するノードパニック」を参照してください。
対処方法: この問題を修正する手順については、「ucmmd デーモンまたは関連コンポーネントの障害から回復する方法」を参照してください。
注 - ノードがグローバルクラスタのグローバルクラスタ投票ノードである場合は、ノードパニックによってマシン全体が停止します。ノードがゾーンクラスタノードである場合は、ノードパニックによってその特定のゾーンだけが停止し、ほかのゾーンは影響を受けません。
UCMM デーモン ucmmd は、Oracle RAC のサポート の再構成を管理します。クラスタがブートまたはリブートされると、このデーモンは Oracle RAC のサポート のすべてのコンポーネントが検証されてから開始されます。ノード上のコンポーネントの検証に失敗すると、そのノード上では ucmmd デーモンが開始されません。
この問題のもっとも一般的な原因は次のとおりです。
Oracle RAC のサポート のコンポーネントの以前の再構成中にエラーが発生した。
Oracle RAC のサポート の以前の再構成に含まれる手順がタイムアウトしたため、タイムアウトが発生したノードでパニックが発生した。
この問題を修正する手順については、「ucmmd デーモンまたは関連コンポーネントの障害から回復する方法」を参照してください。
次のセクションで説明する問題を修正するには、このタスクを実行します。
UCMM 再構成のログファイルの場所については、「診断情報のソース」を参照してください。
これらのファイルを調べるときは、最新のメッセージから始めて、問題の原因が特定されるまで過去にさかのぼります。
再構成エラーの原因を示している可能性があるエラーメッセージについては、『Oracle Solaris Cluster Error Messages Guide 』を参照してください。
例:
詳細は、「タイムアウトによって発生するノードパニック」を参照してください。
特定の問題の解決方法でのみ、リブートが必要です。たとえば、共有メモリーの量を増やす場合は、リブートが必要です。しかし、手順のタイムアウトの値を増やす場合は、リブートは必要ありません。
ノードをリブートする方法については、『Oracle Solaris Cluster システム管理』の「クラスタ内の 1 つのノードの停止と起動」を参照してください。
この手順により、構成変更を加えたリソースグループが更新されます。
# clresourcegroup offline -n node rac-fmwk-rg
問題が発生したノードのノード名とノード識別子 (ID) を指定します。
オフラインにするリソースグループの名前を指定します。
# clresourcegroup online -emM -n node rac-fmwk-rg
このセクションでは、複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループに影響を与える可能性がある問題について説明します。
複数所有者ボリュームマネージャーフレームワークの初期化中に致命的な問題が発生した場合は、次のようなエラーメッセージとともにノードでパニックが発生します。
注 - ノードがグローバルクラスタのグローバルクラスタ投票ノードである場合は、ノードパニックによってマシン全体が停止します。
複数所有者ボリュームマネージャーフレームワークのデーモン vucmmd は、複数所有者ボリュームマネージャーフレームワークの再構成を管理します。クラスタがブートまたはリブートされると、このデーモンは複数所有者ボリュームマネージャーフレームワークのすべてのコンポーネントが検証されてから開始されます。ノード上のコンポーネントの検証に失敗すると、そのノード上では vucmmd デーモンが開始されません。
この問題のもっとも一般的な原因は次のとおりです。
複数所有者ボリュームマネージャーフレームワークのコンポーネントの以前の再構成中にエラーが発生した。
複数所有者ボリュームマネージャーフレームワークの以前の再構成に含まれる手順がタイムアウトしたため、タイムアウトが発生したノードでパニックが発生した。
この問題を修正する手順については、「vucmmd デーモンまたは関連コンポーネントの障害から回復する方法」を参照してください。
次のセクションで説明する問題を修正するには、このタスクを実行します。
複数所有者ボリュームマネージャーフレームワーク再構成のログファイルの場所については、「診断情報のソース」を参照してください。
これらのファイルを調べるときは、最新のメッセージから始めて、問題の原因が特定されるまで過去にさかのぼります。
再構成エラーの原因を示している可能性があるエラーメッセージについては、『Oracle Solaris Cluster Error Messages Guide 』を参照してください。
特定の問題の解決方法でのみ、リブートが必要です。たとえば、共有メモリーの量を増やす場合は、リブートが必要です。しかし、手順のタイムアウトの値を増やす場合は、リブートは必要ありません。
ノードをリブートする方法については、『Oracle Solaris Cluster システム管理』の「クラスタ内の 1 つのノードの停止と起動」を参照してください。
この手順により、構成変更を加えたリソースグループが更新されます。
# clresourcegroup offline -n node vucmm-fmwk-rg
問題が発生したノードのノード名とノード識別子 (ID) を指定します。
オフラインにするリソースグループの名前を指定します。
# clresourcegroup online -emM -n node vucmm-fmwk-rg
Oracle RAC のサポート 再構成の手順のいずれかがタイムアウトすると、タイムアウトが発生したノードでパニックが発生します。
再構成の手順がタイムアウトしないようにするには、クラスタ構成に依存するタイムアウトを調整します。詳細は、「タイムアウト設定のガイドライン」を参照してください。
再構成の手順がタイムアウトした場合は、Oracle Solaris Cluster の保守コマンドを使用して、その手順のタイムアウトを指定する拡張プロパティーの値を増やします。詳細は、付録 C Oracle RAC のサポート 拡張プロパティーを参照してください。
拡張プロパティーの値を増やしたら、パニックが発生したノードで Oracle RAC フレームワークリソースグループをオンラインにします。
SUNW.rac_framework または SUNW.vucmm_framework リソースの起動に失敗した場合は、リソースのステータスを検証して、失敗の原因を判定します。詳細は、「Oracle RAC のサポート のステータスを検証する方法」を参照してください。
起動に失敗したリソースの状態は、「起動に失敗」として表示されます。関連付けられたステータスメッセージは、起動に失敗した原因を示します。
このセクションには、次の情報が含まれます。
次のステータスメッセージは、SUNW.rac_framework リソースの起動の失敗に関連付けられています。
Faulted - ucmmd is not running
説明: リソースが存在するノードで ucmmd デーモンが実行されていません。
対処方法: この問題の修正方法については、「ucmmd デーモンの開始の失敗」を参照してください。
Degraded - reconfiguration in progress
説明: UCMM は再構成中です。このメッセージが問題を示すのは、UCMM の再構成が完了しておらず、このリソースのステータスが持続的に低下したままになっている場合だけです。
原因: このメッセージが問題を示す場合、失敗の原因は Oracle RAC のサポート の 1 つ以上のコンポーネントの構成エラーです。
対処方法: この問題の解決方法は、メッセージが問題を示しているかどうかによって異なります。
メッセージが問題を示している場合は、「ucmmd デーモンまたは関連コンポーネントの障害から回復する方法」の説明に従って問題を修正します。
メッセージが問題を示していない場合は、何もする必要はありません。
説明: SUNW.rac_framework リソースの START メソッドがタイムアウトするまでに、Oracle RAC の再構成が完了しませんでした。
対処方法: この問題を修正する手順については、「START メソッドのタイムアウトから回復する方法」を参照してください。
次のステータスメッセージは、SUNW.vucmm_framework リソースの起動の失敗に関連付けられています。
Faulted - vucmmd is not running
説明: リソースが存在するノードで vucmmd デーモンが実行されていません。
対処方法: この問題の修正方法については、「vucmmd デーモンの開始の失敗」を参照してください。
Degraded - reconfiguration in progress
説明: 複数所有者ボリュームマネージャーフレームワークは再構成中です。このメッセージが問題を示すのは、複数所有者ボリュームマネージャーフレームワークの再構成が完了しておらず、このリソースのステータスが持続的に低下したままになっている場合だけです。
原因: このメッセージが問題を示す場合、失敗の原因は複数所有者ボリュームマネージャーフレームワークの 1 つ以上のコンポーネントの構成エラーです。
対処方法: この問題の解決方法は、メッセージが問題を示しているかどうかによって異なります。
メッセージが問題を示している場合は、「vucmmd デーモンまたは関連コンポーネントの障害から回復する方法」の説明に従って問題を修正します。
メッセージが問題を示していない場合は、何もする必要はありません。
説明: SUNW.vucmm_framework リソースの START メソッドがタイムアウトするまでに、Oracle RAC の再構成が完了しませんでした。
対処方法: この問題を修正する手順については、「START メソッドのタイムアウトから回復する方法」を参照してください。
この操作を実行するには、リソースグループのプライマリノードを、グループがオンラインになっているほかのノードに切り替えます。
# clresourcegroup offline -n nodelist resource-group
resource-group がオンラインになっているほかのクラスタノードのコンマ区切りリストを指定します。START メソッドがタイムアウトしたノードは、このリストから除外します。
フレームワークリソースグループの名前を指定します。
複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループと Oracle RAC フレームワークリソースグループの両方が構成に使用されている場合は、最初に複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループをオフラインにします。複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループがオフラインになったら、次に Oracle RAC フレームワークリソースグループをオフラインにします。
Oracle RAC フレームワークリソースグループが clsetup ユーティリティーを使用して作成された場合、リソースグループの名前は rac-framework-rg です。
# clresourcegroup online resource-group
手順 2 でオフラインにしたリソースグループを MANAGED 状態にしてオンラインにするように指定します。
リソースの停止に失敗した場合は、『Oracle Solaris Cluster Data Services Planning and Administration Guide』の「Clearing the STOP_FAILED Error Flag on Resources」の説明に従って問題を修正します。