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Oracle® Fusion Middleware管理者ガイド
11g リリース1 (11.1.1)
B60984-05
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12 ログ・ファイルと診断データの管理

Oracle Fusion Middlewareコンポーネントは、起動および停止情報、エラー、警告メッセージ、HTTPリクエスト時のアクセス情報など、すべての種類のイベントを記録するメッセージが格納されたログ・ファイルを生成します。この章では、エラー原因と修正アクションに関する情報の検索方法、システム・アクティビティの監視および問題の診断に役立つログ・ファイルの表示と管理の方法について説明します。

次の項目が含まれます。


注意:

IBM Websphereでロギングする方法の詳細は、Oracle Fusion Middlewareサード・パーティ・アプリケーション・サーバー・ガイドのIBM WebsphereでのOracle Fusion Middlewareのロギングの構成に関する項を参照してください。


12.1 Oracle Fusion Middlewareのロギングの概要

大部分のOracle Fusion Middlewareコンポーネントでは、Oracle Diagnostic Logging(ODL)形式で診断ログ・ファイルが作成されます。ログ・ファイルの名前とログ・ファイルの内容の形式は、Oracle標準に準拠します。デフォルトでは、診断メッセージはテキスト形式で書き込まれます。

ODLには次の利点があります。

ログ・ファイルは、Fusion Middleware ControlまたはWLST displayLogsコマンドを使用して表示できます。また、ログ・ファイルをローカル・クライアントにダウンロードして、他のツール(テキスト・エディタおよびその他のファイル表示ユーティリティ)を使用して表示することもできます。


注意:

Oracle WebLogic Serverは、ODL形式を使用しません。Oracle WebLogic Serverのログ形式については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverログ・ファイルの構成とログ・メッセージのフィルタ処理』を参照してください。


12.2 ODLメッセージおよびODLログ・ファイルについて

ODLを使用すると、診断メッセージがログ・ファイルに書き込まれ、メッセージのそれぞれに、時間、コンポーネントID、ユーザーなどの情報が組み込まれます。

次の例は、Oracle SOA SuiteでのODL形式のエラー・メッセージを示しています。

[2010-09-23T10:54:00.206-07:00] [soa_server1] [NOTIFICATION] [] [oracle.mds]
 [tid: [STANDBY].ExecuteThread: '1' for queue: 'weblogic.kernel.Default
 (self-tuning)'] [userId: <anonymous>] [ecid: 0000I3K7DCnAhKB5JZ4Eyf19wAgN000001,0]
 [APP: wsm-pm] "Metadata Services: Metadata archive (MAR) not found."

このメッセージでは、フィールドが次の属性にマップされています。これらについては表12-1で説明します。

デフォルトでは、情報はログ・ファイルにODLテキスト形式で書き込まれます。この形式は、第12.4.4項で説明するように、ODL XML形式に変更できます。

表12-1は、ODLメッセージの内容の説明です。コンポーネントによっては、生成された診断メッセージにオプションの属性が存在しない場合があります。

表12-1 ODL形式メッセージのフィールド

属性名 説明 必須

タイムスタンプ、開始(TIME)

メッセージが生成された日時。ローカル・タイムゾーンが反映されます。

はい

タイムスタンプ、正規化済(time_norm)

ホスト間のクロックのずれの調整用に標準化されたタイムスタンプ。診断メッセージが別のホスト上のリポジトリにコピーされる場合に使用します。

いいえ

組織ID(org_id)

作成元のコンポーネントの組織ID。

いいえ

INSTANCE_ID
(INST_ID)

メッセージを生成したコンポーネントが属するOracleインスタンスの名前。

いいえ

COMPONENT ID(COMP)

メッセージを生成したコンポーネントのID。

はい

MESSAGE_ID(MSG_ID)

コンポーネント内でメッセージを一意に識別するID。IDは、コンポーネントを示す接頭辞、およびそれに続くダッシュと5桁の数値で構成されます。次に例を示します。

OHS-51009

はい

MESSAGE_TYPE
(MSG_TYPE)

メッセージのタイプ。使用可能な値は、INCIDENT_ERROR、ERROR、WARNING、NOTIFICATION、TRACEおよびUNKNOWNです。メッセージ・タイプの詳細は、表12-3を参照してください。

はい

MESSAGE_LEVEL(MSG_LEVEL)

メッセージ・レベル。メッセージ・タイプを限定する整数値で示されます。使用可能な値は1(最高重大度)から32(最低重大度)です。メッセージ・レベルの詳細は、表12-3を参照してください。

はい

HOST_ID(HOST_ID)

メッセージを生成したホストの名前。

いいえ

HOST_NW_ADDR(HOST_ADDR)

メッセージを生成したホストのネットワーク・アドレス。

いいえ

MODULE_ID(MODULE)

メッセージを生成したモジュールのID。コンポーネントが単独のモジュールの場合は、この属性にコンポーネントIDが表示されます。

はい

PROCESS_ID(PID)

メッセージに関連付けられたプロセスまたは実行単位のプロセスID。

いいえ

THREAD_ID(TID)

メッセージを生成したスレッドのID。

いいえ

USER_ID(USER)

メッセージを生成した実行コンテキストを所有するユーザーの名前。

いいえ

ECID

実行コンテキストID(ECID)。生成コンポーネントが関与する特定のリクエストの実行のグローバル一意識別子。ECIDは、別のコンポーネントで発生したエラー・メッセージの関連付けに使用できます。ECIDの詳細は、第12.5項を参照してください。

はい

RID

関係ID(RID)。1つのリクエストにおいて、特定のプロセス上の特定スレッドで実行された作業と、同じプロセスの別のスレッドおよび別プロセス上で実行された作業を区別します。RIDの詳細は、第12.5項を参照してください。

いいえ

SUPPL_ATTRS

イベントに関するコンポーネント固有の属性を格納する名前/値のペアが記載された追加リスト。

いいえ

MESSAGE TEXT(TEXT)

メッセージのテキスト。

はい

メッセージ引数(arg)

メッセージ・テキストにバインドされた引数のリスト。

いいえ

追加詳細

イベントの追加情報で、メッセージ・テキストより詳細な情報が含まれます。

いいえ


ログ・ファイルの場所は、コンポーネントのタイプによって異なります。

表12-2に、Oracle Fusion Middlewareのコンポーネントのログ・ファイルの場所を示します。

この表で、DOMAIN_HOMEは次のディレクトリを表しています。これは、WebLogic Serverのドメイン・ホームです。

MW_HOME/user_projects/domains/domain_name

この表で、ORACLE_INSTANCEは次のディレクトリを表しています。これは、Oracleインスタンス・ホームです。

MW_HOME/instance_name

表12-2 ログ・ファイルの場所

コンポーネント ログ・ファイルの場所

Fusion Middleware Control


DOMAIN_HOME/sysman/log/emoms.log
DOMAIN_HOME/sysman/log/emoms.trc

Oracle Application Development Framework


DOMAIN_HOME/servers/server_name/logs/server-name-diagnostic.log

Oracle Business Activity Monitoring


DOMAIN_HOME/servers/server_name/logs/bam-diagnostic.log

Oracle Business Intelligence Discoverer


DOMAIN_HOME/servers/server_name/logs/discoverer/server/diagnostic.log
DOMAIN_HOME/servers/server_name/logs/discoverer/server_name-diagnostic.log
DOMAIN_HOME/servers/server_name/logs/discoverer/diagnostic.log

Oracle Business Process Management


DOMAIN_HOME/servers/server_name/logs/server-name-diagnostic.log

Oracle Directory Integration Platform


DOMAIN_HOME/servers/server_name/logs/server-name-diagnostic.log

Oracle Forms Services


DOMAIN_HOME/servers/server_name/logs/server-name-diagnostic.log
ORACLE_HOME/j2ee/DevSuite/application-deployments/forms/application.log
ORACLE_INSTANCE/diagnostics/logs/FormsComponent/forms/*
ORACLE_INSTANCE/diagnostics/logs/FRComponent/dejvm/*

Oracle Fusion Middleware監査フレームワーク


DOMAIN_HOME/servers/server_name/logs/server-name-diagnostic.log

Oracle HTTP Server


ORACLE_INSTANCE/diagnostics/logs/OHS/component_name/*.log

Oracle Identity Federation

DOMAIN_HOME/servers/server_name/logs/server-name-diagnostic.log

Oracle WebCenter Content: Imaging


DOMAIN_HOME/servers/server_name/logs/server-name-diagnostic.log

Oracle Information Rights Management


DOMAIN_HOME/servers/server_name/logs/server-name-diagnostic.log

Oracle Internet Directory


ORACLE_INSTANCE/diagnostics/logs/OID/component_name/oid*.log
ORACLE_INSTANCE/diagnostics/logs/OID/tools/*.log

Oracle Platform Security Services

DOMAIN_HOME/servers/server_name/logs/server-name-diagnostic.log

Oracle Portal


DOMAIN_HOME/servers/server_name/logs/server-name-diagnostic.log
ORACLE_INSTANCE/diagnostics/logs/portal

Oracle Reports


ORACLE_INSTANCE/diagnostics/logs/ReportsServerComponent/component_name/*
ORACLE_INSTANCE/diagnostics/logs/ReportsBridgeComponent/component_name/*
ORACLE_INSTANCE/diagnostics/logs/ReportsToolsComponent/component_name/*

Oracle SOA Suite


DOMAIN_HOME/servers/server_name/logs/server-name-diagnostic.log

Oracle TopLink


DOMAIN_HOME/servers/server_name/logs/server-name-diagnostic.log

Oracle Virtual Directory


ORACLE_INSTANCE/diagnostics/logs/OVD/component_name/diagnostic.log

Oracle Web Cache


ORACLE_INSTANCE/diagnostics/logs/WebCache/component_name*.log

Oracle Web Services Manager

DOMAIN_HOME/servers/server_name/logs/owsm/msglogging
DOMAIN_HOME/servers/server_name/logs/owsm-diagnostic.log

Oracle WebCenter Portal


DOMAIN_HOME/servers/server_name/logs/server-name-diagnostic.log

Oracle WebLogic Server


DOMAIN_HOME/servers/server_name/logs/server-name-diagnostic.log

リポジトリ作成ユーティリティ

デフォルトでは、RCU_LOG_LOCATIONで指定されたファイルに書き込みます。指定されていない場合は、次の場所に書き込もうとします。

  1. ORACLE_HOME/rcu/log/timestamp

  2. /tmp/logdir.timestamp


12.3 ログ・ファイルの表示と検索

Oracle Fusion Middlewareコンポーネントをまたがって、ログ・ファイルの表示、リスト表示、および検索ができます。Fusion Middleware Controlを使用してログ・ファイルの表示や検索を行い、ログ・ファイルをローカル・クライアントにダウンロードし、別のツールを使用して表示することができます。また、WLSTコマンドライン・ツールを使用してログ・ファイルをリスト表示、表示および検索することもできます。

この項の項目は次のとおりです。

WLSTコマンドを使用してログ・ファイルを表示する場合は、次の点に注意してください。


関連項目:

Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンスのカスタムWLSTコマンドのロギングに関する項


12.3.1 ログ・ファイルおよびそのメッセージの表示

次の各項で説明するように、Fusion Middleware ControlまたはWLSTコマンドを使用して、ログ・ファイルを表示できます。

12.3.1.1 Fusion Middleware Controlを使用したログ・ファイルおよびそのメッセージの表示

特定のドメイン、Oracle WebLogic Server、コンポーネントまたはアプリケーションのすべてのエンティティのメッセージを表示できます。

たとえば、管理対象サーバーのログ・ファイルおよびメッセージを表示する手順は次のとおりです。

  1. ナビゲーション・ペインで、ファームを開いてから、「WebLogicドメイン」を開き、そのドメインを開きます。管理対象サーバーの名前を右クリックし、「ログ」→「ログ・メッセージの表示」を選択します。

    「ログ・メッセージ」ページが表示されます。

  2. 「選択したターゲット」を開き、特定のコンポーネントまたはアプリケーションの行で「ターゲット・ログ・ファイル」をクリックします。

    「ログ・ファイル」ページが表示されます。このページには、次の図に示すように管理対象サーバーに関連するログ・ファイルのリストが表示されます。

    viewlog.gifの説明が続きます
    図viewlog.gifの説明

  3. ファイルを選択して、「ログ・ファイルの表示」をクリックします。

    「ログ・ファイルの表示」ページが表示されます。このページに、メッセージのリストが表示されます。

  4. メッセージの詳細を表示するには、該当するメッセージを選択します。

    次の図のように、リストの下のペインに詳細が表示されます。

    viewlog2.gifの説明が続きます
    図viewlog2.gifの説明

    デフォルトでは、メッセージは時間を基準として昇順でソートされます。メッセージは、列名をクリックすることにより、メッセージ・タイプなどの任意の列を基準としてソートできます。

  5. 時間またはECIDを基準にして関連メッセージを表示するには、「関連メッセージの表示」をクリックして、「時間ごと」または「ECID(実行コンテキストID)ごと」を選択します。

    「関連メッセージ」ページが表示されます。

12.3.1.2 WLSTを使用したログ・ファイルおよびそのメッセージの表示

WLST listLogsコマンドを使用して、Oracle WebLogic Serverドメイン、サーバー、Oracleインスタンスまたはコンポーネントのログ・ファイルをリスト表示できます。

このコマンドは、接続中も切断中も使用できます。接続時のデフォルトのターゲットは、Oracle WebLogic Serverドメインです。

ログ・ファイルをリスト表示するには、第12.3項の説明に従って、まずdomainRuntimeコマンドを使用します。次に、ログ・ファイルのリスト表示方法および表示方法について説明します。

  • Oracle WebLogic Server soa_server1のすべてのログ・ファイルをリスト表示する場合は、次のコマンドを使用します。

    listLogs(target='server_soa')
    
    file://host/scratch/Oracle/Middleware/user_projects/domains/SOA_domain/servers/soa_server1/logs/soa_server1.log
    2010-09-17 16:40:45                    4.9M soa_server1.log00001
    2010-09-17 18:35:35                    4.9M soa_server1.log00002
    2010-09-17 20:30:25                    4.9M soa_server1.log00003
    ...
    file://host/scratch/Oracle/Middleware/user_projects/domains/SOA_domain/servers/soa_server1/logs/soa_server1-diagnostic.log
    2010-09-22 13:53:32                     10M soa_server1-diagnostic-22.log
    2010-09-22 19:18:32                     10M soa_server1-diagnostic-23.log
    2010-09-23 00:42:32                     10M soa_server1-diagnostic-24.log
    2010-09-23 06:07:32                     10M soa_server1-diagnostic-25.log
    2010-09-23 11:31:32                     10M soa_server1-diagnostic-26.log
    2010-09-23 16:56:32                     10M soa_server1-diagnostic-27.log
    2010-09-23 22:20:32                     10M soa_server1-diagnostic-28.log
    2010-09-24 03:45:32                     10M soa_server1-diagnostic-29.log
    2010-09-24 09:11:32                     10M soa_server1-diagnostic-30.log
    2010-09-24 14:08:32                    9.2M soa_server1-diagnostic.log
    ...
    
  • Oracleインスタンスasinst_1のOracle HTTP Server ohs1のログをリスト表示するには、次のコマンドを使用します。

    listLogs(target='opmn:asinst_1/ohs1')
    
  • 切断時にログをリスト表示するには、oracleInstanceパラメータを指定し、これをOracle WebLogic Serverドメインか、システム・コンポーネントのOracleインスタンス・ホームのいずれかのパスに渡す必要があります。たとえば、管理対象サーバーsoa_server1のログ・ファイルをリスト表示するには、次のコマンドを使用します。

    listLogs(oracleInstance='/scratch/Oracle/Middleware/user_projects/domains/SOA_domain',
               target='soa_server1')
    
  • ログ・ファイルの診断メッセージを表示するには、WLST displayLogsコマンドを使用します。このコマンドは、接続時も切断時も機能します。

    たとえば、Oracle WebLogic Serverドメインで直前の10分以内にログ・ファイルに生成されたメッセージを表示するには、次のコマンドを使用します。

    displayLogs(last=10)
    
    [2010-09-05T08:05:29.652-07:00] [soa_server1] [NOTIFICATION] [BEA-000628]
     [Common] [host: hostname] [nwaddr: 10.229.149.27] [tid:
     [ACTIVE].ExecuteThread: '10' for queue: 'weblogic.kernel.Default
     (self-tuning)'] [userId: <WLS Kernel>] [TARGET: /SOA_domain/soa_server1]
     [LOG_FILE: /scratch//Oracle/Middleware/user_projects/domains/SOA_
    domain/servers/soa_server1/logs/soa_server1.log] Created "1" resources for
     pool "SOADataSource", out of which "1" are available and "0" are unavailable.
    [2010-09-05T08:05:29.673-07:00] [soa_server1] [NOTIFICATION] [BEA-000628]
     [Common] [host: hostname] [nwaddr: 10.229.149.27] [tid: oracle.integration.platform.blocks.executor.WorkManagerExecutor$1@17f5105]
     [userId: <anonymous>] [TARGET: /SOA_domain/soa_server1] [LOG_FILE:
     /scratch/Oracle/Middleware/user_projects/domains/SOA
    _domain/servers/soa_server1/logs/soa_server1.log] Created "1" resources for
     pool "SOADataSource", out of which "1" are available and "0" are unavailable.
    [2010-09-05T08:05:30.448-07:00] [soa_server1] [NOTIFICATION] [BEA-001128]
     [JDBC] [host: hostname] [nwaddr: 10.229.149.27] [tid:
     oracle.integration.platform.blocks.executor.WorkManagerExecutor$1@17f5105]
     [userId: <anonymous>] [TARGET: /SOA_domain/soa_server1] [LOG_FILE:
     /scratch/Oracle/Middleware/user_projects/domains/SOA
    _domain/servers/soa_server1/logs/soa_server1.log] Connection for pool
     "SOADataSource" closed.
    

    このコマンドでは、時間を基準に昇順でソートされたメッセージが返されます。

  • Oracleインスタンスasinst_1のOracle HTTP Server ohs1のログ・ファイルを表示するには、次のコマンドを使用します。

    displayLogs(target='opmn:asinst_1/ohs1')
     
    

メッセージは、第12.3.2項で説明されているように、特定の基準を指定して検索し、出力をソートできます。


関連項目:

listLogsコマンドおよびdisplayLogsコマンドの詳細は、Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンスのカスタムWLSTコマンドのロギングに関する項を参照してください。


12.3.2 ログ・ファイルの検索

次の各項で説明するように、Fusion Middleware ControlまたはWLSTコマンドを使用すると、時間、メッセージのタイプおよび特定のログ・ファイル属性を基準にして診断メッセージを検索できます。

12.3.2.1 Fusion Middleware Controlを使用したログ・ファイルの検索

Fusion Middleware Controlの「ログ・メッセージ」ページでは、標準および追加のODL属性を使用して診断メッセージを検索できます。デフォルトで、このページには、直前1時間にログに記録された問題のサマリーが表示されます。

検索基準は、適合度の高いメッセージが特定されるように変更できます。検索結果を別のモードで表示すると、大量のデータを簡単にナビゲーションできます。

次の各項では、ログ・ファイルの検索方法を説明します。

12.3.2.1.1 ログ・ファイルの検索: 基本検索

この項では、ログ・メッセージの基本検索の方法について説明します。

特定のドメイン、Oracle WebLogic Server、コンポーネントまたはアプリケーションのすべてのエンティティのすべてのメッセージを検索できます。

たとえば、特定のドメインのメッセージを検索する手順は次のとおりです。

  1. 「WebLogicドメイン」メニューで、「ログ」→「ログ・メッセージの表示」を選択します。

    特定のコンポーネントまたはアプリケーションのメッセージを検索するには、目的のコンポーネントまたはアプリケーションを選択します。そのターゲットのメニューで、「ログ」→「ログ・メッセージの表示」を選択します。

    「ログ・メッセージ」ページに、次の図のように「検索」セクションと直前1時間のメッセージのサマリーが記載された表が表示されます。

    logsearch.gifの説明が続きます
    図logsearch.gifの説明

  2. 「日付範囲」セクションでは、次のいずれかを選択できます。

    • 最新: このオプションを選択した場合は、3時間などの時間を選択します。デフォルトは1時間です。

    • 時間間隔: このオプションを選択した場合は、「開始日」のカレンダ・アイコンを選択します。日付および時刻を選択します。次に、「終了日」のカレンダ・アイコンを選択します。日付および時刻を選択します。

  3. 「メッセージ・タイプ」セクションで、1つ以上のメッセージ・タイプを選択します。タイプについては、表12-3を参照してください。

  4. 第12.3.2.1.2項の説明に従って、詳細な検索条件を指定できます。

  5. 検索」をクリックします。

  6. 適合性の高いメッセージを特定しやすくするため、表内の「表示」で次のモードのいずれかを選択します。

    • メッセージ: 一致するメッセージを表示します。

      特定のメッセージの詳細を表示するには、該当するメッセージをクリックします。メッセージの表の下に詳細が表示されます。

      関連するメッセージを表示するには、メッセージを選択して「関連メッセージの表示」をクリックし、「時間ごと」または「ECID(実行コンテキストID)ごと」を選択します。

    • メッセージ・タイプ別グループ: ターゲット・レベルのメッセージ・タイプを基準としてメッセージをグループ化し、一致するメッセージのサマリーを表示します。これはデフォルトのモードです。

      メッセージを表示するには、いずれかのメッセージ・タイプの列の件数をクリックします。「メッセージ、タイプ別」ページが表示されます。特定のメッセージの詳細を表示するには、該当するメッセージをクリックします。メッセージの表の下に詳細が表示されます。

    • メッセージID別グループ: ターゲット・レベルのメッセージID、メッセージ・タイプおよびモジュールIDを基準としてメッセージをグループ化し、一致するメッセージのサマリーを表示します。

      関連するメッセージを表示するには、「発生」列の件数をクリックします。メッセージ、メッセージID別ページが表示されます。特定のメッセージの詳細を表示するには、該当するメッセージをクリックします。メッセージの表の下に詳細が表示されます。

12.3.2.1.2 ログ・ファイルの検索: 拡張検索

この項では、利用できる拡張検索メカニズムの一部について説明します。

検索基準は、「ログ・メッセージ」ページの次のコントロールを使用して絞り込むことができます。

  • メッセージ:次を含む」などの演算子を選択し、比較する値を入力できます。

  • フィールドの追加: クリックすると、ホストなどの追加の基準を指定して、検索範囲を特定のホストに絞り込むことができます。次に、「追加」をクリックします。

    追加したフィールドのそれぞれに、「次を含む」などの演算子を選択し、比較する値を入力します。

  • 広範囲のターゲット・スコープ: クリックすると、ターゲットの親のすべてのメンバーに関連付けられたログに検索範囲が拡張されます。たとえば、特定のアプリケーションのログを検索する際に、アプリケーションのデプロイ先の管理対象サーバーも含まれるように検索範囲を拡張できます。

  • 選択したターゲット: これを開くと、検索に関与するターゲットが表示されます。ターゲットを追加するには、「追加」をクリックして、ダイアログ・ボックスに情報を入力します。ターゲットを削除するには、ターゲットを選択して「削除」をクリックします。

12.3.2.2 WLSTを使用したログ・ファイルの検索

WLST displayLogsコマンドを使用してログ・ファイルを検索できます。時間、コンポーネントID、メッセージ・タイプ、ECIDなどの基準を指定して検索範囲を絞り込むことができます。次に例を示します。

  • Oracle HTTP Server ohs1で直前の5分以内に生成されたエラー・メッセージを検索するには、次のコマンドを使用します。

    displayLogs(target='opmn:asinst_1/ohs1', last=5)
    
  • 管理対象サーバーsoa_server1で直前の10分以内に生成されたエラー・メッセージを検索するには、次のコマンドを使用します。

    displayLogs(oracleInstance='/scratch/Oracle/Middleware/user_projects/domains/soa_domain', target='soa_server1', last=10)
    

queryパラメータを使用してコンポーネントID、メッセージ・タイプ、ECIDなどの基準を指定して、検索範囲を絞り込むことができます。query句では、表12-1にある任意の属性を使用して問合せ式を指定できます。次のような基準を使用できます。

  • メッセージのタイプ。たとえば、管理対象サーバーsoa_server1のERRORおよびINCIDENT_ERRORのメッセージを検索するには、次のコマンドを使用します。

    displayLogs(oracleInstance='/scratch/Oracle/Middleware/user_projects/domains/soa_domain', 
              target='soa_server1',
              query='MSG_TYPE eq ERROR or MSG_TYPE eq INCIDENT_ERROR')
    
  • 特定のECID。たとえば、管理対象サーバーsoa_server1の特定のECID(0000I3K7DCnAhKB5JZ4Eyf19wAgN000001,0')のエラー・メッセージを検索するには、次のコマンドを使用します。

    displayLogs(oracleInstance='/scratch/Oracle/Middleware/user_projects/domains/soa_domain', 
             target='soa_server1',
             query='ecid eq 0000I3K7DCnAhKB5JZ4Eyf19wAgN000001,0')
    
  • コンポーネント・タイプ。たとえば、Oracle HTTP Serverインスタンスのメッセージを検索するには、次の問合せを使用します。

    displayLogs(query='COMPONENT_ID eq ohs')
    
  • 時間範囲。特定の時間範囲内に発生したエラー・メッセージを検索するには、次の形式で属性TSTZ_ORIGINATINGを、fromtoの両演算子とともに指定します。

    displayLogs(query='TSTZ_ORIGINATING from start_time and 
                     TSTZ_ORIGINATING to end_time')
    

    日付は次のISO 8601時間形式で指定します。

    YYYY-MM-DDThh:mm:ss-hh:mm_offset_from_UTC
    

    次に例を示します。

    2010-09-30T12:00:00:0000-08:00
    

    たとえば、2010年4月17日の午前8時から11時のエラー・メッセージを表示するには、次のコマンドを使用します。

    displayLogs(query='TSTZ_ORIGINATING from 2010-04-17T08:00:00-07:00 
                and TSTZ_ORIGINATING to 2010-04-17T11:00:00-07:00')
    
  • グループ・メッセージ。特定の属性でグループ化したメッセージの件数を表示するには、WLSTコマンドdisplayLogsで、groupByパラメータを使用します。たとえば、コンポーネント別にWARNINGメッセージの件数を表示する場合は、次のコマンドを使用します。

    displayLogs(groupBy=['COMPONENT_ID'], query='MSG_TYPE eq WARNING')
    

12.3.3 ログ・ファイルのダウンロード

次の各項で説明するように、Fusion Middleware ControlまたはWLSTコマンドを使用して、メッセージをダウンロードできます。

12.3.3.1 Fusion Middleware Controlを使用したログ・ファイルのダウンロード

ログ・メッセージをファイルにダウンロードできます。検索で一致したメッセージまたは特定のログ・ファイル内のメッセージをダウンロードできます。

Fusion Middleware Controlを使用して、検索で一致したメッセージをダウンロードする手順は次のとおりです。

  1. ナビゲーション・ペインから、ファームを開いて、ドメインをクリックするなどしてターゲットを選択します。

  2. 「WebLogicドメイン」メニューなどの動的ターゲット・メニューから、「ログ」「ログ・メッセージの表示」を選択します。

    「ログ・メッセージ」ページが表示されます。

  3. 第12.3.2.1項の説明に従って、特定のタイプのメッセージを検索します。

  4. メッセージをファイルにエクスポート」をクリックしてファイル・タイプを選択し、次のいずれかを選択します。

    • Oracle診断ログ・テキスト(.txt)として

    • Oracle診断ログXML (.xml)として

    • カンマ区切りリスト(.csv)として

    「オープン中」ダイアログ・ボックスが表示されます。

  5. 次を使用してオープンまたはディスクに保存を選択します。「OK」をクリックします。

特定のタイプのメッセージ、または特定のメッセージIDのメッセージをファイルにエクスポートする手順は次のとおりです。

  1. ナビゲーション・ペインで、ファームを開いてから、「WebLogicドメイン」を開き、そのドメインを開きます。管理対象サーバーを選択します。

  2. 動的ターゲット・メニューで、「ログ」→「ログ・メッセージの表示」を選択します。

    「ログ・メッセージ」ページが表示されます。

  3. 第12.3.2.1項の説明に従って、特定のタイプのメッセージを検索します。

  4. 表示」で「メッセージ・タイプ別グループ」または「メッセージID別グループ」を選択します。

  5. メッセージをファイルにダウンロードするには、「メッセージ・タイプ別グループ」を選択した場合、列のいずれか(「エラー」列など)で、メッセージ数をリスト表示するリンクを選択します。「メッセージID別グループ」を選択した場合、「発生」列のリンクのいずれかを選択します。

    「メッセージ、タイプ別」ページまたはメッセージID別のメッセージが表示されます。

  6. すべてをファイルにエクスポート」の近くの矢印をクリックしてファイル・タイプを選択します。

    次のいずれかを選択できます。

    • Oracle診断ログ・テキスト(.txt)として

    • Oracle診断ログXML (.xml)として

    • カンマ区切りリスト(.csv)として

    「オープン中」ダイアログ・ボックスが表示されます。

  7. 次を使用してオープンまたはディスクに保存を選択します。「OK」をクリックします。

Fusion Middleware Controlを使用して、特定のコンポーネントのログ・ファイルをダウンロードする手順は次のとおりです。

  1. ナビゲーション・ペインで、ファームを開きます。システム・コンポーネントの場合は、「Web層」などのインストール・タイプを開いて、コンポーネントを選択します。Javaコンポーネントの場合は、ファームを開いてからコンポーネント・タイプを開き、コンポーネントを選択します。

  2. 動的ターゲット・メニューで、「ログ」→「ログ・メッセージの表示」を選択します。

    「ログ・メッセージ」ページが表示されます。

  3. ターゲット・ログ・ファイル」をクリックします。

    「ログ・ファイル」ページが表示されます。このページに、コンポーネントまたはアプリケーションに関連するログ・ファイルのリストが表示されます。

  4. ログ・ファイルを選択して、「ダウンロード」をクリックします。

  5. 「オープン中」ダイアログ・ボックスが表示されます。

  6. 次を使用してオープンまたはディスクに保存を選択します。「OK」をクリックします。

12.3.3.2 WLSTを使用したログ・ファイルのダウンロード

WLST displayLogsコマンドを使用し、出力をファイルにリダイレクトすることによって、ログ・ファイルをダウンロードできます。次に例を示します。

displayLogs(type=['ERROR','INCIDENT_ERROR'], exportFile='/scratch/tmp/download_log.txt')

メッセージは、指定されたディレクトリのファイルdownload_log.txtに書き込まれます。デフォルトでは、標準出力に書き込まれます。

12.4 ログ・ファイルの設定の構成

Fusion Middleware ControlまたはWLSTを使用して、管理対象サーバーおよびJavaコンポーネントのログ設定を変更できます。


注意:

第3.5.2項に記載されている多くのシステム・コンポーネントについては、Fusion Middleware Controlを使用してログ・ファイルの設定を構成できません。システム・コンポーネントのログ・ファイルに対するオプションの構成方法の詳細は、対象のコンポーネントの管理者ガイドを参照してください。


Javaコンポーネントの場合、次の各項で説明するように、ログ・ファイルの名前と場所、ログ・ファイルのサイズ、ログ・ファイルに書き込まれる情報レベル、形式、ロケール・エンコーディングを構成できます。

WLSTコマンドを使用してログ設定を構成する場合は、次の点に注意してください。

12.4.1 ログ・ファイルの場所の変更

次の各項で説明するように、Fusion Middleware ControlまたはWLSTコマンドを使用して、ログ・ファイルの名前および場所を変更できます。

12.4.1.1 Fusion Middleware Controlを使用したログ・ファイルの場所の変更

Fusion Middleware Controlを使用してコンポーネント・ログ・ファイルの名前および場所を変更するには:

  1. ナビゲーション・ペインからコンポーネントを選択します。

  2. 動的ターゲット・メニューで、「ログ」→「ログ構成」を選択します。

    「ログ構成」ページが表示されます。

    いくつかのコンポーネントでは、ナビゲーションが異なる場合があります。たとえば、Oracle HTTP Serverでは、「管理」「ログ構成」を選択します。

  3. 「ログ・ファイル」タブを選択します。

  4. 表内で、ログ・ハンドラを選択して「構成の編集」をクリックします。

    次の図のように「ログ・ファイルの編集」ダイアログ・ボックスが表示されます。

    logedit3.gifの説明が続きます
    図logedit3.gifの説明

  5. ログ・パス」に新しいパスを入力します。

  6. OK」をクリックします。

  7. 確認ウィンドウで、「閉じる」をクリックします。

12.4.1.2 WLSTを使用したログ・ファイルの場所の変更

WLSTを使用してログ・ファイルの場所を変更するには、 configureLogHandlerコマンドを使用します。たとえば、odl-handlerという名前のログ出力のパスを変更するには、次のコマンドを使用します。

configureLogHandler(name='odl-handler', path='/scratch/Oracle/logs')

12.4.2 ログ・ファイルのローテーションの構成

ODLログ は、現在のODLログ・ファイルと古いメッセージを格納するODLアーカイブ(セグメント・ファイル)で構成される一連のログ・ファイルです。このアーカイブはまだ存在していない場合もあります。ログ・ファイルが拡大すると、新しい情報がログ・ファイルserver_name-diagnostic.logの最後に追加されます。ログ・ファイルがローテーション・ポイントに達すると、名前が変更されて、新しいログ・ファイルserver_name-diagnostic.logが作成されます。ローテーション・ポイントを指定するには、最大ODLセグメント・サイズまたはローテーション時間およびローテーション頻度を指定します。

ODLログ・ファイルserver_name-diagnostic.logがローテーション・ポイントに達すると、セグメント・ファイルが作成されます。このため、ファイル名server_name-diagnostic.logserver_name-diagnostic-n.logに変更され(nは整数)、コンポーネントで新たな診断メッセージが生成されると、server_name-diagnostic.logファイルが新たに作成されます。

ODLログのサイズは、次の指定によって制限できます。

  • ロギング・ディレクトリの最大サイズ。ディレクトリ内の全ファイルの合計サイズが最大値に達すると、合計サイズが指定された制限を超えないように一番古いアーカイブが削除されます。

    デフォルトでは、10MBに達するとログ・ファイルはローテーションされます。特定のコンポーネントの全ログ・ファイルの最大サイズは100MBです。

  • ログ・ファイルの最大サイズ。特定の時点または頻度に達したときに新しいログ・ファイルが作成されるように指定します。


注意:

ログ・ファイルのローテーションを変更すると、構成が動的にリロードされます。構成のリロードには1から2秒かかります。


次の各項目で、ローテーションを変更する方法を説明します。

12.4.2.1 Fusion Middleware Controlを使用したログ・ファイル・ローテーションの指定

Fusion Middleware Controlを使用してログ・ファイルのローテーションを構成する手順は次のとおりです。

  1. ナビゲーション・ペインからコンポーネントを選択します。

  2. 動的ターゲット・メニューで、「ログ」→「ログ構成」を選択します。

    「ログ構成」ページが表示されます。

    いくつかのコンポーネントでは、ナビゲーションが異なる場合があります。たとえば、Oracle HTTP Serverでは、「管理」「ログ構成」を選択します。

  3. 「ログ・ファイル」タブを選択します。

  4. 表内で、ログ出力を選択して「構成の編集」をクリックします。

    「ログ・ファイルの編集」ダイアログ・ボックスが表示されます。

  5. 「ローテーション・ポリシー」セクションで、次のいずれかを選択します。

    • サイズ・ベース: これを選択した場合は、次を入力します。

      • 最大ログ・ファイル・サイズ」に、MB単位でサイズを入力します(例: 15)。

      • すべてのログ・ファイルの最大サイズ」に、MB単位でサイズを入力します(例: 150)。

    • 時間ベース: これを選択した場合は、次を入力します。

      • 開始時間」では、「カレンダ」をクリックし、ローテーションを開始する「日付と時間」を選択します。たとえば、September 8, 2010 6:00 AMを選択します。

      • 頻度」では、「」を選択して何分かを入力できます。また、「時間」「日次」または「」を選択することもできます。

      • 保存期間」では、ログ・ファイルの保存期間を指定できます。「」を選択して何分かを入力できます。また、「」「」、「」または「」を選択することもできます。

        指定する期間が短いと、使用ディスク領域が少なくなりますが、古い情報を取得できなくなります。

  6. OK」をクリックします。

  7. 確認ウィンドウで、「閉じる」をクリックします。

12.4.2.2 WLSTを使用したログ・ファイル・ローテーションの指定

WLSTを使用してログ・ファイル・ローテーションを指定するには、configureLogHandlerコマンドを使用します。サイズベース、または時間ベースのローテーションを指定できます。

たとえば、ログ・ファイルのローテーションを毎日実行し、1週間保存する場合は、次のコマンドを使用します。

configureLogHandler(name='odl-handler', rotationFrequency='daily',
                      retentionPeriod='week')

ログ・ファイルのサイズが5 MBを超えないこと、およびこのサイズに達するとローテーションすることを指定するには、次のコマンドを使用します。

configureLogHandler(name='odl-handler', maxFileSize='5M')

12.4.3 ログ・ファイルに書き込まれる情報レベルの設定

メッセージのタイプおよびレベルを指定して、ログ・ファイルに書き込まれる情報の量とタイプを構成できます。各メッセージ・タイプで、メッセージ・レベルに使用可能な値は1(最低重大度)から32(最高重大度)です。コンポーネントによっては、各メッセージ・タイプ別にサポートされるレベルが一部に限定されています。一般的には、指定が必要なのはタイプのみで、レベルの指定は必要ありません。

タイプを指定すると、Oracle Fusion Middlewareではそのタイプのすべてのメッセージと、指定したタイプ以上の重大度のメッセージが返されます。たとえば、メッセージ・タイプをWARNINGに設定した場合、Oracle Fusion MiddlewareからINCIDENT_ERRORおよびERRORのタイプのメッセージも返されます。

表12-3は、メッセージ・タイプと各タイプで最も一般的なレベルを説明しています。

表12-3 診断メッセージのタイプとレベル

メッセージ・タイプ レベル 説明

INCIDENT_ERROR

1

製品のバグが原因の可能性があり、Oracleサポート・サービスに報告する必要がある重大な問題。

この例としては、回復不能なエラーや重大な問題があります。

ERROR

1

管理者がただちに対処する必要があり、製品のバグ以外が原因の重大な問題。

この例としては、Oracle Fusion Middlewareがログ・ファイルを処理できないものの、ドキュメントに対する権限の調整によって問題の修正が可能な場合などがあります。

WARNING

1

管理者による確認を要する、潜在的な問題。

この例としては、パラメータ値が無効な場合や指定したファイルが存在しない場合などがあります。

NOTIFICATION

1

プライマリ・サブコンポーネントや機能のアクティブ化や非アクティブ化などの主要なライフサイクル・イベント。

これはNOTIFICATIONのデフォルト・レベルです。

NOTIFICATION

16

通常のイベントをレポートする粒度の詳細なレベル。

TRACE

1

パブリックAPIエントリや終了ポイントなど、管理者に重要なイベントに関するトレースまたはデバッグ情報。

TRACE

16

詳細なトレースまたはデバッグ情報で、Oracleサポート・サービスによる特定のサブシステムの問題診断に有益なもの。

TRACE

32

非常に詳細なトレースまたはデバッグ情報で、Oracleサポート・サービスによる特定のサブシステムの問題診断に有益なもの。


デフォルトは、NOTIFICATION、レベル1です。

レベル1のINCIDENT_ERROR、ERROR、WARNINGおよびNOTIFICATIONは、パフォーマンスに影響しません。その他のタイプおよびレベルについては、次の点に注意してください。

  • NOTIFICATION、レベル16: パフォーマンスに対する影響は最小。

  • TRACE、レベル1: パフォーマンスに対する影響は小。このレベルは、ときどき本番環境で有効化して、問題のデバッグに利用できます。

  • TRACE、レベル16: パフォーマンスに対する影響は大。このレベルは、問題のデバッグなどの特殊な状況を除いて本番環境では有効にしないでください。

  • TRACE、レベル32: パフォーマンスに対する影響は特大。このレベルは、本番環境で有効にしないでください。これは、テストまたは開発環境における製品のデバッグでの使用を目的としています。

表12-4は、ODL形式、Oracle WebLogic ServerおよびJava間のログ・レベルのマッピングを示しています。

表12-4 ODL、Oracle WebLogic ServerおよびJava間のログ・レベルのマッピング

ODL WebLogic Server Java

OFF

OFF

2147483647 - OFF

INCIDENT_ERROR:1

(EMERGENCY)

1100

INCIDENT_ERROR:4

EMERGENCY

1090

INCIDENT_ERROR:14

ALERT

1060

INCIDENT_ERROR:24

CRITICAL

1030

ERROR:1

(ERROR)

1000 - SEVERE

ERROR:7

ERROR

980

WARNING:1

WARNING

900 - WARNING

WARNING:7

NOTICE

880

NOTIFICATION:1

INFO

800 - INFO

NOTIFICATION:16

(DEBUG)

700 - CONFIG

TRACE:1

(DEBUG)

500 - FINE

TRACE:1

DEBUG

495

TRACE:16

(TRACE)

400 - FINER

TRACE:32

(TRACE)

300 - FINEST

TRACE:32

TRACE

295


次の各項で説明するように、Fusion Middleware ControlまたはWLSTコマンドを使用して、メッセージ・レベルを構成できます。

12.4.3.1 Fusion Middleware Controlを使用したメッセージ・レベルの構成

特定のログ・ファイルまたはログ出力のメッセージ・レベルを設定できます。

コンポーネント・ログ・ファイルのメッセージ・レベルを設定する手順は次のとおりです。

  1. ナビゲーション・ペインからコンポーネントを選択します。

  2. 動的ターゲット・メニューで、「ログ」→「ログ構成」を選択します。

    「ログ構成」ページが表示されます。

    いくつかのコンポーネントでは、ナビゲーションが異なる場合があります。たとえば、Oracle HTTP Serverでは、「管理」「ログ構成」を選択します。

  3. 「ログ・ファイル」タブを選択します。

  4. 表内で、ログ・ファイルを選択して「構成の編集」をクリックします。

    次の図のように「ログ・ファイルの編集」ダイアログ・ボックスが表示されます。

    logedit.gifの説明が続きます
    図logedit.gifの説明

  5. ログ・レベル」でロギング・レベルを選択します。たとえば、「WARNING:1 (WARNING)」を選択します。

  6. OK」をクリックします。

  7. 確認ウィンドウで、「閉じる」をクリックします。

特定のコンポーネントの1つ以上のログ出力にメッセージ・レベルを設定する手順は次のとおりです。

  1. ナビゲーション・ペインからコンポーネントを選択します。

  2. 動的ターゲット・メニューで、「ログ」→「ログ構成」を選択します。

    「ログ構成」ページが表示されます。

    いくつかのコンポーネントでは、ナビゲーションが異なる場合があります。たとえば、Oracle HTTP Serverでは、「管理」「ログ構成」を選択します。

  3. ログ・レベル」タブを選択します。

  4. 表示」で「ランタイム・ログ出力」または「永続ログ・レベル状態のログ出力」を選択します。

    ランタイム・ログ出力とは、現在アクティブなログ出力です。永続ログ出力とは、構成ファイルに保存されたログ出力で、このログ出力のログ・レベルはコンポーネントを再起動しても持続されます。ランタイム・ログ出力は永続ログ出力でもある場合がありますが、すべてのランタイム・ログ出力が永続ログ出力であるとはかぎりません。

  5. 表内で、すべてのログ出力に同一のレベルを指定するには、トップレベル・ログ出力にこのロギング・レベルを選択します。次に、ロギング・レベルを親から継承しないことを指定する子ログ出力に、「親から継承」を指定します。多くの場合は、これで十分です。

    ただし、特定のログ出力のレベルを指定する必要がある場合は、ログ出力を開き、変更するログ出力にロギング・レベルを選択します。たとえば、ログ出力oracle.wsm.management.loggingに、「WARNING:1 (WARNING)」を選択します。

  6. 適用」をクリックします。

12.4.3.2 WLSTを使用したメッセージ・レベルの構成

WLSTを使用してメッセージ・レベルを設定するには、setLoglevelコマンドを使用します。現在のメッセージ・レベルを確認するには、getLogLevelコマンドを使用します。構成コマンドを使用する際は、あらかじめWebLogic Serverに接続しておく必要があります。

Oracle WebLogic Serverのログ出力のログ・レベルを表示できます。たとえば、Oracle WebLogic Server soa_server1のログ・レベルを表示する場合は、次のコマンドを使用します。

getLogLevel(logger='oracle',  target='soa_server1')
NOTIFICATION:1

特定のログ出力のログ・レベルを設定できます。次の例では、ログ出力oracle.soaのメッセージ・タイプをWARNINGに設定しています。

setLogLevel(target='soa_server1', logger='oracle.soa', level='WARNING')

Oracle WebLogic Server soa_server1のログ出力のリストを表示するには、listLoggersコマンドを使用します。

listLoggers(target='soa_server1')
.
.
.
oracle.soa                               |  WARNING:1
oracle.soa.adapter                       | <Inherited>
orac                                     | <Inherited>
oracle.soa.b2b.apptransport              | <Inherited>
oracle.soa.b2b.engine                    | <Inherited>
oracle.soa.b2b.repository                | <Inherited>
oracle.soa.b2b.transport                 | <Inherited>
oracle.soa.b2b.ui                        | <Inherited>
.
.
.

また、パターン・パラメータと正規表現を使用して、ログ出力名をフィルタ処理することもできます。たとえば、Oracle WebLogic Server soa_server1内で名前がoracleで始まるすべてのログ出力を取得するには、次のコマンドを使用します。

listLoggers(target='soa_server1', pattern='oracle.*')
oracle                                   | NOTIFICATION:1
oracle.adapter                           | <Inherited>
oracle.adapter.jms.logger                | <Inherited>
oracle.adf                               | <Inherited>

12.4.4 ログ・ファイル形式の指定

デフォルトでは、情報はログ・ファイルにODLテキスト形式で書き込まれます。この形式は、次の各項で説明するように、Fusion Middleware ControlまたはWLSTコマンドを使用してODL XML形式に変更できます。

12.4.4.1 Fusion Middleware Controlを使用したログ・ファイル形式の指定

Fusion Middleware Controlを使用して形式を変更する手順は次のとおりです。

  1. ナビゲーション・ペインからコンポーネントを選択します。

  2. 動的ターゲット・メニューで、「ログ」→「ログ構成」を選択します。

    「ログ構成」ページが表示されます。

    いくつかのコンポーネントでは、ナビゲーションが異なる場合があります。たとえば、Oracle HTTP Serverでは、「管理」「ログ構成」を選択します。

  3. 「ログ・ファイル」タブを選択します。

  4. 表内で、ログ・ファイルを選択して「構成の編集」をクリックします。

    「ログ・ファイルの編集」ダイアログ・ボックスが表示されます。

  5. 「ログ・ファイル形式」で、「Oracle Diagnostics Logging - テキスト」または「Oracle Diagnostics Logging - XML」を選択します。

  6. OK」をクリックします。

  7. 確認ウィンドウで、「閉じる」をクリックします。

12.4.4.2 WLSTを使用したログ・ファイル形式の指定

WLSTを使用してログ・ファイル形式を指定するには、configureLogHandlerコマンドを使用します(formatパラメータを使用し、ODL-TextまたはODL-XMLを指定します)。デフォルトはODL-Textです。

たとえば、ODL-XML形式を指定するには、次のコマンドを使用します。

configureLogHandler(name='odl-handler', format='ODL-XML')

12.4.5 ログ・ファイルのロケールの指定

ログ・ファイルで使用される言語形式およびデータ形式は、サーバーJava仮想マシン(JVM)のデフォルトのロケールで決定されます。これを変更するには、Windowsの場合は「コントロール パネル」の「言語と地域のオプション」を使用し、UNIXプラットフォームの場合は環境変数のLANGおよびLC_ALLを使用します。

ログ・ファイルの文字エンコーディングは、サーバーJVMのデフォルトの文字エンコーディングまたはオプションの構成設定によって決定されます。ユーザーが使用するすべての言語をサポートするエンコーディングを選択する必要があります。選択しないと、ログ・ファイルが破損する可能性があります。デフォルトでは、ログはサーバーJVMのデフォルトのキャラクタ・エンコーディングを使用します。エンコーディングを変更する場合、別のエンコーディングで追加された新しいログによって破損しないように、古いログを削除するか、またはその名前を変更します。

どのような言語でもサポートできるようにするには、Unicode UTF-8エンコーディングを使用することをお薦めします。UNIXオペレーティング・システムでは、環境変数LANGおよびLC_AllをUTF-8キャラクタ・セットのロケールに設定すると、UTF-8ロギングが可能になります(たとえば、UTF-8エンコーディングのUSロケールは、en_US.UTF-8)。

次の各項で説明するように、ログ・ファイルのロケールを指定するには、WLSTコマンドを使用するか、またはファイルを編集します。

12.4.5.1 WLSTを使用したログ・ファイルのエンコーディングの指定

WLSTを使用してログ・ファイルのエンコーディングを指定するには、configureLogHandlerコマンドを使用します。エンコーディング・パラメータを使用して、キャラクタ・セットのエンコーディングを指定できます。

たとえば、UTF-8を指定するには、次のコマンドを使用します。

configureLogHandler(name="odl-handler", encoding="UTF-8")

12.4.5.2 logging.xmlでのログ・ファイルのエンコーディングの指定

logging.xmlファイルでログ・ファイルのエンコーディングを指定するには、オプションのエンコーディング・プロパティを使用して、キャラクタ・セットのエンコーディングを指定します。

logging.xmlファイルは、次のディレクトリにあります。

DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/server_name/

たとえば、UTF-8を指定するには、log_handler要素に次のエンコーディング・プロパティを追加します。

<property name='encoding' value='UTF-8'/>

12.5 ログ・ファイルおよびコンポーネント間のメッセージの関連付け

Oracle Fusion Middlewareコンポーネントは、診断メッセージにメッセージ相関情報を提供します。メッセージ相関情報は、診断メッセージを表示したユーザーがコンポーネント間のメッセージの関係を判定する際に役立ちます。診断メッセージのそれぞれに、実行コンテキストID(ECID)関係ID(RID)が組み込まれています。

ECIDとRIDを利用すると、ログ・ファイル・エントリを使用して、特定のアプリケーションとOracle Fusion Middlewareコンポーネント間のメッセージを関連付けることができます。メッセージ相関情報を使用して関連メッセージを検索すると、複数のメッセージを調べることができ、最初に問題が発生したコンポーネントを特定できます(この方法は、最初に障害が発生したコンポーネントの切分けと呼ばれます)。メッセージ相関データを使用すると、コンポーネント全体における診断メッセージのパスが明確になり、エラーや関連する動作を把握できます。

ECIDおよびRIDを使用して、Oracle Fusion Middleware内を移動するリクエストをトラッキングできます。

次に、ECIDの例を示します。

0000I3K7DCnAhKB5JZ4Eyf19wAgN000001,0

RIDはコロン(:)で区切られた1つ以上の数字で示されます。特定のリクエストに対して最初に作成されるRIDは0です。ECIDが関連付けられているスレッドから別のスレッドまたはプロセスに作業が渡されるたびに、作成者との関係をエンコードする新たなRIDが生成されます。つまり、新しい世代が生成されます。世代が推移するたびに、コロンと数値が追加されます。たとえば、リクエストの作成者の3番目の子の7番目の子は、次のように示されます。

0:3:7

WLSTのdisplayLogsコマンドを使用して、同一のECIDのメッセージをすべて表示できます。次の例は、ドメインでECIDを検索します。

displayLogs(ecid='0000Hl9TwKUCslT6uBi8UH18lkWX000002')

ターゲット・オプションで指定することにより、WebLogic Serverインスタンスやシステム・コンポーネントでECIDを検索することも可能です。

Fusion Middleware Controlの「ログ・メッセージ」ページで特定のECIDを持つメッセージを検索できます。

  1. 「WebLogicドメイン」メニューで、「ログ」→「ログ・メッセージの表示」を選択します。

    特定のコンポーネントまたはアプリケーションのメッセージを検索する際は、該当するコンポーネントまたはアプリケーションを選択し、そのターゲットのメニューから「ログ」→「ログ・メッセージの表示」を選択します。

  2. 第12.3.2.1.2項の説明に従って、検索条件を指定します。

  3. 検索」をクリックします。

  4. メッセージを選択して「関連メッセージの表示」をクリックし、「ECID(実行コンテキストID)ごと」を選択します。

    次の図のように、ECIDが同じメッセージが表示されます。

    ecid.gifの説明が続きます
    図 ecid.gifの説明

  5. 最も古いメッセージまでECIDをトレースします最も古いメッセージまでECIDをトレースします(そのECIDを持つ最初のメッセージが表示されるまで、範囲を拡大できます)。

12.6 トレースの構成

場合によっては、問題を解決するために、通常のログに記録されるよりも多くの情報が必要になることがあります。これを実現する方法の一つは、1つまたは複数のコンポーネントで記録されるログのメッセージ・レベルを上げることです。たとえば、第12.4.3項で説明されているように、ロギング・レベルをTRACE:1やTRACE:32に設定できます。これにより、より詳細なメッセージがログ・ファイルに書き込まれるようになります。これをトレースと呼びます。

ただし、多くの場合、これによってログ・ファイルに大量のログ・メッセージが書き込まれるようになります。Oracle Fusion Middlewareでは、トレース対象のメッセージを細かく調整するために次のメカニズムを使用できます。

次の各項では、これらのメカニズムの使用方法について説明します。

12.6.1 QuickTraceの構成と使用

QuickTraceを使用すると、特定のログ出力のメッセージをトレースして、そのメッセージをメモリーに格納できます。QuickTraceではメッセージがメモリーに記録されるため、フォーマット設定、文字列操作および入出力操作に伴うコストが回避されます。そのため、パフォーマンスのオーバーヘッドを気にすることなく、特定のログ出力に対して詳細レベルでのアプリケーション・ロギングを有効化できます。

デフォルトでは、QuickTraceは1つの共通バッファにメッセージを書き込みます。一方で、特定のユーザーのメッセージが個別のバッファに書き込まれるように指定できます。

メモリーに格納されたメッセージは、Fusion Middleware ControlでQuickTraceダンプを起動する(第12.6.1.1.2項を参照)か、WLSTを使用する(第12.6.1.2.2項を参照)ことによってファイルに保存できます。

QuickTraceを有効にするには、QuickTraceハンドラを作成してログ出力に関連付けます。ハンドラには、バッファ・サイズなどの属性を指定できます。続いて、ログ出力がメモリーに書き込む情報の量およびタイプのレベルを設定します。

次の各項では、QuickTraceの有効化と使用方法について説明します。

12.6.1.1 Fusion Middleware Controlを使用したQuickTraceの構成

次の各項で説明するように、Fusion Middleware Controlを使用して、QuickTraceを構成および使用できます。

12.6.1.1.1 Fusion Middleware Controlを使用したQuickTraceの構成

Fusion Middleware Controlを使用してQuickTraceを構成する手順は次のとおりです。

  1. ナビゲーション・ペインで、ファームを開いてから、「WebLogicドメイン」を開き、そのドメインを開きます。管理対象サーバー名を右クリックして、「ログ」→「ログ構成」を選択します。

    「ログ構成」ページが表示されます。

  2. 「QuickTrace」タブを選択します。

  3. 作成」をクリックします。

    次の図に示すように、「QuickTraceハンドラの作成」ダイアログ・ボックスが表示されます。

    quicktrace.gifの説明が続きます
    quicktrace.gifの説明

  4. 名前」に、ハンドラの名前を入力します。

  5. バッファ・サイズ」に、ログ・メッセージをメモリーに格納するためのバッファ・サイズ(バイト)を入力します。デフォルトは5242880です。

  6. 最大フィールド長」に、メッセージの各フィールドの長さ(バイト)を入力します。フィールドには、メッセージ・テキスト、サプリメンタル属性およびスレッド名を含めることができます。デフォルトは240です。

    各メッセージのフィールドが長すぎると、バッファ内に格納できるログ・レコードの量が少なくなります。

  7. ハンドラ・レベル」で、ハンドラのログ・レベルを選択します。レベルについては、第12.4.3項を参照してください。

  8. 関連付けるログ出力」で、このQuickTraceハンドラに関連付けるログ出力を選択します。これらのハンドラに指定されたレベルのメッセージはすべて、メモリーに書き込まれます。

    様々なログ出力が他のハンドラに関連付けられています。たとえば、oracle.adfログ出力は、ハンドラodl-handler、wls-domainおよびconsole-handlerに関連付けられています。ログ出力のレベルを設定すると、これらのハンドラはログ出力(oracle.adfなど)に対して同一のレベル(TRACE:1など)を使用します。そのため、ログ・ファイルに大量の情報が書き込まれ、リソースが消費されます。リソースの消費を回避するには、ハンドラのレベルを低いレベル(WARNINGやINFORMATIONなど)に設定します。

  9. ユーザー・バッファを有効にする場合は、「ユーザー・バッファを有効化しますか。」を選択します。これを有効にすると、ハンドラは、指定された各ユーザーに対して個別のバッファを保持します。

    続いて、「予備バッファのユーザー名」に、コンマ区切りのユーザー名を入力します。

  10. 残りのオプションについては、デフォルト値を受け入れます。オプションについては、Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンスのConfigureLogHandlerに関する項を参照してください。

  11. OK」をクリックします。

  12. 構成処理が完了したら、「OK」をクリックします。

これで、指定したログ出力の指定したレベルのメッセージが、メモリーに書き込まれるようになりました。

12.6.1.1.2 Fusion Middleware Controlを使用したトレース・メッセージのファイルへの書き込み

Fusion Middleware ControlでQuickTraceダンプを起動して、メモリーに格納されたメッセージをファイルに保存できます。

  1. 「ログ構成」ページの「QuickTrace」タブで、ハンドラを選択し、「QuickTraceダンプの起動」をクリックします。

    「QuickTraceダンプの起動」ダイアログ・ボックスが表示されます。

  2. QuickTraceハンドラの構成時にユーザー・バッファを指定した場合は、「バッファ名」でユーザーを選択するか、指定しなかったユーザーに対して「共通バッファ」を選択します。いずれのユーザー・バッファも選択しなかった場合には、「共通バッファ」のみを選択できます。

  3. OK」をクリックします。

    処理が完了すると、「ログ・メッセージの表示」ページが表示されます。

  4. 第12.3.2項の説明に従って、メッセージを検索できます。また、第12.5項の説明に従って、メッセージを関連付けることができます。

    さらに、第12.3.3.1項.の説明に従って、メッセージをファイルにダウンロードすることもできます。

12.6.1.2 WLSTを使用したQuickTraceの構成

次の各項で説明するように、WLSTを使用して、QuickTraceを構成および使用できます。

12.6.1.2.1 WLSTを使用したQuickTraceの構成

WLSTを使用してQuickTraceを構成するには、configureLogHandlerコマンドを使用して、ログ出力をQuickTraceハンドラに関連付けます。

たとえば、oracle.adfログ出力をQuickTraceハンドラに関連付けて、TRACE:1のメッセージをすべてメモリーに書き込む手順は次のとおりです。

  1. configureLogHandlerコマンドを使用して、ログ出力をQuickTraceハンドラに関連付けます。

    configureLogHandler(name="quicktrace-handler", addToLogger="oracle.adf")
    
    Handler Name: quicktrace-handler
    type:   oracle.core.ojdl.logging.QuickraceHandlerFactory
    useLoggingContext:      false
    bufferSize:     5242880
     .
     .
     .
    enableUserBuffer:       false
    

    ハンドラのメッセージが共通バッファに書き込まれます。

    QuickTraceハンドラに追加のプロパティを設定できます。たとえば、user1およびuse2のユーザー・バッファを有効にするには次のようにします。

    configureLogHandler(name="quicktrace-handler", addToLogger="oracle.adf.faces",
          propertyName="enableUserBuffer", propertyValue="true",
          propertyName="reserveBufferUserID", propertyValue="user1, user2")
    ...
    Handler Name: quicktrace-handler
    type:   oracle.core.ojdl.logging.QuickTraceHandlerFactory
    useLoggingContext:      false
    bufferSize:     5242880
     .
     .
     .
    reserveBufferUserID:    user1, user2
    enableUserBuffer:       true
    

    user1およびuser2のメッセージは別々のバッファに書き込まれます。また、他のユーザーに関連するメッセージは共通バッファに書き込まれます。

    ハンドラの設定を確認するには、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のlistLogHandlersに関する説明の説明に従って、listLogHandlersコマンドを使用します。

  2. setLogLevelコマンドを使用して、ログ出力のレベルを設定します。

    setLogLevel(logger='oracle.adf', level='TRACE:1')
    

    ログ出力の設定を確認するには、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のlistLoggersに関する説明に従って、listLoggersコマンドを使用します。

  3. 様々なログ出力が他のハンドラに関連付けられています。たとえば、oracle.adfログ出力は、ハンドラodl-handler、wls-domainおよびconsole-handlerに関連付けられています。ログ出力のレベルを設定すると、これらのハンドラはログ出力oracle.adfに対して同一のレベル(TRACE:1)を使用します。そのため、ログ・ファイルに大量の情報が書き込まれ、リソースが消費されます。リソースの消費を回避するには、ハンドラのレベルを低いレベル(WARNINGやINFORMATIONなど)に設定します。

    次の例では、3つのハンドラのレベルをWARNING:1に設定します。

    configureLogHandler(name="odl-handler", level="WARNING:1")
    configureLogHandler(name="wls-domain", level="WARNING:1")
    configureLogHandler(name="console-handler", level="WARNING:1")
    

    QuickTraceハンドラのレベルは、ALL(デフォルト)のままにしておいてください。


関連項目:

Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンスのコマンド「configureLogHandler」


このハンドラのレベルを確認するには、第12.4.3.2項の説明に従ってgetLogLevelコマンドを使用します。

12.6.1.2.2 WLSTを使用したトレース・メッセージのファイルへの書き込み

メッセージをファイルに保存するには、executeDumpコマンドを使用します。

次に例を示します。

executeDump(name="odl.quicktrace", outputFile="/scratch/oracle1/qt1.dmp")

コマンドにより、指定したファイルにダンプが書き込まれます。

executeDumpコマンドの詳細は、第13.4.4.3項.を参照してください。

また、インシデントが(自動または手動で)作成されると、インシデント・ディレクトリのダンプ・ファイルにQuickTraceメッセージが書き込まれます。ユーザー・バッファを有効にしている場合、各ユーザーは1つのファイルを使用します。また、共通バッファでも1つのファイルを使用します。

ファイル名のフォーマットは次のとおりです。

odl_quicktraceN_iincident_number.username.dmp

次に例を示します。

odl_quicktrace6_i1.weblogic.dmp

インシデントの作成については、第13.4.5.1項を参照してください。

12.6.1.2.3 WLSTを使用したQuickTraceの無効化

QuickTraceを無効化するには、configureLogHandlerコマンドを使用して、levelにOFFを指定します。

configureLogHandler(name="quicktrace-handler", level="OFF")

Handler Name: quicktrace-handler
type:   oracle.core.ojdl.logging.QuickraceHandlerFactory
 .
 .
 .
reserveBufferUserID:    user1, user2
enableUserBuffer:       true

QuickTraceハンドラの関連付けから特定のログ出力を削除するには、configureLogHandlerコマンドを使用してremoveFromLoggerパラメータを指定します。

configureLogHandler(name="quicktrace-handler", removeFromLogger="oracle.adf.faces")

Handler Name: quicktrace-handler
type:   oracle.core.ojdl.logging.QuickraceHandlerFactory
reserveBufferUserID:    user1, user2
enableUserBuffer:       true

関連項目:

Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンスのコマンド「configureLogHandler」


12.6.2 選択的トレースの構成と使用

選択的トレースは、リクエスト内の指定したユーザーまたは他の属性について、きめ細かなロギングを行います。

たとえば、セキュリティ権限が原因で、あるユーザーが一部の機能を実行できない場合に、どの操作に問題があるのか、あるいはどの操作の権限が不足しているのか、わからないことがあります。

このような場合、システム全体を通じてトレースを有効にすることもできますが、そうすることで問題のあるユーザーのみならず、システム内のすべてのユーザーに対してログ・メッセージが大量に生成されることになります。選択的トレースを使用すると、問題のあるユーザーのみに対してトレースを有効化できます。また、機能を再試行するかどうか、そのユーザーに尋ねることができます。そして、そのユーザーが行った特定のリクエストに該当するトレース・メッセージを調べることができます。

ログ出力を指定して、ログに記録されるメッセージの範囲を絞り込むこともできます。

選択的トレースを使用する前に、次の手順を実行します。

  1. 次のファイルを変更します。

    (UNIX) DOMAIN_HOME/bin/setDomainEnv.sh
    (Windows) DOMAIN_HOME\bin\setDomainEnv.cmd
    
  2. ファイルに次の行を追加します。

    • UNIXの場合:

      JAVA_OPTIONS="-Djava.util.logging.manager=oracle.core.ojdl.logging.ODLLogManager ${JAVA_OPTIONS}"
      export JAVA_OPTIONS
      MWCONFIG_CLASSPATH=${FMWCONFIG_CLASSPATH}${CLASSPATHSEP}${COMMON_COMPONENTS_HOME}/modules/oracle.odl_11.1.1/ojdl.jar
      export FMWCONFIG_CLASSPATH
      
    • Windowsの場合:

      set JAVA_OPTIONS=-Djava.util.logging.manager=oracle.core.ojdl.logging.ODLLogManager %JAVA_OPTIONS%
      FMWCONFIG_CLASSPATH=%FMWCONFIG_CLASSPATH%;%COMMON_COMPONENTS_HOME%\modules\oracle.odl_11.1.1\ojdl.jar
      
  3. 第4.2項の説明に従って、管理サーバーおよび管理対象サーバーを再起動します。

前のバージョンから11.1.1.5にドメインをアップグレードしている場合は、次の手順を実行する必要があります。

  1. 次のファイルをバックアップします。

    (UNIX) ORACLE_COMMON_HOME/modules/oracle.odl_11.1.1/domain_config/mbeans/odl_mbeans.xml
    (UNIX) ORACLE_COMMON_HOME/modules/oracle.odl_11.1.1/server_config/mbeans/odl_mbeans.xml
    (Windows) ORACLE_COMMON_HOME\modules\oracle.odl_11.1.1\domain_config\mbeans\odl_mbeans.xml
    (Windows) ORACLE_COMMON_HOME\modules\oracle.odl_11.1.1\server_config\mbeans\odl_mbeans.xml
    
  2. 次のファイルをコピーします。

    (UNIX) ORACLE_COMMON_HOME/modules/oracle.odl_11.1.1/domain_config/mbeans/odl_mbeans.xml
    (Windows) ORACLE_COMMON_HOME\modules\oracle.odl_11.1.1\domain_config\mbeans\odl_mbeans.xml
    

    次の場所にファイルをコピーします。

    (UNIX) DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/mbeans/odl_mbeans.xml
    (Windows) DOMAIN_HOME\config\fmwconfig\mbeans\odl_mbeans.xml
    
  3. 次のファイルをコピーします。

    (UNIX) ORACLE_COMMON_HOME/modules/oracle.odl_11.1.1/server_config/mbeans/odl_mbeans.xml
    (Windows) ORACLE_COMMON_HOME\modules\oracle.odl_11.1.1\server_config\mbeans\odl_mbeans.xml
    

    次の場所にファイルをコピーします。

    (UNIX)DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/server_name/mbeans/odl_mbeans.xml  
    (Windows) ORACLE_COMMON_HOME\modules\oracle.odl_11.1.1\server_name\mbeans\odl_mbeans.xml
    

    複数のサーバーを使用している場合は、各サーバーの場所にファイルをコピーする必要があります。

次の各項で説明するように、Fusion Middleware ControlまたはWLSTコマンドを使用して、選択的トレースを使用できます。

12.6.2.1 Fusion Middleware Controlを使用した選択的トレースの構成

次の各項で説明するように、Fusion Middleware Controlを使用して、選択的トレースの構成、トレースの表示および選択的トレースの無効化を行うことができます。

12.6.2.1.1 Fusion Middleware Controlを使用した選択的トレースの構成

Fusion Middleware Controlを使用して選択的トレースを構成する手順は次のとおりです。

  1. ナビゲーション・ペインで、ファームを開いてから、「WebLogicドメイン」を開きます。ドメイン名を右クリックして、「ログ」→「選択的トレース」を選択します。

    次の図に示すように、「選択的トレース」ページが表示されます。

    selecttrace.gifの説明が続きます
    selecttrace.gifの説明

  2. オプション名」で、「ユーザー名」、「アプリケーション名」、「クライアント・ホスト」などのオプションを選択します。続いて、名前(user1など)を入力します。

  3. レベル」で、ロギング・レベルを選択します。表12-3にロギング・レベルを示します。

  4. 説明」に、説明を入力します。

  5. 期間」に、選択的トレースの実行時間を分単位で入力します。

    指定した時間を過ぎると、選択的トレースは無効化されます。

  6. 「トレースID」で、「一意の新規トレースIDの生成」または「カスタム・トレースIDの使用」のいずれかを選択します。「カスタム・トレースIDの使用」を選択する場合は、任意の選択IDを入力しますが、それが一意のIDであることを確認してください。Fusion Middleware Controlは、IDの一意性を検証しません。

  7. デフォルトでは、「ログ出力」セクションで、すべてのログ出力が選択されています。

    トレースする特定のログ出力を選択できます。特定のログ出力を検索するには、表の上部にあるフィールドに文字列を入力して、[Return]キーを押します。たとえば、「oracle.security」で始まるログ出力をすべて検索するには、「oracle.security」と入力します。

    続いて、表の「すべてのサーバーで有効化しますか。」列でログ出力を選択します。

    ログ出力を選択すると、それらのログ出力は、現在アクティブなすべてのトレースに適用されます。また、ログ出力を無効にした場合でも、すべてのログ出力で一般的なロギング・レベル(Notificationなど)が使用されているため、メッセージが表示される場合があります。これらのメッセージは、引き続き書き込まれます。

  8. 適用」をクリックします。

  9. トレースを開始」をクリックします。

これで、トレースが開始されました。第12.6.2.1.2項の説明に従って、アクティブなトレースと以前のトレースを表示できます。

12.6.2.1.2 Fusion Middleware Controlを使用した選択的トレースの表示

現在アクティブな選択的トレースおよび選択的トレースの履歴を表示できます。

選択的トレースを表示する手順は次のとおりです。

  1. 「選択的トレース」ページで、「アクティブなトレースとトレース履歴」タブを選択します。

    次の図に示すように、アクティブなトレースの表とトレース履歴の表がタブに表示されます。

    activetrace.gifの説明が続きます
    activetrace.gifの説明

  2. トレースを表示するには、該当する表からトレースを選択します。

    「ログ・メッセージ」ページが表示され、選択的トレースで収集されたメッセージが表示されます。第12.3.2項の説明に従って、メッセージを検索できます。また、第12.5項の説明に従って、メッセージを関連付けることができます。

    さらに、第12.3.3.1項.の説明に従って、メッセージをファイルにダウンロードすることもできます。

12.6.2.1.3 Fusion Middleware Controlを使用した選択的トレースの無効化

Fusion Middleware Controlを使用して選択的トレースを無効化する手順は次のとおりです。

  1. ナビゲーション・ペインで、ファームを開いてから、「WebLogicドメイン」を開きます。ドメイン名を右クリックして、「ログ」→「選択的トレース」を選択します。

  2. アクティブなトレースとトレース履歴」タブを選択します。

  3. 「アクティブなトレース」表で、トレースを選択して「無効化」をクリックします。

12.6.2.2 WLSTを使用した選択的トレースの構成

次の各項で説明するように、WLSTを使用して、選択的トレースの構成、トレースの表示および選択的トレースの無効化を行うことができます。

12.6.2.2.1 WLSTを使用した選択的トレースの構成

WLSTのconfigureTracingLoggersコマンドとstartTracingコマンドを使用して、選択的トレースのログ出力を構成し、トレースを開始できます。

最も簡単に行うには、startTracingコマンドを使用してトレースを構成および開始します。これを行うと、選択的トレースが有効化されているすべてのログ出力が選択的トレースに含まれます。

たとえば、user1は特定の操作を実行しようとするとエラーを受け取ります。user1に関連するメッセージのトレースを開始して、ロギング・レベルをFINEに設定するには、次のコマンドを使用します。

startTracing(user="user1",level="FINE")
Started tracing with ID: 885649f7-8efd-4a7a-9898-accbfc0bbba3 

startTracingコマンドには、特定のログ出力を含めるまたは除外するためのオプションはありません。そのような場合には、configureTracingLoggersコマンドを使用します。このコマンドを使用すると、特定のログ出力と特定のOracle WebLogic Serverインスタンスのみを含むように選択的トレースを構成できます。指定するオプションは、現在アクティブなすべてのトレースに適用されます。

たとえば、セキュリティ関連のログ出力のみを含むように選択的トレースを構成する手順は次のとおりです。

  1. 次の例に示すように、トレースに関するすべてのログ出力が無効化されるように指定します。

    configureTracingLoggers(action="disable")
    Configured 1244 loggers
    
  2. 正規表現でパターン・オプションを指定して、セキュリティ関連のログ出力を有効化します。

    configureTracingLoggers(pattern='oracle.security.*', action="enable")
    Configured 62 loggers
    

    選択的トレースをサポートするログ出力のリストを表示するには、次の例に示すように、WLSTのlistTracingLoggersコマンドを使用します。

    listTracingLoggers(pattern="oracle.security.*")
    ------------------------------------------------------------------+--------
    Logger                                                            | Status 
    ------------------------------------------------------------------+--------
    oracle.security                                                   | enabled
    oracle.security.audit.logger                                      | enabled
    oracle.security.jps.az.common.util.JpsLock                        | enabled
     .
     .
     .
    
  3. startTracingコマンドを使用して、ユーザーとレベルを指定します。次に例を示します。

    startTracing(user="user1",level="FINE")
    Started tracing with ID: a9580e65-13c4-420b-977e-5ba7dd88ca7f
    

関連項目:

完全な構文は、Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンスの次のコマンドを参照してください。

  • configureTracingLoggers

  • startTracing

  • listTracingLoggers


12.6.2.2.2 WLSTを使用した選択的トレースの表示

トレースを開始した後で、次の例に示すように、listActiveTracesコマンドを使用してアクティブなトレースを表示できます。

listActiveTraces()
-------------------------------------+----------+-----------+------+-----------+-----------
Trace ID                             |Attr. Name|Attr. Value| Level| Exp. Time |Description
-------------------------------------+----------+-----------+------+-----------+-----------
a9580e65-13c4-420b-977e-5ba7dd88ca7f |USER_ID   |user1      | FINE |           |           
a04b47f7-2830-4d80-92ee-ba160cdacf6b |USER_ID   |user2      | FINE |           |           

トレースの内容を表示するには、displayLogsコマンドを使用してトレースIDを渡します。停止されたトレースを表示することもできます。次に例を示します。

displayLogs("a9580e65-13c4-420b-977e-5ba7dd88ca7f")

関連項目:

完全な構文は、Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンスのlistActiveTracesコマンドを参照してください。


12.6.2.2.3 WLSTを使用した選択的トレースの無効化

システムで過度のロギングが行われないようにするには、必要な情報を取得した後で選択的トレースを無効化します。選択的トレースを無効化するには、WLSTのstopTracingコマンドを使用して、トレースIDまたはユーザーを渡します。次に例を示します。

stopTracing(traceId="885649f7-8efd-4a7a-9898-accbfc0bbba3")
Stopped 1 traces

stopAllオプションを使用して、すべてのトレースを無効化することもできます。次に例を示します。

stopTracing(stopAll=1)

関連項目:

完全な構文は、Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンスのstopTracingコマンドを参照してください。