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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer Plusユーザーズ・ガイド
11gリリース1 (11.1.1)
E51907-01
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8 Discovererでのグラフの作成

この章では、ビジネスに必要な情報を得るため、Discoverer Plus Relationalでグラフを作成する方法を説明します。項目は次のとおりです。

8.1 Discovererグラフの概要

Discovererのグラフは、ワークシート・データを図式化したもので、対話的に使用できます。通常、グラフを使用するとデータの傾向分析が簡単になります。次の例は、地域別利益高の3次元棒グラフを示しています。

図8-1 Discovererの3次元棒グラフ

Discovererグラフ

注意: この例にある下線付きの軸ラベル(Centre、East、West)は、グラフにドリルダウンできるリンクです。たとえば、下線付きの「West」軸ラベルをクリックすると、「West」地域の都市(Seattle、San Franciscoなど)のデータにドリルダウンします。

8.2 Discovererでのグラフの使用

Discovererには、データを視覚的に分析するのに役立つ様々なグラフが用意されています(たとえば、面グラフ、棒グラフ、折れ線グラフおよび散布図)。Discovererで使用可能なグラフ・タイプの詳細は、「Discovererで使用可能なグラフ・タイプ」を参照してください。

Discovererワークシートごとに1つのグラフを作成できます。ワークシートに現在表示されているアイテムのグラフを作成します。グラフを作成する前に、グラフに表すワークシートの数値が表示されていることを確認します。

Discovererのグラフは、ワークシートのドリルと同様にドリルアップおよびドリルダウンできます(詳細は、「ドリルアップとドリルダウンの方法」を参照)。

Discovererには、グラフの作成や編集を支援する「グラフの編集」ダイアログが用意されています(図8-2を参照)。

図8-2 Discovererの「グラフの編集」ダイアログ

「グラフ・タイプ」ページでのグラフ・タイプの選択

「グラフの編集」ダイアログは、次の場合に役立ちます。

ワークシートに表示されているデータを変更すると、そのグラフは自動的に更新され新しいデータが表示されます。

グラフを作成した後は、「グラフの編集」ダイアログを使用してグラフを編集するか、または「グラフ」ツールバーおよび右クリック・メニューを使用して、グラフの領域を編集できます(詳細は、「グラフの編集方法」を参照)。

ワークシートのグラフは、表示または非表示にできます(詳細は、「グラフを表示または非表示にする方法」を参照)。

ワークシートを保存すると、グラフはワークブック内のワークシートの一部として自動的に保存されます。つまり、グラフを明示的に保存する必要はありません。

注意:

8.3 Discovererグラフのコンポーネント

Discovererでのグラフの作成には柔軟性があり、グラフの各コンポーネントを設定できます。次の図は、一般的なDiscovererグラフのコンポーネントを示しています。

図8-3 Discovererグラフのコンポーネント

Discovererグラフのコンポーネント

図の解説:
a.グラフのタイトル。
b.Y軸のタイトル。
c.描画エリア。ワークシートのデータをグラフに表示します。
d.目盛きざみラベル。
e.X軸のタイトル。
f.X軸のラベル。軸ラベルはグラフへのドリルインが可能な下線(リンク)付きです。
g.垂直グリッド線。
h.水平グリッド線。
i.グラフの凡例(またはキー)。軸ラベルはグラフへのドリルインが可能な下線(リンク)付きです。
j.参照線。グラフの特定のデータ値を強調するために使用します。

