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Oracle® Fusion Middlewareインストレーション・プランニング・ガイド
11gリリース1(11.1.1.6.0)
B55906-05
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2 Oracle Fusion Middlewareの概念とディレクトリ構造の理解

インストール・プロセスでは、様々なディレクトリの場所を指定するよう要求されます。この項では、これらの各ディレクトリを定義し、各ディレクトリの内容について説明します。

この章は、次の項で構成されています。

2.1 Oracle Fusion Middlewareの概念

すべてのユーザー向けの重要なOracle Fusion Middleware概念の詳細は、『Oracle Fusion Middleware概要』を参照してください。

2.2 Oracle Fusion Middlewareのディレクトリ構造

この項では、Oracle Fusion Middleware製品のインストール時に作成される各種ディレクトリについて説明します。

2.2.1 MiddlewareホームとWebLogic Serverホーム・ディレクトリ

すべてのOracle Fusion Middleware製品(Oracle Web TierおよびOracle Identity Management(Oracle Internet Directoryを含む)を除く)は、ご使用のシステム上でアプリケーション・サーバーを必要とします。すべてのOracle Fusion Middleware製品では、Oracle WebLogic Serverがアプリケーション・サーバーとしてサポートされています。11gリリース1(11.1.1.4.0)以降、Oracle Application Developer、Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suiteも、IBM WebSphereをアプリケーション・サーバーとしてサポートしています。

すべてのOracle Fusion Middleware製品のトップレベル・ディレクトリはMiddlewareホームと呼ばれ、このディレクトリは、Oracle WebLogic Serverホーム、Oracle Commonホームおよび1つ以上の製品Oracleホームのコンテナとして機能します。Oracle WebLogic Serverがアプリケーション・サーバーとしてインストールされると、Middlewareホーム・ディレクトリが作成されます。Oracle WebLogic Serverがインストールされると、WebLogic Serverホーム・ディレクトがMiddlewareホーム内部に作成されます。図2-1は、典型的なOracle WebLogic Serverインストール後のディレクトリ構造を示します。

図2-1 Oracle WebLogic Serverインストール後のディレクトリ構造

図2-1の説明が続きます
「図2-1 Oracle WebLogic Serverインストール後のディレクトリ構造」の説明

Oracle WebLogic Serverのインストールによって作成された場合のMiddlewareホームにおける重要なディレクトリとしては、WebLogic Serverホーム(wlserver_10.3)、製品のインストールに使用できるJDKのディレクトリ(jdk160_27)、Oracle Service Busによってビジネス・サービス結果キャッシュ機能として使用されるOracle Coherenceディレクトリがあります(coherence_3.7)。

図2-2に示すとおり、IBM WebSphereをアプリケーション・サーバーとして使用する場合は、Oracle Fusion Middleware製品がインストールされるMiddlewareホーム・ディレクトリを手動で作成する必要があります。MiddlewareホームとWebSphereホームとは互いに関係していないので、システムで任意の場所に配置できます。

図2-2 IBM WebSphereインストール後のディレクトリ構造とMiddlewareホーム

図2-2の説明が続きます
「図2-2 IBM WebSphereインストール後のディレクトリ構造とMiddlewareホーム」の説明

アプリケーション・サーバーが不要のOracle Web TierまたはOracle Identity Management(Oracle Internet Directoryを含む)をインストールする場合でも、ご使用のシステムにMiddlewareホームを手動で作成する必要があります。

2.2.2 Oracleホーム・ディレクトリとOracle Commonホーム・ディレクトリ

各Oracle Fusion Middleware製品は、それぞれのOracleホームの場所にインストールする必要があります。製品がインストールされると、2つのOracleホーム・ディレクトリが作成されます。それらは、製品のOracleホームとOracle Commonホームです。

製品のソフトウェア・バイナリは、製品のOracleホームにインストールされ、ランタイム・プロセスがこのディレクトリに書き込むことはできません。

Oracle Commonホームには、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware ControlおよびJava Required Files(JRF)に必要なバイナリ・ファイルとライブラリ・ファイルが格納されます。各Middlewareホーム内に配置できるOracle Commonホームは1つだけです。

製品のOracleホーム(図2-3に示す例ではSOA Oracleホーム)とOracle Commonホームのディレクトリは、両方とも既存のMiddlewareホーム・ディレクトリ内に存在する必要があります。

図2-3 Oracleホーム・ディレクトリのあるディレクトリ構造

図2-3の説明が続きます
「図2-3 Oracleホーム・ディレクトリのあるディレクトリ構造」の説明

2.2.2.1 製品のOracleホームの作成

製品のOracleホーム・ディレクトリは、次の方法で作成できます。

  • インストールを実行する前に、システム上にOracleホーム・ディレクトリを作成できます。OracleホームがMiddlewareホーム・ディレクトリ内に存在し、これが空のディレクトリであることが必要であることに注意してください。この後、インストーラの実行時にOracleホームの場所を指定するよう要求されたときに、ここで作成したディレクトリを指定できます。

  • インストーラの実行時には、新しいディレクトリの名前を指定できます。このディレクトリはインストーラによって自動的に作成されて、Middlewareホーム・ディレクトリ内に置かれます。

2.2.2.2 Oracle Commonホームの作成

Oracle Commonホーム・ディレクトリは、次の方法で作成できます。

  • Oracle Application Developerのインストール。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Application Developerインストレーション・ガイド』を参照してください。

  • 任意のOracle Fusion Middleware製品のインストール。Middlewareホーム・ディレクトリ内に、ディレクトリoracle_commonが自動的に作成されます。

2.2.2.3 複数のOracleホームにわたるポート番号のチェック

各製品には、それぞれのOracleホーム・ディレクトリが必要です。複数の製品(したがって、複数のOracleホーム・ディレクトリ)のある環境を作成する場合、staticports.iniファイルを使用することをお薦めします。これによって、システムで使用されるポートがすべて記録されることで競合が防止されます。

staticports.iniファイルを使用するには、インストール時に「ポートの構成」画面で「構成ファイルを使用してポートを指定」を選択します。

2.2.3 WebLogic Serverドメイン

製品をインストールしたら、その製品をWebLogic Serverドメイン内に構成できます。WebLogic Serverドメインの詳細は、『Oracle Fusion Middleware概要』を参照してください。

構成時に「ドメイン名と場所の指定」画面で、ドメインとアプリケーションのデータを格納する場所を指定するように要求されます。特に、次を指定するように要求されます。

  • ドメイン名

  • ドメインの場所

  • アプリケーションの場所

ドメインの場所とドメイン名は組み合されて、ドメイン・ホームとして参照されます。たとえば、UNIXオペレーティング・システムで/home/Oracle/Middleware/domainsをドメインの場所として指定し、soa_domainをドメイン名として指定した場合、ドメイン・ホームは/home/Oracle/Middleware/domains/soa_domainになります。

アプリケーションの場所とドメイン名は組み合されて、アプリケーション・ホームとして参照されます。たとえば、Windowsオペレーティング・システムでC:\Oracle\Middleware\applicationsをアプリケーションの場所として指定した場合、アプリケーション・ホームはC:\Oracle\Middleware\applications\soa_domainになります。

指定されたドメインの場所とアプリケーションの場所の両方において、指定されたドメイン名のディレクトリが作成されることに注意してください。

ドメイン・ホームおよびアプリケーション・ホームは、システム上の任意の場所に作成できます。構成ウィザードを実行すると、ドメイン・ホームのデフォルトの場所は、Middlewareホームの下のuser_projects/domainsになります。アプリケーション・ホームのデフォルトの場所も同様に、Middlewareホームの下のuser_projects/applicationsです。MiddlewareホームとOracleホーム・ディレクトリの両方の外部にドメイン・ホームとアプリケーションのホームを作成することをお薦めします。これによって、MiddlewareホームやOracleホームにパッチを適用する必要がある場合でも、ドメインとアプリケーションの情報は変更されません。

ドメイン構成情報の詳細は、ご使用の製品に付属しているインストレーション・ガイドを参照してください。ドメインをエンタープライズ本番環境で構成する場合における推奨内容については、ご使用の製品に付属しているエンタープライズ・デプロイメント・ガイドを参照してください。

