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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverノード・マネージャ管理者ガイド
11g リリース1 (10.3.6)
B60998-04
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6 ノード・マネージャの使用

次の項では、Javaベースのノード・マネージャとスクリプト・ベースのノード・マネージャを起動および停止する方法について説明します。また、ノード・マネージャを使用してサーバーを起動する際の推奨手順も示します。

ノード・マネージャの起動

Windowsでは、「スタート」メニューのショートカットからノード・マネージャを起動できます(「ツール」>「ノード・マネージャ」)。

起動サービスとしてのノード・マネージャの実行

スタートアップ・サービスとして、ノード・マネージャのインストールをお薦めします。これによって、システムが再起動されるたびに、ノード・マネージャが自動で起動されます。『Oracle WebLogic Serverインストレーション・ガイド』のWindowsサービスとしてのノード・マネージャのインストールに関する項を参照してください。


注意:

UNIXプラットフォームでは、ノード・マネージャをルート・ユーザーとして実行しないでください。

デフォルトでは、ノード・マネージャはローカル・ホストのみからリスニングします。ノード・マネージャでリモート・システムからのコマンドを受け付けるようにする場合は、デフォルトのノード・マネージャ・サービスをアンインストールして、その後にlocalhost以外のリスニング・アドレスでリスニングするように再インストールします。「Windowsインストール用の起動サービスの再構成」を参照してください。

スクリプトを使用したJavaベースのノード・マネージャの起動

オペレーティング・システム・サービスとしてノード・マネージャを実行することをお薦めしますが、コマンド・プロンプトまたはスクリプトを使用してノード・マネージャを手動で起動することもできます。ノード・マネージャで必要な環境変数については「ステップ8: ノード・マネージャ環境変数の設定」を参照してください。

ノード・マネージャのサンプル起動スクリプトは、WL_HOME\server\binディレクトリにインストールされます。WL_HOMEは、WebLogic Serverの最上位のインストール・ディレクトリです。WindowsシステムではstartNodeManager.cmd、UNIXシステムではstartNodeManager.shを使用します。

これらのスクリプトは必須の環境変数を設定し、WL_HOME/common/nodemanagerでノード・マネージャを起動します。ノード・マネージャは、このディレクトリを出力およびログ・ファイルを格納するための作業ディレクトリとして使用します。別の作業ディレクトリを指定するには、テキスト・エディタで起動スクリプトを編集し、NODEMGR_HOME変数の値を目的のディレクトリに設定します。

サンプル起動スクリプトを編集して、コマンド修飾子でノード・マネージャ・プロセスの適切なリスニング・アドレスおよびポート番号が設定されるようにしてください。

Javaベースのノード・マネージャを起動するためのコマンド構文

Javaベースのノード・マネージャを起動するための構文は次のとおりです。

java [java_option=value ...] -D[nodemanager_property=value] -D[server_
property=value] weblogic.NodeManager

説明:

  • java_optionは、java実行可能ファイルの直接引数(-ms-mxなど)。


    注意:

    CLASSPATH環境変数を設定しなかった場合、-classpathオプションを使用して必須のノード・マネージャ・クラスを指定します。

  • nodemanager_propertyは、ノード・マネージャ・プロパティ。ノード・マネージャ・プロパティ値をコマンド・ラインで指定する代わりに、ノード・マネージャを起動するディレクトリにインストールされているnodemanager.propertiesファイルを編集できます。詳細は、「nodemanager.propertiesのレビュー」を参照してください。

    nodemanager.propertiesの値は、コマンド・ラインで指定するノード・マネージャ・プロパティ値によってオーバーライドされます。

  • server_propertyは、ノード・マネージャがコマンド・ラインで受け付ける、サーバー・レベルのプロパティ。以下のプロパティがあります。

    • bea.home - 現在のマシン上のサーバー・インスタンスが使用するBEAホーム・ディレクトリ。

    • java.security.policy - 現在のマシン上のサーバー・インスタンスが使用するセキュリティ・ポリシー・ファイルのパス。


      注意:

      UNIXシステムの場合:

      SolarisまたはHP-UX以外のUNIXオペレーティング・システム上でノード・マネージャを実行する場合、ノード・マネージャの起動時にjavaコマンド・ラインに渡すパラメータでホワイト・スペースを使用することはできません。たとえば次のコマンドは、"big iron"にスペースが含まれているので無効です。

      -Dweblogic.Name="big iron"
      

      Solaris、HP-UX、およびLinux以外のUNIXオペレーティング・システムでは、ノード・マネージャの起動時にコマンド・ラインでweblogic.nodemanager.nativeVersionEnabledオプションを無効にするか、またはnodemanager.propertiesでプロパティを設定して、pure Javaバージョンを使用する必要があります。詳細は、「nodemanager.propertiesのレビュー」を参照してください。


スクリプト・ベースのノード・マネージャの実行

SSHノード・マネージャのコマンド・シェルを使用するには、次のコマンド・ライン・オプションを使用して、管理サーバーを起動します。

-Dweblogic.nodemanager.ShellCommand='ssh -o PasswordAuthentication=no %H wlscontrol.sh -d %D -r %R
 -s %S -x -c -f sample_custom_startscript.sh %C'

注意:

%Cを、wlscontrol.shに渡す最後の引数にする必要があります。

weblogic.nodemanager.ShellCommand属性には、リモートのSSHノード・マネージャとの通信と、制御下にあるサーバー・インスタンスに対するノード・マネージャ機能の実行に使用するコマンド・テンプレートを指定します。

テンプレートは、ノード・マネージャをホストしているリモート・マシン上のデフォルトのパスにwlscontrol.shがあることを前提としています。

ShellCommand構文は次のとおりです。

ssh -o PasswordAuthentication=no %H wlscontrol.sh -d %D -r %R -s %S %C'

使用可能なコマンド・ライン・オプションを、表6-0に示します。使用可能なパラメータ値を、表6-0に示します。

たとえば、次のコマンドを入力したとします。

ssh -o PasswordAuthentication=no wlscontrol.sh myserver start

SSHサーバーのリスニング・アドレスとリスニング・ポートは、デフォルトではリモート・マシン上のノード・マネージャで使用されるリスニング・アドレスとリスニング・ポートになります。ドメイン名とドメイン・ディレクトリは、ターゲット・サーバー・インスタンスmyserverに対して指定されているルート・ディレクトリと見なされます。

別の例として、次のコマンドを入力したとします。

ssh -o PasswordAuthentication=no 172.11.111.11 wlscontrol.sh -d ProductionDomain
 -r ProductionDomain -s ServerA'

domains/ProductionDomainディレクトリにあるProductionDomainというドメインのサーバー・インスタンスServerASTARTコマンドが発行されます。

SSHコマンドには、次の文字列が含まれていなければなりません。

-o PasswordAuthentication=no

この文字列によって、SSH PasswordAuthenticationオプションが渡されます。値をyesにすると、コンソールから読み込もうとするときにクライアントがハングします。

表6-1 wlscontrol.shコマンド・ライン・オプション

パラメータ 説明

-n

ノード・マネージャのルート・ディレクトリを指定します。

-s

サーバー名を指定します。

-r

ドメイン・ディレクトリを指定します。

-x

ノード・マネージャのデバッグ・フラグを設定します。

-c

サーバー起動スクリプトを有効化します。

-f

サーバー起動スクリプトの名前。

-p

サーバー停止スクリプトの名前。

-h

wlscontrol.shの使用方法を出力します。


表6-2 シェル・コマンド・テンプレート

パラメータ 説明 デフォルト

%H

SSHサーバーのホスト名

NodeManagerMBean.ListenAddress

%N

ノード・マネージャのホーム・ディレクトリ

NodeManagerMBean.NodeManagerHome

%P

SSHサーバーのポート番号

NodeManagerMBean.ListenAddress

22

%S

WebLogic Server名

なし

%D

WebLogicドメイン名

ServerStartMBean.RootDirectory

%R

ドメイン・ディレクトリ(サーバーのルート)

ServerStartMBean.RootDirectory

%C

ノード・マネージャ・スクリプトのコマンド

  • START - サーバーを起動する

  • KILL - サーバーを強制停止する

  • STAT - サーバーのステータスを取得する

  • GETLOG - サーバーの出力ログを取得する

  • VERSION - ノード・マネージャのバージョンを戻す

注意:この要素を、ファイル内の最後の要素にする必要があります。

none 

ノード・マネージャの停止

ノード・マネージャを停止するには、それが実行されているコマンド・シェルを閉じます。

またはnodemanager.propertiesQuitEnabledの属性をtrueに設定した後(デフォルトはfalseです)、WLSTを使用して、ノード・マネージャが接続または停止できます。詳細は、『WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』stopNodeManagerを参照してください。

ノード・マネージャを使用したサーバーの制御

通常、管理サーバーおよび管理対象サーバーの起動と停止には、WebLogic Scripting Toolとノード・マネージャを使用することをお薦めします。この項では、ノード・マネージャを使用してサーバーを起動する際の推奨手順を示します。

詳細は、WLSTとノード・マネージャを使用したサーバー管理に関する項および『WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』の「WLSTコマンドおよび変数リファレンス」を参照してください。

ノード・マネージャを使用した管理サーバーの起動

WLSTとノード・マネージャを使用して管理サーバーを起動する場合は、次の一般的な手順に従うことをお薦めします。

  1. ノード・マネージャを起動します。「ノード・マネージャの起動」を参照してください。

  2. WLSTを呼び出します。

    Windowsの場合は、「スタート」メニューのショートカットで環境変数を設定し、WLSTを呼び出すことができます。

  3. nmConnectコマンドを使用して、WLSTをノード・マネージャに接続します。

  4. nmStartコマンドを使用して管理サーバーを起動します。

管理サーバーが起動したら、WLSTを使用してドメイン内の管理対象サーバーを起動できます。


注意:

nmStartコマンドを使用してサーバーを起動した場合は、ノード・マネージャで管理サーバーの状態をモニターし、起動に失敗した場合に再起動することが可能です。ノード・マネージャによって再起動できるのは、この方法で起動したサーバーのみです。

nmStartを使用すると、特定のプロパティをサーバーに渡すことができます。ただし、デバッグの際にのみ使用するようにしてください。nmStartで渡したサーバー・プロパティは、次回のサーバー再起動時までは保持されません。


管理対象サーバーの起動

WLSTとノード・マネージャを使用して管理対象サーバーを起動する場合は、次の一般的な手順に従うことをお薦めします。

  1. ノード・マネージャを起動します。「ノード・マネージャの起動」を参照してください。

  2. 管理サーバーを起動します。『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』のWebLogic Serverのインスタンスの起動を参照してください。

  3. WLSTを呼出し、connectコマンドを使用して管理サーバーに接続します。

  4. WLST startコマンドを使用して管理対象サーバーを起動します。

startコマンドを使用した場合は、WLSTが管理サーバーにアクセスして管理対象サーバーの起動プロパティを識別します。これらのプロパティは、最終的にはノード・マネージャに渡され、管理対象サーバーの起動に使用されます。

管理サーバーを使用しない管理対象サーバーの起動

管理対象サーバーの起動プロパティの識別に管理サーバーを使用したくない場合は、WLSTとノード・マネージャを使用して、次に示す一般的な手順に従って管理対象サーバーを起動することをお薦めします。

  1. ノード・マネージャを起動します。「ノード・マネージャの起動」を参照してください。

  2. WLSTを呼出し、nmConnectコマンドを使用してノード・マネージャに接続します。

  3. WLST nmStartコマンドを使用して管理対象サーバーを起動します。

nmStartコマンドを使用すると、管理サーバーを使用しなくても、任意のサーバー起動プロパティを指定して管理対象サーバーを再起動できます。ただし、以下の点を考慮に入れてください。

  • その管理対象サーバーを初めて起動する場合は、boot.propertiesstartup.propertiesが定義済みかどうかを手動で確認する必要があります。

  • nmStartでは、サーバーの起動プロパティを恒久的に変更することはできません。それらのプロパティは、次回そのサーバーを管理サーバーから移行または再起動するときには使用されません。

  • サーバーのユーザー名とパスワードをnmStartを使用して渡す場合、これらの値は暗号化されません。