Discovererでは、各グラフ・コンポーネントのフォントを変更できます。

8.4 グラフ・タイプとサブタイプ

Discovererでは、ワークシートのデータを視覚的に表示するために、様々なグラフ・タイプを選択できます。次に例を示します。

グラフ・タイプごとに1つ以上のバリエーション、つまりサブタイプがあります。たとえば、棒グラフ・タイプには次のサブタイプが含まれます。

グラフの中には二重Yサブタイプ、つまりY軸が2つあるものもあります。二重Yグラフは、次のタイプのデータを表示するのに便利です。

8.5 Discovererで使用可能なグラフ・タイプ

次のテーブルは、Discovererで使用可能なグラフ・タイプを示しています。

グラフのアイコン グラフのカテゴリおよび説明
この画像は本文中で説明されています
面グラフ: 塗りつぶした面でデータの傾向または変化を示すグラフ。このグラフは、累積高や累計データを示す場合に有効です。
この画像は本文中で説明されています
棒グラフ: 縦棒によって値を比較するグラフ。各値は1本の棒で表されます。棒グラフは一定期間のバリエーションを表示し、値間の比較を示します。積み上げサブタイプは、全体値と個別値の関係を示します。2つのY軸を指定できます(詳細は、「二重Yグラフ作成上の注意」を参照)。
この画像は本文中で説明されています
循環グラフ: 指向性データや、データ内の循環的パターンを示すグラフ。
この画像は本文中で説明されています
混合グラフ: 棒、線および面を組み合せたグラフ。このグラフ・タイプでは、1つ以上の系列のデータが強調されます。このグラフ・タイプを使用するには、最低2つの系列データが必要です。ある系列と別の系列の関係を示します。通常は二重Yグラフとして使用され、各系列がそれぞれ異なるY軸に対応します。
この画像は本文中で説明されています
横棒グラフ: 横棒によって値を比較するグラフ。このグラフ・タイプは、棒が水平に配置されている以外は棒グラフと同じです。積み上げサブタイプは、全体値と個別値の関係を示します。2つのY軸を指定できます(詳細は、「二重Yグラフ作成上の注意」を参照)。
この画像は本文中で説明されています
折れ線グラフ: 均一間隔におけるデータの傾向または変化を示すグラフ。データは一連のデータ・ポイントを結ぶ線で表されます。
この画像は本文中で説明されています
パレート・グラフ: グループに対する傾向を周期的および累積的に示すグラフ。各グループは、列で示されます。また、各グループの累積値が点線で表示されます。
この画像は本文中で説明されています
円グラフ: 円形のパイを切り分けるように円を区切ってデータを示すグラフ。円グラフは、全体に対する割合を示します。最高値などの重要な要素を強調するのに便利です。円グラフには、一度に1行または1列のデータのみが表示されます(詳細は、「円グラフ作成上の注意」を参照)。
この画像は本文中で説明されています
散布図/バブル・グラフ

散布図: 図面上に散布された点でデータを示すグラフ。各点は、2つの数値メジャーによって指定された座標の値です。散布図は、2つのメジャー間、たとえば売上と原価の関係を示す場合に便利です。それぞれの値に関係なく、すべての点は同じサイズです。

バブル・グラフ: 散布図と同様の方法でデータを表示するが、バブルの大きさによってさらに別のディメンションを示すグラフ。各バブルは、3つの数値メジャーによって指定された座標の値です。バブル・グラフは、メジャーが3つあるデータを比較する場合に便利です(詳細は、「バブル・グラフ作成上の注意」を参照)。

この画像は本文中で説明されています
株価グラフ: 株価の最高値、最安値および終値を時間軸上に帯で示すグラフ。株価グラフは、異なる株式の株価の比較または一定期間にわたる個別株式の株価の比較に便利です(詳細は、「高値、安値、終値の株価グラフ作成上の注意」を参照)。
この画像は本文中で説明されています
3Dグラフ: 正式な3次元グラフで3次元(3D)のデータを示すグラフ。X軸、Y軸およびZ軸があります。3Dグラフにはフロアー、ウォールおよびバックグラウンドがあります。

注意: このグラフ・タイプは、2次元グラフに3D効果を設定したグラフとは異なります。3D効果は、任意のグラフ・タイプに単純に立体感を与えるものです。


8.6 バブル・グラフ作成上の注意

Discovererで有効なグラフを作成するには、そのグラフのスタイルに合った適切なワークシート構成が必要です。

バブル・グラフを作成する場合は、次のガイドラインに従ってください。

次の図は、Discovererのワークシートおよびバブル・グラフ上に表示されたワークシート・データの例を示しています。

図8-4 Discovererワークシートとバブル・グラフの例

バブル・グラフの構成

たとえば、バブル・グラフに次のアイテムがあるとします(図8-4を参照)。

店舗面積と広告費が最大の店舗が最高の売上収益を上げたかどうかを確認できます。

上の図は、ワークシートのデータがバブル・グラフでどのように表されるかを示しています。バブルは売上を表しています。大きいバブルは、売上収益が大きいことを示します。小さいバブルは、売上収益が小さいことを示します。

8.7 高値、安値、終値の株価グラフ作成上の注意

始値、高値、安値、終値の株価グラフは、1つの株式の始値、高値、安値および終値を示すために特別に設計されたグラフです。各株価マーカーで4つの別々の値が示されます。

図8-5 高値、安値、終値の株価グラフの例

株価グラフの構成

高値、安値、終値の株価グラフ(または株価チャート)を作成する場合は、次のガイドラインに従ってください。

始値、高値、安値、終値の株価グラフのデータ構造は、次のとおりです。

始値、高値、安値、終値の株価グラフでは、グループごとに4つの値があります。

始値、高値、安値、終値の株価グラフには、次のワークシート・レイアウトが必要です。

8.8 二重Yグラフ作成上の注意

二重Yグラフを作成する場合は、次のガイドラインに従ってください。

次の図は、第1のY軸に売上、第2のY軸に原価を持つ二重Y棒グラフの例を示しています。

図8-6 ワークシートと二重Yグラフの例

二重Yグラフの構成

上の図では、Y1軸が0(ゼロ)から100万までのスケールで売上を表しています。Y2軸は、0(ゼロ)から50,000までのスケールで原価を表しています。その結果、異なるスケールを使用する場合でも、売上と原価を一緒に分析できます。

8.9 円グラフ作成上の注意

円グラフ(またはパイ・チャート)を作成する場合は、グラフの系列として列を使用するか(列系列)、行を使用するか(行系列)を指定します。次の図は、グラフの系列として列または行を使用した場合の相違を示しています。

図8-7 列系列を使用した円グラフ

円グラフ(行系列)の構成

図8-8 行系列を使用した円グラフ

円グラフ(列系列)の構成

8.10 グラフの編集方法

グラフを編集し、各ワークシートに対して自動的に作成されたグラフのグラフ設定を変更します。Discovererグラフでは、データとその傾向を視覚的に表示できます。ワークシートのグラフは、表示、非表示および編集できます。

Discovererには、グラフのグラフ設定を変更できる「グラフの編集」ダイアログが用意されています。「グラフの編集」ダイアログの残りのタブについてデフォルトの設定を使用する場合は、「OK」をクリックします。

ヒント: 開始する前に、グラフに示すデータがワークシートに表示されていることを確認します(詳細は、「Discovererでのグラフの使用」を参照)。

グラフを編集するには:

  1. 「編集」→「グラフ」を選択して「グラフの編集」ダイアログ: 「タイプ」タブを表示し、グラフ・タイプとグラフのサブタイプのリストからグラフ・タイプを選択します。

    「グラフ・タイプ」ダイアログ

    グラフ・タイプの選択の詳細は、「Discovererで使用可能なグラフ・タイプ」を参照してください。

    注意: ワークシートに非表示のグラフがすでに含まれている(つまり、「表示」メニューの「グラフ」チェック・ボックスが選択解除されている)場合は、「グラフの編集」ダイアログが表示され、グラフを編集できます。

