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Oracle® Fusion Middleware管理者ガイド
11g リリース1 (11.1.1)
B60984-05
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17 環境のバックアップ

この章では、Oracle Fusion Middlewareの推奨されるバックアップ計画およびその手順について説明します。

この章の項目は次のとおりです。

17.1 環境のバックアップの概要

第16.3.3項で説明するように、Oracle Fusion Middleware環境のバックアップでは次の推奨される計画を使用する必要があります。

図17-1のフロー・チャートは、特定の状況に適したバックアップのタイプを判断する方法の概要を示しています。

図17-1 バックアップのタイプを判断するためのフロー・チャート

図17-1の説明が続きます
「図17-1 バックアップのタイプを判断するためのフロー・チャート」の説明

17.2 データのバックアップに関する制限事項

次の点に注意してください。

17.3 バックアップの実行

次の各項の説明に従って、全体オフライン・バックアップまたはランタイム・アーティファクトのオンラインまたはオフライン・バックアップを実行できます。

17.3.1 全体オフライン・バックアップの実行

全体オフライン・バックアップを行うには、Oracle Fusion Middlewareのファイルが含まれているディレクトリをコピーします。

第16.3項の説明に従って、アーカイブ用のツールを使用して、ソースMiddlewareホームをアーカイブおよび圧縮します。

次の手順を実行します。

  1. Middlewareホームのプロセスをすべて停止します。たとえば、管理対象サーバー、管理サーバー、およびMiddlewareホームで実行されているOracleインスタンスを停止します。

  2. すべてのホスト上のMiddlewareホーム(MW_HOME)をバックアップします。次に例を示します。

    tar -cf mw_home_backup_092010.tar MW_HOME/*
    
  3. ドメインがMiddlewareホーム内に見つからない場合は、管理サーバーのドメインを個別にバックアップします。これによって、Oracle SOA SuiteやOracle WebCenter PortalなどのJavaコンポーネントがバックアップされます。

    次に例を示します。

    tar -cf domain_home_backup_092010.tar DOMAIN_HOME/*
    

    ほとんどの場合、管理対象サーバーのディレクトリを個別にバックアップする必要はありません。管理サーバーのドメインには管理対象サーバーに関する情報が格納されているためです。管理対象サーバーの環境をカスタマイズしている場合は、管理対象サーバーのディレクトリをバックアップします。バックアップが必要なものの詳細は、第16.5項を参照してください。

  4. Oracleインスタンス・ホームがMiddlewareホーム内に見つからない場合は、Oracleインスタンス・ホームをバックアップします。Oracleインスタンス・ホームには、Oracle HTTP ServerやOracle Internet Directoryなどのシステム・コンポーネントに関する構成情報が含まれています(システム・コンポーネントの一覧は、第3.5.2項を参照)。

    次に例を示します。

    tar -cf sc_home_backup_092010.tar ORACLE_INSTANCE/*
    
  5. 管理対象サーバーがドメイン内に見つからない場合は、管理対象サーバーのディレクトリをバックアップします。次に例を示します。

    tar -cf mg1_home_backup_092010.tar server_name/*
    
  6. OraInventoryディレクトリをバックアップします。次に例を示します。

    tar -cf Inven_home_backup_092010.tar /scratch/oracle/OraInventory
    
  7. LinuxおよびUNIXの場合は、OraInst.locファイルをバックアップします。これは、次のディレクトリにあります。

    (Linux and IBM AIX) /etc
    (Other UNIX systems) /var/opt/oracle
    
  8. LinuxおよびUNIXの場合は、oratabファイルをバックアップします。これは、次のディレクトリにあります。

    /etc
    
  9. Oracle Recovery Manager(RMAN)を使用して、データベース・リポジトリをバックアップします。詳細な手順は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

  10. Windowsの場合は、第17.3.3項の説明に従って、Windowsレジストリ・エントリをエクスポートする必要があります。

  11. Oracle Fusion Middleware環境の記録を作成します。第17.4項を参照してください。

17.3.2 ランタイム・アーティファクトのオンライン・バックアップの実行

ランタイム・アーティファクト(第16.3.2項を参照)のバックアップは、定期的に、また第16.3.3項で説明している時点で実行する必要があります。

ランタイム・アーティファクトをバックアップする手順は次のとおりです。

  1. バックアップの矛盾を防ぐために、バックアップが完了するまでは、いずれの構成も変更しないでください。WebLogic Serverドメインで変更が行われないようにするには、第3.4.2項で説明しているようにWebLogic Serverの構成をロックします。

  2. 管理サーバーのドメイン・ディレクトリをバックアップします。これによって、Oracle SOA SuiteやOracle WebCenter PortalなどのJavaコンポーネントがバックアップされます。次に例を示します。

    tar -cf domain_home_backup_092010.tar MW_HOME/user_projects/domains/domain_name/*
    

    Oracle Portal、Oracle Reports、Oracle Forms ServicesおよびOracle Business Intelligence Discovererの場合は、管理サーバーのドメイン・ディレクトリ以外にも、管理対象サーバーのディレクトリをバックアップする必要があります。

  3. Oracleインスタンス・ホームをバックアップします。これによって、Oracle HTTP Serverなどのシステム・コンポーネントがバックアップされます。次に例を示します。

    tar -cf sc_home_backup_092010.tar ORACLE_INSTANCE/*
    
  4. Oracle Recovery Manager(RMAN)を使用して、データベース・リポジトリをバックアップします。詳細な手順は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

  5. Oracle Fusion Middleware環境の記録を作成します。第17.4項を参照してください。

17.3.3 Windowsレジストリ・エントリのバックアップ

Windowsの場合、Oracle Fusion Middlewareに関連するWindowsレジストリ・キーをバックアップする必要があります。バックアップするキーは、インストールされているコンポーネントによって異なります。

キーをエクスポートするには、次のコマンドを使用します。

regedit /E  FileName Key

次のエントリをエクスポートします。

  • すべてのコンポーネント向けに、次のレジストリ・キーをエクスポートします。

    HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Oracle
    
  • Oracle Web Cacheなどのシステム・コンポーネント、およびOracle BI Enterprise Editionがインストールされている場合は、次のレジストリ・キー内のOracleで始まる各ノードをエクスポートします。

    HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services
    HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\Services
    HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet002\Services
    

    次に例を示します。

    regedit /E C:\oracleSMP.reg HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\Services\Oracleagent10gAgentSNMPPeerEncapsulator 
    

    各キーには一意のファイル名を使用します。

  • Oracle BI EEがインストールされている場合は、次のレジストリ・キーをエクスポートします。

    HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\ODBC
    

    次に例を示します。

    regedit /E C:\oracleregistry.reg HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\ODBC
    

キーのエクスポートにはレジストリ・エディタを使用することもできます。詳細は、レジストリ・エディタのヘルプを参照してください。

17.4 Oracle Fusion Middleware構成の記録の作成

Oracle Fusion Middleware環境のリストアおよびリカバリが必要な場合は、必要なすべての情報を入手し、対処することが重要です。これは、特にOracle Fusion Middleware環境全体(またはその一部)を新しいディスクまたはホストに再構成する必要があるような、ハードウェアの損失が発生した場合に当てはまります。

この項で説明されている情報を含む、Oracle Fusion Middleware環境の最新記録を維持管理する必要があります。この情報は、印刷物と電子形式の両方で保管してください。電子形式のデータは、Oracle Fusion Middleware環境とはまったく別のホストまたは電子メール・システム上に格納する必要があります。

Oracle Fusion Middlewareのハードウェアおよびソフトウェア構成の記録には、次のものが含まれます。