図2-4 WebLogic Serverドメイン作成後のディレクトリ構造

図2-4の説明が続きます
「図2-4 WebLogic Serverドメイン作成後のディレクトリ構造」の説明

2.2.4 複数の製品と複数のWebLogic Serverドメイン

複数の製品をインストールし、各製品に対して個別のドメインを作成する場合、ディレクトリ構造は次の図2-5のようになります。

図2-5 複数のOracle Fusion Middleware製品のあるディレクトリ構造

図2-5の説明が続きます
「図2-5 複数のOracle Fusion Middleware製品のあるディレクトリ構造」の説明

各製品にはそれぞれのOracleホーム・ディレクトリが必要であることに注意してください。すべての製品のOracleホーム・ディレクトリを区別するために、インストレーション・ガイドでは一般的に、各Oracleホームを製品名で参照します。たとえば、Oracle SOA SuiteのOracleホームは、SOA Oracleホームと呼ばれます。Oracle WebCenter SuiteのOracleホームは、WebCenter Oracleホームと呼ばれます。

2.2.4.1 複数のドメインを作成する場合の注意事項

単一マシン上に複数のドメインを作成する場合は、各ドメインに一意の名前を付けてください。構成ウィザードを実行してドメインの作成と構成を行う際、一意のドメイン名を「ドメイン名と場所の指定」画面で必ず指定してください。たとえば、図2-5では、WebCenterのドメイン名はwc_domain、SOAのドメイン名はsoa_domainとなります。詳細は、製品のインストレーション・ガイドを参照してください。

また、複数のドメインを構成する場合には、各ドメインにある管理サーバーと管理対象サーバーには、必ず一意のポート番号を使用してください。ポート番号は、複数のドメインにわたってシステムでチェックする機能がないため、手動で追跡する必要があります。

管理サーバーのポート番号をカスタマイズするには、構成ウィザードの「オプションの構成を選択」画面で「管理サーバー」を選択します。これにより「管理サーバーの構成」画面が表示されるので、そこで管理サーバーのポート番号を指定できます。

管理対象サーバーのポート番号をカスタマイズするには、構成ウィザードの「オプションの構成を選択」画面で「管理対象サーバー、クラスタ、およびマシン」を選択します。これにより「管理対象サーバーの構成」画面が表示されるので、そこで管理対象サーバーのポート番号を指定できます。

2.2.4.2 複数製品および複数ドメインの詳細

複数製品および複数ドメインの詳細は、表3-2「Oracle Fusion Middlewareの高可用性およびエンタープライズ・デプロイメント・ガイド」に示すドキュメントを参照してください。

2.2.5 既存のドメインの拡張

インストールおよび構成時に、ドメインを新しく作成するのでなく、既存のドメインを拡張することもできます。ドメインの拡張とは、既存のドメインに製品および機能を追加することを意味します。たとえば、最初にOracle SOA Suiteをインストールして新しいドメインを作成した後、その既存のOracle SOA Suiteドメインを拡張してOracle WebCenterをインストールする場合のトポロジは図2-6のようになります。

図2-6 単一ドメイン内に複数のOracle Fusion Middleware製品のあるディレクトリ構造

図2-6の説明が続きます
「図2-6 単一ドメイン内に複数のOracle Fusion Middleware製品のあるディレクトリ構造」の説明

基本的には、Oracle WebCenter Suiteの製品および機能を既存のOracle SOA Suiteドメインに追加することになります。

すべてのOracle Fusion Middleware製品が、他のOracle Fusion Middleware製品と組み合せて構成および使用できるとはかぎりません。ご使用のドメインに複数の製品を構成する場合は、『Oracle Fusion Middleware相互運用および互換性ガイド』のドメイン拡張の相互運用性に関する説明を参照してください。

2.2.6 OracleインスタンスおよびWebLogic Serverドメイン

図2-7は、2つの製品がインストールされ、一方の製品(Oracle SOA Suite)がWebLogic Serverドメイン内に構成され(Javaコンポーネントで構成されているため)、他方の製品(Oracle WebTier)がOracleインスタンス内に構成されている(システム・コンポーネントで構成されているため)場合のディレクトリ構造を示しています。

図2-7 OracleインスタンスとWebLogic Serverドメインのあるディレクトリ構造

図2-7の説明が続きます
「図2-7 OracleインスタンスとWebLogic Serverドメインのあるディレクトリ構造」の説明

Javaコンポーネントとシステム・コンポーネントの詳細は、Oracle Fusion Middlewareの管理者ガイドのOracle Fusion Middlewareの主要概念に関する説明を参照してください。