  2. 「グラフの編集」ダイアログ: 「スタイル」タブを表示します。このタブでグラフ・スタイルを選択できます。

    「グラフ・タイプ」ダイアログ

    グラフ・スタイルは、グラフに適用する色とテキスト・スタイルの事前定義のセットです。たとえば、「デフォルト」、「オータム」、「会計」、「モノクロ」があります。

  3. 「グラフの編集」ダイアログ: 「タイトル、合計および系列」タブを表示します。このタブでは、次の操作を実行できます。

    • (オプション)グラフのタイトルを定義します。

    • 「グラフで表示するものを指定してください。」オプションを使用して、表示するデータを選択します(「データのみ」、「合計のみ」または「データと合計の両方」)。

    • 「グラフの系列」オプションを使用して、データを行で表示するか、列で表示するかを選択します。

    • (オプション)円グラフを作成する場合は、グラフに表示する行または列を選択します。

      「タイトル、合計および系列」ダブ

      円グラフを作成している場合は、「円グラフ・オプション」ボタンを使用できます。

  4. (オプション)円グラフを作成する場合は、グラフに表示する列または行を次のように選択します。

    1. 「円グラフ・オプション」をクリックして、「グラフの編集」ダイアログ: 「円グラフ・オプション」タブ(列)または「グラフの編集」ダイアログ: 「円グラフ・オプション」タブ(行)を表示します。

    2. アイテムのリストからグラフに表示する行または列を選択します。

    3. 「OK」をクリックします。

    注意: 「次へ」をクリックすると、「グラフの編集」ダイアログ: 「凡例」タブに移動します。円グラフにはX軸またはY軸を定義しません。

  5. 「グラフの編集」ダイアログ: 「X軸」タブを表示します。ここで、X軸の表示方法を指定します。

    「X軸」ダイアログ
  6. 「グラフの編集」ダイアログ: 「Y軸」タブを表示します。ここで、Y軸の表示方法を指定します。

    「Y軸」ダイアログ
  7. (オプション)二重Yグラフを作成している場合は、「グラフの編集」ダイアログ: 「Y2軸」ページ(二重Yタイプ・グラフ)を表示します。ここで、Y-2軸の表示方法を指定します。

    二重Yグラフの作成の詳細は、「二重Yグラフ作成上の注意」を参照してください。

  8. 「グラフの編集」ダイアログ: 「描画エリア」タブを表示します。ここで、表示するデータの色とスタイルを指定します。

    「描画エリア」ダイアログ
  9. 「グラフの編集」ダイアログ: 「凡例」タブを表示します。ここで、アイテムがグラフ上でどのように表示されているかを示すグラフの凡例を指定します。

    「凡例」ダイアログ
  10. 「OK」ボタンをクリックして詳細を保存し、グラフを表示します。

    ワークシートにグラフが表示されます。デフォルトでは、グラフはワークシートのデータの右側に表示されます。グラフの表示位置を変更するには、「表示」→「グラフの位置」を選択し、オプションのリストから位置を選択します。

グラフを表示しているワークシート

注意:

8.11 グラフを表示または非表示にする方法

不要になったグラフは非表示にします。グラフを表示するのは、ワークシートのデータを視覚的に表示する場合やグラフを編集する場合です。

注意: グラフを非表示にしても、ワークシートからは削除されません。グラフは、後でいつでも必要に応じて表示できます。

グラフを表示または非表示にするには:

  1. グラフを含むワークシートを表示します。

  2. 「表示」を選択して「表示」メニューを表示し、次のいずれかの操作を実行します。

    • 現行のワークシートに対するグラフを表示するには、「グラフ」チェック・ボックスを選択します。

      このオプションがグレー表示されている場合、新規グラフを作成するには、「編集」→「グラフ」を選択して「グラフの編集」ダイアログを表示します。

    • 現行のワークシートに対するグラフを非表示にするには、「グラフ」チェック・ボックスの選択を解除します。

    ワークシートは、指定した変更内容に従って更新されます。

8.12 グラフ位置の変更方法

ワークシートのデータに対するグラフの表示位置を変更する場合は、グラフの位置を変更します。たとえば、グラフをワークシートのデータの下部や、独立したウィンドウに表示できます。

グラフの位置を指定するには:

  1. 「表示」→「配置」を選択し、いずれかの配置オプションを選択します。

    たとえば、データの下にグラフを配置する場合は「テーブルの下のグラフ」または「クロス集計の下のグラフ」オプションを選択し、独立したウィンドウにグラフを表示する場合は「ウィンドウを分ける」を選択します。

    指定した位置にグラフが表示されます。

注意: