Oracle RAC のサポートのインストールと構成の確認

Oracle RAC のサポートをインストール、登録、および構成したら、インストールと構成を確認します。Oracle RAC のサポートのインストールと構成を確認することによって、Oracle RAC のリソースおよびリソースグループが期待どおりに動作するかどうかがわかります。

リソース間のオフライン再起動依存関係は、独立したリソースをオフラインにする場合に、依存しているリソースを最初にオフラインにすることを保証します。依存しているリソースは、独立したリソースが再起動されるまで、オフラインのままになります。このセクションの手順では、こうした依存関係が正しく設定されていることを確認する方法を説明します。オフライン再起動依存関係の詳細については、r_properties(5) マニュアルページの resource_dependencies_offline_restart リソースプロパティーの説明を参照してください。

Oracle RAC のサポートのインストールと構成を確認するには、次のタスクを伴います。

Oracle RAC フレームワークリソースグループを使用している場合はその構成を確認し、次に、複数所有者ボリュームマネージャーフレームワークリソースグループの構成を確認します。「Oracle RAC フレームワークリソースグループの構成の確認方法」および「複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループの構成の確認方法」を参照してください。
Oracle ファイルのストレージリソースの構成を確認します。「Oracle ファイル用のストレージリソースの構成の確認方法」を参照してください。
Oracle RAC データベースインスタンスのリソースの構成を確認します。「Oracle RAC データベースインスタンスのリソースの構成の確認方法」を参照してください。
クラスタのシャットダウンとブートが正しく動作していることを確認します。「クラスタの停止およびブートのための適切な動作の確認方法」を参照してください。

Oracle RAC フレームワークリソースグループの構成の確認方法

Oracle RAC フレームワークリソースグループは、「Oracle RAC フレームワークリソースグループの登録と構成」で説明したタスクを実行すると作成されます。

クラスタノードでスーパーユーザーになるか、solaris.cluster.read および solaris.cluster.admin RBAC 承認を与える役割になります。
Oracle RAC フレームワークリソースグループが正しく構成されていることを確認します。
```
# clresourcegroup show rac-fmk-rg
```
rac-fmk-rg

Oracle RAC フレームワークリソースグループの名前を指定します。
Oracle RAC フレームワークリソースグループがまだオンラインになっていない場合は、Oracle RAC フレームワークリソースグループをオンラインにします。
```
# clresourcegroup online rac-fmwk-rg
```
rac-fmk-rg

Oracle RAC フレームワークリソースグループの名前を指定します。
Oracle RAC フレームワークリソースグループがオンラインになっていることを確認します。
```
# clresourcegroup status
```

複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループの構成の確認方法

RAC 構成で使用するボリュームマネージャーリソースを含む複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループを使用する場合は、この手順を実行します。

クラスタノードでスーパーユーザーになるか、solaris.cluster.read および solaris.cluster.admin RBAC 承認を与える役割になります。
複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループが正しく構成されていることを確認します。
```
# clresourcegroup show vucmm-fmk-rg
```
vucmm-fmk-rg

複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループの名前を指定します。
複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループがまだオンラインでない場合は、複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループをオンラインにします。
```
# clresourcegroup online vucmm-fmwk-rg
```
vucmm-fmk-rg

複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループの名前を指定します。
RAC リソースグループがオンラインであることを確認します。
```
# clresourcegroup status
```

Oracle ファイル用のストレージリソースの構成の確認方法

このタスクは、ストレージ管理方式の構成で Oracle ファイル用のストレージリソースが必要な場合にのみ実行します

クラスタノード上でスーパーユーザーになります。
Oracle ファイル用ストレージリソースを含むすべてのリソースグループが正しく構成されていることを確認します。
```
# clresourcegroup show rac-storage-rg-list
```
rac-storage-rg-list

Oracle ファイル用ストレージリソースを含むリソースグループのリストをコンマ区切りで指定します。
RAC データベースリソースが依存するリソースを含むリソースグループをオフラインにします。
```
# clresourcegroup offline rac-storage-rg
```
rac-storage-rg
RAC データベースリソースが依存するリソースを含むリソースグループの名前を指定します。オフラインにするリソースグループは、Oracle ファイル用に選択したストレージ管理方式によって異なります。
- Oracle ファイル用に共有ファイルシステムを使用している場合は、スケーラブルファイルシステムのマウントポイントリソースを含むリソースグループをオフラインにします。
- Oracle ファイル用にファイルシステムなしでボリュームマネージャーを使用している場合は、スケーラブルデバイスグループリソースを含むリソースグループをオフラインにします。
このステップが完了するには数分間かかる場合があります。
Oracle RAC 用のリソースグループが次のように動作することを確認します。
- 手順 3 でオフラインにしたリソースグループのステータスがオフラインである。
- Oracle RAC データベースリソースグループのステータスがオフラインである。
- Oracle RAC フレームワークリソースグループのステータスは、保留中オンラインブロックです。
```
# clresourcegroup status
```
Oracle Grid Infrastructure リソースがオフラインであることを確認します。
Oracle Grid Infrastructure リソースがオフラインであることを確認するには、システムメッセージファイルを調べて、Oracle Grid Infrastructure リソースが停止されていることを示すメッセージを見つけます。
手順 3 でオフラインにしたリソースグループをオンラインにします。
```
# clresourcegroup online rac-storage-rg
```
rac-storage-rg

手順 3 でオフラインにしたリソースグループの名前を指定します。

このステップが完了するには数分間かかる場合があります。
各ノードで、Oracle Grid Infrastructure. を再起動します。
```
# Grid_home/bin/crsctl start crs
Startup will be queued to init within 30 seconds.
```
Grid_home

Oracle Grid Infrastructure ホームディレクトリを指定します。このディレクトリには、Oracle Grid Infrastructure バイナリファイルと Oracle Grid Infrastructure 構成ファイルが含まれています。

このステップが完了するには数分間かかる場合があります。
各ノードで、Oracle Grid Infrastructure リソースがオンラインであることを確認します。
この目的には、Oracle コマンド crstat を使用します。
```
# Grid_home/bin/crsctl stat res -t
```
注 - すべてのノードで Oracle Grid Infrastructure を起動するには、数分間かかる場合があります。Oracle Grid Infrastructure リソースがすべてのノードでオンラインになる前にこのステップを実行した場合、一部のノードでステータスがオフラインになることがあります。その場合は、Oracle Grid Infrastructure のステータスがすべてのノードでオンラインになるまで、このステップを繰り返します。
Oracle RAC のすべてのリソースグループがオンラインであることを確認します。
```
# clresourcegroup status
```
注 - RAC データベースリソースが依存するリソースを含むリソースグループをオンラインにすると、RAC データベースリソースグループもオンラインになります。RAC データベースリソースグループがすべてのノードでオンラインになる前にこのステップを実行した場合、一部のノードでステータスがオンライン障害になることがあります。その場合は、RAC データベースリソースグループのステータスがすべてのノードでオンラインになるまで、このステップを繰り返します。

Oracle RAC データベースインスタンスのリソースの構成の確認方法

Oracle RAC データベースインスタンスのリソースは、次のいずれかのセクションのタスクを実行したときに作成されます。

クラスタノード上でスーパーユーザーになります。
データベースリソースグループが正しく構成されていることを確認します。
```
# clresourcegroup show rac-db-rg
```
rac-db-rg

データベースリソースグループの名前を指定します。
必要に応じて、Oracle Solaris Cluster ストレージリソースを表す Oracle Grid Infrastructure リソースが正しく構成されていることを確認します。
```
# Grid_home/bin/crsctl stat res -t
```
Grid_home

Oracle Grid Infrastructure ホームディレクトリを指定します。このディレクトリには、Oracle Grid Infrastructure バイナリファイルと Oracle Grid Infrastructure 構成ファイルが含まれています。
Oracle Grid Infrastructure フレームワークリソースを無効にします。
```
# clresource disable -t SUNW.crs_framework +
```
このステップが完了するには数分間かかる場合があります。
Oracle Grid Infrastructure リソースがオフラインであることを確認します。
1. Oracle Grid Infrastructure リソースのステータスを取得します。
  この目的には、Oracle コマンド crstat を使用します。
```
# Grid_home/bin/crsctl stat res -t
CRS-0184: Cannot communicate with the CRS daemon.
```
  Grid_home
  
  Oracle Grid Infrastructure ホームディレクトリを指定します。このディレクトリには、Oracle Grid Infrastructure バイナリファイルと Oracle Grid Infrastructure 構成ファイルが含まれています。
2. システムメッセージファイルを調べて、Oracle Grid Infrastructure リソースが停止されたことを示すメッセージを見つけます。
次のリソースがすべてのノードでオフラインであることを確認します。
- Oracle Grid Infrastructure フレームワークリソース
- RAC データベースリソース
```
# clresource status -t SUNW.crs_framework,SUNW.scalable_rac_server_proxy +
```
各ノードで、Oracle Grid Infrastructure. を再起動します。
```
# Grid_home/bin/crsctl start crs
Startup will be queued to init within 30 seconds.
```
Grid_home

Oracle Grid Infrastructure ホームディレクトリを指定します。このディレクトリには、Oracle Grid Infrastructure バイナリファイルと Oracle Grid Infrastructure 構成ファイルが含まれています。

このステップが完了するには数分間かかる場合があります。
各ノードで、Oracle Grid Infrastructure リソースがオンラインであることを確認します。
この目的には、Oracle コマンド crstat を使用します。
```
# Grid_home/bin/crsctl stat res -t
```
注 - すべてのノードで Oracle Grid Infrastructure を起動するには、数分間かかる場合があります。Oracle Grid Infrastructure リソースがすべてのノードでオンラインになる前にこのステップを実行した場合、一部のノードでステータスがオフラインになることがあります。その場合は、Oracle Grid Infrastructure のステータスがすべてのノードでオンラインになるまで、このステップを繰り返します。
Oracle Grid Infrastructure フレームワークリソースを有効にします。
```
# clresource enable -t SUNW.crs_framework +
```
このステップが完了するには数分間かかる場合があります。
次のリソースがすべてのノードでオンラインであることを確認します。
- Oracle Grid Infrastructure フレームワークリソース
- RAC データベースリソース
```
# clresource status -t SUNW.crs_framework,SUNW.scalable_rac_server_proxy +
```
注 - Oracle Grid Infrastructure フレームワークを有効にすると、RAC データベースリソースも有効になります。RAC データベースリソースがすべてのノードで有効になる前にこのステップを実行した場合、一部のノードでステータスがオフラインになることがあります。その場合は、RAC データベースリソースのステータスがすべてのノードでオンラインになるまで、このステップを繰り返します。

クラスタの停止およびブートのための適切な動作の確認方法

Oracle RAC のサポートの構成が適切である場合、Oracle Solaris Cluster により、クラスタを停止およびブートしたときに Oracle RAC が適切に停止およびブートすることが保証されます。

注意 - このタスクには、ダウンタイムが必要です。他のデータサービスが実行されている運用クラスタ上で Oracle RAC のサポートのインストールと構成を確認する場合は、このタスクを省略します。

クラスタを停止します。
このタスクを実行する手順については、『Oracle Solaris Cluster システム管理』の「クラスタを停止する」を参照してください。
クラスタが正しくシャットダウンすることを確認します。
クラスタをブートします。
このタスクを実行する手順については、『Oracle Solaris Cluster システム管理』の「クラスタを起動する」を参照してください。
クラスタが正しく起動することを確認します。
すべての Oracle RAC リソースグループとそれらのリソースがオンラインであることを確認します。
```
# clresourcegroup status
```
注 - すべての Oracle RAC リソースグループをオンラインにするには、数分間かかる場合があります。リソースグループがすべてのノードで有効になる前にこのステップを実行した場合、一部のノードでステータスがオフラインになることがあります。その場合は、すべての Oracle RAC リソースグループのステータスがすべてのノードでオンラインになるまで、このステップを繰り返します。

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	Oracle Solaris Cluster Data Service for Oracle Real Application Clusters ガイド Oracle Solaris Cluster 4.0 (日本語)